株式会社沖縄データセンターが、OpenStackを全面採用した「ゆいまーるクラウド」のサービスを提供開始



株式会社沖縄データセンター 様

 

HPE ProLiantサーバー/HPE StoreVirtualストレージを活用しマルチベンダーによるクラウドサービス基盤を構築、沖縄という立地を活かし日本とアジア圏を結ぶデータハブ/ビジネスハブを指向


"中堅・中小のお客様、中でもアジア圏への進出を検討されている製造業のお客様にご活用いただきたいと考えています"

―株式会社沖縄データセンター
 営業部
 部長
 山城 英正 氏

「ゆいまーるクラウド」に採用されたHPEサーバー & ストレージ

 

2015年6月、沖縄データセンターが、オープンソースソフトウェアOpenStackを全面的に採用した「ゆいまーるクラウド」のサービスを開始した。そのサービス基盤ではHPEサーバー&ストレージが活用されている。

 

業界

IT

 

目的

沖縄の地理的特性を活用したBCP/DRを全国に提供し、東アジア諸国に至近でカントリーリスクのない「沖縄」で、日本から広くアジア地域まで競争力の高いクラウドサービスを実現する。また、クラウドコンピューティングの開発・普及を推進し、県内産業の振興はもとより県外からの産業及び企業の誘致に貢献する。

 

アプローチ

OpenStackをはじめとするオープンソースソフトウェアを全面的に採用し、高品質なクラウドサービス基盤を低コストで構築する。さらに、認定パートナー制度を採用し「ゆいまーるクラウド」に精通したSIerが、付加価値の高い顧客サービスを提供するビジネスモデルを確立する。

 

ITの効果

・マルチベンダー製品としてHPE ProLiantサーバー/HPE StoreVirtualストレージを採用、OpenStackに最適なクラウドサービス基盤(IaaS/SaaS)を実現

・OpenStack Swiftによるオブジェクトストレージ基盤のプロキシノードにHPE ProLiant DL360e、ストレージノードに大容量HDDを搭載可能なHPE ProLiant DL380pを採用

・最新のOpenStack環境の技術検討のためにHPE Helion OpenStack Businessバージョン(OpenStackの機能をHPEが独自に強化)を採用

 

ビジネスの効果

・2015年6月にオブジェクトストレージを利用したデータバックアップサービスを開始

・2015年9月にIaaSおよびパートナー制度に基づく本格サービスを開始予定

・日本とアジア圏を結ぶデータハブ/ビジネスハブとしてのポジション確立を目指す

・首都圏を中心に顧客獲得のためのチャネル、高付加価値の顧客サービス提供のための認定パートナー制度を確立

チャレンジ

クラウドで沖縄の振興を図る政官民、三位一体のプロジェクト

 

いま、沖縄でクラウドの一大プロジェクトが進行している。最新鋭のデータセンターにOpenStackを全面採用した共通基盤システムを構築し、競争力の高いクラウドサービスを創出する取り組みだ。政官民・三位一体でクラウドによる沖縄振興を図る計画において、民間サイドの中心的役割を担っているのが株式会社沖縄データセンター(以下、ODC)である。

「ODCは沖縄をIT先進県にしようというビジョンに応える形で、県内のIT企業の共同出資により2012年7月に設立された民間企業です。設立と同時に企業コンソーシアムを組み、沖縄県の補助を受けてOpenStackを活用した『沖縄型クラウド共通基盤システム』の開発に取り組んできました。その第1号ユーザーとして『ゆいまーるクラウド』のサービス提供の準備も着実に進めてきました。全国の中堅・中小の企業様に手軽に使っていただけるクラウドサービスを目指して、独自のサービスを組み立てていきます」と営業部 部長の山城英正氏は説明する。

ODC独自のサービスとその競争力を支えるのは、公設民営の施設「沖縄情報通信センター」内の最新鋭データセンター、本土-沖縄-香港-シンガポールを結ぶ「沖縄国際情報通信基盤(海底ケーブル)」、そして「OpenStack」をはじめとするオープンソースソフトウェアの全面採用である。

先進のデータセンターファシリティPUE1.3以下を見据えた設計を採用

 

沖縄は地震に対するリスクが全国一低く、首都圏や関西圏との同時被災リスクも抑えられるなど地理的な優位性が高い。原子力発電に依存しない安定的な電力供給も可能であり、データセンター建設に理想的な条件が整っている。

