SCSKがクラウドサービス「USiZE」のストレージ統合を推進し、信頼性、拡張性、パフォーマンスを大幅に向上

SCSK株式会社 様

所在地:東京都江東区豊洲3-2-20(豊洲フロント)

URL:https://www.scsk.jp/

HPE 3PAR StoreServ 20000を採用しストレージ基盤を強化、HPE GreenLakeによる従量制・月額料金へ移行、コスト削減と拡張性の確保を実現

"HPE GreenLakeの「オンサイトバッファ」を利用して、ストレージ容量の増設回数を大幅に削減することができました。また、購買・調達に関わるプロセスも削減し、突発的な容量への要求があっても即座に対応できるようになりましたので、ビジネスチャンスを逃しません"

―SCSK株式会社

基幹業務システムに代表される重要な環境を99.999%以上の稼働率で支え続ける、SCSKのマネージドクラウド「USiZEシェアードモデル」。SCSKは8コントローラー搭載の「HPE 3PAR StoreServ 20000」を採用し、東日本データセンターのストレージ基盤を増強した。従量制・月額料金で利用できる「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」を採用し、オンサイトバッファ(予備リソース)によってディスク増設の頻度を減らすなど、運用工数とTCOの大幅な削減を達成。データが爆発的に増大するデジタルトランスフォーメーション時代に追随すべく、「USiZEシェアードモデル」はサービス強化により顧客からの期待に応えている。

 

業界

IT

 

目的

USiZEシェアードモデルのストレージ基盤増強。顧客の基幹業務システムを支えるパフォーマンスと信頼性を強化しながら、機器増設や障害対応などの運用管理負荷を低減する。

 

アプローチ

ミッドハイクラスの高性能ストレージに既存環境を統合するとともに、インフラ機器を「コンサンプションモデル」で導入することで運用管理負荷とコストの低減を図る。

 

ITの効果

・HPE 3PAR StoreServ 20000(8コントローラー機)を採用しストレージ基盤のパフォーマンスを強化

・HPE GreenLakeフレックスキャパシティを採用し本機を従量制・月額料金で導入

・オンサイトバッファを活用しディスク等の増設頻度を大幅に削減

・HPEデータセンターケアによるインフラ機器一括保守へ移行し、問題の把握・解決にかかる工数を大幅に低減

 

ビジネスの効果

・ストレージ基盤の増強により、伸長するSCSKのクラウド事業を5年以上支え続ける体制を万全に

・機器のメンテナンスや問題解決に要する時間と工数を削減することで、より一層顧客の事業へ貢献するための業務へシフトが可能に

・インフラ機器の月額費用化とともに、オンサイトバッファによりトータルコストを20%以上削減

・HPE InfoSightのVM環境を含む高度な障害予兆検知を活用、サービス品質をさらに強化する計画へ


チャレンジ

企業の基幹業務を支える高信頼のクラウドサービス「USiZE」

 

SCSKが提供するクラウドサービス「USiZE」が好調だ。2004年にリソース占有型マネージドクラウドとしてサービスを開始し、メニューを拡充しながら15年を経た現在も年率20%近い高成長を続けている。高度な技術力を備えた運用チームに支えられた、安定的かつ高品質なサービスは顧客からの評価が高い。netXデータセンター事業本部 クラウドサービス部 部長の山中克己氏は次のように話す。

「USiZEでは、SAPアプリケーションに代表されるビジネスクリティカルなシステムを中心に、数100社のシステムを稼働させています。99.999%以上の稼働実績を達成しており、これを支える24時間365日有人体制の運用サービスを標準メニューとして提供していることが大きな特長です。お客様は、システム運用業務に縛られることなく安心してご自身のビジネスに注力していただけます」

USiZEは、顧客固有の要件に合わせたカスタマイズが可能な「プライベートモデル」、AWSやMicrosoft Azureのリソースを活用する「パブリッククラウドモデル」、FISC対応・JDCCティア4準拠の堅牢なデータセンターを基盤とした高信頼の「シェアードモデル」をラインアップしている。

「USiZEシェアードモデルは、高度な運用サービスをセットにしたリソース共有型クラウドです。お客様は、高い信頼性を備えたクラウドリソースをリーズナブルなコストでご活用いただけます。また、東日本(千葉県印西市)と西日本(兵庫県三田市)の両データセンター間でディザスタリカバリ環境を整備しており、BCP対策を重視するお客様に万全の体制でお応えしています」(山中氏)

