HPE Synergyによるハイブリッド・クラウド環境で社内ITインフラの運用自動化を強力に推進
株式会社ピーエスシー 様
所在地:東京都港区芝公園 2-2-18 オーク芝公園ビル
URL:https://www.psc-inc.co.jp/
顧客企業のイノベーションを加速する先進ソリューションも提供
"運用自動化ツールとAPIを連携させて環境全体を統合管理できるHPE Synergyは、まさに次世代のインフラにふさわしい製品。ビジネスをすぐに立ち上げたいというご要望にもしっかりとお応えできます"
―株式会社ピーエスシー 取締役 営業兼デリバリー担当役員 岡野 太士 氏
株式会社ピーエスシー(以下、PSC)では、全社業務を支える社内仮想化基盤を再構築した。新システムの中核には、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のコンポーザブル・インフラストラクチャ製品「HPE Synergy」を採用。柔軟で高信頼なビジネス環境を実現すると同時に、クラウド連携やコンテナ/運用自動化技術の活用など、今後のソリューション提供に欠かせない最新ICT技術の自社実践を行う場としても活用していく。
業界
IT
目的
基幹業務システムや情報系システムを収容する社内仮想化基盤を刷新すると同時に、最新ICT技術を用いた新たなソリューションの開発・検証にも活用できる環境を創り上げる。
アプローチ
HPE SynergyとMicrosoft Azureを一体的に活用できるハイブリッド・クラウド環境を構築。優れた柔軟性と拡張性を活かし、運用自動化技術やコンテナ技術の導入・活用も積極的に推進。
ITの効果
・「HPE Synergy」を導入し俊敏かつ柔軟なコンポーザブル・インフラストラクチャを実現
・ストレージに「HPE 3PAR StoreServ 8200」を採用し高い性能・信頼性を確保
・オンプレミスとクラウドを効果的に連携させたハイブリッド・クラウド環境を実現
・AnsibleやDockerをはじめとする先進ICT技術の研究・実証環境を確立
ビジネスの効果
・運用管理の統合化や障害対応プロセスの自動化により作業工数を50%削減
・業務アプリケーションのレスポンスを大幅に改善することに成功
・コンテナ/運用自動化技術に関する知見やノウハウを積むことが可能に
・HPE Synergyを用いた新しい顧客企業向けソリューションを展開
各種の社内業務を支える仮想化基盤の再構築に着手
DIGITAL MARKETING、SYSTEM INTEGRATION、IT MANAGEMENT、IT OUTSOURCING、SECURITY、CLOUD APPSなど、企業のビジネスを下支えするソリューションを幅広く展開するPSC。同社 取締役 営業兼デリバリー担当役員 岡野太士氏は「当社では創業以来20年以上にわたり、最適なITインフラをご提供する取り組みを進めてきました。端末の導入・展開から各種業務システムの構築、さらには導入後の運用・保守サポートに至るまで、お客様が必要とされるサービスをワンストップで提供しています。さらに近年では、クラウド活用やサイバーセキュリティ対策、デジタルマーケティングなどの分野にも力を入れています」と説明する。
そうしたプロダクトの一つが、Microsoft「Office 365」やGoogle「G Suite」の利便性向上を実現するアドオンアプリケーションだ。「日本の大手企業をはじめとして、カレンダーやアドレス帳などの機能を組織階層型で利用したいというニーズが強いのですが、標準機能ではこうしたサポートがされていないため、『Coo Kai BBS』『Coo Kaiワークフロー』などのアドオンアプリケーションを自社開発し、既に100社以上の企業にご導入頂いています」と岡野氏は続ける。また、同社 取締役 デリバリー担当役員 福島 孝之氏も「特定ベンダーとの関係を持たない独立系IT企業であることも当社の強みです。市場に提供されている様々な製品/ソリューションの中から、お客様に最適なものをご提案できます」と語る。
PSCにて今回実施されたのが、全社業務を支える社内仮想化基盤の再構築プロジェクトである。ここには会計/勤怠管理をはじめとする基幹システムや全社情報共有基盤など、様々な業務システム群が収容されている。福島氏は今回のプロジェクトの背景と狙いを「旧環境で利用していたハードウェア製品の保守期限が近づいたことが直接的なきっかけです。ただし、せっかくリプレースを行うのなら、単なる老朽更新にはしたくありませんでした。最近では運用自動化技術やコンテナ技術などの新しいテクノロジーが次々と生まれています。当社でも、こうしたものに対する経験・ノウハウを蓄積し、自社の課題解決やお客様向けのソリューションに役立てていくことが求められます。そこで次期仮想化基盤では、こうした要求にも応えられる先進的なインフラを実現したいと考えました」と語る。
