フリービットが、業界最高クラスの性能と安心を追求し仕様を開示したクラウドサービスを開始
フリービット株式会社 様
所在地:東京都渋谷区円山町3-6 E・スペースタワー
URL:http://freebit.com
4ソケットサーバーHPE ProLiant DL580 Gen9を採用し「インメモリ処理」による圧倒的なパフォーマンスを実現
"世界で最も売れているサーバーであること、誰もが知っていて安心できるブランドであることは、ClearBox Cloudの仕様を公開する上で必須のポイントでした"
―フリービット株式会社 YourNet事業部 副事業部長 井口 幸一 氏
フリービットが、業界最高クラスのコンピューティングリソースを利用できるパブリッククラウドサービス「ClearBox Cloud」の提供を開始した。1.5TBメモリとインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーを搭載する4ソケットサーバー「HPE ProLiant DL580 Gen9」を採用。広大なメモリ空間を活かした、クラウドサービスによる「インメモリ処理」へのチャレンジである。ClearBox Cloudは、ハードウェアのスペックを公開することで、パブリッククラウドの活用をためらっていた顧客層の支持を拡大している。
業界
IT
目的
広大なメモリ空間を活用した超高速インメモリ処理が可能なIaaSの提供。パブリッククラウドサービスとして業界最高クラスのコンピューティングリソース提供を目指す。
アプローチ
大容量メモリを搭載可能な4ソケットサーバーによりIaaS基盤を構築。インメモリ処理において優位性を発揮する広帯域メモリバス搭載のCPUを選択する。
ITの効果
・インテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4搭載「HPE ProLiant DL580 Gen9」を採用
・1サーバーあたり1.5TBメモリおよび4CPU/64コアを備えるインメモリ処理基盤を構築
・サーバーのRAS機能、OpenStackによるライブマイグレーション、24時間365日オンサイト保守を組み合わせ高品質なサービスを実現
ビジネスの効果
・ハードウェアスペックを開示した透明性の高いパブリッククラウドサービスにより顧客支持を拡大
・14年連続世界シェアNo.1*、最も認知度の高い4ソケットサーバー「HPE ProLiant DL580 Gen9」により顧客に安心感を訴求
・機械学習やAI分野など、インメモリ処理による高度なテクノロジー研究開発のニーズを発掘
・クラウド事業者によるインメモリ処理の先駆者としてのポジションを確立
ご導入製品
HPE ProLiant DL580 Gen9
HPE ProLiant DL360 Gen9
Red Hat OpenStack Platform
Red Hat CloudForms
チャレンジ
パブリッククラウドの常識を覆すインメモリ処理基盤の提供
フリービットは、IT人材の集積地・渋谷を代表する企業のひとつである。インターネットサービスプロバイダー向けにインフラおよび技術提供を行う「ISP向けISPサービス」で知られるが、クラウド、モバイル、アドテクノロジー、ヘルステック、IoT事業等における先鋭的なグループ経営でも注目を集めている。技術統括執行役員でありYourNet事業部 事業部長を務める山森郷司氏は次のように話す。
「モバイルを含めブロードバンドが行き渡った現在、インターネットの次なる進化は、モノとモノを結びつけるアクティブなコミュニケーションへと移っていきます。私たちは、IoTやM2Mがトレンドとして認知される前からその可能性に着目し、一貫したIoTサービスを提供すべく事業ポートフォリオを整備してきました。2017年5月に発表した『ClearBox Cloud』もその一翼を担うものです」
ClearBox Cloudは「業界最高クラスのコンピューティングリソースを提供するIaaS型パブリッククラウドサービス」を掲げ、サービス基盤を構成するハードウェアのスペックを開示するなど、業界の常識を覆す戦略を打ち出した。
「誰もがパフォーマンスと信頼性の高さを実感できるよう、スペックを開示し透明性を高めました。パブリッククラウドの利用をためらっていた顧客層の支持を獲得することが狙いです。中でも、高い性能を求める学術研究分野、ブロックチェーンや機械学習、AIなどによるサービス開発分野でチャンスがあると考えています」と山森氏は言う。
ClearBox Cloudは、ブラックボックス化していたクラウドビジネスに対するアンチテーゼでもある。この戦略は見事に的中した。YourNet事業部 副事業部長の井口幸一氏は「強い手応えを感じている」と自信を示す。
「ClearBox Cloudが提供する最大のメリットは『インメモリ処理』です。広大なメモリ空間を利用して、様々なワークロードを劇的に高速化します。私たちは、これを実現するためにインテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4搭載の4ソケットサーバー『HPE ProLiant DL580 Gen9』を採用しました」
フリービット株式会社
技術統括執行役員
YourNet事業部
事業部長
山森 郷司 氏
フリービット株式会社
YourNet事業部
副事業部長
井口 幸一 氏
インテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4 搭載
ソリューション
インテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4搭載 HPE ProLiant DL580 Gen9を採用
インテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4搭載「HPE ProLiant DL580 Gen9」は、業界を代表する4ソケットサーバーである。96DIMMスロットを備え、高速なDDR4 DIMMを最大6TBまで搭載可能なインメモリマシンとしても高い支持を獲得している。事実、HPEは4ソケットサーバーで14年連続世界シェアNo.1* x86サーバー全体では21年連続で世界トップシェア*を保持し続けるなど、サーバー分野におけるHPEのリーダーシップは磐石だ。
