はなさく生命が、新時代の保険セールスを支える高性能VDI環境を構築

はなさく生命保険株式会社 様

所在地:東京都港区六本木三丁目二番一号 六本木グランドタワー33階

URL:https://www.life8739.co.jp/

世界標準のHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーを採用し、NVIDIA GRID vPCによる快適なユーザー体験を実現

"NVIDIA GRID vPCによる高速化は、Windows 10やOfficeアプリケーションの起動時間、Skypeを利用した映像会議、動画の再生、大規模な集計表のスクロールなど、体感できるだけでも広範に及んでいます"

―はなさく生命保険株式会社 IT戦略部 担当部長 半田 大作 氏

日本生命保険の戦略的子会社「はなさく生命保険」が、2019年6月に新商品の販売を開始した。同社は、保険ショップなどの代理店チャネルへの販売強化を担うとともに、商品開発やパートナー連携において従来の枠にとらわれない戦略を次々と打ち出している。注目すべきは全社員が利用する仮想デスクトップ(VDI)環境である。フリーアドレス制のオフィス、外出先や自宅など、場所を選ばない柔軟な働き方を実現し、同社のスピード感あるビジネスを支えている。本VDI環境のサービス基盤には、NVIDIA GRID vPCを採用したHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーが導入された。

 

業界

保険

 

目的

全社員が利用するクライアント環境の新規導入。新しいビジネスチャレンジを支えるインフラとして、場所を問わない柔軟な働き方、快適なコミュニケーション/コラボレーションを実現する。

 

アプローチ

仮想デスクトップ(VDI)を採用し、外出先や自宅から安全にシステムやデータにアクセスできる環境を整備。ユーザーが快適に利用できる性能を、コストを抑えながら実現する。

 

ITの効果

・NVIDIA Tesla M10を2基搭載するHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーを採用し、コストパフォーマンスに優れたVDI環境を実現

・NVIDIA GRID vPCによりGPUリソースを効果的に割り当て、グラフィックス負荷の高いWindows 10環境において快適なユーザー体験を実現

・iLO 5搭載HPE ProLiant DL380 Gen10サーバーが、ハードウェアレベルでVDI基盤のセキュリティを強化

・HPEデータセンターケアによる包括的なサポートにより迅速なハードウェア保守を実現

 

ビジネスの効果

・独自の基幹業務アプリケーション、Office 365/Skype/Teams/Yammerなどを利用するクライアント環境のセキュリティとBCPを強化

・フリーアドレス採用のオフィス、外出先、自宅など、場所を選ばない働き方を実現

・機動性の高い営業活動、迅速な意思決定とアクション、スムーズなコミュニケーションが可能に

・出産や育児など様々な理由でフルタイム勤務の難しい人材の積極的な登用が可能に

ご導入製品

NVIDIA Tesla M10

HPE ProLiant DL380 Gen10

NVIDIA GRID vPC


チャレンジ

日本生命の戦略的子会社として新しいビジネスチャレンジをスタート

 

2019年6月、はなさく生命保険が医療終身保険「はなさく医療」の販売を開始し、本格的にビジネスをスタートさせた。日本生命保険の戦略的子会社である同社が狙うのは、成長著しい乗合代理店・保険ショップなどの代理店マーケットである。経営企画部 課長の木口和信氏が次のように説明する。

「複数の保険商品を比較して自分に合った保険を選択したい、と考えるお客様が増えています。社会環境やライフスタイルが変化していく中で、お客様のニーズに合った魅力的な商品とサービスを提供し続けていくことが私たちのミッション。その先に見据えているのは、新しい商品、新しいチャネル、新しいマーケットの創造です。これまでの常識にとらわれない様々な取り組みを、スピード感を持って進めています」

はなさく生命は、自身のあるべき姿を「ニュー・インシュアランス・クリエイター」と定義している。ここには2つの意味が込められており、ひとつは「新しい商品・サービスを提供し続ける企業」である。

「業界最後発のメリットを活かし、スタート時点から最先端のテクノロジーを導入し、私たちの強みを最大限発揮できる独自の業務アプリケーションを構築しました。従来の枠を超えた保険商品やサービスを開発していくために、異業種との協力も積極的に進めていく考えです」(木口氏)

