HPE SimpliVityによる新学内情報基盤を構築し、インフラ最適化に向けた取り組みを加速
学校法人同志社 同志社女子大学 様
所在地:京都府京田辺市興戸
URL:https://www.dwc.doshisha.ac.jp/
性能・信頼性向上とリソース有効活用を実現
"インフラで稼働する機器点数を削減し最適化を進めていくという本学の方針に、HPE SimpliVityは大きく貢献してくれています。今後も様々な用途に活用を拡げていきたいですね。"
―同志社女子大学
経理部 ネットワークインフラ課
課長
長南 敏彦 氏
学校法人同志社 同志社女子大学(以下、同志社女子大学)では、「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新たな学内情報基盤を構築した。ユーザー認証システムや教育用PC管理システムなどのシステム群を集約し、インフラ環境の最適化やコスト削減をさらに進めていくのが本プロジェクトの目的だ。導入後はシステムの性能・信頼性向上や運用管理業務の効率化、ストレージリソースの有効活用など、数多くのメリットを実現している。
業界
学校
目的
学内で稼働するサーバー等の機器点数を削減し、情報基盤のさらなる最適化や無駄のないIT投資を推進。併せて、教員や学生が快適に授業を進められる環境を実現すること。
アプローチ
クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」を新たに採用。個別の物理/仮想環境で構築されたシステム群を集約することで、インフラの性能・信頼性向上や運用管理負担の軽減を図る。
ITの効果
・「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新たな学内情報基盤を構築
・2ノード構成によるスモールスタートを実現
・圧縮・重複排除機能を利用することで、ストレージ容量を約1/10に削減
・標準バックアップ機能の活用により、既存バックアップシステムを撤廃
ビジネスの効果
・教育用PC管理システムの性能・信頼性問題を解消し、円滑な授業進行を実現
・2キャンパスに分かれていたシステムを集約。ラックスペースも1/3以下に削減
・運用管理負担が軽減され、より付加価値の高い業務に注力できるようになった
・BYOD向けVDI基盤などの新たなニーズにも柔軟に対応することが可能に
インフラ環境の最適化を目指し新学内情報基盤の導入に着手
同志社女子大学の前身である女子塾は、1876(明治9)年10月24日に京都御苑内に開校。以来、140余年にわたり育んできた古き良き伝統を守りつつ、社会の変化に対応するかたちで学部・学科を新設し、発展を遂げてきた。現在では、6学部11学科1専攻科5研究科を擁し、約6,200名の学生が学ぶ女子総合大学となっている。「キリスト教主義」「国際主義」「リベラル・アーツ」の教育理念は、女子塾開校から変わることなくキャンパス内に息づいており、現在もより豊かな社会づくりに貢献できる女性の育成に取り組んでいる。さらに2026年に創立150周年を迎えるにあたり、活動方針「Vision150」を掲げ、「21世紀社会を女性の視点で『改良』できる人物の育成」に向けた活動を展開中だ。
その同大学の研究・教育活動をIT面で下支えしているのが、経理部 ネットワークインフラ課である。同課の課長を務める長南 敏彦 氏は「本学では、LMS(学習管理システム)等の教育系システムについては教務部が、各種事務システムの管理・運用については当部門がそれぞれ担当する形を取っています。今やネットワークは大学として重要なインフラですし、その投資についても十分な目配りが求められます。そこで経理部の管轄下とし、安定運用の維持や全体の最適化を図っているのです」と説明する。近年大きな社会課題ともなっている情報セキュリティ対策や、学内のネットワーク利用に関わる業務サーバー群についても、同部門が中心となって環境整備を進めているとのことだ。
そうした取り組みの一貫として、今回同大学では、新たな学内情報基盤の構築に着手した。ユーザー認証システムや教育用PC管理システムなどのシステム群を統合し、インフラのシンプル化を図るのが狙いである。長南氏はその背景を「元々このユーザー認証システムは、学内のセキュリティ強化を目指して2016年に導入したもの。その頃から本学では、サーバー等の機器点数削減が大きなテーマとなっていたため、VMwareによる仮想化基盤上で構築しています。そのうちに教育用PC管理システムがリプレースの時期を迎え、物理環境上で稼働する他の業務システムなどについても、集約化が図れないかとの要望が上がってきました。そこで、これらをすべて統合できる新たな学内情報基盤を作り、インフラ環境の最適化やコスト削減をさらに進めていきたいと考えたのです」と語る。
