NTTPCコミュニケーションズが、WebARENA® SuitePRO V4のストレージ基盤をオールフラッシュ化



株式会社NTTPCコミュニケーションズ 様

 

HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイを採用し、前年比230%のビジネス成長を目指す


"プライマリストレージとバックアップの統合的な運用では、明らかにHPEストレージ製品のメリットが他社製品を上回っていました"

―株式会社NTTPCコミュニケーションズ
 テクノロジー & オペレーション開発本部
 第一サービステクノロジー部
 開発担当 主査
 萩原 正浩 氏

NTTPCコミュニケーションズが、仮想専用サーバー(VPSクラウド)として支持を拡大する「WebARENA SuitePRO V4」のストレージ基盤を刷新。「HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイ」を採用し、10数倍のパフォーマンス向上を達成するとともに、重複排除による容量効率の改善、バックアップの高速化、運用負荷の低減など、オールフラッシュストレージならではの大きな成果を手に入れた。前年比230%のビジネス成長をめざす、WebARENA SuitePRO V4を支えるストレージ基盤の実像に迫る。

 

業界

クラウド

 

目的

中堅・中小企業の業務システム用途で成長する、仮想専用サーバー(VPSクラウド)「WebARENA SuitePRO V4」のストレージ基盤刷新。本ビジネスの更なる成長を支える高い信頼性を実現しつつ、運用負荷低減・TCO削減と両立させる。

 

アプローチ

オールフラッシュ化によるストレージ基盤のパフォーマンス強化で、サービスのいっそうの高品質化を図る。最新のテクノロジーやサービスを積極的に活用し、人手を介する業務を可能な限り縮小させて運用負荷低減・TCO削減に結びつける。

 

ITの効果

・HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイによりストレージI/O性能を10数倍に高速化

・HPE 3PAR StoreServ 20000の重複排除機能を活用し書き込みデータを2/5以下に削減

・HPE 3PAR StoreServ 20000とHPE StoreOnceバックアップアプライアンスを組み合わせバックアップの所要時間を1/5以下に短縮

・HPE 3PAR Smart SANによる自動化でSANゾーニング設定を数分で実行

 

ビジネスの効果

・WebARENA SuitePRO V4ビジネスの更なる成長に向けたサービス基盤強化を実現

・容量効率の改善、運用負荷の低減等を含め5年間のストレージコストを50%削減見込み

・人手を介する運用業務を縮小しシステム運用の現場での「働き方改革」を推進

チャレンジ

前年比230%の成長を目指すWebARENA SuitePRO V4のストレージ基盤刷新

 

2NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)の「WebARENA SuitePRO V4」が好調だ。長年にわたりWebサーバー/メールサーバー用途で堅調に成長してきたが、ここ数年は中堅・中小規模企業向け業務システム/ファイルサーバーでの採用が急拡大しているという。その理由を、サービスクリエーション本部 担当部長の冨永嘉之氏は次のように説明する。

「WebARENA SuitePRO V4ならではの安定性や使い勝手の良さを評価くださり、競合するサービスが多数ある中で独自のポジションを確立しています。特に伸びているのはサーバー統合用途です。自社内で運用していたWindowsベースの業務アプリケーションやファイルサーバーをWebARENA SuitePRO V4に移行し、段階的に移行範囲を拡大していくようなケースが典型的です」

Windows Server環境が即座に使える、3世代までのデータバックアップが可能、NTTPCが提供するVPNサービスと組み合わせてセキュアなアクセス環境を手軽に構築できるなど、WebARENA SuitePRO V4は業務システムの要求に応えるサービスを整えている。さらに冨永氏は「信頼性の高さが他のクラウドサービスと一線を画すポイント」と強調する。

「実際に、WebARENA SuitePRO V4のサーバー/ストレージは2年以上にわたり無停止運用を継続しており、お客さまの大きな安心感につながっています。今回のストレージ基盤の刷新においては、更なる安定稼働を実現することを必須の要件としました」

