DMM.comのサービスを支えるストレージ環境を改善、インフラの安定運用にHPE Nimble Storageが貢献

合同会社DMM.com 様

所在地:東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー24F

URL:https://dmm-corp.com/

性能・信頼性を強化しつつコスト抑制にも成功

"新たなストレージ環境を最適なコストで実現できたことは大きな成果。当社が掲げる「DMM TECH VISION」の実現を支えるプロダクトの一つとしても、Nimble Storage の活用を進めていきたいと思います。"

―合同会社DMM.com インフラ部
 高橋 尚史 氏

"Nimble Storageを導入したことで、各サービスのインフラを担当するチームに対しても、より幅広い種類のデータストアを提供できるようになりました。性能や信頼性に関しても十分満足しています。"

―合同会社DMM.com インフラ部
 伊藤 真一 氏

インターネットを通して多彩なサービスを提供するDMM.comでは、各種サービスのインフラとなる仮想化基盤を自社内で構築・運用している。今回同社では、この仮想化基盤用ストレージ環境の改善・強化に着手した。ここでは日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)が提供する「HPE Nimble Storage」を導入し、新たなユーザーニーズへの即応やサービスの安定稼働、運用管理の効率化など数多くのメリットを実現している。

 

業界

サービス

 

目的

DMM.comのサービス群を支える仮想化基盤のストレージ環境を改善。容量不足の解消や多様なワークロードへの対応を図り、ユーザーへのサービス品質向上やシステムの安定稼働につなげていく。

 

アプローチ

「HPE Nimble Storage」を仮想化基盤に追加し、高い性能と信頼性を兼ね備えたシンプルなストレージ環境を実現。オールフラッシュ/ハイブリッドモデルの組み合わせによりITコストも削減。

 

ITの効果

・「HPE Nimble Storage」による新ストレージ環境を構築

・インライン圧縮・重複排除機能を活用することでデータ容量を約1/3に削減

・運用管理ツール「HPE InfoSight」によるプロアクティブな運用保守を実現

・オールフラッシュ/ハイブリッドモデル間でのレプリケーションを実現

 

ビジネスの効果

・サービスに用いられる重要システム/データを確実に保護できるようになった

・システムの特性や用途に応じて複数のデータストアを使い分けられるようになった

・仮想サーバーの稼働情報などを監視・分析することでシステムの安定性を向上

・グループが掲げる新たなテクノロジービジョンに貢献できる環境を実現

ご導入製品

HPE Nimble Storage AF40

HPE Nimble Storage HF40


サービス基盤用ストレージの環境改善が大きな課題に

 

動画配信、ゲーム、電子書籍などのエンターテインメント分野から、オンライン英会話や株/FXなどの金融サービスに至るまで、幅広い領域でビジネスを展開するDMM.com。同社のサービスを利用する会員数は、2900万人(2018年2月時点)を突破。日本を代表する総合エンターテインメントサイトとして、現在も成長を続けている。さらに近年では、太陽光発電や3Dプリンタ、水族館や終活(ライフエンディング)、プログラミングスクールなどの分野へも事業を拡大中だ。

その同社のビジネスをICT面から下支えしているのが、サービス用基盤の構築・運用・保守を手がけるインフラ部である。同社 インフラ部 高橋 尚史氏は「かつては、それぞれのサービスごとに個別にインフラ提供を行っていましたが、ビジネスやサービスの規模が急速に拡大する中で、次第にタイムリーな対応が困難になってきました。そこで2015年に、サービス用仮想化基盤をオンプレミスで構築。ここから各サービスに必要なリソースを提供することで、ビジネススピードの向上を図ってきました」と説明する。最近ではパブリック・クラウドの導入なども進めているが、DMM.comのトップページをはじめ、依然として数多くのサービス用システム群がこの仮想化基盤上で稼働している。その規模は、仮想サーバー台数にして実に約6000台にも上るという。

これほどの大規模環境を扱うだけに、同部門ではシステムの安定運用にも細心の注意を払っている。同社 インフラ部 伊藤 真一氏は「細々とした管理作業に多くの工数を取られるようでは、とてもこれだけの環境を廻していけません。我々のチームの人数もそれほど多いわけではないので、サーバーやストレージ製品を選ぶ際にも、できるだけ運用管理が効率的に行える製品を選ぶようにしています」と語る。ちなみに、同社では、構築作業もベンダー任せにせず内製するようにしているが、これも高い性能・信頼性を備えた環境を、できるだけスピーディにユーザーに提供するためだ。そして今回、同部門では、この仮想化基盤用ストレージの増強に取り組むこととなった。高橋氏はその背景を「直接的なきっかけは、既存ストレージの容量が逼迫してきたことです。システムの安定性確保という面でも、新たなニーズへの即応を図るという面でも、やはり容量にはある程度の余裕を持っておきたい。また、これを機に、ストレージの耐障害性を向上させたいとの狙いもありました」と語る。

