SAN (ストレージエリアネットワーク)
SANストレージとは

ストレージエリアネットワーク(SAN)は、複数のサーバーにブロックレベルのストレージアクセスを提供する、高速かつ専用のネットワークです。高いスループットと低レイテンシを実現するため、データベース、仮想化、大規模データ分析などのミッションクリティカルおよびビジネスクリティカルなアプリケーションに適しています。SANストレージを利用することで、組織はストレージインフラストラクチャを効率的に管理・拡張しながら、データのセキュリティと可用性を確保できます。

読了所要時間: 5分11秒 | 公開日: 2026年7月27日

目次

    SANストレージのトレンド

    SANストレージのトレンドは、テクノロジーの進化、ビジネスニーズの変化、そしてスケーラブルで高性能かつ安全なデータストレージソリューションへの需要の高まりに応じて進化しています。主なSANストレージのトレンドには、以下があります。

    • NASとの統合(ユニファイドストレージ):SANとNASの機能を統合したユニファイドストレージソリューションの導入が進み、管理の簡素化とコスト削減を実現します。
    • ハイブリッドクラウドとの統合:ハイブリッドクラウドアーキテクチャに対応するため、SANとクラウドプラットフォームの統合が進んでいます。これにより、オンプレミスのインフラストラクチャとクラウド環境の間でシームレスにデータを移動できます。
    • 自動化&AIを活用した管理:AIや機械学習を活用して、予測分析、自動プロビジョニング、SANリソースのインテリジェントな管理を実現します。
    • セキュリティの強化:SAN環境のデータを保護するため、高度な暗号化、セキュアゾーニング、アクセス制御が標準的に採用されています。
    • AIとビッグデータへの対応:SANは、AI、機械学習、大規模分析などの高性能ワークロードをサポートするよう最適化されており、大量のデータを効率的に処理できます。

    SANストレージのメリット

    SANは、ネットワーク全体で一貫性のあるセキュリティ慣行に従ってデータをブロックで保存し、高速のアーキテクチャーの個別の階層に分割します。これにより、より効率的なデータストレージと、データ保護およびセキュリティの向上を実現できます。主なメリットは以下のとおりです。

    • 高パフォーマンスと低レイテンシ:高速なデータ転送を実現し、高い処理性能が求められるアプリケーションをサポートします。
    • 拡張性:新しいストレージデバイスを追加することで、既存の運用を中断することなく容量を容易に拡張できます。
    • データの分離&セキュリティ:ストレージトラフィックを分離することで、セキュリティを強化し、リスクを最小限に抑えます。
    • 一元管理:複数のサーバーとアプリケーションにわたるストレージ管理を簡素化します。
    • 利用効率と可用性の向上:共有された高速アクセスによって、アプリケーションの稼働時間とリソース利用率を向上させます。
    • 事業継続性:ディザスタリカバリやデータレプリケーション戦略を効果的にサポートします。

    SANストレージとブロックストレージの比較

    SANストレージとブロックストレージは、SANがブロックストレージを提供するための方式であることから、混同されることがよくあります。両者は密接に関連しており、ITインフラストラクチャの文脈では一緒に説明されることが多くあります。

    項目

    SAN
    ブロックストレージ

    定義

    ブロックレベルのストレージデバイスへのアクセスを提供する高速ネットワーク。

    データを固定サイズのブロック単位で保存・管理するストレージモデル。

    機能

    ネットワーク経由でブロックストレージを提供する。

    データをブロック単位で保存する方式で、SAN内で使用されることが多くある。

    ユースケース

    データベース、仮想化、ERP、ハイパフォーマンスアプリケーション。

    仮想ディスク、OSファイルシステム、アプリケーションデータストレージ。

    プロトコル

    Fibre Channel、iSCSI、FCoE、FC-NVMe。

    該当なし(基盤となるストレージ方法として使用)。

    SANストレージとブロックストレージ:共通点

    • どちらもブロックレベルのアクセスを提供し、高性能かつミッションクリティカルなワークロードに適しています。
    • どちらもスケーラブルで柔軟性があり、複数のホストから共有ストレージにアクセスできます。

    SANストレージとブロックストレージ:運用面

    • SANは、サーバーを論理ユニット番号(LUN)に接続します。LUNは、論理ディスクとして提供されるストレージのブロックです。
    • SANは複数の物理サイトにまたがって構成でき、多くの場合、Fibre ChannelまたはEthernetベースのプロトコルが使用されます。

    SANストレージとNASストレージの比較

    SAN(ストレージエリアネットワーク)とNAS(ネットワーク接続ストレージ)は、どちらもストレージを一元的に管理し、複数のサーバーで共有するための方式ですが、両者にはいくつかの違いがあります。主な違いは、NASのほうがSANストレージよりも抽象度が高い点です。NASは、ストレージをメインユニットで管理されるファイル、フォルダー、およびボリュームに分割するため、データはSANのように論理ユニット番号 (LUN) で構成されるブロックに保存されるのではなく、接続デバイスから完全に独立しています。

