物流のプロフェッショナル東山が、仮想化統合基盤を構築しデータ保護とビジネス継続性を強化



東山株式会社 様

 

JBCCが、オールHPE製品による仮想化基盤構築を支援し遠隔地でのデータ保護とITサービスの継続を実現


"信頼性とコストは比例する、というのがこれまでの常識でした。HPE製品は、良い意味でその常識を壊してくれたと思っています"

―東山株式会社
 取締役
 鰐部 洋三 氏

物流事業を中核に、介護事業へ積極的に進出して成長戦略を推進する東山が、仮想化基盤を構築し物理サーバー環境を統合した。「HPE 3PAR StoreServ 7200」により高信頼な統合ストレージ環境を構築するとともに、データバックアップ環境を「HPE StoreOnce 2700 Backup」に集約。同時に、ソフトウェア・デファインド・ストレージ「HPE StoreOnce VSA」を採用してコストを抑えながら遠隔地でのデータ保護を実現した。HPE StoreOnce VSAが稼働するサーバー上で、ITサービスの継続を可能にしたことが大きな特長だ。BCPのシステム化を含め、東山を全面的にサポートしたのはJBCCである。

 

業界

物流

 

目的

2007年より段階的に構築・運用されてきた物理サーバー環境の仮想化基盤への集約。システム全体の可用性を高めるとともに、広域災害を視野に入れたビジネス継続計画をシステムに実装する。

 

アプローチ

仮想化基盤の構築に合わせて統合的なデータバックアップ環境を整備し、集約されたデータの遠隔地での保護と、アプリケーション・ITサービスを再稼働可能な環境を構築する。

 

ITの効果

・統合ストレージに「HPE 3PAR StoreServ 7200」を採用し仮想化基盤全体の信頼性を強化

・「HPE StoreOnce 2700 Backup」を採用し複数システムのバックアップを統合

・ソフトウェア・デファインド・ストレージ「HPE StoreOnce VSA」を採用し遠隔地でのデータ保護を実現

・HPE StoreOnce VSAと同じサーバー上でアプリケーションの再稼働を可能に

 

ビジネスの効果

・遠隔地でのデータ保護およびITサービス継続が可能な環境をコストを抑えながら実現

・仮想化基盤の安定稼働、バックアップ統合・運用自動化により管理負荷を大幅に低減

・HPE StoreOnce Backupの重複排除テクノロジーにより遠隔地コピーを3時間から25分に短縮

・JBCCによるワンストップでのHPE製品の提供・保守体制が仮想化基盤全体の安定運用に寄与

チャレンジ

仮想化基盤を構築し新旧物理サーバーを統合

 

東山(TOZAN)は、トラックによる部品輸送、工場内での部品供給、倉庫内での入出庫在庫管理など、大手自動車メーカーのロジスティックス全般を担う物流企業である。名古屋港・中部国際空港へのアクセスのよさと、協力会社との連携による全国ネットワークを活かし、あらゆる物流に強みを持つ。また、東山は70年の歴史を持つ物流事業を中核に据えながら、福祉用具レンタル・老人ホーム・訪問介護・訪問入浴・居宅介護支援など介護ビジネスへも積極的に進出し急成長している。取締役である鰐部洋三氏は、自社サービスの特長を次のように紹介する。

「自動車部品の即日発送を含め、お客様の要求に迅速かつきめ細やかにお応えする体制を整えています。多拠点に展開するデポ(自動車部品を取扱う倉庫)を活かし、物流にかかる時間とコストを最小化します」

東山の効率的な物流サービスを支えているのは、バーコードを利用した入出庫管理システム「TOZAN-NET」である。インターネット経由で調達部品のリアルタイム追跡や帳票出力も可能なこのシステムを、東山は長年の経験とノウハウを投入して独自に開発・運用してきた。

