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2021年9月17日

アプリケーションをモダナイズして、場所を問わないクラウド体験を実現する方法

変革のために投資することと、既存の資産を最大限に活用することのバランスを取るための実用的なガイドラインを見てみましょう。
データ主導のワークロード配置戦略により、ビジネスの影響と実現可能性に基づいて投資の優先順位を決めることで、クラウドトランスフォーメーションの成果を最大限に引き出すことができます。多くの組織では、気軽にパブリッククラウドに移行して、依存関係が単純でデータグラビティが低く、セキュリティ、パフォーマンス、ガバナンスの要件による負担が軽いアプリケーションを利用しています。しかし、そのような気軽な移行のあと、壁にぶつかります。

初期の移行がうまくいったあとで、パブリッククラウドに移行するためのコスト、リスク、技術的実現可能性が手に負えなくなる場合があるのです。より優れたソリューションは、コストの削減、パフォーマンスと可用性、セキュリティ体制の向上などの目標に応じて、ワークロードをクラウドに移行することです。

しかし、初期のモダナイゼーションや移行の段階から行き詰まってしまう組織もあります。レガシーアプリケーションの制約がないクラウドベースの企業としてスタートしたのでない限り、2つのコスト、2つの運用モデルでビジネスを続けざるをえません。そして、レガシーのITと併せてクラウドサービスの請求書が毎月届き、総所有コストが増大するという厳しい現実に直面します。

大規模なポートフォリオのモダナイゼーションと移行にかかる労力、時間、機会コストは、組織に非常に大きな影響を与える可能性があります。
ビジネスが古いテクノロジーと新しいテクノロジーの間でどっちつかずになるという罠を避け、完全なデジタルトランスフォーメーションを達成するにはどうすればよいでしょうか。異なる過程やアプローチを選んだ場合、成果は期待できるのでしょうか。組織は、最初にクラウド移行へと踏み切った時と同じ切迫感を持ってこれを実行に移しながら、すべてのビジネスアプリケーションで成功を達成できるのでしょうか。

大規模なポートフォリオのモダナイゼーションと移行にかかる労力、時間、機会コストは、組織に非常に大きな影響を与える可能性があります。目標の達成は簡単ではありません。状況を完全に把握し、いわゆるノイズを排除、または鎮静化しながら、ライフサイクルジャーニーの各ステップで正確かつリアルタイムのデータを収集します。適切な優先順位を選択し、変化のための勢いを生み出し、最適なテクノロジーを活用します。また、その間、常に優れた人材を集めて鼓舞する必要もあります。

アプリケーションとITサービスの関連性を把握する

これを把握するための最初のステップは、ビジネスディスカバリです。ここでは、ビジネスを進めるために何が必要か、誰が何を所有しているか、成長の余地はどの程度残っているか、ビジネスサービスがどのように提供されているかの概要を作成します。このプロセスで把握するのは、どのベンダー、インフラストラクチャ、ハードウェア、ソフトウェアが選択されているかではありません。そうではなく、状況に応じて拡張または縮小できる範囲と能力など、ビジネスの遂行のために必要なITサービスの機能を確認しておきます。

ビジネスディスカバリを完了したら、次はアプリケーションディスカバリに移ります。ここでは、アプリケーションをビジネスサービスにマッピングします。この段階で、ワークロードまたはアプリケーションに関連するサービス水準合意 (SLA) と、ビジネスのバリューチェーンとワークロードの関連性をより詳細に把握する必要があります。目的は、アプリケーションの機能エリア、所有者、ライフサイクル情報、開発または機能のタイムライン、ロードマップを包括的に把握して分析することです。また、各機能コンポーネントが、個々のレベルでそのアセットの重要性とどのように関連しているかも理解する必要があります。驚くことに、多くの組織が、重要なビジネスサービスが利用不可能になるまで、これらのコンポーネントの関連を確認しておく必要性に気づきません。

コンテナーとマイクロサービスを使用する

ソフトウェア開発において、コンテナーやマイクロサービスなどのクラウドネイティブな技術の重要性が急速に増しています。もちろん、人気が高いのには多くの理由があります。そのうちの1つは、それらがデータやステートを管理する方法にあります。ステートレスアプリケーションは、自身のステートに関するデータの読み込みや保存をしません。コンテナー内で実行されるマイクロサービスは、ステートレスであることの利点を享受しています。それによってスケーラビリティ、隔離によるセキュリティ、継続性、開発時間の短縮を実現できるためです。ただし、シンプルなWebアプリケーションにおいてはステートレスであることは問題になりませんが、エンタープライズアプリケーションは頻繁にデータを取得、処理、保存する必要があります。

