3 Tier構成の仮想化基盤をシンプルに刷新、HPE SimpliVityで「攻めのIT」へのシフトを加速

株式会社ベルーナ 様

所在地:埼玉県上尾市宮本町4番2号

URL:http://www.belluna.co.jp/

運用管理の効率化と大幅な性能向上も実現

"データを中心としたビジネスを展開する当社にとって、ITインフラはまさに事業活動を支える生命線。今後も今回導入したSimpliVityを最大限に活用し、「攻めのIT」へのシフトをさらに進めていきます。"

―株式会社ベルーナ
 情報システム本部長代理
 浅沼 泰匡 氏

"懸案であった仮想化基盤のシンプル化・最適化が実現できたことは大きな成果。性能や信頼性も大幅に高めることができました。今後は災害対策の強化にもSimpliVityを活用したいと考えています。"

―株式会社ベルーナ
 情報システム本部
 IT設計室 室長代理
 藤井 基博 氏

通販業界のリーディング・カンパニーとして知られる株式会社ベルーナ(以下、ベルーナ)では、各種の業務システムを収容する仮想化基盤の全面再構築に踏み切った。インフラ環境のシンプル化/最適化を図ると同時に、ビジネスの成長に寄与する「攻めのIT」へのシフトを加速していくのが狙いだ。その中核を担う製品として日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の「HPE SimpliVity 380 Gen10」を採用。性能・信頼性の大幅な向上や運用管理業務の効率化など、数多くの成果を上げることに成功している。

 

業界

通販

 

目的

度重なる増設・拡張により複雑化した旧仮想化基盤を刷新し、インフラの性能・信頼性・運用管理性を強化。新たなビジネス/サービスの創出により注力できる環境を実現すること。

 

アプローチ

クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」を採用し、大量の業務サーバー群をシンプルに集約。ユーザーの生産性向上に寄与すると同時に、IT部門の運用負担軽減と高付加価値業務へのシフトを推進。

 

ITの効果

・クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen10」×3ノードによる新仮想化基盤を構築

・コンピュートノードを活用し、システムの性能強化を低コストで実現

・圧縮・重複排除技術により、ストレージリソースの有効活用が可能に

・VMware vCenterによる統合一元管理を実現

 

ビジネスの効果

・業務システムのレスポンスを大幅に向上。夜間バッチ処理時間も1/2に短縮

・ラックスペースを従来の1/4に縮小し、データセンター費用や電気代を削減

・Veeam Backup & Replicationを利用し、移行に伴うダウンタイムを最小化

・IT部門の日常的なインフラ運用管理工数を従来の1/20に削減


全社ビジネスの根幹を支える仮想化基盤の再構築に着手

 

「お客様の衣食住遊を豊かにする」の経営理念の下、幅広い領域でビジネスを展開するベルーナ。現在では中核事業である総合通販事業に加えて、食品やワイン、化粧品などの専門通販事業、和装/アパレルの店舗販売事業、ファイナンス事業、法人向けソリューション事業、プロパティ事業など、多角的な事業展開を行っている。

また、近年ではプロパティ事業にて、日本屈指の景勝地・裏磐梯の魅力を満喫できる高級リゾートホテル「裏磐梯レイクリゾート」をはじめ、軽井沢、沖縄、スリランカ、モルジブにリゾートホテルを展開。また京都ではシティホテルを運営している。

こうした同社のビジネスを下支えしているのが、卓越したデータマーケティング力だ。最近でこそ、データ活用に取り組む企業も増えつつあるが、同社では既に20年以上前から本格的な顧客データ分析に着手。同社 情報システム本部長代理 浅沼泰匡氏は「国内最大級の総合通販事業を展開する当社には、1,800万人を超える顧客情報が蓄積されています。これをしっかりと分析・活用することで、一人ひとりのお客様にマッチしたサービスや商品をご提案できます」と胸を張る。顧客データをビジネスの中心に据えることで、様々な事業を有機的につなぎあわせ、シナジー効果を生み出しているのである。

このようにビジネスとITの一体化を進めている同社だが、社内情報インフラの構築・運用においては、様々な課題もあったとのこと。同社情報システム本部 IT設計室 室長代理 藤井 基博氏は、以前の状況を「当社グループでは多岐にわたる事業を手がけているため、社内で稼働する業務システムも相当な数に上ります。そこで、10年ほど前から仮想化を進めてきましたが、長年にわたる増設・拡張により環境が複雑化。その結果、『五月雨式に発生する保守更新への対応を毎年迫られる』『運用の属人化が進み限られた担当者しか作業できない』『急なサーバー要求にもタイムリーに応えられない』など、様々な問題が発生していました」と明かす。また、同社では社内クライアントのVDI(仮想デスクトップ)化も実施しているが、その性能劣化も目に付くようになっていたとのこと。「このままの状態では新たな業務ニーズにも即応できないため、社内仮想化基盤のリニューアルを図りたいと考えました」と藤井氏は続ける。