「2007年から2010年にかけて、物流ビジネスを支える業務系システム、約800名のユーザーが使うグループウェアシステム、介護事業を展開するグループ企業のシステムを構築しました。それぞれ物理サーバー上で運用してきたのですが、2015年に仮想化基盤を構築し順次統合を進めています。きっかけは、Windows Server 2003のサポート終了でした」とシステム部 部長 星野邦晴氏は話す。

物理環境では、システム単位でのメンテナンスやバックアップが必要なため、運用にかかる負荷も高まっていたという。鰐部氏はさらに重要な点を指摘する。

「新しいシステムを立ち上げるごとにハードウェアの仕様を決めて調達をかけてきましたが、その度に手間と時間、コストがかかる状況を何とかしたいと考えていました。私たちは、より効率的に運用でき、タイムリーにビジネスニーズに応え、かつビジネスを止めない仮想化統合基盤の実現を目指しました」

東山の要求に、ユニークな提案で応えたのがJBCCである。JBCCは、ソリューションプロバイダーとして50余年の実績を有し、18,000社に及ぶ顧客基盤を持つ。中でも、システム基盤の構築・運用・保守サービスにおける評価は高い。

「JBCCの提案は、サーバー、ストレージ、バックアップシステムまでオールHPE製品で実現するものでした。私たちは、ストレージとバックアップの連携ソリューションに注目しました」(星野氏)

 

東山株式会社

取締役
鰐部 洋三 氏

東山株式会社

システム部
部長
星野 邦晴 氏

ソリューション

システム全体の信頼性を向上させた HPE 3PAR StoreServ

 

JBCCは、東山の課題や要求をどのように捉え、オールHPE製品による提案を組み立てたのだろうか。JBCC 中部事業部の小松日光氏は次のように説明する。

「仮想化基盤構築の目標を ①システム全体の信頼性向上 ②データ保護と災害対策 ③保守を含む総コスト低減 を実現するという3点に集約して考えました。私たちは、ストレージとバックアップ製品の選定には特に慎重を期しました。仮想化基盤において、システム全体の信頼性・可用性を決めるのはストレージであると言っても過言ではありません。また、データバックアップの統合と遠隔地での保護を、どの技術を使ってどのように実現すべきかがポイントになると考えたからです」

仮想化基盤の統合ストレージとしてJBCCが提案したのは「HPE 3PAR StoreServ 7200」、同じく統合バックアップ環境は「HPE StoreOnce 2700 Backup」である。選定の理由を、JBCC プラットフォーム・ソリューション事業部の戸田悦史氏は次のように話す。

「まず、基礎的な能力の高さが他のストレージ製品を圧倒していました。HPE 3PAR StoreServ 7200なら、導入コストを抑えながらミッドレンジ製品ならではの高い信頼性と優れたI/O性能が手に入ります。HPE StoreOnceとのバックアップ連携も確実で安心です。私たちは、ソリューションプロバイダーとして多くのブランドの製品を扱っていますが、今回の要件にまさに合致した提案ができたと考えています」

HPE 3PAR StoreServは、複数のコントローラーをActiveで稼働させ高い性能と耐障害性を実現している。様々なワークロードが混在しても高いI/O性能を維持できる能力は、クラウド事業者をはじめ導入企業から高く評価されている。コントローラー障害に際しては、瞬時にフェイルオーバーを実行しサービスを止めることがない。実際に運用を開始してから、星野氏はその能力の高さを実感したという。

「HPE 3PAR StoreServは無停止でストレージ容量を拡張できるうえ、使わなくなったディスク領域の解放も確実に行えます。負荷が集中しても性能がまったく落ちないことには驚きました。負荷分散のためのチューニングも自動化されていますので、統合ストレージ環境を運用していることを忘れてしまうほどです」

たった1台のx86サーバーで災害対策システムを実現

 

次に、統合バックアップ環境と災害対策システムについて見ていこう。採用された「HPE StoreOnce Backup」は、最先端の重複排除テクノロジーを利用できるディスクバックアップシステムである。仮想化基盤への移行に際して、物理サーバー単位で実行していたバックアップを全面的に統合した。