 

合同会社DMM.com

インフラ部
高橋 尚史 氏

合同会社DMM.com

インフラ部
伊藤 真一 氏

合同会社DMM.com

インフラ部
岩崎 惣 氏

多彩な機能とコストメリットを評価し「HPE Nimble Storage」を採用

 

新ストレージの選定にあたっては、十分な容量を確保できることに加え、高いパフォーマンスを備えていることも重要な要件となった。同社 インフラ部 岩崎 惣氏は「従来環境でも特に大きな性能問題を抱えていたわけではありませんが、時折ストレージにI/O遅延が発生する場合がありました。サーバーの中には、敏感にこれを拾ってアラートを上げてくるものもあったため、常に安定的な性能を維持できるようにしたいと考えました」と語る。

また、もう一つの要件である耐障害性向上については、システム/データ保護の仕組みをインフラ部として提供することが目的だ。高橋氏は「これまでの運用では、データバックアップなどの作業を、各サービスを担当するユーザー部門側でそれぞれ実施していました。しかし、サービス全体の可用性を高める上では、我々基盤側でもきちんとシステム/データ保護できるようにしておきたい。そこで、筐体間レプリケーション機能を備えたストレージを導入し、万一の大規模障害時などにも迅速に復旧できる環境を目指しました」と語る。もちろん、バックアップツールなどを導入して個別にシステムを保護することも可能だが、約6000台規模もの環境ともなると、対象の洗い出しや設定作業にも相当な手間が掛かってしまう。その点、ストレージ側の機能で丸ごとレプリケーションできるようにしておけば、最小限の工数でインフラの安全性を高められる。

こうした要件を満たせるストレージとして新たに導入されたのが、「HPE Nimble Storage」( 以下、Nimble Storage)である。高橋氏は製品選定のポイントを「候補に挙がった他社製品はオールフラッシュモデルしかラインナップしておらず、レプリケーション先の環境にも高額なオールフラッシュ・ストレージを導入する必要がありました。その点、Nimble Storageは、オールフラッシュ/ハイブリッドモデルを組み合わせて利用できますので、我々の求める環境を最適なコストで実現できます」と説明する。加えて、もう一つの決め手となったのが、クラウドベースの運用管理ツール「HPE InfoSight」(以下、InfoSight)の存在だ。伊藤氏は「InfoSightの予測分析機能には以前から注目しており、統計情報をベースに障害予測やキャパシティプランニングが行えるのは非常に便利そうだと感じていました。管理者自身が常に注意を払わなくとも安定稼働を維持できるのは、運用管理の効率化を図る上でも非常に大きい」と語る。

システム/データ保護の課題を解消 データストアの幅を拡げることも可能に

 

こうして導入されたNimble Storageは、2018年10月より本番稼働を開始。具体的な製品としては、オールフラッシュモデルの「HPE Nimble Storage AF40」とハイブリッドモデルの「HPE Nimble Storage HF40」が、それぞれ1台ずつ導入されている。社内で実施した構築作業も、円滑に進められたのこと。岩崎氏は「教育やトレーニングなども受けないままの状態で構築に臨みましたが、ドキュメント類も豊富に用意されていますので、特に苦労を強いられるような場面はありませんでしたね。あえて言えば、マネジメントコンソール用のポートが初期値では10Gbpsポートに設定されているため、これを後から1Gbpsポートに切り替える作業を実施したことくらいでしょうか。コントローラの初期不良などもありましたが、これもHPEが標準で提供しているリモート保守にすぐ対応してもらいましたので、大きな問題にはなっていません」と語る。

ちなみに同社では、ファームウェアのアップデートなども自前で実施しているが、こうした作業も手間無く行えたとのこと。高橋氏は「当社ではシステムの内製化に力を入れていますので、ユーザー企業自身で簡単にセルフインストレーションが行えるのは助かりますね。スピードの面でもコストの面でも、大きなアドバンテージになります」と語る。シンプルな運用管理性を追求したNimble Storageの製品特長が、まさに存分に生かされた格好だ。