高い効率性と多彩な機能を備えたHPE SimpliVityの導入を決定
特に今回のターゲットとなった教育用PC管理システムについては、運用面で様々な課題も抱えていたとのこと。経理部 ネットワークインフラ課 奥田 充昭 氏は「PC教室のファットクライアントに対し、ソフトウェアの配信などを行うのがこのシステムの役割ですが、レスポンスの低下やバックアップ容量の不足など、様々なトラブルが生じていました。授業に支障を来すようなことがあると、先生方や学生にも迷惑が掛かりますので、その対応にも多くの労力を費やしていました」と振り返る。
このような問題を解消すべく、同大学ではITパートナー企業各社に提案を依頼。その結果、採用に至ったのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品「HPE SimpliVity 380 Gen10」を盛り込んだ株式会社理経の提案だ。同社 西日本システム営業部 技術支援グループ グループ長 園部 貴久 氏は、提案のポイントを「当社社内にSimpliVityの検証環境を有していることもあり、以前からかなり使える製品だと実感していました。テスト用の仮想サーバーなども簡単に立てられますし、スイッチ不要のシンプルな2ノード構成を採ることでコストも抑えられます。機器点数を減らして最適化を進めたい、バックアップに不安を抱えているといったお客様の課題をクリアする上では、SimpliVityが最適の製品だと判断しました」と語る。また、同 西日本システム営業部 部長 藤原 高広 氏も「当社では以前からHPE製品を数多く取り扱っていますので、保守・サポートの面でもご安心頂けます。また、教育用PC管理システムについても、SimpliVityとネットワークブート方式を採用した別のPC運用システムを組み合わせることで、お客様の課題解決を図りました」と続ける。
同大学としても、この提案内容を高く評価したとのこと。「中には従来型の3 Tier構成の提案もありましたが、台数を減らして省スペース化が図れるのは大変魅力的でしたね。また、圧縮・重複排除機能を用いることでストレージリソースを有効活用できる、柔軟なバックアップ機能を標準で装備しているといったSimpliVityの特長も、本学の要件にマッチしていました」と奥田氏は語る。もちろん、いくら優れた製品であっても、高額な導入費用が掛かるようでは問題だ。しかしSimpliVityはコスト面でも十分なアドバンテージを有していたため、無事採用に至ったのである。
同志社女子大学
経理部 ネットワークインフラ課
課長
長南 敏彦 氏
同志社女子大学
経理部 ネットワークインフラ課
奥田 充昭 氏
大量のサーバー群をシンプルに統合、ストレージ容量も約1/10に削減
実際のシステム構築においては、まず「HPE SimpliVity 380 Gen10」×2ノードを同大学の京田辺キャンパスに導入。性能・信頼性問題を抱えていた教育用PC管理システムを刷新し、2019年4月より稼働を開始している。「旧教育用PC管理システムでは、京田辺/今出川の両キャンパスにそれぞれサーバーを置く必要があったため、メンテナンス作業などのためにわざわざキャンパス間を移動する必要がありました。しかし、現在では京田辺キャンパス側のSimpliVityに環境を集約できましたので、こうした面倒な手間も不要になりました」と奥田氏は語る。特に今出川キャンパスの法定点検が行われる際などは、前日から現地に赴いてサーバーのシャットダウンを行い、点検終了後にまた再立ち上げを行う必要があったという。「移動に掛かる時間や工数もさることながら、シャットダウン作業にはやはりトラブルなどの不安がつきまといます。その点、現在では、電源設備の完備した京田辺キャンパス側でサービスを継続できます。これも大きなメリットですね」と奥田氏は語る。もちろん、懸案であった性能・信頼性問題についても、SimpliVity導入後は完全に解消している。
さらにその後同大学では、SimpliVityをもう1ノード追加してユーザー認証システム用のサーバー群やe-ラーニング用サーバー、ファイルサーバー、プリントサーバー、ウイルス対策サーバー、DNSサーバーなど、約20台の業務サーバーを移行。これにより、ラックスペースを以前の1/3以下に減らすことができた。長南氏は「SimpliVityへの集約を行ったことで、ラック2本分ものスペースが空になったのは驚きでしたね。『機器点数を減らして最適化を推進する』という本学のコンセプトを実践していく上でも、非常に大きな効果がありました。また、2ノード構成でスモールスタートし、その後柔軟に拡張が行えるのもSimpliVityの良さですね」と満足げに語る。
