東京海上日動システムズが、Exchange Online移行プロジェクトを完遂し東京海上グループの「働き方の変革」を加速



東京海上日動システムズ株式会社 様

 

HPE Pointnext Servicesが、Exchangeハイブリッド展開による“前例のない規模”のクラウド移行をトータルに支援

 

国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業、金融・一般事業を幅広く展開する東京海上グループ――その数万のユーザーが日々の業務に活用するメールシステムが全面刷新された。Microsoft Exchange Onlineへの短期間での移行プロジェクトを完遂したのは、東京海上日動システムズである。東京海上グループでは、OutlookだけでなくTeamsなどのMicrosoft 365の活用を推進し、より柔軟で、効率的な働き方への変革を加速させている。HPE Pointnextのアドバイザリ&プロフェッショナルサービスは、東京海上日動システムズと一体となってこの難易度の高いプロジェクトの成功に貢献した。

業界

保険

 

目的

東京海上グループで活用するメール環境の刷新。2020年1月のExchange 2010のサポート終了前に、全ユーザーのExchange Onlineへの移行を完了する。

 

アプローチ

「Exchangeハイブリッド展開」による安全・確実な移行手順とシステムを構築。およそ6か月で数百TB規模のメールボックスをExchange Onlineにサービスを止めることなく移行する。

 

ITの効果

・HPE Pointnextが「Exchangeハイブリッド展開」による安全・確実な移行手順と仕組みづくり、PoC、移行、運用を支援

・2019年12月までに全ユーザーのメールボックス移行を完了し、計画通り東京海上グループでExchange Onlineの利用を開始

・数百TB規模のメールボックス全データの移行をトラブルなしで6か月間で完了

・サービス無停止でデータ移行を完了しビジネス影響を最小化

 

ビジネスの効果

・東京海上グループでの「働き方の変革」の推進に、OutlookやTeamsなどのMicrosoft 365サービスをモバイルを含めて活用

・メール、スケジュール、オンラインコミュニケーション、オフィスアプリケーションを共通化

・Office 365 E3ライセンスを活かしメールシステム全体のコストを削減

・Exchange Onlineへの移行でインフラ機器やソフトウェアのライフサイクルへの考慮が不要に

チャレンジ

Exchange Onlineへの前例のない大規模なデータ移行

 

2019年11月、東京海上グループ全ユーザーのMicrosoft Exchange Onlineへの移行が完了した。2018年6月から始まったプロジェクトは、数々の課題を乗り越えて「全メールデータのサービス無停止での完全移行」を達成した。世界屈指の大規模Exchange環境を「実質6か月」で移行したプロジェクトは、世界中を見渡しても例がない。確度の高い展開計画、徹底的な検証、正確な手順、的確な意思決定――すべてが噛み合って成し遂げられた結果である。チームの指揮を執った東京海上日動システムズ営業戦略推進本部情報インフラサービス担当部長の澤中克之氏は次のように話す。

「東京海上グループで推進する『働き方の変革』の一環として、共通コミュニケーション基盤の整備計画を進めてきました。その先駆けとなったのが、Exchange Onlineへの移行と、Outlookに加えTeamsなどのMicrosoft 365の活用推進です。私たちは、2018年にプロジェクトを立ち上げ、2020年1月に迫るExchange 2010サポート終了までに移行を完了させる計画の策定に着手しました」

東京海上日動システムズは、東京海上グループのIT戦略を推進する中核企業として、損害保険・生命保険をはじめとする幅広いビジネスを支えている。情報インフラサービス部は、メールシステムをはじめとするコミュニケーションシステムや情報共有システムの企画・設計等を担う。

「Exchange 2010によるメール環境は、運用をアウトソーシングするマネージドサービスとして2013年から利用してきたものです。導入当時の制約で、PCではWebブラウザーから使うOutlookWeb App、スマートフォンはサードパーティのアプリケーションからの利用に限られていました。Exchange Onlineへの移行を機にOutlook/Outlook Mobileに統一し、Microsoft 365の活用を積極的に進める考えでした」(澤中氏)

だが、プロジェクトは様々な困難に直面することになる。最大の課題は「前例のない規模」だった。移行完了の期限は着実に近づいてくる。澤中氏は次のように振り返る。

「メールボックスの総容量は数百TB、ユーザーは数万人、対象は東京海上日動火災保険をはじめ多数のグループ会社に及びます。さらに『全データをサービス無停止で移行』するという要件も加わりました。そうした中、先が見えない混沌とした状況を打開して私たちを強力に支援してくれたのが、HPE Pointnextのアドバイザリ&プロフェッショナルサービスでした」