株式会社ベルーナ

情報システム本部長代理
浅沼 泰匡 氏

株式会社ベルーナ

情報システム本部
IT設計室 室長代理
藤井 基博 氏

株式会社ベルーナ

情報システム本部
IT設計室 参事補
赤熊 健年 氏

インフラのシンプル化を目指しHPE SimpliVityの採用を決断

 

元々、同社情報システム部門では、一貫して「攻め」の姿勢を重視している。「当社の経営トップも、『ITを抜きにしてビジネスを勝ち抜くことはできない』との考えを持っています。そこで我々としても、現場が抱えている困り事や、将来に向けてやりたいことなどの情報を積極的に収集。IT面でサポートできる点については、こちらから提案を行うよう心掛けています」と浅沼氏は語る。こうした取り組みをさらに加速させていく上でも、仮想化基盤の刷新が急務だったのである。

今回のプロジェクトで具体的に目指したポイントとしては、「インフラ環境のシンプル化」「性能・信頼性の改善」「人手を掛けない運用管理の実現」の3点が挙げられる。「これらの条件を満たすには、従来のような3 Tier環境ではなく、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)がベストと判断。市場に提供されているHCI製品を候補に挙げ、綿密な比較・検討を行いました」と藤井氏は語る。その結果、新たに採用されたのが、SCSKが提案したクラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE SimpliVity 380 Gen 10」(以下、SimpliVity)であった。

SCSKの高梨 紗帆氏は、SimpliVityを提案した理由を「シンプルで高信頼なSimpliVityは、お客様の掲げる要件にまさにピッタリ。また、SimpliVityは高度なバックアップ機能を標準で備えており、バックアップ改善を図りたいというお客様のご要望にも合致しています」と語る。また 同 早坂 将之氏も「加えて、SimpliVityは、VMware vCenter(以下、vCenter)による統合管理が可能であり、ハードウェアアクセラレータや圧縮・重複排除などの機能も備わっています。当社では様々なHCI製品を取り扱っていますが、その中でもSimpliVityが最もお客様のニーズにマッチしていると考えました」と続ける。

同社としても、この提案を高く評価。藤井氏は「他社HCI製品のように、専用の運用管理ツールを使わなくても済むのは魅力的でしたね。社内に複数の管理ツールが存在すると、運用管理の属人化も生じがちです。その点、SimpliVityはvCenterだけで済みますから、ノウハウの継承などもスムーズに行えます。さらに、将来的に別のデータセンターにもう一台SimpliVityを設置することで、容易に災害対策環境を構築できる点も高く評価しました」と語る。

旧環境からの移行に工夫を凝らしダウンタイムの最小化に成功

 

今回のターゲットとなった旧仮想化基盤では、仮想サーバーと仮想デスクトップがそれぞれ約150台ずつ稼働していた。このうち仮想サーバーについては、あまり使われなくなったシステムを整理するなどして、ある程度移行対象の台数を削減している。「とはいえ、それでもかなりの台数のサーバーを移行させる必要があった上に、旧仮想化基盤のVMware vSphereのバージョンが5.0であり、Storage vMotionなどを利用した移行が行えないという問題にも直面しました。ユーザーが日々の業務で利用するシステムを長々と止めるわけにもいきませんので、移行をどう円滑に行うかが大きな課題となりました」と藤井氏は振り返る。

同社から相談を受けたSCSKでも、安全・確実な移行を実現すべく様々な方式を検討。SCSKの吉田 賢司氏は「その結果、今回採用したのが、Veeam Software社のバックアップツール『Veeam Replication & Backup』を用いた移行です。あらかじめ仮想サーバーのレプリケーションと差分転送を行っておき、移行実施のタイミングで旧環境の切り離しと新環境での再起動を実行。これにより、ダウンタイムを最小限に抑えることができます」と説明する。もっとも、これでもまだ全ての問題が解決したわけではなかった。旧環境には容量が2TBを超える仮想サーバーも存在しており、スナップショットの最大ディスクサイズ制限に引っ掛かってしまったのだ。「そこで、こちらについては、旧環境と新環境の間に中間サーバーを設置し、段階的に移行を行うことでクリアしました」と吉田氏。このような工夫を凝らすことで、ようやくVMware vSphereのバージョンをまたいだ移行をスムーズに行う目処が立った。

同社 情報システム本部 IT設計室 参事補 赤熊 健年氏は「最初の10サーバーは、SCSKの支援を受けながら移行を行いましたが、残りのサーバーについてはSCSKが作成した手順書を元に、社内で移行作業を行っています。操作手順も分かりやすいですし、切り離し/再起動の時間も5分程度しか掛かりません。このため、ユーザーがお昼休みの間にサーバーを移行するといったことも可能です。実質的に業務への影響は、ほとんど生じていませんね」と満足げに語る。通常業務と並行しての作業となるため、同社では今後半年~1年程度掛けて、徐々に新環境への移行を進めていく考えだ。なお、旧環境で複雑化が進んでいたネットワークについても、SCSKと共に見直し作業を実施。物理機器の構成やケーブルの配線状況などをすべて洗い出している。