WebARENA SuitePROから提供されるユーザー環境は、すでに3,000VMに達している。顧客企業のビジネスを支えるストレージ基盤はどうあるべきか。活用すべきテクノロジーは何か、品質向上にどれだけの効果をもたらすか、慎重に検討が進められた。テクノロジー&オペレーション開発本部 主査の萩原正浩氏は、次のように話す。

「WebARENAの中核サービスとして、私たちのビジネス成長を支える基盤でもあります。より高い信頼性を実現するには、突発的なI/O負荷の高まりや、予測できないワークロードに直面しても安定的に処理できる性能が不可欠と考えました。私たちは、オールフラッシュ製品に絞って検討を進め、ストレージ機能の実効性を含めた総合的な評価を経て『HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイ』の採用を決めました」

WebARENA SuitePRO V4の新世代ストレージ基盤は、2016年末までに構築を完了。HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイは、2017年1月から稼働を開始した。

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

サービスクリエーション本部
第一サービスクリエーション部
サービスクリエーション担当
担当部長
冨永 嘉之 氏

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

テクノロジー&オペレーション開発本部
第一サービステクノロジー部
開発担当 主査
萩原 正浩 氏

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

テクノロジー&オペレーション開発本部
第一サービステクノロジー部
開発担当 主査
成嶋 功一 氏

ソリューション

高い性能を維持したままインラインで重複排除データ書き込み量を2/5以下に

 

HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイは、同シリーズのハイエンドに位置づけられる製品だ。最大8コントローラーをメッシュ状に接続して全てをアクティブで稼働させ、オールフラッシュ製品ならではの高パフォーマンスと低レイテンシを実現。高負荷時でも高いパフォーマンスを維持できる能力が、クラウド事業者や大規模なプライベートクラウドを運用する企業から高く評価されている。

「HPE 3PAR StoreServ 20000は、HDDベースの既存ストレージとの比較で10数倍のパフォーマンスを発揮しています。従来はティアリング(データ自動階層化)で高価なSAS HDDと廉価なニアラインSASを使い分け、性能とコストのバランス化を図っていましたが、オールフラッシュ環境ではこれが不要になりました。HPE 3PAR StoreServ 20000が、圧倒的な高性能と重複排除による容量効率化を実現したからです」(萩原氏)

「HPE 3PAR StoreServ 20000のインライン重複排除により、実環境でのデータ書き込み量は2/5以下に削減されました。重複排除と圧縮を組み合わせても、処理性能にはまったく影響がありません。オールフラッシュに最適化されたアーキテクチャーの完成度の高さ、特にASICへのオフロードの有効性を実感しています」と萩原氏は評価する。

同じオールフラッシュ製品でも性能差があることは周知のとおりだが、高負荷時やストレージ機能を利用したときのパフォーマンスには注意が必要だ。特に、重複排除を実行しながらどれだけの書き込み性能が得られるかは慎重に評価すべきだろう。

「重複排除によるデータ量の削減は、SSDの容量抑制と投資対効果の改善にダイレクトに結びつきます。既存のHPE 3PAR StoreServ環境で実データによる重複排除効果の予測ができるのですが、本番環境の運用を開始して予測精度の高さを実感しました。HPE 3PAR StoreServ 20000では、運用管理負荷の低減効果を含めて今後5年間のストレージコストを50%削減できる見込みです」(冨永氏)

バックアップ時間を1/5以下にシステム運用の現場には「働き方改革」を

 

HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイの導入に際しては、もうひとつ重要な要件があった。数100TB規模のデータバックアップの高速化である。WebARENA SuitePRO V4では、3世代までのイメージバックアップを標準サービスとして提供しているが、バックアップ時間の伸長が課題となっていたのである。

「企業の業務システム/ファイルサーバー用途ではバックアップが必須ですが、データの増大が想定を上回ったために時間が伸長していました。夜間バックアップが朝までに完了できず、そのまま始業時間を迎えてしまうとストレージへの負荷が急増し、さらにバックアップ時間を要するという悪循環に陥っていました」とテクノロジー&オペレーション開発本部 主査の成嶋功一氏は話す。