加えて、もう一つ見逃せないのが、圧縮・重複排除機能の効果である。「たとえば教育用PC管理システムには、大量のクライアントイメージが収容されますので、ストレージに対してかなり厳しい要求が課せられます。通常であれば、これだけで情報基盤全体の1/3程度の容量を消費してしまうところです。しかし、SimpliVityの圧縮・重複排除機能を活用することで、容量を約1/10程度に抑えることができました。おかげで今回は、VMwareのシンプロビジョニング機能なども設定せずに済んでいます。リソースにもまだまだ余裕がありますので、今後の新たなニーズにも柔軟にご対応できます」と園部氏は語る。同社で実施した導入作業も、非常にスムーズに進められたとのこと。「環境構築で特に苦労するような場面はありませんでしたし、後から実施したノード追加作業についても、業務に影響を及ぼすことなく無停止で行えました。大変導入しやすい製品という印象ですね」と園部氏は続ける。
運用管理の効率化に貢献、新たな用途への展開も視野に
SimpliVityの使い勝手に関しても、高い評価が寄せられている。「本学では限られた人員でインフラの運用を行っているため、管理画面や操作方法が変わってしまうのは少々困ります。その点、SimpliVityは、使い慣れた『VMware vCenter』で一元的に運用管理が行えるため、いままでと全く同じ感覚で利用できます。新しい管理ツールの使い方を覚えたりしなくとも済むというのは、非常にありがたいですね」と奥田氏はにこやかに語る。なお、HPEでは、AIによる予測分析技術を備えたクラウドベースの運用監視サービス「HPE InfoSight」をSimpliVityにも対応させたが、これについても大きな期待を寄せているとのこと。「たとえば、卒業や入学を控えた時期に突然障害が発生してしまったら、大学の業務にも深刻な影響が生じてしまいます。しかし、障害の予兆をあらかじめ検知して通知してもらえるのなら、こうした事態に陥る心配もありません」と奥田氏は語る。
また、バックアップ業務に関しても、大幅な運用改善が図れたとのこと。現在では、SimpliVityの機能を活用し、30日分のバックアップを毎日自動で行っている。ストレージにも十分な余裕が確保されているため、以前のようにバックアップ容量不足に悩むこともなくなった。「旧環境では他社製のバックアップ製品を利用していましたが、各サーバーにバックアップエージェントのインストールを行ったり、面倒な設定作業を強いられたりと、それなりの手間を掛けなくてはなりませんでした。しかし、SimpliVityはポリシーを作って全サーバーに適用するといったことが簡単に行えますので、格段に効率よく作業が行えます」と園部氏は語る。これにより、旧バックアップ製品を撤去することができ、バックアップサーバーやソフトウェアのライセンス費用も削減できたとのこと。「リストアも非常に高速で、わずか数十秒程度で環境を戻せます。検証作業などもスピーディに行えますので、安定稼働を維持する上でも大いに役立っています」と園部氏は続ける。また、藤原氏も「最近では、大学をはじめとする教育・研究機関でも、HCIへの関心が高まりつつあります。我々も今回の導入を通して、SimpliVityのメリットを改めて体感できまししたので、今後のソリューション提供にも積極的に取り入れていきたいですね」と語る。
同大学でも、SimpliVityの活用をさらに推進していく考えだ。「最近では本学でもクラウドへの移行が進んでいます。しかし、そこに掛かる費用などを考えると、すべてをクラウド化するのがベストとは限りません。せっかくSimpliVityを導入したわけですから、これも組み合わせた形でより最適なインフラを目指したい。たとえばBYOD向けのVDI基盤を構築するなど、今後も様々な可能性を検討していきたいですね」と展望を語る長南氏。SimpliVityがその実力を発揮する場面も、どんどん広がっていきそうだ。
株式会社理経
大阪支店
西日本システム営業部
部長
藤原 高広 氏
株式会社理経
大阪支店
西日本システム営業部
技術支援グループ
グループ長
園部 貴久 氏
インテル® Xeon®
スケーラブル・プロセッサー搭載
ご導入製品情報
世界最高レベルの効率と耐障害性を備えた、大企業から中小企業まで幅広い企業で利用されているエンタープライズグレードのハイパーコンバージド(HCI)製品であるHPE SimpliVityは、複雑なIT環境をシンプル&コンパクトに統合し、これまでにないシンプルで扱いやすい仮想化基盤を実現します。
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