「ODCが入居し『ゆいまーるクラウド』のサービス基盤が構築される『沖縄情報通信センター』は、2015年4月に完成したばかり。最新のファシリティと独自の省電力設計が特長です」(山城氏)

耐震・免震構造の建屋、2系統電源など、データセンターとして高レベルの基準を満たしていることはもちろん、気圧差を利用してホットアイルとコールドアイルを対流させる省エネ空調システムの採用により、国内トップクラスの「PUE1.3以下」を実現するという。

「ゆいまーるクラウド」のサービスについて、山城氏は次のように解説する。

「リソース提供のサイズに応じてミニ、エコノミー、ビジネス、エンタープライズからムダなくお選びいただける『テナント型』で提供します。また、独自の『認定パートナー制度』を整備し、『ゆいまーるクラウド』に精通したSIerがお客様の要求に応じて様々なIT業務を代行します。目指すのは、中堅・中小のお客様がビジネスに注力いただける『IT丸ごとアウトソース』の実現です」

株式会社沖縄データセンター

営業部
部長
山城 英正 氏

OpenStack Swiftによるオブジェクトストレージ基盤にもHPE ProLiant DLシリーズが採用された。

ソリューション

OpenStackとの親和性に優れたHPEサーバー/ストレージ製品

 

「ゆいまーるクラウド」の開発チームでは、サービスの構想段階からOpenStackに着目してきたという。

「OpenStackならベンダーロックインのないクラウド基盤が構築できます。機能強化のスピードも速く、将来的にも大きな発展性があると判断しました」(山城氏)

プラットフォーム選定においては、マルチベンダー対応の方針を貫きOpenStackに最適な機器を慎重に評価・検討した。そのうえで、「HPE ProLiant DL380p Gen8サーバー」および「HPE StoreVirtualストレージ」を中心に複数ベンダーの製品を採用した。山城氏は次のように語る。

「HPEのサーバー/ストレージ製品は、Open Stack最新バージョンへの対応が最も早かったことが大きかったですね。HPEのOpenStackへの積極的な取り組みがよくわかりました」

HPEはOpenStack Foundationの設立段階からプラチナメンバーとして参加し、大きな役割を果たしてきた。OpenStack(採用バージョンはIcehouse)に対応したドライバーの提供においても、他社よりも数カ月先行していたという。

採用された「HPE ProLiant DL380p Gen8」は、“自働サーバー”と呼ばれるように優れた自己管理機能を備えている。また「HPE StoreVirtual」は、スケールアウトが容易なiSCSIストレージとして国内外で豊富な導入実績を誇る。

「HPEが提供する商用ディストリビューション『HPE Helion OpenStack』の評価も始めました」(山城氏)

顧客企業の要望があれば、即座にサービス提供に用いることができるよう検証を進めていくという。また、ODCとして、HPE Helion OpenStackを含む「業界標準のOpenStackベースの多様なクラウドサービスとの連携」を視野に、HPEと共同歩調で検証を進めていく考えを示した。

 

ベネフィット

アジア進出を目指す企業を地の利を活かしてサポート

 

2015年6月、「ゆいまーるクラウド」はOpenStack Swiftを利用したデータバックアップサービスを開始した。さらに、9月のIaaS/SaaSの本格リリースに向けて急ピッチで準備が進められている。これからのビジネス展望について山城氏は熱を込めて語る。

「沖縄は県が積極的な企業誘致をしており、特区制度や税制優遇、雇用面なども他の地域より有利です。物流ハブとともに、データハブ/ビジネスハブとしての重要性も今後ますます高まっていくでしょう。実際に、沖縄に拠点を移して人材を採用し、ビジネスを成長させている企業様が数多くいらっしゃいます」

人口の自然増加率が47都道府県で最も多いことも、沖縄が多くの企業を惹きつける理由のようだ。山城氏は次のように語って締めくくった。

「中堅・中小のお客様、中でもアジア圏への進出を検討されている製造業のお客様に、ぜひ『ゆいまーるクラウド』をご活用いただきたいと考えています。私たちは、日本とアジアの中間に位置する地の利を活かし、アジア進出を目指す企業様をクラウドでしっかりサポートしてまいりたいと思います」

ご導入企業様

 

株式会社沖縄データセンター 様