東京海上日動システムズ株式会社

営業戦略推進本部
情報インフラサービス部
担当部長
澤中 克之 氏
*所属・役職はプロジェクト当時

東京海上日動システムズ株式会社

営業戦略推進本部
情報インフラサービス部
課長
田村 勇人 氏
*所属・役職はプロジェクト当時

東京海上日動システムズ株式会社

営業戦略推進本部
情報インフラサービス部
アシスタントアーキテクト
末吉 洋明 氏

ソリューション

「サービス無停止」というハイレベルな要件

 

HPE Pointnextは、企業や組織のデジタルトランスフォーメーションをトータルに支援するサービス組織である。世界80カ国、2万2,000人を超えるITプロフェッショナルが、豊富な実績とナレッジに基づくコンサルティング、構築サービス、運用保守サービスをトータルに提供している。本プロジェクトにはHPE Pointnextから2人のエキスパートがPMO(Project Management Office)として参画し、30名を超える専任のエンジニアがチームを支援する体制が整えられた。HPE Pointnext の児玉健史氏(PM)は次のように話す。

「お客様の業務はもちろん、使用感にも影響を与えることなく、数百TBに及ぶメールボックスのデータを安全に移行することを必須の要件として捉えました。これを実現するために、どのようなテクノロジーを使って、どのような手順でデータ移行するのが最善か。様々な可能性とリスクを考慮しながら具体策を検討していきました」

「サービス無停止」という要件の背景について、本プロジェクトのリーダーとして参加した田村勇人氏は次のように話す。

「東京海上グループにおいて、メールシステムはお客様対応を進めていく上で欠かせないビジネスインフラです。メール環境の不具合により、お客様対応を滞らせることは絶対にあってはなりません。私たちはユーザー部門へのヒアリングを重ね、システム移行のリスクを極小化しつつ、データ移行が業務に影響を及ぼさない時期や時間帯を慎重に見極めながら計画を策定し、提案していきました」

徹底的な議論と初期のPoCを経てプロジェクトが導き出した基本方針は、大きく次の4つである。

①営業・損害などビジネス部門の業務状況等を考慮した移行スケジュールの策定
②移行方法として「Exchangeハイブリッド展開」の採用
③Express Routeによる移行データ転送の帯域を確保
④徹底的な事前検証による安全・確実な手順の確立

「Exchangeハイブリッド展開」はマイクロソフトが推奨するExchange Onlineへの移行方法のひとつだ。プロジェクトは、Exchange Server2010とExchange Onlineの間に中継サーバー(Hybrid Server)を設置し、両者間でハイブリッド構成と呼ばれる共存環境を構築。指定した時間帯に移行データを転送し、「サービス無停止」でメールボックスの全データを移行する手順を考案した。この方法では、移行期間中でも全ユーザーがメールを普段と変わらず利用できる。

安全・確実な手順を確立し転送性能の最大化を図る

 

だが、ユーザー数・データ量ともに「前例のない規模」という壁を突破するのは容易ではなかった。限られた期間内で移行を完了させるには遅延や手戻りが許されない。「安全・確実な手順」の確立と「転送性能の最大化」が必須だった。HPE Pointnextの宮田瑛子氏は次のように振り返る。

「まず、小規模な検証環境で移行手順を入念に確認していきました。次に、テスト用のメールボックスを用意して転送速度を計測したのですが、ここでは期待した精度のデータが得られませんでした。そのため机上での検証を繰り返し、Exchange Onlineが一定時間内に受け取れる最大データ量と、Express Routeの帯域を使い切るHybrid Serverの処理性能を見極めていきました」

その結果得られたのは、「Hybrid Serverのサイジングを最適化できれば、1週間あたり数千ユーザーを転送できる」(HPE宮田氏)という試算である。プロジェクトは、Hybrid Serverをクラスター構成として必要な転送性能を確保するとともに、移行スケジュールの順守を最優先とし、サーバー障害に際しても転送処理を止めない仕組みを構築した。

「Exchangeハイブリッド展開では、業務時間内にバックグランドでデータ転送を実行することも可能ですが、ユーザー影響を極小化するために『営業日の夜間及び土日祝日』に限定して移行する方針としました」と東京海上日動システムズ営業戦略推進本部情報インフラサービス部の末吉洋明氏は話す。

