スイーツの製造・販売を行うモンテールが、商品情報管理システムの刷新に続きBIサーバーとファイルサーバーのシステムをGen10サーバーへ移行
株式会社モンテール 様
所在地:埼玉県八潮市大瀬3-1-8
URL:https://www.monteur.co.jp/
"商品情報管理システムの刷新により、HPE ProLiantシリーズの性能とセキュリティをはじめとする多くの機能の効果は実感していました。今回のサーバー刷新でも、高い効果が現れています。DSolと一緒に構築作業をしていくなかで当社も勉強させていただき、社内の技術力も向上しました。この関係性を維持したまま、今後も手厚い支援を希望します。"
―株式会社モンテール
総務部 情報システム課 主任 小関 健悟 氏
「おいしい、やさしい、たのしい」想いを込めたスイーツを、スーパーを中心に提供しているモンテールでは、2018年に「商品情報管理システム」のアプリケーションとITインフラを全面的に刷新、「HPE ProLiant DL360 Gen10サーバー」を導入している。そして今回、システム刷新の第2弾として、「HPE ProLiant DL325 Gen10サーバー」によりBIサーバーとファイルサーバーを刷新した。大幅な高速化とダウンサイジングを実現している。
業界
製造・販売
目的
さまざまなデータを分析して経営や業務に生かすBI(Business Intelligence)サーバー、およびファイルを蓄積・共有するファイルサーバーの刷新。
アプローチ
「商品情報管理システム」の刷新に続いて、BIサーバーとファイルサーバーのシステムを最適化し、将来的なシステムの入れ替えを見据えて評価していく。
ITの効果
・AMD EPYCプロセッサーを搭載するHPE ProLiant DL325 Gen10サーバーを採用し、性能とコストを最適化
・BIサーバーの刷新とともに、BIツールも最新版をクリーンインストール
・ファイルサーバーのシステムをWindows系にすることで、他のシステムとの親和性を向上
ビジネスの効果
・最新版のBIツールの導入により、ビジネスに生かせる最新機能を活用
・BIサーバーの高性能化により、分析にかかる時間を最大30%短縮
・ファイルサーバーの刷新により、ファイル操作における待ち時間を解消
・システムをWindows系に統一することで障害の発生率を下げ、対策も効率化
ご導入製品
HPE ProLiant DL325 Gen10
「おいしい、やさしい、たのしい」スイーツを昭和29年の創業以来、追求するモンテール
さまざまな洋菓子を取りそろえた「小さな洋菓子店」シリーズや、糖質を10g以下(エリスリトールを除く)にした「スイーツプラン」シリーズなどを提供しているモンテール。そのルーツは、当社は1954年(昭和29年)に創業した有限会社鈴木製菓にさかのぼることができる。さまざまなお菓子の製造・販売から、1975年(昭和50年)には洋菓子の製造・販売にシフトし、社名をフランス語で宝石職人を意味するモンテールに変更した。
モンテールがメインに手がけるチルドデザートは、10度以下の低温で輸送・販売されるデザートのことで、モンテールはこの市場を切り拓いた先駆者である。現在は本社ほか3カ所の工場、4カ所の営業所を拠点に、年商255億円(2018年8月期実績)を達成するまでに成長した。同社総務部情報システム課 主任の小関健悟氏は、モンテールの“想い”として、「誰からも愛される、おいしいスイーツを生み出すこと」「おいしいだけでなく、からだにもやさしいスイーツであること」「おやつの時間のワクワクをお届けしていくこと」の3つを挙げた。
「この想いを実現するため、モンテールでは素材の鮮度にこだわり、産地直結型の生産工場をつくり、食品の安全・安心のため、業界最高水準の衛生管理を実現しました。時代が変わり、環境が変わり、求められることが変わっても、モンテールは『おいしい、やさしい、たのしい』スイーツを追求していきます」(小関氏)。
モンテールでは2018年、ハードウェアの保守期限や、新食品表示法対応の移行期間の終了を見据え、原材料情報、商品情報、配合計算、製造工程管理を行う「商品情報管理システム」のアプリケーションとITインフラを全面的に刷新している。それまでのIAサーバー上のOSSによるシステムから、最新の高性能インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを搭載する「HPE ProLiant DL360 Gen10サーバー」と、Windows Server 2016とSQL Server 2016の組み合わせへと移行した。そして今回、モンテールはシステム刷新の第2弾として、BIサーバーとファイルサーバーの刷新を行った。いずれも「HPE ProLiant DL325 Gen10サーバー」へと移行している。
株式会社モンテール
総務部
情報システム課
主任
小関 健悟 氏
ディーアイエスソリューション株式会社
ネットワークソリューション部
パートナーソリューション1課
係長
内藤 隆史 氏
第1弾のシステム刷新の効果を受けて「HPE ProLiant DL325 Gen10 サーバー」を採用
第1弾となるシステムの刷新は、サーバーの老朽化と保守切れといった要因もあった。第2弾では、BIサーバーに関しては5年ほど使用しており保守切れが近かったことに加え、BIツールのソフトウェアに新バージョンが出ていたことも理由のひとつであった。「データ件数が増えて動作が重くなってきたところだったので、保守切れ目前のサーバーでバージョンアップするよりは、新しいサーバーとハードウェアに新バージョンをクリーンインストールしたいという思いがありました」と小関氏は振り返る。
ファイルサーバーに関しては、以前のシステムがLinuxベースのNASを使用していた。また、パーツ付きの保守契約で導入しており、すでにパーツの交換を実施していた。このため、以降は実費でパーツ交換や修理を行わなければならない状況であったという。しかも、ハードウェア自体が収束に入ってきており、パッチの入手も困難になってきていた。さらに、SMBプロトコルのバージョンにズレが生じ、ファイル共有に影響が出るといった、Windowsネットワークの親和性における問題点も顕在化していた。そこで、BIサーバーとファイルサーバーの刷新に踏み切ったという。
