日商エレクトロニクスが、HPE Moonshot Systemによるリソース占有型デスクトップの優位性を実証



日商エレクトロニクス株式会社 様

 

占有型(HDI)と共有型(VDI)のパフォーマンスを計測、ユーザーの使用感を数値化し、適材適所で活用する基準を確立


"VDIはシステムのサイジングでパフォーマンスが大きく変わりますが、HDIはサイジング不要で高いパフォーマンスを得られることが実証されました"

―日商エレクトロニクス株式会社
 ITプラットフォーム事業本部
 ITプラットフォームビジネス推進部
 第一課
 課長補佐
 藤森 譲 氏

日商エレクトロニクスが自社内にHPE Moonshot Systemによるリソース占有型リモートデスクトップ(HDI)環境を構築し、VDIユーザー50名による30日間トライアルを行った。HDIとVDIそれぞれの使用感を調査票で収集するとともに、4部門のユーザーにヒアリングを実施。さらに、パフォーマンス計測ツールでユーザーの使用感を数値化した。定性・定量の両面からトータルな評価を行なった結果、HDI環境の高いユーザー満足度が明らかになるとともに、HDIとVDIを適材適所で活用するための「基準」が見えてきた。

 

業界

IT

 

目的

VDIとHDI 2つのリモートデスクトップ環境におけるパフォーマンスとユーザーの使用感を調査・評価し、適正なリソース割り当て、パフォーマンスとコストの最適なバランスを明らかにする。

 

アプローチ

VDIユーザー50名がHDI環境を実際の業務で30日間試用。調査票およびヒアリング、パフォーマンス計測ツールよるアセスメントを実施し、定性・定量の両面からVDIとHDIを評価・考察する。

 

ITの効果

・デスクトップ環境のパフォーマンス要求は業務・部門ごとに性格が異なることが明らかに

・ユーザーの満足度がCPU/ディスクの「キュー(待ち行列)」の発生と大きく関係することが明らかに

・Webアプリケーションのリソース要求が負荷を高めている傾向が明らかに

 

ビジネスの効果

・HDI環境は90%のユーザーがVDIを上回る快適さを実感

・ユーザー満足度に直結するCPUキューイングが1/5以下に

・定性・定量両面の評価によりリモートデスクトップ環境の「指標」を顧客提案として活用可能に

・企業ごとに異なるデスクトップのパフォーマンス要求に「企業ごとの基準値」を策定する手法を確立

チャレンジ

ワークスタイル変革ソリューションへの注力

 

日商エレクトロニクスが、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現する「ワークスタイル変革ソリューション」に力を注いでいる。その中核をなすのは、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とHDI(Hosted Desktop Infrastructure)と呼ばれる2つのリモートデスクトップ環境である。ITプラットフォーム事業本部 ITプラットフォーム営業部 営業推進課の横田元氏は次のように話す。

「ワークスタイル変革には、社員の生産性を大きく向上させるポテンシャルがあります。仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスにも寄与するため、多くの企業が注目しているテーマです。VDIやHDIなどのリモートデスクトップ環境は、外出先でも自宅からでも、PCやスマートフォンなどデバイスを選ばずセキュアに自分のデスクトップを利用できます。まさに、新しい働き方を支える基盤となるのです」

日商エレクトロニクスは、国内販売実績トップを誇るCitrixディストリビューターであり、VDI環境の構築経験も豊富だ。700ユーザー規模のVDI環境を自社導入し5年の運用経験もある。2014年からは、HPE Moonshot Systemによるリソース占有型リモートデスクトップ「HDIソリューション」の提供を開始した。

「私たちは、VDI環境を5年間使い続ける中で、性能不足・レスポンス悪化という課題に直面しました。最大の原因は、ユーザー同士の取り合いによる慢性的なハードウェアリソース不足です。初めて話を聞いたとき、『HDIはパフォーマンス問題が起こりにくい』と直感しました。VDIが複数のユーザーがリソースを共有するのに対し、HDIは1ユーザーが固定されたリソースを占有できるからです」(横田氏)

VDI環境のサイジングの難しさはかねてより指摘されてきたが、明確な根拠がないまま導入に踏み切るケースが後を絶たない。「予算ありき」でシステム構成が決まる例も珍しくないという。導入当初は一定の性能を発揮していたVDI環境でも、ユーザーの要求や使い方の変化、OS・アプリケーションのバージョンアップなどによって性能が劣化していく。

「日商エレクトロニクスでは、VDI環境を検討されているお客様に3つの軸でご提案しています。①アセスメントサービスによる導入検討時の過不足のないサイジング②モニタリングサービスによる運用開始後の性能維持そして、③VDIとHDIの適材適所での採用です」(横田氏)