もうひとつは、「従業員が働きがいを実感し続けることのできる企業」だ。経営企画部 課長の桒山順一氏は次のように話す。

「全員が高いパフォーマンスを発揮できるよう、働きやすい環境の整備に特に力を入れています。オフィスはフリーアドレスを採用し、Microsoft Office 365とともにSkype、Teams、Yammerなどをコミュニケーションツールとして利用しています。働く場所、勤務時間、勤務形態を柔軟に選択できるよう制度面も考慮することで、何らかの制約がある人でも活躍できる環境を整えています」

はなさく生命は、日本生命が長年にわたり培ってきた資産を活かしながら、新しいビジネスチャレンジをスタートさせた。これを支えるインフラのひとつが、全社員が活用する「仮想デスクトップ(VDI)環境」である。

はなさく生命保険株式会社

IT戦略部
担当部長
半田 大作 氏

はなさく生命保険株式会社

経営企画部
課長
桒山 順一 氏

はなさく生命保険株式会社

経営企画部
課長
木口 和信 氏

ソリューション

NVIDIA GRID vPCを利用しコストを抑えながら高性能VDI環境を実現

 

はなさく生命は、準備会社としての業務開始に合わせ2018年7月にVDI環境を導入した。VDIサービス基盤には、NVIDIA Tesla M10を2基搭載するHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーが採用されている。「VDI導入には、守りと攻め2つの視点で臨んだ」と話すのは、IT戦略部担当部長の半田大作氏である。

「クライアントセキュリティの強化、クライアント管理コストの低減、事業継続が可能なインフラの整備――これらがVDIによる『守り』のメリットですが、私たちがより重視したのは『攻め』のメリットです。オフィスや自分のデスクに縛られない柔軟な働き方を実現し、全社レベルで生産性を向上させるとともに、コミュニケーション/コラボレーションを活性化させてイノベーションを生み出す環境を整えることです」

VDI基盤の設計から技術選定と構築、VDIサービスの提供まで、本プロジェクトを全面的にサポートしたのはニッセイ情報テクノロジー(NISSAY IT)である。同社 インフライノベーション事業部 主席スペシャリストの伊丹康雄氏は、求められた要件を次のように説明する。

「VDIのサービス利用、快適なユーザー体験の実現、適正なコストでの導入――この3つを重要な要件として捉えました。ニッセイ情報テクノロジーでは、2012年にVDIを自社導入するとともに、お客様企業向けにVDIサービスを提供しています。その経験と資産を活かして今回のプロジェクトに臨みました」

特に力を注いだのが「VDI環境で快適な使用感を確保しながら、コストを増大させないための工夫」だ。伊丹氏らは実機による検証環境を用意してテストを繰り返した。同事業部の小野田武朗氏は次のように話す。

「Windows 10環境ではグラフィックスリソースを大量に消費するため、Windows 7環境と同じサイジングでは快適なレスポンスは得られません。Windows 10の環境で快適に使えること、長期間にわたって快適性を維持できることを条件に、慎重にサイジングと機器構成の検討を進めました」

実際にWindows 10が登場した2017年のパージョンでは、Windows 7と比較してグラフィックスへの要求が32%高まっている。2018年のビルド比では実に50%も増加している。伊丹氏・小野田氏らが導き出した最善の構成は、2ソケットサーバー「HPE ProLiant DL380 Gen10」と「NVIDIA Tesla M10」を組み合わせるものだった。

「NVIDIA GRID vPCによりGPUリソースを効果的に活用して、グラフィックス性能を強化するアプローチです。これにより、快適なレスポンスを維持しながら1サーバーあたり64ユーザーを収容することができました。CPUやメモリを多く割り当てるためにサーバーを増設するよりも、コストパフォーマンスで有利だったことも大きなポイントです」(伊丹氏)

NVIDIA GRID vPCでの実績が豊富なHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーを採用

 

NISSAY ITが選定したHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーは、ベストセラーの2Uラックマウント型サーバーの最新モデルだ。業界に先駆けてシリコンレベルのセキュリティを実装した「世界標準の安心サーバー」であるとともに、ワークロードに合わせてパフォーマンスを最適化する機能など「自働サーバー」としての能力を大幅に強化させている。NISSAY ITでは、VDIをはじめNISSAY ITクラウドや顧客向けアプリケーションのサービス基盤として、広範にHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーを採用しているという。