ベンダーの選定については、第1弾の商品情報管理システムのリプレースの際に、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)のサーバーを導入したことが大きな影響をおよぼしたと小関氏は言う。「モンテールでは今まで、複数のベンダー製品を利用した経験があるのですが、そもそも現在はサーバーの選択肢が多くはありません。そうしたサーバーの市場状況と当社のサーバー使用状況、仕様などを総合的に考慮すると、我々に合っていたのはHPEのサーバーでした。それは、SIerとしてディーアイエスソリューション(DSol)にお願いしたことも同様です」(小関氏)。
SIerにDSolを選定した理由について、小関氏は「HPEアーキテクチャに対する深い見識」と「説得力のあるシステム構成」の2つを挙げた。「今回の要件にデュアルプロセッサーまでは必要ないとして、HPE ProLiant DL325 Gen10サーバーを提案されました。結果、シングルプロセッサー専用サーバーならではの優れた経済性と、エンタープライズクラスのシステム要求にも十分に応えられるパフォーマンスを得ることができました。またシステム構成についても、信頼性が高く継続的に運用できるシステムをご提案いただきました」と語る。
OSをWindows系に統一することで効率化を狙う繁忙期にもかかわらず、迅速な導入を実現
モンテールでは、BIツール用のサーバーとファイルサーバーについて、2018年12月にベンダー選定を行い、2019年初頭にDSolへ発注。1月から3月までの間に複数回の移行作業を経て、3月末に構築が完了した。12月から2月までの間は洋菓子業界の繁忙期となるため、それ以外の時期であれば、もっと早く構築できただろうと小関氏は言う。「構築したシステムは提案書の通りで理想的なものでした。4月から順調に稼働しています」(小関氏)。
モンテールがBIツール用のAPおよびデータベース(DB)サーバー、およびファイルサーバーに採用したのは、DSolの提案の通りHPE ProLiant DL325 Gen10サーバーであった。最大32コアのAMD EPYCプロセッサーを搭載する薄型1Uラックマウント型サーバーであり、マネージメント プロセッサーiLO5を標準搭載する。サーバーの障害監視やサポートへの通報、リモートオフィスからの管理、Insight Onlineによるサポートなどのほか、Gen10の持つセキュリティ機能も標準搭載する。
BIツール用のサーバーは、インフラ基盤の設定と現地導入をDSolが行った。なお、BIツール(アプリケーション)の導入はモンテールが実施している。ファイルサーバーには、従来運用していた3つのNASをHPE ProLiant DL325 Gen10サーバーに統合し、さらに正副構成とすることでレプリケーションとバックアップの環境を構築した。サーバーOSもWindowsに移行し、バックアップ用のサーバーをモンテールのデータセンターに設置。問題が発生したときには、すぐにバックアップ側に切り替えられるようにした。こちらの構築はすべてDSolが行っている。
BIサーバーでは最大30%の高速化を実現、ファイルサーバーも高速化で大きな効果
導入後、実稼働を開始して2カ月足らずの状況であるが、小関氏は大きく2つの効果を感じているという。「BIサーバーでは、実際に集計速度を計測したところ、単純集計では10%以上の高速化、複数のテーブルを参照しながら行う集計では30%の高速化も記録しています。これは作業時間の短縮に直結します。高速化はファイルサーバーでも顕著に表れており、ショートカットからの読み出しも待ち時間が減っています。こちらもストレスが低減されるので、大きな効果が得られていると想います」という。
小関氏が2つめに挙げたのは、「障害に強い、戻せるシステムを構築できた」ことであった。「以前は二重化の構成で、1台がダウンすればもう1台で稼働する仕組みのみでした。このため、ユーザーの誤操作に対処できず、一度消去してしまったファイルは復旧できないという難点がありました。今回はボリュームシャドウコピーサービス(VSS)によって復旧が可能です。実際に、一度誤って消してしまったファイルがあったのですが、無事に戻すことができました」(小関氏)。
BIサーバーでは、従来の2ソケット2ユニットから1Uにダウンサイジングできたことで、スペース効率が高くなり、消費電力も3割ほど少なくなったという。運用管理においても、多くの便利な機能を搭載するiLO5により運用負荷が軽減されているとした。ライセンスはアドバンスで導入したが、4月に「プレミアム セキュリティ エディション」と統一され、セキュリティ機能が大幅に強化された。HPEとしてはミッションクリティカルな用途ではプロアクティブケアを推奨していると伺ったので保守サービスをプロアクティブケアに変更している。サポート期間も7年のものが選べるようになったので、今後は7年サポートも検討していきたい。
今後の展開について小関氏にうかがうと、「近々のロードマップでは、Windowsネットワーク関連の整備を優先的に行う予定です。セキュリティ機能がさらに強化されたWindows Server 2019上でActive Directoryおよびグループポリシーを再構築し、Windows Server Update ServicesでクライアントPCへの更新プログラム適用も管理していきたいと思っています。これと合わせて、DNSサーバーも更新していきます。さらに、2022~2023年の稼働を目指し、順次システムを入れ替える構想もあります。これには多くの選択肢がありますので、技術的支援をはじめDSolにご相談して進めていきたいと考えています」と述べた。
本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス
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導入ハードウェア
HPE ProLiant DL325 Gen10(BIサーバー用)
HPE ProLiant DL325 Gen10(ファイルサーバー用)