こうした状況を抜本的に解決したのが、HPE 3PAR StoreServとHPE StoreOnceバックアップアプライアンスを組み合わせる「フラットバックアップ」である。一般的なバックアップサーバーとバックアップソフトの構成を使わず、「HPE Recovery Manager Central (RMC)」と呼ばれるHPE 3PAR StoreServの機能だけで高速バックアップを実現する。

「HPE 3PAR StoreServ 20000でスナップショットを取得し、これをHPE StoreOnceに重複排除コピーするシンプルな仕組みです。これにより、バックアップの所要時間を1/5以下に短縮することができました。バックアップが予定時間内に終わらない状況が、運用担当者の負担を高めていましたが、これも解決することができました」(成嶋氏)

「プライマリストレージとバックアップの統合的な運用では、明らかにHPEストレージ製品のメリットが他社製品を上回っていました。テクノロジーや製品単体の評価だけでなく、システム全体を最適化する視点がやはり重要です」(萩原氏)

オールフラッシュならではの高い性能でピーク時間帯の処理を余裕でこなす、バックアップも数時間で余裕をもって完了する――こうした状況が生まれ運用体制の見直しにも着手できたという。

「システム運用の現場の『働き方改革』を目指しています。最新ハードウェアへの投資を適切に行うことで、お客さまへのサービス品質を向上させつつ運用負荷を軽減し、全体コストを削減することができる事実を改めて実感しました」と冨永氏は評価する。

ベネフィット

HPE 3PAR Smart SANによる自動化で SAN ゾーニング設定を数分で実現

 

HPE 3PAR StoreServ 20000の採用に際して、冨永氏らが注目したテクノロジーがある。SANゾーニング設定を自動化する「HPE 3PAR Smart SAN」である。SAN環境では、World Wide Name(WWN)と呼ばれるIDでハードウェアを識別してサーバーとストレージの接続を確立するが、WebARENA SuitePROのような大規模環境で膨大な数のSANゾーニングを管理するのは容易ではない。

「物理サーバーの新設・増設・交換に際してはWWNの割り当てや変更が必要ですが、いずれも慎重を期さなければならない作業です。『HPE 3PAR Smart SAN』では、ホストを指定するだけでHPE 3PAR StoreServとSANスイッチへの設定を数分のうちに自動実行してくれます。手作業によるミスの心配もありません」(成嶋氏)

SANゾーニング設定の自動化機能はHPE BladeSystemのバーチャルコネクトで提供されてきたが、HPE 3PAR Smart SANでは、ラックマウントサーバー環境でも同等の機能を利用できる。今後サーバー環境が多様化しても、SAN環境の運用負荷を抑制することができるわけだ。

「HPEデータセンターケアによる一括保守・事前予防保守の安心感も大きいですね。自社の保守チームと連携して24時間365日体制での稼働を支えています。ファームウェア更新についても適切なアドバイスをもらえますので、計画的な対応が可能です」(萩原氏)

最後に冨永氏が次のように語って締めくくった。

「HPE 3PAR StoreServ 20000オールフラッシュアレイ導入による、ピーク時の安定稼働、バックアップ時間の大幅な短縮、SAN管理の容易化――すべてが運用負荷の低減に結びついています。WebARENA SuitePRO V4では戦略的な価格設定を行っていますが、運用体制の見直しが大きく寄与しています。私たちは、ハードウェアへの投資を抑えてギリギリの性能で頑張るよりも、十分なリソースを持って運用負荷を下げる方が合理的だという判断をしました。そして、実際にその通りの成果を手に入れたのです」

ご導入企業様

株式会社NTTPCコミュニケーションズ 様

 

所在地:東京都港区西新橋二丁目14番1号

URL:http://www.nttpc.co.jp/