島村工業が、遠隔地のデータセンターを活用し、災害時の事業継続力を強化
株式会社島村工業 様
大塚商会「石狩DRサービス」を採用しバックアップサイトを構築、HPE StoreOnce Backupによりデータ保護の信頼性を向上
業界
建設
目的
工事関連情報、入札情報など、重要な業務データの保護。災害時の確実なデータ復旧のため、遠隔地のデータセンターを利用したバックアップサイトを構築する。また、テープメディア運用から脱却することで、確実なデータ保護と業務負荷の軽減を実現する。
アプローチ
ディスクバックアップ環境への移行により日次のバックアップを確実に実行するとともに、災害対策に特化したデータセンターサービスを利用して遠隔地でのデータ保護を行う。
ITの効果
・HPE StoreOnce Backupを採用し仮想サーバー環境と物理サーバーのデータバックアップを統合
・従来のバックアップソフトウェアや運用手順を変更することなくディスクバックアップ環境へ移行
・重複排除によりバックアップデータ量を最大1/33に削減
・データ量の削減により低帯域回線を利用したリモートコピーを実現
・大塚商会の「石狩ディザスタリカバリ(DR)サービス」を利用し遠隔地のバックアップサイトを短期間で構築
ビジネスの効果
・テープ運用に伴うトラブルを一掃しバックアップの信頼性を向上
・作業手順の自動化により運用負荷を大幅に軽減
・通信コストをかけずに遠隔地でのデータ保護を実現
・日常バックアップ運用と災害対策をシームレスに統合
・大塚商会によるワンストップサポートにより問題解決を迅速化
チャレンジ
大規模災害に対応するための遠隔地でのデータ保護が課題
島村工業は、埼玉県を地盤とする地域密着型の総合建設会社である。1926年の創業以来、公共工事をはじめ商業施設や個人住宅の建築まで、多彩な事業を通じて地域社会の発展に貢献してきた。
島村工業では、今回、大規模災害への対応を主眼としたデータバックアップ環境の刷新に取り組んだ。バックアップの対象となったのは施工図面や受発注関連情報、社内メールやグループウェアのデータなどである。島村工業 総管理部 電算課 岡安 伸明氏は次のように語る。
「きっかけは東日本大震災でした。当社には大きな被害はありませんでしたが、事業継続における業務データの重要性を再認識したのです。建設関係のデータはお客様へのサポートに欠かせませんし、公共入札に関わる情報を失えば事業機会を喪失します。大規模災害を想定したデータ保護の仕組みを早急に整備する必要がありました」
大塚商会は、仮想テープライブラリ「HPE StoreOnce Backup」によるディスクバックアップ環境と遠隔地のバックアップサイトの統合を提案し、島村工業のこの課題に応えた。
株式会社島村工業
株式会社島村工業
総管理部 電算課
岡安 伸明 氏
ソリューション
HPE StoreOnce Backupを採用しディスクバックアップ環境を構築
大塚商会のテクニカルエンジニア 柴田幸晴氏は次のように振り返る。
「日常的なバックアップ運用と災害対策としての遠隔バックアップを、お客様の負荷を高めることなく統合することがポイントでした。このために、まず本社のバックアップ環境を刷新する必要がありました」
2015年10月に完成したディスクバックアップ環境では、従来のテープ運用に伴う非効率性を排除するとともに、日常的なバックアップから遠隔バックアップまでの手順が自動化されている。
「テープ運用では日次バックアップだけで翌日の昼までかかっていましたが、HPE StoreOnce Backupが複数仮想テープへの同時バックアップを高速で実行することでその時間を短縮できました。現在は、同じ時間内で遠隔バックアップまで行えます。すべての手順は自動的に実行されテープ装置のような故障もないため、運用負荷も大幅に軽減されています」(岡安氏)
仮想化環境のバックアップでは大塚商会による独自の工夫もあった。同社のテクニカルエンジニア 高橋義和氏は語る。
「ボリューム複製した仮想ハードディスクをバックアップサーバーにマウントすることで、ファイル単位でのリストアを可能にしました。個別ファイルの復旧も簡単に行え、仮想サーバー環境全体の使い勝手を向上させています」
大塚商会の石狩DRサービスを利用して遠隔バックアップを実現
HPE StoreOnce Backupは遠隔地へのデータ送信にも威力を発揮する。大塚商会はこの特長に注目しHPE StoreOnce BackupをDRサービスの基盤として活用している。今回のバックアップサイトも、HPE StoreOnce Backupを基盤とした大塚商会の「石狩ディザスタリカバリ(DR)サービス」を利用して構築された。
石狩DRサービスは中小企業を中心に数多くの実績を誇る。柴田氏はそのメリットを次のように語る。
「バックアップ機器のハウジングから通信回線、運用監視まで大塚商会がトータルでご提供します。コストパフォーマンスに優れたバックアップサイトを短期間でご活用いただけます。首都圏から約800km離れ、津波、地震などの災害リスクも低いロケーション特性、充実したセキュリティ対策も特長です」
2015年12月、石狩DRサービスを利用したバックアップサイトが稼働を開始した。石狩データセンター内のHPE StoreOnce Backupには、本社の日次バックアップデータが毎日リモートコピーされ、24時間という復旧ポイント目標(RPO)を実現している。ここで重要な役割を果たしているのが、HPE独自の重複排除テクノロジーだ。
「重複排除によってバックアップデータを最大33分の1にまで削減しています。これにより伝送時間が短縮され、回線コストも抑制できました」(岡安氏)
大規模災害によって埼玉本社のシステムが被災した時は、石狩データセンターに保存されたデータを元にすべての業務が復旧される仕組みが整えられている。
株式会社大塚商会
北関東技術グループ
テクニカルソリューション課
テクニカルエンジニア
柴田 幸晴 氏
株式会社大塚商会
北関東技術グループ
テクニカルソリューション課
テクニカルエンジニア
高橋 義和 氏
ベネフィット
より確実な事業継続をめざし災害時の作業フローも策定
岡安氏は「ディスクバックアップ環境と遠隔バックアップによって、大規模災害に耐えられる事業継続力が獲得できた」と今回のプロジェクトを高く評価する。
岡安氏が成功要因として挙げるのが大塚商会のサポート体制だ。プロジェクトでは、必要に応じて大塚商会の本部技術者などが常に後方で支援し、問題をスピーディに解決していったという。
最後に岡安氏が次のように締めくくった。
「HPE StoreOnce Backupによって災害対策も包含したデータ保護の基盤を構築できました。今後は、災害時の作業フローの策定など組織としての対応力も強化し、事業継続をより確実なものにしていく予定です。大塚商会とHPEには私たちのチャレンジを引き続き支援していただきたいと期待します」
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