さらに、移行期間中の大規模災害時にもメールの利用を止めないよう、BCPを考慮に入れた設計とした。

「Exchange 2010によるメールシステムはデータセンターを分散化して二重化されており、Exchange Onlineへメールボックスを移行するための仕組みも同様の思想で設計・構築しました。『万が一移行期間中に大規模災害が発生したとしても、すべてのユーザーに影響を与えずメールサービスを継続利用できる』ために万全を期した形です」(HPE児玉氏)

2019年初頭に性能テストを終え、5月の移行テストを経て本番のメールボックス移行が始まったのは、同年6月14日である。移行完了目標は2019年11月と定められた。

ポイント

  • 移行効率を最大化するためHybrid Serverを適切にサイジングし新設
  • 大規模災害時にもメール利用に影響を与えないよう、DRサイトにも環境実装

営業・損害などビジネス部門の状況を考慮したスケジューリング

 

Exchange Onlineへのデータ移行は、業務部門の状況を考慮しながら緻密にスケジューリングされた。2019年11月の移行完了を達成するためには、1週間あたりの転送量をネットワーク帯域の限界値まで安全に近づけられるかがポイントになる。

「IT部門からデータ移行をスタートし、営業・損害各部門を統括するサービス部門は、先行して移行を進めました。サービス部門はメールを取り扱う量が比較的多く、より早く新しい環境に慣れてもらいたいという思いもありました」と田村氏は振り返る。

数千ユーザー/週に近づけるためのスケジューリングは、まるで複雑なパズルのピースを埋めていくような緻密な作業だった。本番のデータ移行はプロジェクトの強い意思を映したように着実に前進した。その推移を逐一見守ってきたHPE Pointnextの児玉氏は、確かな手応えを感じていたという。

「5月に行った最終テストで、Hybrid Serverから送り出すデータの並列度を変えながら最善のチューニングを施しました。これにより、Express Routeの帯域をフルに使って最大のスループットを発揮できたのだと考えています」(HPE児玉氏)

日本ヒューレット・パッカード株式会社

Pointnext事業統括
金融・公共サービスデリバリー本部 第三部
プロジェクトマネージャー
児玉 健史 氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社

Pointnext事業統括
ハイブリッドIT技術本部
宮田 瑛子 氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社

Pointnext事業統括
インテリジェントエッジソリューション推進本部
コンサルタント
日向 直人 氏

ベネフィット

前例のない規模のデータ移行をワンチームとして完遂

 

2019年12月、プロジェクトは「前例のない規模」のデータ移行を完遂し、東京海上グループのメールシステムは完全にExchange Onlineへ切り替わった。

「Exchange Onlineへメールボックスを移行したユーザーから、順次Outlook/Outlook Mobileの利用が始まりました。メールクライアントがWebブラウザーからOutlookに移行したことで、ユーザーの利便性は大きく向上しています。中でもOutlook Mobileの評判は期待以上で、これは嬉しい驚きでした」と澤中氏は話す。

ユーザー部門の業務に影響を与えることなく、メールボックス全データをサービス無停止で移行させるという要件は無事に完遂された。Teamsの活用も本格化しつつある。HPE Pointnextの日向直人氏は、「働き方の変革を推進するインフラとして、Microsoft 365アプリケーションの効果的な活用方法を引き続きアドバイスさせていただきます」と話す。

田村氏は、「優れたプロジェクトマネジメントが成功の大きな要因のひとつ」と指摘しつつ次のように続けた。「終わってみれば、成功したプロジェクトのひとつに過ぎないかもしれませんが、途中本当に多くの困難に直面しました。それを乗り越えるために『まだやれる、まだ間に合う』を合言葉に、全員が目標に向かって突き進んだ日々は深く記憶に刻まれています」

澤中氏は、次のように語って締めくくった。

「ビジネスのスピードが急速に高まる中、お客様からの要求に対応するだけでは、本当の意味でお客様の期待に応えることにはなりません。私たち自身が、お客様のビジネス目標と課題をしっかりと捉え、より柔軟に、臨機応変に、先回りして行動できるチームにならなければならないと考えています。HPE Pointnextのチームは、本プロジェクトを支えるために私の描いていた理想的な関係性を築いてくれました。今回の成果は、当社の更なる成長や、私たちのより良い将来に向けた大きな財産になるものと考えています」

ご導入企業様

東京海上日動システムズ株式会社 様

 

所在地:〒206-8510 東京都多摩市鶴牧2-1-1 多摩東京海上日動ビル

URL:https://www.tmn-systems.co.jp/

本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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