「HPE 3PAR StoreServでスナップショットを取得し、これをHPE StoreOnce Backupにイメージバックアップします。複数のバックアップ処理を並列実行するとともに、重複排除機能を利用してデータ量と所要時間を大きく短縮させました。週次のフルバックアップ/日次の差分バックアップを自動実行させています」(星野氏)

夜間、HPE StoreOnce Backupにバックアップされたイメージファイルは、東山本社のある名古屋から100km以上離れたリモートサイトへ即座に伝送される。重複排除によりデータ量は1/4以下に削減され、この効果によりリモートコピーの所要時間は3時間から25分へと大幅に短縮された。そして、JBCCのユニークな提案はリモートサイト側のシステムに実装されている。

「リモートサイトにソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)『HPE StoreOnce VSA』を採用し、x86サーバー上にHPE StoreOnce Backupと同等の機能を構築しました。ここで、名古屋本社から伝送されたイメージファイルを安全に保護します。SDS製品を採用して導入コストを抑制することは、私たちの提案をご評価いただけたポイントのひとつです」(JBCC 戸田氏)

「HPE StoreOnce VSA(Virtual Storage Aplliance)」は、x86サーバーの仮想マシン上で稼働するSDS製品である。VMware/Hyper-V/KVMに対応し、重複排除や高速リカバリなどアプライアンス型のHPE StoreOnce Backupと同等の機能を提供する。HPE StoreOnce VSAにはバックアップ容量4TB/10TB/50TBのライセンスが用意されており、1TBまでなら無償で利用可能だ。

「HPE StoreOnce VSAを稼働させる仮想化ホスト上で複数の仮想マシンを立ち上げ、バックアップしたイメージファイルからシステムを起動可能にしたことがさらに重要なポイントです。これにより、本社サイトで何らかの問題が発生した際に、リモートサイトで業務アプリケーションとITサービスを継続させることが可能になりました」(JBCC 戸田氏)

東山は、たった1台のx86サーバーで災害対策システムを実現したのである。

JBCC株式会社

プラットフォーム・
ソリューション事業部 営業部
戸田 悦史 氏

JBCC株式会社

中部事業部
第三営業部 2グループ
小松 日光 氏

ベネフィット

信頼性とコストは比例する、という常識を変えたHPE製品

 

仮想化基盤の検討段階においては、パブリッククラウドサービスも含め他の製品・技術と比較し、JBCCによるオールHPE製品での提案が採用された経緯がある。星野氏は次のように振り返る。

「これまで『システム化したいがコスト負担が重い』という現実に、何度も直面してきました。BCPと災害対策システムはその代表例と言えるでしょう。HPE 3PAR StoreServ、HPE StoreOnce Backup、HPE StoreOnce VSAを組み合わせたJBCCの提案はこの課題を解決してくれるものでした。シンプルなシステム構成で、導入コストを抑えることができました」

新システムは安定稼働を続け、統合されたバックアップ環境では運用にかかる手間が大幅に軽減されたという。物理サーバーの台数が大幅に削減されたことで保守コストの削減にもつながった。

「JBCCが一括窓口として対応し、ハードウェア製品と保守がオールHPEという安心感は大きいですね。ワンストップでの製品提供と保守体制が、仮想化基盤全体の安定運用を支えていると実感しています」(星野氏)

鰐部氏が次のように語って締めくくった。

「信頼性とコストは比例する、というのがこれまでの常識でした。HPE製品は、良い意味でその常識を壊してくれたと思っています。仮想サーバー環境、高信頼の統合ストレージ環境、統合バックアップ、災害対策システムまでを、私たちにとって現実的なコストで実現できたのですから」

ご導入企業様

東山株式会社様

 

所在地:愛知県名古屋市緑区大高町字二番割23-1

URL:https://www.tozan.co.jp/butsuryu.html