2016年7月、この提案に強い説得力を加える「ある実験」が行われた。VDIを使う日商エレクトロニクス社員50名を対象にした「HDIの30日間トライアル」である。

日商エレクトロニクス株式会社

ITプラットフォーム事業本部
ITプラットフォーム営業部
営業推進課
横田 元 氏

日商エレクトロニクス株式会社

ITプラットフォーム事業本部
ITプラットフォームビジネス推進部
第一課
課長補佐
藤森 譲 氏

日商エレクトロニクス株式会社

ITプラットフォーム事業本部
ITプラットフォームビジネス推進部
第一課
岡澤 陽平 氏

ソリューション

社員50人が実際の業務にHDIを30日間試用

 

社員50人によるHDIの30日間トライアル――その概要を、藤森譲氏(ITプラットフォーム事業本部 ITプラットフォームビジネス推進部 第一課 課長補佐)は次のように説明する。

「普段はVDIを使っている社員が、実際の業務でHDIソリューションを30日間試用しました。トライアルを経て、ユーザーにVDIとHDIそれぞれの使用感を調査票で収集するとともに、4部門のユーザーにヒアリングを実施しました。さらに、パフォーマンス計測ツールLiquidware Labs Stratusphereにより、VDIとHDIそれぞれのリソース使用率やレスポンスタイムなどを詳細に計測しました」

定性調査と定量調査の両面から総合的なパフォーマンス評価を行なうことが「実験」の狙いである。

「VDIとHDI両環境のユーザーの使用感を総合的に評価することで、VDIの適正なサイジングやHDIがマッチするユーザー像を明らかにすることができると考えました。VDIやHDIは実際にどの程度の性能が出るのか、自社の業務要求に応えられるだろうか、個人の感想でなく定量的に性能を評価できないか、といったお客様の疑問や要求にもお応えするものです」と藤森氏は言う。

50ユーザーに対し、メール送受信、WEB閲覧、オフィスアプリケーションの利用、PDFの閲覧、動画再生、デザインデータの編集、Excelによるデータ集計、技術検証業務という8項目で調査を行った。その結果、注目すべき2つの傾向が明らかになったという。

「『VDIの性能は物理PCに劣る』と回答したユーザーが全体の78%を占めました。多くのユーザーがVDIの性能に不満を持っていること裏づけられた形です。これに対して、『HDIの性能はVDIを上回る』と回答したユーザーは90%にも達したのです。HDIは物理PCと遜色ない使い勝手を提供していることが想定できます」(藤森氏)

続けて行われたマーケティング、経営企画、エンジニアリング、営業の4部門のユーザーへのヒアリングでは、さらにリアルな実態が明らかになった。まず、VDI環境の使用感について4人は次のように話した。

マーケティングA氏:「VDI環境では、ファイルを開くのに数分かかったり、画面の拡大やスクロールの動作がもたついたりします」

経営企画B氏:「VDI環境では、20MBのExcelデータでVLOOKUP集計を行うと、20分経っても処理が終わらないことがあります」

開発C氏:「VDI環境は、昨年と今年でアプリケーションの使い勝手がまるで違います。使い続けるうちにレスポンスが悪化してきました」

営業D氏:「VDI環境で困るのは、苦心して作成したスライドのアニメーションや埋め込んだ動画がスムーズに動かないことです」

では、HDI環境を試用した感想はどうだろうか。次のように、VDIとは対照的な意見が大勢を占めた。

マーケティングA氏:「HDI環境は、物理PCと区別できないほどの性能を発揮します。DTPデータをスクロールさせてもスムーズに動きますし、大きな画像もストレスなく扱えます」

経営企画B氏:「HDI環境では、VDI環境の数分の1以下の時間でVLOOKUP集計を行えます。10万行を超えるExcelシートでもスムーズにスクロールするなど、高性能な物理PCと同じ感覚で使えます」

開発C氏:「VDIで20~30秒を要していたアプリケーションの起動が5秒程度になりました。1ユーザーがリソースを占有できるので性能が安定していますね」

営業D氏:「HDIは、物理PCと遜色ない性能が出るところがやはり大きいですね。スライドのアニメーションや動画も快適に動作します。営業として必要なアプリケーションはすべて安心して使えます」

AMD Opteron™ Xプロセッサー

Q1

VDI環境で利用しているアプリケーションの使い勝手やレスポンスは、物理PCと比較して変化がありましたか。

Q2

HDI環境で利用したアプリケーションの使い勝手やレスポンスは、VDIと比較して変化がありましたか。

VDIとHDI環境のパフォーマンスを計測

 

ヒアリングから得られたのは、「HDIの性能は物理PCに匹敵する」というユーザーの実感である。続くVDIとHDI環境の「パフォーマンス計測」では、ユーザーの実感はどのような数字で裏づけられただろうか。本検証を担当した岡澤陽平氏(ITプラットフォーム事業本部 ITプラットフォームビジネス推進部 第一課)は、計測ツールについて次のように説明する。

「Liquidware Labs Stratusphereは、クライアント環境からパフォーマンス情報を収集し、快適なVDI環境を実現するために必要なリソースの推奨値を提示するアセスメントツールです。また、モニタリングツールとしての機能も充実しており、どのユーザー、どのアプリケーション、どのプロセスが、どれだけのリソース(CPU、メモリ、ディスク容量、IOPSなど)を消費しているか可視化することができます」

