NTTぷららが、「ひかりTV」のハイエンドストレージを刷新し24時間365日の無停止運用を強化
株式会社 NTTぷらら 様
所在地:東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60
HPE 3PAR StoreServ 8400オールフラッシュアレイにより障害時だけでなくメンテナンスや拡張時も無停止を実現
"ハイエンドストレージに比肩する可用性、拡張性、性能が、リーズナブルなコストで手に入りました。HPE 3PAR StoreServ 8400のコストパフォーマンスは、ミッドレンジではトップクラスではないでしょうか"
ー株式会社 NTTぷらら
技術本部
ネットワーク管理部
マネージャー
大橋 峰延 氏
NTTぷららが、映像配信サービス「ひかりTV」を支える仮想化基盤に「インテル® Xeon® プロセッサー搭載HPE 3PAR StoreServ 8400 オールフラッシュアレイ」を採用。ハイエンドストレージを刷新して、24時間365日の無停止運用をいっそう強化した。HPE 3PAR StoreServ 8400は、シンプルな機器構成でリアルタイムでのデータ二重化を実現するとともに、障害時だけでなくメンテナンス時や拡張に際しても無停止で運用可能に。さらに、従来のハイエンドストレージの3倍以上のパフォーマンスを発揮している。
業界
通信
目的
映像配信サービス「ひかりTV」を支える仮想化基盤のストレージ更新。高品質なサービス提供のために、障害発生時だけでなくファームウェア更新などのメンテナンス時でも無停止運用を実現する。
アプローチ
オールフラッシュアレイの採用を前提に、5社5製品の実機を用いた耐障害性・可用性検証を実施。障害発生およびメンテナンス時の挙動や停止時間を、製品ごとに厳格に評価する。
ITの効果
・インテル® Xeon® プロセッサー搭載HPE 3PAR StoreServ 8400オールフラッシュアレイ(4コントローラー構成)を採用しサービス基盤の無停止運用を強化
・HPE 3PAR Peer Persistenceによりシンプルな機器構成でリアルタイムのデータ二重化を実現
・ポート仮想化機能HPE 3PAR Persistent Portsによりオンラインでのファームウェア更新を可能に
・実機検証にて10万IOPSを記録し、既存ストレージの3倍以上のパフォーマンスを実証
ビジネスの効果
・24時間365日停止の許されない環境において、障害・メンテナンス・拡張いずれにも無停止で対応可能に
・ハイエンドからミッドレンジストレージへの移行、省スペース化によりTCOを大幅に改善
・HPE 3PAR SSMCの直感的な使いやすさがストレージ自社運用の効率性に寄与
・HPE InfoSightによる障害予兆検知サービスを利用することで更なる信頼性向上に期待
チャレンジ
「ひかりTV」のサービスを無停止で支える仮想化基盤のストレージを刷新
NTTぷららが提供する映像配信サービス「ひかりTV」の快進撃が止まらない。総合ライフエンターテインメントサービスとして支持を伸ばし、サービス10周年を迎えた2018年時点で300万超の会員を獲得している。2014年に日本初の4K映像配信サービスを開始した同社では、2016年には世界初となるHDR対応4K-IP放送生中継を成功させるなど、光ブロードバンド回線を利用した高品質な映像コンテンツの提供に力を注いでいる。技術本部 ネットワーク管理部マネージャーの大橋峰延氏は次のように話す。
「『ひかりTV』では、80ch以上の専門チャンネル、8万タイトルの映画やドラマなどのビデオコンテンツをご覧いただけます。4K画質のコンテンツも拡充させており、スポーツスタジアムやコンサート会場から4K映像をライブ配信するメディアクラウドプラットフォーム分野にも注力しています。最高品質のコンテンツとサービスの追求は、『ひかりTV』のこだわりです」
「ひかりTV」では、映像配信にとどまらずショッピング、電子書籍、音楽配信など、多彩なコンテンツサービスが提供されており、ユーザーはテレビやスマートフォンなど多様なデバイスを通してオンデマンドでサービスを利用できる。
