Nimble Storageのデータ保護機能を病院情報基盤の安全性向上に活用、障害時の迅速な業務復旧を実現



社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 様

 

 

 

 

 

"診療業務を支える病院の情報インフラには、高度な安定性と柔軟さが求められます。Nimble Storageを新たに採用したことで、性能や容量を気にすることなくシステムを活用できるようになりました"


久留米地区の地域医療を支える聖マリア病院様では、電子カルテシステムや各種医療情報システムが稼動する仮想化基盤用ストレージにNimble Storageを採用。万一の障害時にも短時間で業務復旧が行える高性能・高信頼インフラを実現しています。

 

業界

医療

 

導入以前の課題

・万一のシステム障害時などに迅速な業務復旧が行えるようにすること

・病院情報システムに欠かせない高いパフォーマンスを確保すること

 

ソリューション

・Nimble Storage CS300

・Nimble Storage InfoSight(同梱)

 

導入効果

・相互レプリケーションにより短時間でのシステム再起動が可能に

・SSDキャッシュの効果でI/O負荷の重い電子カルテも軽快に動作

病院の重要な情報資産をいかに守るかが課題に

 

北部九州の行政・交通の要衝として、古くから栄えた歴史を持つ福岡県・久留米市。その閑静な住宅地の一角に、ヘリポートを備えた近代的な建物がそびえています。久留米エリアの中核病院として、地域医療に大きな役割を果たしている社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院です。

「カトリックの愛の精神による保健、医療、福祉および教育の実践」を基本理念とし、全41診療科と1097床の病床を擁する同病院では、脳卒中・心臓病・がんの三大疾病に関わる高度医療から周産期医療、救急医療に至るまで、地域に求められる医療サービスを幅広く提供。地元のかかりつけ医との病診連携にも力を入れているほか、訪問介護ステーションや介護施設の運営なども行っています。

その同病院において今回実施されたのが、日々の医療業務を支える病院情報基盤の刷新です。聖マリア病院 医療情報部 情報システム課 下條 晃氏は、プロジェクトの背景を「当病院では2011年秋にVMware vSphereを導入し、主要な業務システム群の仮想化に踏み切りました。年々増え続けるサーバーを仮想環境に集約し、設置スペースや消費電力などの問題を解消するのがその目的です。この取り組みは非常に成功し、ITインフラの最適化に大きな効果をもたらしました。しかし、その一方で、重要業務データの保護や障害時の業務復旧という面ではまだまだ改善の余地がありました。そこで電子カルテのリプレースを機に、この点をクリアしたいと考えたのです」と説明します。

社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院

医療情報部
情報システム課
下條 晃 氏

Nimble Storageのデータ保護機能に着目

 

元々同病院では、これまでも万一の大規模システム障害などに対応するためのバックアップシステムを保有していました。「しかし、コスト的な問題などで、本番系システムと同等の環境までは用意できなかったため、システムを再起動しようとしてもそれなりの手間と時間が掛かってしまう状態でした。いざという時に即座に業務復旧できる環境を構築することは、病院のIT インフラを預かる我々にとっても長年の懸案だったのです」と下條氏は明かします。

こうした課題を効果的に解消できる製品として、今回新たに導入されたのがNimble Storageです。Nimble Storageには数多くの特長が備わっていますが、その一つとしてスナップショットや筐体間レプリケーションなどのデータ保護機能を、最初から標準搭載している点が挙げられます。このため、高額な追加ライセンスなどを購入しなくとも、容易に高信頼・高可用性環境を実現できるのです。

「院内の異なる病棟に2台のNimble Storageを配置して、常時データストアの相互レプリケーションを行っておけば、もしどちらかの環境に問題が発生した場合も、もう片側の環境で迅速に業務復旧が行えます。しかも、スケールアップ/スケールアウト対応の優れた拡張性も有しているため、将来的にストレージの容量不足などが生じた際にも柔軟に対応できます。当社のITパートナーである株式会社ブレスからNimble Storageの提案を受けた際に、これはいい製品だと感じましたね」と下條氏は続けます。

RPOを24時間から15分に短縮。高い性能と柔軟性も確保

 

2016年1 月より本番稼動を開始した新病院情報基盤には、Nimble Storageのハイブリッドストレージ「CS300」を2台導入。それぞれ実効容量25TB(物理容量36TB)、SSDキャッシュ1.2TBの構成としています。

ちなみに製品選定の過程においては、他ベンダーのストレージ製品との比較検討も行われたとのこと。しかしここでも、Nimble Storageならではの優位性が、高く評価されることとなりました。

ブレス 船津氏は「診療業務の中核を担う電子カルテシステムは、非常にストレージI/O 負荷の重いシステムでもあります。その点、Nimble Storageの独自アーキテクチャである『CASL』には、インライン圧縮技術やSSDリードキャッシュなど、システムの性能を高めるための様々な工夫が盛り込まれています。加えて、オールフラッシュ ストレージのように、多額の導入コストが掛かる心配もありません。ITコスト削減は当病院にとっても重要なテーマですので、この点も大きな決め手になりましたね」と説明します。

現在では電子カルテシステムに加えて、検査、薬剤、栄養指導などの各部門システムや人事・経理システム、グループウェア、メール/ファイルサーバーなど、数多くの業務システムがCS300上に集約されています。これにより、最大の懸案であったデータ保護/業務復旧問題は大きく改善。現在は15分に1回のタイミングでスナップショットを取得し、これを2台のCS300間で相互レプリケーションすることで情報資産の安全性を確保しています。

「以前の運用では、バックアップ専用ストレージへの日次バックアップでしたので、万一の場合も前日の状態にしかデータを戻せなかった。しかし、今回Nimble Storageを導入したことで、RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)を15分にまで短縮することに成功しました。スナップショットやレプリケーションの実行スピードも非常に速いので驚かされましたね。しかも、レプリケーションされたデータストアを利用して迅速に業務を復旧することもできますから、安心感は大幅に向上しました」と下條氏は満足げに語ります。

導入作業も非常にスムーズに進んだとのこと。同病院ではマルチベンダー環境でシステムを構築する方針を採っているため、これまでも様々なベンダーのストレージ製品を導入してきました。このため今回のような初採用の製品については、操作方法の習得やチューニング作業などに時間を取られるのが常だったといいます。「しかし、Nimble StorageはGUI操作で簡単にセットアップが行えますので、ストレージ廻りの構築で苦労するような場面は全く無かった。これまでと比較すると、工数を半分以下に短縮できた印象ですね」とブレス 佐方氏は語ります。

圧縮・重複排除機能の効果も大きく、元々のデータ量に対して約46%程度にまで容量を削減できているとのこと。「限られたリソースを有効に活用できるのは大変ありがたい」と下條氏はにこやかに語ります。

同病院では今後も医事会計システムや医用画像系システムなど、様々な業務システムの改善に取り組む予定です。Nimble Storageが活用される場面も、ますます広がっていくことでしょう。

 

株式会社ブレス

システムソリューション部
技術統括責任者
佐方 友和 氏

株式会社ブレス

システムソリューション部
船津 一雄 氏

ご導入企業様

社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 様


所在地:福岡県久留米市津福本町422番地

URL:http://www.st-mary-med.or.jp/top.php