最新のエンタープライズアプリケーションは、スピンアップし、ジョブを実行し、実行時エラーを隔離し、それからスピンダウンする複数のコンテナーを土台に構築されます。このためには、多くのインフラストラクチャおよびソフトウェアサービスのレイヤーとの慎重な調整が必要です。1つのマイクロサービスの永続ストレージに存在するデータをあらゆるアプリケーションが取得し、そのデータに対して操作を実行し、他のマイクロサービスに渡すことができる場合、その複雑性は急増することになります。

同時に、企業のDevOpsチームは急速に高度化しており、ストレージの要件も同様です。モノリシックなアプリケーションがリファクタリングされ、新しいマイクロサービスベースのアプリケーションが構築され展開されるにつれて、ますます多くのステートフルワークロードがコンテナー内で実行されることになります。コンテナーの永続ストレージサポートは、注意を払う価値のある重要な問題です。多様なハードウェアとソフトウェアの要素を適切な場所に収めることが可能となり、急速に導入が進んでいるためです。コンテナーとストレージを環境内でうまく連携させる必要があります。さもなければ、最終的にはITオペレーション全体に遅れが生じることになります。

幸い、コンテナー化されたアプリケーションに向けた永続ストレージサポートとステート管理は近年劇的に向上しており、今後も向上していくはずです。永続ストレージとステートフルをサポートするコンテナー管理やマイクロサービステクノロジーを導入することで、エンタープライズアプリケーションにクラウドの俊敏性をもたらしつつ、複雑性を管理してリスクを軽減できます。

データ戦略に注意する

既存のアプリケーションとデータにクラウド体験を導入する場合、データの保管場所に注意する必要があります。一部が1つのクラウドや複数のクラウドにあり、残りが企業サーバーの構造化ソース、非構造化ソース、半構造化ソースに存在するということも起こりえます。データの一部に複数のコピーが存在する場合もあります。ユーザがオリジナルのデータセットにアクセスできるようにすることはリスクが高すぎるため、管理者が重複するデータセットまたはサブセットを作成する可能性もあります。

この複雑性は包括的なデータ戦略が欠けていることに起因しており、顧客やパートナーとの間に結んだSLAの達成が困難になるため、企業にとって脅威となる恐れがあります。正規であっても負荷の多い機械学習などのアプリケーションや、大規模な分析クエリを実行している場合、企業に負担がかかり、スケジュール済みのイベントを予定どおりに開始、または完了できなくなることもあります。

一方、包括的なデータ戦略では、データの価値を最大限に活用する多目的システムを低コストで効果的に実行することで、有益なアプリケーション (プロジェクト) をタイムリーに本番環境に移行できるようにします。アナリスト、開発者、データサイエンティストは、包括的かつ整合性のあるデータを使用するとともに、予算の範囲内で、ITに大きな負荷をかけることなく新しいデータソースを追加することができます。これを実現するために、データファブリックは次の重要な機能を備える必要があります。

  • グローバルネームスペース: オンプレミス、パブリッククラウド、またはプライベートクラウドにあるか、ネットワークのエッジ付近に分散しているかにかかわらず、すべてのデータを、単一の同じグローバルネームスペースによって使用できるようにします。
 
  • 複数のプロトコルとデータフォーマット: HDFS、POSIX、NFS、S3、REST、JSON、HBase、Kafkaなど、幅広いプロトコル、データフォーマット、オープンAPIを実装します。
 
  • 自動化されたポリシーベースの最適化: データをどこに保存するか、またそれがホット、ウォーム、コールドストレージのいずれであるかを企業が指定できる必要があります。
 
  • 瞬時に拡張可能なデータストア: 企業のデータニーズは急激に増加する場合があります。データファブリックは、データの増加を妨げるのではなく、それをサポートしなければなりません。
 
  • マルチテナンシーとセキュリティ: データのある場所やデータが実行されているシステムのタイプにかかわらず、一貫した方法で認証、承認、アクセス制御を実行できるようにします。
 
  • 大規模な耐障害性: 使用率が高い場合でも、データファブリックはインスタントスナップショットを提供できなければなりません。また、すべてのアプリケーションが同じようにデータを表示する必要があります。

支援を求める

誰にでも支援が必要です。その場しのぎのクラウドトランスフォーメーションは決して成功しません。特定の時点での適切なバランスを判断し、実行に移すためのプロセスが必要です。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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