「私たちは、IoTの時代に爆発的に増大するデータの処理を、どのようなコンピューティングリソースが担うのが最適かを考え続けてきました。その答えが『4ソケットサーバーによるインメモリ処理』だったのです。目指したのは、他のクラウドを圧倒する絶対的なパフォーマンスです。スパコンや大規模クラスター環境を所有することが難しいお客様にとって、コストを抑えながら高度な計算リソースを使えるこの環境は、合理的かつ魅力的なサービスになると考えました」(山森氏)
サービス基盤を設計した井口氏は、「HPE ProLiant DL580 Gen9」を選定した理由を次のように説明する。
「身近な例としては画像データの大容量化があります。4K画像はVGAの27倍、8Kでは108倍ものデータ量になります。こうした高精細画像をリアルタイムに解析し、顔認証などのアプリケーションに応用するには『大容量メモリを自由に扱えるサーバー』が不可欠です。1Uサーバーの限られたメモリ空間では、それがインメモリ処理の限界になってしまいます。HPE ProLiant DL580 Gen9は、私たちにとって理想的なスペックを備えていました」
ClearBox Cloudに採用されたHPE ProLiant DL580 Gen9は、インテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4(4CPU/64コア)と1.5TBメモリを搭載する。1または2ソケットサーバーとの差は歴然だ。また、8ソケットサーバーとの比較では、「ハードウェアの冗長構成を考慮すると4ソケットサーバーが有利」(井口氏)と判断した。
「Broadwell世代のインテル® Xeon® プロセッサー E7-4850 v4は、85GB/sという広帯域メモリバスを備え、大容量メモリへの高速アクセスが可能です。これは同じコア数のインテル® Xeon® プロセッサー E5を明らかに上回る優位性でした」(井口氏)
「高速化は多くのビジネスに共通するニーズ。インメモリ処理が当たり前になる日は遠くありません。私たちは、ClearBox Cloudで、パブリッククラウドにおけるインメモリコンピューティングをリードしていく考えです」(山森氏)
*出典: IDC, Worldwide Quarterly Server Tracker 2017Q1
最も売れている、最も実績の豊富なサーバー製品を選ぶ合理性
もうひとつ、ClearBox Cloudのサーバー選定に際して山森氏、井口氏が重視したポイントがある。サーバー製品としての出荷台数と実績、そして保守サービスの品質である。
「世界で最も売れているサーバーであること、誰もが知っていて安心できるブランドであることは、ClearBox Cloudの仕様を公開する上で必須のポイントでした。HPE ProLiant DL580 Gen9であれば、お客様はもちろん運用する私たちも安心できます。世界中の様々な現場で鍛えられ、あらゆる試練を乗り越えてきた製品ですから」と井口氏は笑顔を見せる。
HPE ProLiant DL580 Gen9は、ハードウェアとOSが連携して致命的なエラーからの回復を図るMCAリカバリや、DDDC(Double Device Data Collection)などのメモリ保護機能を備える。こうした優れたRAS(信頼性・可用性・保守性)機能と、ハードウェア製品としての高い品質があってこそ成し得た実績である。
「保守サービスには『HPEプロアクティブケア』を採用し、24時間365日・4時間以内オンサイト保守の体制で万全を期しています。SLAはもちろん重要ですが、私たちが安心できるのはこれまでの日本ヒューレット・パッカードによる保守対応への信頼感です」(井口氏)
「私たちは、ハードウェアは仕様が同じでも品質は違う、保守サービスではSLAが同じでも技術力や問題解決力は違うということを、身をもって経験してきました」と山森氏も話す。
ClearBox Cloudには、IaaSクラウド基盤にRed Hat OpenStack Platform、クラウド管理プラットフォームとしてRed Hat CloudFormsがそれぞれ採用されている。
「もちろん、ClearBox Cloudではインフラ側の問題がサービスに影響を及ぼさない仕組みをしっかり作り込んでいます。物理サーバーで問題が発生した際に、他のサーバーに分散して処理を引き継ぐ仕組みは、OpenStackのライブマイグレーションで実装しました」(井口氏)
HPE ProLiant DLシリーズが「Red Hat認定ハードウェア」であり、国内外で豊富な稼働実績を有することもフリービットにとって大きな安心材料となった。
ベネフィット
秒間数千件のISP向け認証処理をインメモリで遅延なく実行
山森氏、井口氏が「4ソケットサーバーによるインメモリ処理」に行き着くまでには、多様なインターネットサービスを提供するフリービットならではの課題解決への取り組みがあった。
「私たちがISP向けに提供している認証サービスでは、ときに秒間数千件に及ぶ処理要求が発生します。ここにインメモリ処理を適用することで遅延を大幅に改善することができました。インメモリ処理のパフォーマンスはまさに圧倒的でした。ハードウェアの価格がこなれてきた状況下で、これに投資しない手はありません」(井口氏)
「ClearBox Cloudと同じように多くのクラウド事業者がスペックを開示すれば、お客様がパブリッククラウドを検討される機会は大きく広がるでしょう。フリービットは、透明性の高い競争環境においてインメモリ処理で差別化を図っていきます。勝算は大いにあります。他社が2年は追いつけないサービス基盤を整備できたと確信していますから」と山森氏は自信を示す。
低速なハードディスクから超高速インメモリ処理へ、ネットワーク遅延が伴うスケールアウトから4ソケットスケールアップサーバーへ――ClearBox Cloudはリッチなリソースプールを活かし、新しい市場を切り拓いていくことだろう。山森氏は次のように語って締めくくった。
「開発者がプログラミングを工夫しなくてもいい『絶対的なパフォーマンス』を発揮するインフラをつくりたい――この思いがClearBox Cloudの出発点でした。クラウドによる『インメモリ処理』へのチャレンジはまだ始まったばかりですが、大きな可能性が目の前に広がっています。より多くのお客様に『インメモリ処理なら不可能が可能になる』ことを知っていただきたいと思います」
ご導入製品
HPE ProLiant DL580 Gen9
HPE ProLiant DL360 Gen9
Red Hat OpenStack Platform
Red Hat CloudForms