株式会社ピーエスシー
取締役
営業兼デリバリー担当役員
岡野 太士 氏
HPE Synergy+Ansibleを導入し最新技術に対応したインフラを実現
新たなインフラを構築するにあたっては、全面的なクラウド移行も検討したという。「ファイルサーバーや情報共有ツールなどについては、問題なくクラウド化が可能です。しかし、社内で稼働するサーバー群の中には、基幹システムをはじめとしてクラウド環境に対応していないものも存在します。そこで今回は、クラウドとオンプレミスの環境を組み合わせたハイブリッド・クラウドでインフラを構築することにしました」と岡野氏は振り返る。
その中で、核製品として新たに採用されたのが、HPEが提供するコンポーザブル・インフラストラクチャ製品「HPE Synergy」(以下、Synergy)だ。Synergyは、フレーム内に搭載されるコンピュート/ストレージ/ファブリックモジュールを自由自在に組み合わせて構成できる上に、運用管理も統合的に行うことができる。これまで利用していた仮想サーバー群をそのまま移行できるのはもちろんのこと、ベアメタルの物理環境やコンテナ環境なども同一フレーム内に集約することができるのだ。「HPEからSynergyの提案を受けた際には、非常にユニークな製品だと感じましたね最近注目を集めているハイパーコンバージド・インフラストラクチャ製品などと比較しても、遙かに高い柔軟性・拡張性が確保されています。ちょうどコンテナ型仮想化基盤『Docker』の活用も進めていきたいと考えていましたので、様々なシステム環境を好きなように追加していけるSynergyは、まさに当社の要件に合致していました」と岡野氏は語る。
加えて、もう一つの大きな決め手となったのが、レッドハット社が提供するIT運用自動化ツール「Red Hat Ansible Tower」(以下、Ansible)とSynergyを一体で提供するパッケージ商品「あんしんAnsibleパック for HPE Synergy」が用意されていた点だ。「当社では自社サービスやお客様環境向けのサーバーを頻繁に構築するため、構築担当チームの業務負担が重くなりがちです。働き方改革を進めていく上でも、こうした状況は早急に改善していかなくてはなりません。これまでも『Chef』などによる運用自動化を進めてきましたが、今後はAnsibleも活用して、さらにこの取り組みを加速させていきたいと考えています。その点、このパッケージなら、SynergyとAnsibleを簡単に一括導入できます」と福島氏は語る。
株式会社ピーエスシー
取締役
デリバリー担当役員
福島 孝之 氏
オンプレミスとクラウドをシームレスに統合管理
Synergyによる新社内仮想化基盤は、2018年10月より無事本番稼働を開始した。具体的な構成としては、まず「HPE Synergy 1200 Frame」内に4ノード分のコンピュートモジュール「HPE Synergy 480 Gen10」を搭載。ここにMicrosoft Hyper-Vで仮想化された基幹システム用サーバーや管理サーバー、ドメインコントローラなどが構築されている。加えて、コンピュートモジュール8台分の拡張領域も確保されているため、今後の新たな業務要件にも余裕で対応することが可能だ。また、Microsoft SharePoint Onlineによる社内ポータルも構築されており、基幹システムやOice 365/Coo Kaiアプリケーション、Microsoft Azure 上のファイルサーバーなどのシステムに簡単にアクセスできるようになっている。これにより、オンプレミス/クラウドの別を問わず、業務に必要な情報を即座に活用できるインフラが実現できた。
「Synergyはパブリック・クラウドとの親和性も非常に高いので、こうしたハイブリッド環境を構築するのに最適ですね。最近では当社のお客様からも、『新しいビジネスやサービスをできるだけ素早く立ち上げたい』というご要望が増えています。これに応えていくためには、オンプレミス側の環境にもパブリック・クラウドと同じような柔軟性が不可欠です。その点、Synergyを利用すれば、各種システムリソースの増減が自由自在に行える上に、Ansibleを用いたクラウド環境との統合管理も実現できます。まさに、これからの企業情報インフラに求められる要素が、すべて詰まった製品だと感じています」と岡野氏は語る。特にPSCが支援を提供しているデジタルマーケティングなどの分野では、新たなイノベーションを目指して参入する異業種企業も多い。ビジネススピードに対する要求も非常に厳しいため、インフラ側が足かせになるような事態は絶対に避ける必要がある。今回導入されたSynergyは、社内の業務課題を解決するだけでなく、こうした先進企業のニーズに応えていく上でも重要な役割が期待されているのだ。
