Nimble Storage で庁内ストレージを統合、仮想化基盤の大幅なレスポンス向上と運用効率化 /リソース有効活用を実現
京都府八幡市 様
"リーズナブルなコストで高性能オールフラッシュストレージを導入できたことには大変満足しています。今後も最適な庁内ICTインフラを実現するための基盤として、様々な用途に活用していきたいですね"
京都府八幡市様では、行政活動を支える仮想化基盤用ストレージにNimbleStorageのオールフラッシュ ストレージを採用。重要な業務システム群の性能向上を実現すると同時に、運用管理の効率化やインフラコストの最適化にも成功しています。
業界
教育・公共
導入以前の課題
・重要な行政システム群を収容する新たなストレージ基盤を確立すること
・ストレージ資源の有効活用/コスト削減と運用管理の効率化を図ること
ソリューション
・Nimble Storage AF1000
・Nimble Storage InfoSight(同梱)
導入効果
・仮想化基盤の性能 安定性向上を実現。VDIなどの他の用途へも適用領域を拡大
・データ容量を約1/4に削減。可視化、予兆監視などの機能による安定運用も実現
庁内業務システムのストレージ統合に挑む
京都、奈良、山陰を結ぶ交通の要衝として、また書道、茶道、和歌などの文化の発信基地として、古くから栄えてきた歴史を有する京都府八幡市。2017年に市制40周年を迎えた同市は、国宝石清水八幡宮をはじめとする数多くの観光資源にも恵まれています。
同市では、庁内業務システムの仮想化を早くから実施するなど、先進ICTの活用も積極的に推進。同市 総務部 IT推進課 主幹 岩崎 真哉氏は「業者任せにしていたのでは、当市のニーズに即したICTインフラは実現できません。システムの企画、設計や運用等に関しても、できるだけ職員自身で実施しています」と語ります。
そうした取り組みの一環として今回実施されたのが、各種の庁内業務システムを支えるストレージ基盤の刷新です。岩崎氏はその背景を「これまで当市では、仮想化基盤上で稼動するLGWAN(総合行政ネットワーク)系システムと、ブレードサーバー上で稼動する個人番号(マイナンバー)系システムの2つのシステムを運用していました。そして今回、総務省が主導するインターネット分離に対応すべく、インターネット接続系のシステムを新たに構築することが決定。3つのシステムでそれぞれ個別のストレージを利用するのでは投資対効果も悪くなってしまうため、これを機に新たな統合ストレージを導入したいと考えたのです」と振り返ります。
従来はLGWAN系/個人番号系で別々のストレージを用いていたため、どちらかのリソースに余裕があっても融通できない、増設、拡張にも多額の費用が掛かるなど、様々な課題を抱えていたとのこと。統合ストレージの導入によって、これらを抜本的に解消することを狙ったのです。
八幡市
総務部 IT推進課
主幹
岩崎 真哉 氏
八幡市
総務部 IT推進課
高橋 良平 氏
オールフラッシュ ストレージの採用を決断
もっとも、統合ストレージの導入を進める上では、様々な要件をクリアする必要もありました。まず一つ目は、行政システムに欠かせない高い信頼性と可用性です。
同市では、住民情報や税などの基幹システムについては、近隣自治体と共同でクラウド化を行っていますが、これに関連する周辺業務システムや情報系システムなどについては引き続き庁内で稼動させています。もし、トラブルなどが発生すると、市の業務にも大きな影響が生じてしまうため、ストレージ製品にも安定稼動を維持できる高い信頼性、可用性が求められました。
また、もう一つはパフォーマンスの問題です。同市 総務部 IT推進課 高橋 良平氏は「インターネット接続系のシステム群が丸ごと1セグメント分増えることになるため、ストレージにもそれに見合うだけのパフォーマンスが必要です。特に今回は、Citirix XenAppによる仮想閲覧システムも新規導入することになっていたため、最大500ユーザーが同時接続しても問題がないだけのレスポンスを確保する必要がありました」と説明します。同市ではこれらの要件やストレージの最新技術動向などを検討した上で、目指すべき環境を実現するにはオールフラッシュ ストレージを導入するのがベストと判断。
庁内で作成した仕様書を元に公開競争入札を実施した結果、Nimble Storageのオールフラッシュ ストレージ「AF1000」が導入されることになりました。
InfoSightが安定運用に貢献。データ容量も約1/4に削減
Nimble Storage AF1000による新統合ストレージ基盤は、2017年3月より本番稼動を開始。現在は約70~80台の仮想サーバーがAF1000×1台に収容されています。
導入作業も極めてスムーズに進んだとのこと。岩崎氏は「旧ストレージを導入した際には、初期設定などの作業にかなりの工数が掛かった記憶があります。その点、Nimble Storageは、導入、設定から稼動開始までのプロセスが大変スピーディでしたね。おかげで、高品質なインフラを短時間で構築することができました」と話します。
今回は諸事情により入札開始のタイミングが遅れたため、限られた期間内で環境を構築する必要がありました。しかし、ストレージ廻りの作業にほとんど手間が掛からなかったこともあり、無事予定通りのカットオーバーを果たすことができました。
また、オールフラッシュ ストレージならではの強みも存分に発揮されています。システムのレイテンシーは常時数msec程度に収まっており、バッチ処理がピークを迎える深夜時間帯でも十分な性能を確保できているとのこと。高橋氏は「普段利用していても、ストレージがボトルネックとなって引っ掛かるような場面が全くありません。これには大いに満足していますね。XenAppなどのシステムを有効に活用していく上でも、これくらいパフォーマンスが出てくれるのは非常に助かります」と語ります。
もう一つ大きいのが、インライン圧縮、重複排除機能によるデータ容量削減効果です。岩崎氏は「ストレージリソースをできるだけ効率的に利用したかったので、入札時の仕様にも圧縮、重複排除機能を要件として掲げました。とはいえ、実際にどれくらいの効果があるのか、半信半疑だったことも確かです。その点、現時点でのデータ容量は、実データの約1/4弱程度に収まっています。今後5年間分のデータ増加を考えても、十分に対応できるものと見込んでいます」と語ります。
旧環境では、データ容量増加への対応を行うために、不要になったデータを削除したり、重要度の低いデータを安価なNAS製品に移したりしていたとのこと。今後はこうした面倒な作業も行わなくて済むようになります。また、ストレージに接続されるサーバー台数は約2倍、ストレージ容量は約10倍に増えた一方で、設置スペースは以前と変わりません。「Nimble Storageは各種のツール群に追加ライセンス費用が掛かりませんので、インフラの最適化/コスト削減にも役立っていますね」と岩崎氏は語ります。
そうしたツール群の中でも、システムの信頼性確保や運用管理業務の効率化に大きく貢献しているのが「InfoSight」です。高橋氏は「ストレージの稼働状況や過去の統計情報などが簡単な操作で把握できる上に、故障の予兆検知なども行ってくれるので非常に安心感が高いですね。庁内のユーザーに安定的な業務環境を提供するためにも、InfoSightの機能を有効に使っていきたい」と語ります。
さらに同市では、今回導入したAF1000を、他の用途にも積極的に活用していく考えです。岩崎氏は「既存の物理サーバー群をリプレースのタイミングに合わせて集約していくほか、庁内VDI基盤などの新たな取り組みにも活用していきたいですね」と展望を語りました。
ご導入企業様
京都府八幡市 様
本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス
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