「HPEではNVIDIA GPUを搭載可能なサーバー製品を幅広くラインアップしていますが、中でもHPE ProLiant DL380 Gen10サーバーはコストパフォーマンスに優れている印象です。グローバルでのNVIDIA GRID vGPU採用実績、NISSAY IT社内での稼働実績が豊富なことも大きな安心材料でした」と小野田氏は話す。

NVIDIA GRID vPCは、サーバーが搭載する物理GPUを仮想化し、複数の仮想デスクトップにGPUリソースを配分できるソリューションだ。はなさく生命のVDI環境では、1基あたり32GBのグラフィックスメモリを搭載するNVIDIA Tesla M10に32ユーザーを収容し、1ユーザーあたり1GBのリソースが割り当てられた。

「検証では、サーバーリソースの使用状況を計測しながら、OSやアプリケーションの起動時間、計算処理、操作による体感速度などを確認しました。GPUによる高速化とCPUリソース低減の効果は目覚しいものでした。今後、数年間にわたってVDI環境を快適にご利用いただける確証が得られました」(伊丹氏)

NVIDIA GRID vPCは、VDI環境のグラフィックス性能と応答性能を向上させつつ、サーバー本体のCPUリソース使用率を30%程度低減させた。半田氏は次のように話す。

「ユーザー環境でのNVIDIA GRID vPCによる高速化は、Windows 10やOfficeアプリケーションの起動時間、Skypeを利用した映像会議、動画の再生、大規模な集計表のスクロールなど、体感できるだけでも広範に及んでいます。こうした成果をもたらしながら、物理サーバーの台数を抑制できたことは高く評価できます」

ニッセイ情報テクノロジー株式会社

インフライノベーション事業部
主席スペシャリスト
兼 ITソリューション開発ブロック
チーフマネジャー
伊丹 康雄 氏

ニッセイ情報テクノロジー株式会社

インフライノベーション事業部
ITソリューション開発ブロック
小野田 武朗 氏

ベネフィット

いつでも、どこにいても、タイムリーな意思決定とアクションが可能に

 

「快適な利用体験が得られたことで、VDIの導入効果は私たちの想定を超えるものになりました。これまでは、仕事はオフィスでするもの、PCはデスクにあるもの、PCを社外に持ち出すには申請が必要、というのが私たちの常識でした。現在は、マネージャーがVDI端末を携行するのは常識になり、いつでも、どこにいても、タイムリーな意思決定とアクションが可能になっています」と木口氏は話す。

契約管理・顧客管理・代理店業績管理などの機能を統合する基幹業務システムにも、VDI端末から安全かつ快適にアクセスでき機動性の高い営業活動を支えている。

「産休を経て復帰した社員が、在宅勤務を組み合わせて就業している例もあります。今後、遠距離通勤の苦労を緩和しながら仕事に取り組める環境を整備していく考えです。VDI端末さえあれば、いつでも会社のオフィスと同じ環境で仕事を進めることができるのは、やはり大きなメリットですね」(桒山氏)

はなさく生命では、全社方針のひとつに「ローコストオペレーション」を掲げているが、コンパクトなチーム・組織が高いパフォーマンスを発揮してより大きなビジネスの成果を出す、という意味で使われている。半田氏が次のように語って締めくくった。

「はなさく生命の全従業員が、新しい商品の開発、新しいチャネルの開拓、新しいマーケットの創造に向けてチャレンジを始めています。私たちが描く『ニュー・インシュアランス・クリエイター』へのロードマップを支えるインフラとして、VDI環境は不可欠な環境と言えるでしょう。エヌビディアと日本ヒューレット・パッカードには、ニッセイ情報テクノロジーと協力して、私たちがより高いパフォーマンスを発揮できるソリューションの提供を期待します」

 


ご導入製品情報

HPE ProLiant DL380 Gen10

マルチワークロードのコンピュートに対応できる世界最高レベルのパフォーマンスときわめて高い汎用性を備えた、業界をリードする2P/2Uサーバーです。


本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

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導入ハードウェア

NVIDIA Tesla M10

導入ソフトウェア

NVIDIA GRID vPC