2022年1月21日

変革成功の青写真を描く

賢明な変革プロジェクトのポイントとは、突き詰めると賢明な戦略です。何に対処すべきかは、着手する前に把握しておかなければなりません。

組織で進められている変革は、想像とはまったく異なります。目的が明確に定義されていない上、なぜ変革全体で困難が生じ、時間と労力が浪費されているのかが把握されていないのです。理由や目的を明確にしている組織なら、多くの場合、細かい点まで管理できています。

あらゆる業界と地域でお客様を支援してきた長年の経験から言えば、最も基本となるものは、おそらく戦略とガバナンスです。これらが適切であれば、変革はその後順調に進みます。戦略を明確にしないまま取り組むと、価値を最大化できないか、完全に損なうことにもなりかねません。

戦略で成果を出せない組織では、往々にして、クラウドを導入する目的が明確になっていません。
これまでの取り組みを振り返ると、有効な戦略立案と強力なガバナンスを行える組織は、事業に最適な先入観のないビジネスケースを開発し、確実に収益をあげています。それだけではありません。早い段階でコミュニケーションと監督を行い、変化を通じた指導と管理がなぜ必要なのかを認識できています。

戦略で成果を出せない組織では、往々にして、クラウドを導入する目的が明確になっていません。雑誌の記事に感化されたCEOがプロジェクトを主導していたり、クラウドは特効薬だという誤解が生じたりしているようですが、ビジネス目標を達成する上でクラウド導入がどのような意味を持つのかは、理解されていません。

こうした組織では、適切な指導が行われず、変革への賛同を得られていないことが少なくありません。さらに、経済面でも問題が生じています。経済的な現実を無視し、クラウドモデルの運用経費アプローチを理解できず、それに適応していないのです。変動費管理に移行するなら、コスト構造と効果的なコスト管理をあらためて把握しなければなりません。クラウドネイティブの変動モデルどおりに運用できないワークロードを移行するとなると、多くの場合、そうした再確認の作業がますます複雑になります。

クラウドによる変革をきわめて効果的に進めている企業は、そうした変更には時間がかかることを認識しています。私たちが最近協力を行ったある製薬会社は、クラウド移行の長期的な影響を効果的に伝える必要があることをよく理解していました。そのため、投資を行い、サードパーティの制作会社に依頼して、影響力のあるコミュニケーション資料を作成しました。これによって、IT部門が変革についてのメッセージを全社的に発信し、それがビジネスの推進と従業員の行動につながりました。ビデオなどのコンテンツや伝達方法の開発も行い、CIOからデータセンターのオペレーターに至るまであらゆる人々が、企業戦略に合わせた計画や、そのビジネス上のメリットについて話し合えるようにしました。

この会社は優れた活動を3つ行っています。1つ目は、クラウド移行の理由を示すビジネスケースの策定。2つ目は、サードパーティを巻き込んだ、組織に活力を与えるコミュニケーション戦略の立案。3つ目は、変革を監督して継続させるクラウドビジネスオフィスの展開です。

優れた経済性は、クラウド トランスフォーメーション戦略の重要な要素です。OpExクラウドネイティブモデルを導入した組織は、その消費サイクルを予測しますが、一般的に、ワークロードを移行した後のプロセスをどのように管理し最適化するかまでは検討しません。最近私たちが協力を行った大手医療機関のITリーダーは、消費傾向を見て、予算の3倍の費用がかかっていることに驚きました。実は、稼働していないワークロードがシャットダウンされていない上、低コストで行える方法があるにもかかわらず高額のデータベースプラットフォームが使用されていたのです。この組織では、積極的なコスト管理と全社的なユーザー教育を行うことで、年間で1,000万ドルの支出を回避できました。

戦略立案とガバナンスで失敗すると、どのような場合よりも、大きな痛手を被ります。一般的に、ワークロード戦略が実行可能な経済モデルに適合していない場合、コストが大幅に超過します。私たちは以前、予算が吹き飛び、プロジェクトの遅延に頭を悩ませている企業に支援を求められたことがあります。

ハイブリッド変革のビジョンのもとで連携が行われていない場合も、クラウド トランスフォーメーションに失敗します。たとえば、ハイブリッド運用モデルの計画を立案したCIOは、他のCxOも当然その実現に取り組むと考えます。しかし、それぞれのリーダーが、異なるクラウドプラットフォームを求めたり、純粋なデータセンターモデルや別のワークロードアプローチに固執したりし、派閥が形成されます。リーダーが連携して未来へのビジョンを理解し、その実現に関与することが非常に重要です。

効果的なハイブリッド変革には明確な戦略が必要です。さらに、それを成功させるには有効なリーダーシップと利害関係者の関与が不可欠です。全員が同じ方向を目指さなければハイブリッド変革は加速しません。

リーダーへのアドバイス

  • 大規模な変革プロジェクトでは、組織内で賛同を得ることが非常に重要です。従業員にプロジェクトを知ってもらうための戦略として、社外のコミュニケーションリソースを活用できることもあります。
  • ガバナンスと分析の仕組みを整えておくと、多くのプロジェクトで失敗の原因になっている問題を回避できる場合があります。
  • 従業員がプロジェクトの目的を理解し、その成功を信じている必要があります。そうでない場合は、ビジョンが適切に立案されていない可能性があります。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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