「24時間365日無停止で高品質なサービスを提供し続けるために、『ひかりTV』の映像配信システムには独自の工夫を凝らしてきました。たとえば、高負荷な環境には物理サーバーを割り当て、ポータルやユーザー認証、配信制御など多様なサービスを支えるサーバー群のおよそ70%は仮想化基盤に統合しています。ストレージは適材適所で使い分けていますが、いずれも高い信頼性を備えた製品を選定してきました」と大橋氏は話す。
この仮想化基盤では「ひかりTV」とISP事業「Plala」のサーバー群およそ1,500VMが稼働しており、高信頼のハイエンドストレージ(HDD/SSD構成)が採用されていた。ストレージ仮想化アプライアンスを介して、二重化されたディスクアレイに同時にデータを書き込む仕組みを採用するなど、「単一障害点を徹底的に排除した構成」(大橋氏)であった。
「2018年に、このハイエンドストレージを刷新しました。最大の目的は『障害時だけでなくメンテナンスや拡張時も無停止を実現すること』です。私たちは、5社5製品を対象に実機検証を行い『HPE 3PAR StoreServ 8400オールフラッシュアレイ』を選定しました」
株式会社 NTTぷらら
技術本部
ネットワーク管理部
マネージャー
大橋 峰延 氏
ソリューション
障害時だけでなくメンテナンスや拡張時も無停止運用が可能なストレージ環境へ
HPE 3PAR StoreServ 8400オールフラッシュアレイは、HPEミッドレンジストレージの最上位に位置づけられる製品だ。4コントローラーをメッシュ状に接続して全てをアクティブで稼働させ、オールフラッシュならではの高いIOPS性能と低レイテンシを実現する。
大橋氏らは、5製品に対して①可用性 ②拡張性③性能 ④コスト ⑤オペレーションの切り口から入念に検証を行った。対象となったのは次の製品である。
1)HPE 3PAR StoreServ 8400
2)A社ハイエンドオールフラッシュストレージ
3)B社ミッドレンジオールフラッシュストレージ
4)C社ハイパーコンバージド製品
5)D社ハイパーコンバージド製品
「私たちが最も重視したのが可用性です。仮想化基盤上では、24時間365日提供されるB2Cサービスが数10件稼働しています。ストレージの不調でサービスを停止させることは許されません。いかなる障害が発生しても、ファームウェア更新などのメンテナンス時でも、ディスクやコントローラーの増設に際しても、サービスを止めないストレージ製品を見極める必要がありました」
大橋氏らは、「ストレージI/Oの停止を20秒以内に抑えること」を目標に掲げ、本番を想定した二重化構成の実機環境でテストを繰り返した。
「まず、オンラインの状態でディスクやケーブルを取り外したときの挙動を確認しました。さらに、プライマリ側の電源ケーブルを抜いて、正しくセカンダリに切り替わるか、切り替えに何秒要するかを計測しました。すべてのテストで目標をクリアしたのは、HPE 3PAR StoreServ 8400 とA社ハイエンドストレージの2製品だけでした」
HPE 3PAR StoreServ 8400では2つの筐体間でリアルタイムにデータを同期させることができる。この「HPE 3PAR Peer Persistence」を利用すれば、ストレージ仮想化アプライアンス不要でデータの二重化が可能だ。2筐体間で同期されたそれぞれのボリュームは、ホストから同じボリュームとして認識され、パスを切り替えるだけでほぼ無停止でサービスを継続できる。
「HPE 3PAR StoreServ 8400は、ディスクを抜いてもほぼ瞬時にI/Oを再開し、筐体間でのサービス切り替えも20秒以内に完了しました。また、ファームウェアの更新も無停止で行えることが確認できました」
4台のコントローラーを搭載するHPE 3PAR StoreServ 8400では、オンラインのままコントローラー1台単位で順次ファームウェアを更新できる。「HPE 3PAR Persistent Ports」によりポートを仮想化し、ホストやアプリケーションへの影響なしにコントローラーを切り替える仕組みだ。
「HPE 3PAR StoreServ 8400では、1台のコントローラーを停止させてもパフォーマンスへの影響は10~20%に抑えられました。50%近くまで性能が落ちる製品もありましたので、このスコアはかなり優秀と言えるでしょう。HPE 3PAR Persistent Portsを使えば、コントローラーの増設や容量拡張も無停止で行えます。まさに私たちの要件に合致したソリューションでした」