    また保存したデータの共有に使用する手法も異なり、SANが専用のネットワークを使用する一方、NASは共有ネットワークを使用します。さらに、SANとNASは伝送機能にも違いがあり、NASはEthernetを使用しますが、SANはEthernetとファイバーチャネルの両方を使用します。

    そしてそれぞれのメリットも異なり、SANが高いパフォーマンスと低レイテンシに重点を置く一方、NASは使いやすさ、管理性、拡張性、および低コストをターゲットとしています。

    SANおよびNASのプロトコル

    SANストレージでは、FCP(Fibre Channel Protocol)、iSCSI(Internet Small Computer System Interface)、FCoE(Fibre Channel over Ethernet)、NVMe/TCP、NVMe/FC(Non-Volatile Memory Express over Fibre Channel)のプロトコルが使用されます。いずれかのSANプロトコルを使用してデータを提供する場合、ユーザーにはSANのトラフィックを伝送するための専用のハードウェアが必要になることがあります。たとえば、さまざまなスイッチやネットワークカード、または場合によってはホストが一部のCPUの処理を他に任せることができるコンバージド ネットワークアダプター (CNA) を導入する必要があり、これらの専用リソースがパフォーマンスの向上に貢献します。

    これに対して、NASストレージでは、WindowsやLinuxなどの他のサーバータイプでも使用されるプロトコル、Common Internet File Services / Server Message Block(CIFS/SMB)とNetwork File System(NFS)を使用します。これらのプロトコルは、ストレージデータの管理を容易にするとともに、エンドユーザーのシステムにすでに存在するインフラストラクチャをネットワークで使用できるようにします。

    組織におけるSANの活用方法

    SANは、高いデータスループットと信頼性が求められるさまざまな業界で重要な役割を果たしています。

    • 医療:大規模な患者記録と画像データを管理します。
    • 金融&銀行:リアルタイムの取引システムと取引処理をサポートします。
    • 通信:膨大な通話とデータ分析を処理します。
    • メディア&エンターテインメント:高解像度ビデオの編集とレンダリングを処理します。
    • IT& クラウドプロバイダー:仮想化、バックアップ、ディザスタリカバリを実現します。

    たとえば、ソフトウェア開発企業は、テスト中に広範なデータセットに迅速にアクセスするためにSANに依存しており、イノベーションに不可欠な俊敏で反復的なワークフローを実現します。

    HPEとSANストレージ

    HPEは、お客様が将来を見据えた柔軟で適応性の高いインフラストラクチャでデータを接続するのに役立つ、数多くのストレージポートフォリオとグローバルなコンサルティングおよびサポートサービスを提供しています。HPEの製品は、コンプライアンスに関する厳格な検査を受けており、すぐにセットアップできるように構成されています。

    数千の構成が用意されているHPEストレージ製品は、ファブリックのコンプライアンスの問題を最小限に抑えるとともに、既存のインフラストラクチャでアップグレードが機能することを確認しています。HPEでは、フラッシュとその他のエンタープライズストレージの機能を組み合わせ、市場のほぼすべての組織が共有ストレージとそれらの機能を管理するために使用するツールのメリットを得られるレベルの価格とシンプルさを実現しています。

    • HPE Alletra Storage MP B10000は、分散型で拡張可能なアーキテクチャーを備えたAI管理型のセルフサービス統合ストレージを提供します。また、ダウンタイムやランサムウェアの脅威に対する比類のない耐障害性も保証します。

    分析や設計に関する支援、またはストレージソリューションのサポートが必要なお客様のために、HPEでは、データストレージの最新化、移行、保護に役立つサービスも用意しています。レガシーシステムを一貫性のあるストレージソリューションに置き換えるまでのあらゆる段階でお客様をサポートします。

    SANストレージに関するよくある質問

    SANストレージの主なメリットは何ですか。

    高いパフォーマンスが求められるエンタープライズアプリケーションに対して、高速で信頼性とスケーラビリティに優れたブロックストレージを提供できることです。

    SANはクラウド環境で使用できますか。

    はい。SANはハイブリッドクラウドアーキテクチャへの統合が進んでおり、シームレスなデータ移動を実現できます。

    SANでよく使用されるプロトコルは何ですか。

    ファイバーチャネル、iSCSI、FCoE、NVMe/TCP、NVMe/FC。

    SANとNASはどのように異なりますか。

    SANは専用ネットワーク上でブロックレベルのストレージを提供し、NASは標準的なイーサネットネットワーク上でファイルレベルのストレージを提供します。

    SANストレージは中小企業に適していますか。

    従来はエンタープライズ向けが中心でしたが、現在では、高いパフォーマンスを必要とする中小規模の組織向けに、コスト効率に優れたSANソリューションも提供されています。

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