企業の中核システムとその運用を安心してアウトソーシングできるUSiZEは、顧客にとってメリットが大きい。一方、SCSKにとっては常に高いサービス品質を追求しながら多様な顧客ニーズに応えていく必要がある。SCSKがUSiZEのサービスを磨き上げていく上で、最も重視したのはストレージ基盤だという。

「2013年に東西データセンターそれぞれにHPE 3PAR StoreServ 7400を採用し、ストレージ基盤の共通化を図りました。ストレージ基盤全体の性能と信頼性を高めるとともに、HPE 3PARのスナップショットとリモートコピーの機能を利用して、DR環境を強化することが大きな狙いでした」とクラウドサービス部 第二課 課長の田中洋二氏は話す。

以降、USiZEシェアードモデルのストレージ基盤は段階的に増強され、HPE 3PARがその高品質なサービスを支えていくことになる。そして2017年、8コントローラー搭載可能なハイエンドモデルHPE 3PAR StoreServ 20000が新たに導入された。

 

SCSK株式会社

ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
クラウドサービス部
部長
山中 克己 氏

SCSK株式会社

ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
クラウドサービス部 第二課
課長
田中 洋二 氏

SCSK株式会社

ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
クラウドサービス部 第一課
課長
小林 朗 氏

SCSK株式会社

ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
クラウドサービス部 第一課
西澤 麻紀 氏

ソリューション

USiZEシェアードモデルのサービス向上を目指し、ハイエンドの8コントローラー機を採用

 

HPE 3PAR StoreServ 20000は、同シリーズのハイエンドに位置づけられる高性能・高信頼のストレージアレイである。HPE独自の「フルメッシュアーキテクチャー」を採用し、8つのコントローラーすべてを稼働させて高いIOPSを実現。障害発生時にはコントローラー間で瞬時にフェイルオーバーを実行し、パフォーマンス影響を最小に抑えながら7台のコントローラーが処理を継続する。

「ハイエンド機を採用した理由は大きく3つあります。①SSD領域を活用した高速ストレージサービスのメニュー化 ②既存HPE 3PAR(ミッドレンジ機)の段階的な統合 ③従量制・月額料金モデルの導入 です。お客様の要求に応える新サービスの提供、私たち自身の運用負荷の低減、コストの最適化、そのすべてを追求しました」と話すのはクラウドサービス部 第一課 課長の小林朗氏である。

USiZEに対する顧客の要求レベルは年々高まっている。中でもパフォーマンスへの要求は厳しく、わずかなレスポンスの変化に対して問合せが入ることもあるというが、ハイエンド機なら、高負荷のワークロードに対して高速なSSD領域を提供できる。クラウドサービス部 第一課の西澤麻紀氏は次のように説明する。

「ストレージ運用の視点では、HPE 3PARのQoS機能を利用してお客様ごとに割り当てるI/O帯域の上限を設定することで、リソースの取り合いが起こらないよう工夫しています。また、ストレージの負荷状況を常に正確に把握することで、レスポンスの変化がストレージに起因するものか、他に原因があるのか即座に判断できるようにしています」

専用の管理ツールHPE 3PAR SSMCでは、リソース状況、パフォーマンス、ステータスなどがダッシュボードから一目で確認できる。必要に応じてドリルダウンすることでより詳細な情報へのアクセスも可能だ。

「既存のミッドレンジ機から順次移行を進めており、2020年度までに完了させる計画です」(小林氏)

従量制・月額料金でインフラ機器を利用 TCO20%削減を実現したHPE GreenLake

 

HPE 3PARハイエンド機の導入に際してSCSKはひとつ大きな決断をした。「コンサンプションモデル」の採用である。

「『HPE GreenLakeフレックスキャパシティ』を採用し、従量制・月額料金でHPE 3PARを導入しました。クラウド事業を展開する私たちも、インフラ機器の『所有から利用へ』という流れを積極的に利用すべきと考えています」(山中氏)

HPE GreenLakeは、オンプレミスのHPE製品をパブリッククラウドのように従量制・月額料金で利用できる革新的なサービスである。ハードウェア資産をHPEが保有し、ユーザー企業は独自のセキュリティや運用ポリシーを適用した自社データセンターに設置して機器を利用できる。導入や増設にかかるコストを、数年間にわたって平準化できることも大きなメリットだ。