懸案であったシステム/データ保護についても、当初の構想通りオールフラッシュ/ハイブリッドモデル間でのレプリケーションを行うことで課題を解消。もし本番系の環境に大きな障害が発生した場合にも、迅速・確実に復旧できる環境が整った。さらに、これに加えて、Nimble Storageの機能を用いて4世代分のスナップショットも取得。高橋氏は「幸い、Nimble Storageを導入してからは一度も起きていませんが、以前にはユーザー側の操作ミスなどでデータが消えてしまったこともありました。その点現在では、こうした事態が発生した場合も簡単にデータを戻すことができます。おかげで、安心感は大幅に高まりました」と語る。

なお、元々はデータのレプリケーション先として導入されたハイブリッドモデルだが、現在では本番仮想サーバー用のデータストアとしても活用されている。「各サービスのインフラ担当者には、それぞれのデータストアの情報を提供してありますので、性能要求が非常に厳しい場合はオールフラッシュモデル、それほどI/O性能を必要としない場合はハイブリッドモデルといった具合に、自由に選んでもらうことが可能です」と伊藤氏は語る。既存のストレージ群にNimble Storageが新たに追加されたことで、ユーザーの多様なニーズにも応えられる、より柔軟なストレージ環境が実現できたのである。

新たなTECH VISIONの実現に向け今後も継続的な改善・改革を推進

 

Nimble Storageの多彩な機能も、最適なインフラ環境の実現に役立てられている。まず、圧縮・重複排除機能を用いることで、ストレージ容量を約1/3に削減することに成功。仮想化基盤のリソース有効活用に大きく貢献している。「ストレージの拡張性も大きく向上しましたね。Nimble Storageはスケールアップ/スケールアウトも容易に行えますので、今後増設が必要になった場合などにも柔軟に対応できます」と岩崎氏は語る。トリプル+パリティRAIDによる高い信頼性・可用性が確保されているため、サービスの安定性確保についても不安はないとのこと。もちろん、パフォーマンスの面でも、期待通りの能力を発揮している。

加えてInfoSightも、ストレージ運用管理の効率化に寄与。AI+ビッグデータを用いた予測分析機能により、システムのボトルネックや障害の予兆などを的確に検知できるため、プロアクティブな保守対応が行えるようになった。「InfoSightが利用できるおかげで、運用管理に関しては全く手間が掛からない印象ですね。もし何か問題があった場合も、こちらが気付く前にサポートチームから連絡が来ますので、普段はストレージのことを完全に忘れていられます」と伊藤氏。また、岩崎氏も「従来型のストレージ製品では、サポートを受けるにもまずログを送ったり症状を説明したりと、とかく煩雑な作業がつきまといがちでした。その点、InfoSightでは、サポートチームと同じ情報を共有しながら対話できますので、タイムラグもなくスムーズに対応してもらえます」と続ける。

さらにNimble Storageは、これまでに触れたレプリケーションやスナップショット、圧縮・重複排除、InfoSightなどのライセンス費用も全て込みで提供されるため、ストレージコストの削減にも一役買っている。「特に今回は、コストパフォーマンスに優れたハイブリッドモデルを組み合わせて導入したこともあり、所定の予算内で問題なく環境を構築できました。オールフラッシュモデルしかないベンダーの製品だと、とてもこうはいかなかったでしょう」と高橋氏は満足げに語る。

なお、現在同社では、今後の事業運営を支える新たなテクノロジービジョン「DMM TECH VISION」を掲げている。ここでは、「効率良く事業を運営していくためのベストプラクティスの集合」を「当たり前」と定義。「AGILITY(俊敏的)」「ATTRACTIVE(魅力的)」「SCIENTIFIC(科学的)」「MOTIVATIVE(意欲的)」の「4つのTECH VALUE」を軸に、「当たり前を作り続ける」ための取り組みを全方位で進めていく考えだ。高橋氏は「技術面でも、Infrastructure as Code化の推進やクラウド/オンプレミスの最適活用、既存システムのモダナイゼーションなど、様々な施策に取り組んでいきます。今回導入したNimbleStorageも、こうした活動を支えるプロダクトの一つとして、積極的に活用していきたいですね」と展望を述べた。

 


ご導入製品情報

HPE Nimble Storage

SSDとHDDを最適に組み合わせて活用する独自技術によって、圧倒的なスピードとTCO削減に貢献する経済性を両立できる予測分析フラッシュストレージです。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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導入ハードウェア

HPE Nimble Storage AF40

HPE Nimble Storage HF40

導入サービス