今回のパフォーマンス計測では、VDI環境とHDI環境それぞれ30日にわたって社員50名が実際の業務に使用しながらパフォーマンス情報を収集・分析した。その結果、いくつかの注目すべき数値が得られた。

《VDI vs. HDI》
User Experience Metrics Summary

  1.  ログイン時間:平均17秒が9秒に
  2.  アプリケーション起動時間:平均7.68秒が4.04秒に
  3.  CPU使用率:ピーク時100%が75%に
  4.  CPUキュー:平均5件が1件に
  5.  メモリ使用率:ピーク時100%が92%に
  6.  ディスクキュー:ピーク時平均3件が1件に

■Liquidware Labs Stratusphereの画面例

VDIおよびHDI環境での主要コンポーネントの稼働率が一覧できる。上段のグラフはユーザー体験の時間推移をGood/Fair/Poorの3段階であらわしている。

■ユーザー体験を数値比

ユーザーエクスペリエンスサマリー画面では、ログイン時間、アプリケーション起動時間、CPUやディスクのキュー(処理要求に対する待ち行列)などを一覧できる。

「ログインおよびアプリケーション起動は、HDIがVDIの半分程度の時間で完了しています。さらに、これが特に注目すべき点なのですが、HDIではCPUキューイングが1件、即ち『処理要求に対する待ちがほぼ発生していない』ことがわかりました」(岡澤氏)

CPUやディスクの処理に「待ち」が発生すると、操作やコマンドが受け付けられなくなる。ユーザーから見ればPCが反応しない状態である。キューイングはユーザーの体感に直接的に影響するわけだ。VDIでは平均5件のCPUキューイングが発生しており、原因はCPU使用率が100%に達していることとわかる。

「また、VDIではピーク時のメモリ使用率も100%に達しており、メモリ上で処理しきれない分がディスクにまわって、これがディスクのキューイングに結びついていることもわかりました。HDIではメモリを100%使い切っていませんので、ディスクのキューイングもほとんど発生しません」(岡澤氏)

このように、Liquidware Labs StratusphereはVDIやHDI、物理PC環境におけるユーザー体験を数値化できる。キューイング発生の原因がCPUやメモリのサイジングミスなのか、ストレージの性能悪化なのか、ネットワークの帯域不足なのかを特定できるので、ポイントを絞った的確なシステム改善の手を打てる。

「HDI環境の優れたユーザーの使用感を、Liquidware Labs Stratusphereによるパフォーマンス計測が裏づけた形です。VDIはシステムのサイジングでパフォーマンスが大きく変わりますが、HDIはサイジング不要で高いパフォーマンスを得られることが実証されました」(藤森氏)

ベネフィット

自社の「サイジングの基準値」を確立できる

 

日商エレクトロニクスのアセスメント/モニタリングサービスは、ここ数年倍々でビジネスを伸長させている。100ユーザー規模から数万ユーザーの大規模環境まで、Liquidware Labs Stratusphereはリモートデスクトップのパフォーマンス問題の解決に貢献する。ユーザー企業独自の「リモートデスクトップ性能の基準値」を策定できるメリットが高く評価されているという。

「今回のトライアルでは、部門、個人、アプリケーション、時期ごとにリソース要求が大きく異なることが数値で確認できました。Webアプリケーションによるリソース消費量が増えているのは、企業全般に共通する傾向です。これが、VDI導入から3年ほど経過した企業がパフォーマンス不足に直面する原因のひとつであることもわかってきました」と藤森氏は言う。

岡澤氏も、「Webブラウザーで複数のアプリケーションを立ち上げ、同時にWeb閲覧のために複数のタブを開く、というのは珍しい使い方ではありません。でも、1ユーザーが20~30ものタブを開いていたとしたらどうでしょう。このように特定のユーザーが過剰にリソースを消費していたり、導入当初よりもユーザーの使い方がリッチになったりして、パフォーマンス不足が起こっている可能性も高いわけです」と話す。

アプリケーションは常に変化していくので、モニタリングによってパフォーマンスの健全性を維持することは重要だ。だが、もしサイジングやモニタリングの必要がないとしたらどうだろう。横田氏は次のように話して締めくくった。

「HDIはサイジング不要で高いパフォーマンスを得られる、実にシンプルで合理的な選択肢です。VDIをオーダーメイドしなくても、HDIならパターンメイドで同等以上のメリットが手に入ります。HDIによって、日商エレクトロニクスとしてもリモートデスクトップ提案の幅が広がり、より多くのお客様課題の解決が可能になりました。HDIビジネスには大きなポテンシャルがあると確信しています」

ご導入企業様

日商エレクトロニクス株式会社 様

 

所在地:東京都千代田区二番町3-5 麹町三葉ビル(受付6F)

URL:https://www.nissho-ele.co.jp/