「私たちが注目したのは、HPE 3PARに『オンサイトバッファとして予備のSSD/HDDを用意しておき、必要になった時点で即座に利用できるオプション』です。これにより大きく2つのメリットが手に入りました。ひとつは、ストレージ容量増設の回数を大幅に削減できたこと。データセンターでの増設は、前後の調整も含めかなりの時間と工数を要していました」と田中氏は話す。

「もうひとつ、容量増設=インフラ投資における購買・調達に関わるプロセスを削減できたことも大きいですね。突発的な容量への要求があっても即座に対応できるようになりましたので、ビジネスチャンスを逃しません。将来の需要を見越した予備リソースはSCSKの負担で準備していましたが、これも解消されました。増設にかかる工数を勘案したコスト削減効果は20%近くになると試算しています」(小林氏)

HPE GreenLakeには「テクノロジーリフレッシュ」と呼ばれるプログラムが用意されている。これを利用すると、ストレージやサーバーなどの新モデルへの移行に際して、作業期間中に新システムの月額料金の請求は発生しない。山中氏が次のように続ける。

「オンサイトバッファやテクノロジーリフレッシュのメリットを享受しない選択はありません。2019年に更新を計画している東日本データセンターのサーバー導入に際しても、HPE GreenLakeを利用する考えです」

さらに、HPE GreenLakeには最上位の保守サービス『HPEデータセンターケア』が統合されており、保守レベルもアップグレードされている。

「私たちのシステム環境に精通しているHPEのアカウントサポートマネージャーが、プロアクティブ/リアクティブの両面から保守サービスをリードしてくれます。システムの構成情報や稼働状況を共有することで、ログ解析に時間を要することなく必要なサポートを受けることができるようになりました。複数台運用しているHPE 3PARに対し、整合性のとれたファームウェア更新のアドバイスも提供してもらえます」(西澤氏)。

ベネフィット

HPE InfoSightを利用したAIドリブンのクラウドサービスの実現へ

 

HPE 3PARでは、高精度の障害予兆検知を可能にする「HPE InfoSight」が利用できる。この革新的なAIクラウドサービスは、世界中で稼働しているHPEのシステムからセンサーデータや多様な統計データを収集し、高度な機械学習を用いた予測分析を実現している。

「HPE 3PARが99.9999%という稼働率を達成しているのは、何らかの問題が発生してもサービスに影響が及ぶ前に解決できるからです。HPE InfoSightは、これまでの予兆検知の水準を大きく超えており、ITインフラの真の自律運用につながる役割を果たすと期待しています」と小林氏は話す。

田中氏も、「私たちは、お客様にとって本当に価値の高いサービスを提供するための努力を惜しみません。しかし、ファームウェア更新のスペシャリストになりたいわけではないのです。多様な機器で構成されたITインフラ全体を、人手を介さず最適な状態に保てるようになることが理想です。自動最適化というテーマに、HPE InfoSightが威力を発揮してくれることを期待します」と話す。

HPE InfoSightは、問題発生の可能性を予測して通知するとともに、具体的な対処法までを提示して問題解決を容易にする。さらに、パフォーマンスや容量を予測する詳細なレポートにより、リソース増強の適切なタイミングも明らかにできる。

「インフラ機器の高信頼化を進め、インフラの自律運用化に向けた準備を整えることができたのは大きな成果でした。私たちは『USiZEシェアードモデル』のお客様価値を高めるための活動に、いっそう注力することができます。お客様のビジネスの中心を安心・安全に支え続ける『USiZEシェアードモデル』の進化に、ぜひご期待ください」(田中氏)

山中氏が次のように語って締めくくった。

「HPE GreenLakeによる消費モデルへの移行は、USiZEのインフラ投資のパラダイムを変えるかもしれません。HPE InfoSightによるITインフラの自律運用化は、今後のUSiZEの戦略の一翼を担っていくことになるでしょう。私たちがAIドリブンのクラウドサービスを実現するために、HPEにはこれからも最先端のテクノロジーとサービスによるご支援を期待します」


ご導入製品情報

HPE 3PAR StoreServストレージ

耐障害性、データサービスおよびデータ移動性を犠牲にすることなく、フラッシュ向けに最適化された専用アーキテクチャーならではのパフォーマンスを提供する業界唯一のストレージアレイです。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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