その他のシステム構築面の工夫としては、「HPE SimpliVity 380 Gen 10」×3ノードに加えて、「HPE ProLiant DL360 Gen 10」×3ノードをHCIコンピュートノードとして追加している点が挙げられる。「ストレージについては、圧縮・重複排除機能で利用効率を高められますが、CPUやメモリが不足するケースも考えられます。その点、SimpliVityは、比較的安価な汎用サーバーをHCIコンピュートノードとして利用できますので、コストを押さえつつ必要な性能を確保できます」と藤井氏は語る。

日常的な運用管理工数を1/20に削減 業務システム/VDIの性能も大幅に向上

 

SimpliVityによる新仮想化基盤は、2019年4月より本番稼働を開始。これにより、懸案であったインフラ環境のシンプル化を無事実現できた。「障害やトラブルはとかく夜間などに起こりがちですので、従来はその対応に多くの負担を強いられていました。しかし、現在では格段に信頼性が向上した上に、運用管理もvCenterで一元的かつ効率的に行えます。個人的にも非常に扱いやすい製品という印象を受けましたね」と赤熊氏。また、藤井氏も「マイナスをゼロにするような作業ばかりでは、運用担当者のモチベーションも上がりません。その点、現在では、以前の仮想環境の運用管理工数を100とすると、5くらいにまで負担が激減。仮想環境を管理できる人員も3人から10人に増え、属人化解消の目処も立ちました。これもvCenterによる統合管理のおかげですね」と力強く語る。

加えて、各業務システムのパフォーマンスも大幅に向上。「正確に計測はしていませんが、旧環境とは比較にならないくらい速くなっていますね。たとえば、勤怠管理システムについては、以前の3倍くらいにレスポンスが向上しているように感じます」と藤井氏は語る。また、特定のシステムの夜間バッチ処理時間も従来の半分程度に短縮された。以前は翌朝の始業開始時間になっても処理が終わらないケースがあったが、現在ではこうしたこともなくなった。同様にVDIのレスポンスも飛躍的に改善されており、社内/社外を問わず快適に業務をこなせるようになったとのこと。浅沼氏は「旧環境では、特に性能が必要な仮想デスクトップをSSD領域に配置するなど、様々なチューニングを加える必要がありました。しかし、SimpliVityを導入してからは、性能面に関する不満は完全に解消。データ分析業務などでは重たい処理を行うケースも多いので、ユーザーの業務生産性向上にも役立っていますね」とにこやかに語る。

さらに、もう一つ見逃せないのが、バックアップ業務の改善だ。仮想化基盤上で稼働するサーバー台数が非常に多いことから、以前はなかなかすべてのサーバーにまで手が廻りきらなかった。しかし、SimpliVityの標準バックアップ機能を活用することで、バックアップ対象のサーバーを大幅に拡大することが可能に。「従来のように複雑なバックアップジョブを作り込む必要もありませんし、バックアップ処理の信頼性も格段に向上。もちろん、リストア作業も柔軟に行えます」と藤井氏は語る。しかも、このように数多くの成果を上げた一方で、ラックスペースを従来の約1/4に削減するなど、インフラの省スペース/省電力化にも大きく貢献している。

「最近ではクラウドの活用も広がっていますが、当社のようにシステムを長く使う企業にとっては、まだまだオンプレミスの方がコスト面でも使い勝手の面でも有利です」と浅沼氏。同社が掲げる「攻めのIT」のさらなる推進に向けても、今回構築した新仮想化基盤をフル活用していく構えだ。浅沼氏は「SimpliVityの導入によって、IT部門にもかなりの余力が生まれると考えています。そのメリットを最大限に活かし、RPAによる業務自動化やユーザー部門との対話など、よりクリエイティブな仕事にどんどんシフトしていきたい」と抱負を語る。HPEとSCSKも、こうした同社のチャレンジをしっかりと支えていくことになる。

SCSK株式会社

プラットフォーム・ソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
エンタープライズ第一部
営業第二課 課長
早坂 将之 氏

SCSK株式会社

プラットフォーム・ソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
エンタープライズ第一部
営業第二課
高梨 紗帆 氏

SCSK株式会社

プラットフォーム・ソリューション事業部門
ITエンジニアリング事業本部
エンタープライズ第二部
技術第一課
吉田 賢司 氏

インテル® Xeon®
スケーラブル・プロセッサー搭載


ご導入製品情報

HPE SimpliVity

世界最高レベルの効率と耐障害性を備えた、大企業から中小企業まで幅広い企業で利用されているエンタープライズグレードのハイパーコンバージド(HCI)製品であるHPE SimpliVityは、複雑なIT環境をシンプル&コンパクトに統合し、これまでにないシンプルで扱いやすい仮想化基盤を実現します。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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