加えて、今回のプロジェクトでもう一つ見逃せないのが、ストレージに「HPE 3PAR StoreServ 8200」(以下、3PAR)を採用した点だ。「今回はシステムの信頼性・可用性を高めたいという観点から3PARを選びました。製品品質の高さに加えて、クラウド関連の機能が非常に充実している点も大きな魅力でしたね。AnsibleやChef、Dockerなどのテクノロジーにも対応していますので、運用自動化やコンテナ活用の取り組みにも大きな弾みが付くことと考えています」と福島氏は語る。シンプロビジョニングやスナップショットなどの運用管理機能も有効に活用されている。さらに福島氏は「旧環境ではファイルサーバーの容量不足に悩まされることもありましたが、Synergyは3PARだけでなく専用ストレージモジュールの追加なども容易ですので、こうした面での不安もありません」と続ける。
Synergyを活用した新ソリューションも展開
Synergyを導入したことで、PSCの業務にも様々なメリットがもたらされている。まず一つ目は、業務システムのレスポンスが飛躍的に向上した点だ。岡野氏は「旧環境においては、月末・月初の時期になると経費精算などの申請ワークフローが非常に重たくなっていました。しかし、Synergyに移行してからは、こうした問題が完全に解消し、ハッキリと体感できるくらいの違いがあり、全くストレスなくシステムを利用できるようになっています」と満足げに語る。しかも、その一方で、大幅な省スペース・省電力化も実現。従来は2ラック分の設置スペースを必要としていたが、現在では1ラック分のスペースに全ての機器が収まっている。これにより、インフラコストの削減も図ることができた。
また、運用自動化の面でも、着々と成果が挙がりつつある。福島氏は「たとえば、これまで運用面で課題となっていた点の一つに、トラブル発生時の対応があります。アラートが通知された際にはサーバーの再起動などを行いますが、従来は限られたメンバーしか作業を行うことができず、運用が属人化する大きな要因になっていました。そこで今回から、こうした障害対応に必要な一連の作業をAnsibleで自動化しました。この結果、誰でも対応が行えるようになり、作業工数を約50%削減することに成功しました」と力強く語る。Synergyはインフラ全体を管理する上で必要なAPIを標準で提供しているため、こうした取り組みを効率よく進めていくことができる。最近では、自動化/コード化によってインフラ運用の効率化を目指す「Infrastructure as Code」の考え方が注目を集めているが、こうした先進的な環境を実現していく上でも大きな効果が期待できるのだ。
「Docker用のテスト環境なども簡単に作れるようになりましたので、今後も運用自動化/コンテナ技術に関するノウハウを蓄積してきたい」と福島氏は語る。
さらに、その先に見据えているのが、顧客企業向けソリューションへの展開だ。岡野氏は「クラウドファーストという言葉もありますが、現実の企業情報システムではなかなかクラウドに移せないシステムも多い。その点、今回のような環境を利用すれば、オンプレミス/パブリック・クラウドそれぞれの長所を取り入れたインフラ環境を容易に実現できます。お客様のビジネスにしっかりと貢献していくためにも、当社の経験とSynergyを融合させた新しいソリューションをどんどんお届けしていきたい」と抱負を語る。既に具体的なソリューション構想も描かれている。「たとえば、当社のセキュリティ事業分野では、運用管理とサイバーセキュリティ対策を一体化したソリューションをご提供する予定です。ここでは、Synergyとパブリック・クラウド、セキュリティ製品などを組み合わせ、安心・安全なハイブリッド・クラウド環境を実現します。具体的にはフロント系のWeb/APサーバーはクラウドに、重要業務データを扱うDBサーバーはSynergyに配置し、各種セキュリティ製品との連携も実施。これにより、インフラの入口・出口・内部対策がトータルに行えるようになります」と岡野氏。Synergyが活用される場面も、どんどん拡がっていくことになりそうだ。
ご導入製品情報
強力なソフトウェア デファインド ソリューションであるHPE Synergyを活用すれば、物理/仮想コンピュート、ストレージ、およびファブリックリソースの可変的プールをあらゆるワークロードの構成に組み込むことができます。