オールフラッシュならではの高性能 既存ハイエンド機の3倍以上のIOPSを実測
実機検証では負荷試験とパフォーマンス評価も行われた。HPE 3PAR StoreServ 8400は、4コントローラー搭載のオールフラッシュアレイとしてパフォーマンスに定評があるが、検証はそれを裏づける形となった。
「SSD構成は同等、ブロックサイズ8Kのランダムアクセス、Write 80%/Read 20%という条件でパフォーマンステストを実施しました。結果は、HPE 3PAR StoreServ 8400とA社ハイエンドストレージが同スコアの100,000 IOPSで他を大きく引き離しました。これは、既存ハイエンドストレージの3倍を超える性能です」
HPE 3PAR StoreServ 8400では、インライン重複排除や混合ワークロードの最適化処理など、CPU負荷の高い処理を「HPE 3PAR Gen5 ASIC」にオフロードできる。これにより、異なるワークロードを混在させる環境でもオールフラッシュアレイならではの高い性能を最大限発揮させ、かつ安定的に持続させることができる。
「実機検証を通じて、①可用性 ②拡張性 ③性能のすべてにおいてHPE 3PAR StoreServ 8400とA社ハイエンドストレージが同等の能力を備えていることを確認できました。ミッドレンジ機とハイエンドフラッグシップ機の比較ですから、コストパフォーマンスの優劣は明らかです」
さらに、HPE 3PAR StoreServ 8400は、既存ハイエンドストレージとの比較で50%以上の省スペース化をもたらした。これにより「データセンターコストを半減」(大橋氏)できたのである。
ベネフィット
無停止運用に更なる安心をもたらすHPE InfoSightによる高度な予測分析
NTTぷららでは、大橋氏の所属する技術本部でサービス基盤の運用も行っている。実機検証で⑤オペレーションを評価項目に加えたのは、「自分たちが安心して運用できる製品を選びたい」(大橋氏)という思いからだ。検証では、管理コンソールの完成度にも大きな差があることが明らかになったという。大橋氏が高く評価したのは、HPE 3PAR StoreServ Management Console (SSMC)の直感的な使いやすさだった。
「HPE SSMCでは、HPE 3PAR StoreServ 8400の管理をブラウザーベースの直感的なGUIから行えます。リソース状況、パフォーマンス、ステータスなどがダッシュボードから一目瞭然で、必要に応じてドリルダウンすることでより詳細な情報にアクセスできます。サーバー管理に使っているHPE OneViewと共通したGUIの使いやすさという安心もあります」
もうひとつ、大橋氏が注目するHPEのテクノロジーがあるという。最先端の予測分析プラットフォーム「HPE InfoSight 」である。HPE InfoSightは、HPE 3PAR StoreServおよびHPE Nimble Storageのセンサーデータや稼働データを収集し、AI・機械学習ベースの高度な予測分析と対処方法のアドバイスを提供する。
「障害の予兆を自動検知することで、サービスに影響を及ぼす前に対策できるメリットは非常に大きいと思います。24時間365日無停止でサービスを提供している私たちが、まさに求めているソリューションです」
HPE InfoSight をコアテクノロジーとするHPE Nimble Storageは、99.9999%以上という驚異的な稼働実績(年間停止時間23秒)を達成している。「ひかりTV 」を支えるHPE 3PAR StoreServ 8400にも、今後更なる安心がもたらされるだろう。
最後に、大橋氏が次のように語って締めくくった。
「ハイエンドストレージに比肩する可用性、拡張性、性能が、リーズナブルなコストで手に入りました。HPE 3PAR StoreServ 8400のコストパフォーマンスは、ミッドレンジではトップクラスではないでしょうか。オペレーション環境も満足できるもので、最善の選択ができたと思っています。これからも『ひかりTV』は、最高品質のサービスを追求していきます。HPEには、HPE InfoSightをはじめ最先端のテクノロジーで私たちのビジネスを支援してくれることを期待します」
ご導入製品情報
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