HPE DXプラットフォーム
5G / IoT
特集記事 リーダーが語るDXプラットフォームの取り組み ~5G / IoT~
日本ヒューレット・パッカード合同会社
プリセールスエンジニアリング統括本部 通信・メディア技術部
水越 仁
あなたの会社の「エッジ」はどこにありますか
エッジコンピューティング、インテリジェントエッジ、エッジセントリック――IoTを語る際に必ず登場する「エッジ」は一体どこにあるのでしょう。そこで何が起こっているのでしょうか。HPE Japanでは、エッジを「データが生まれる場所」とシンプルに定義しています。今回は、HPEが考えるIoTとローカル5Gの活用についてご紹介します。
エッジとはデータが生まれる場所
データが生まれるその場所で、データを収集し、リアルタイムに分析や処理を行い、データから価値を生み出す――これがエッジコンピューティングの基本です。センサーが設置された生産ラインだけでなく、オフィス、クルマ、コンビニ、宇宙ステーションも、「データが生まれる場所」という意味では、すべてエッジです。
調査会社が予測した通り、今や企業が扱うデータの多くを、データセンターやクラウドでなく「エッジ」で生成されるデータが占めています。エッジに設置されるIoTデバイスの多くがAIによる処理能力を備えるようにもなりました。
HPE Japanでは、DXプラットフォームの4軸のひとつに「5G/IoT」を位置づけて、お客様がエッジで収集したデータから新しい価値を創造するためのソリューションとサービスを提供しています。ご提案するのは、高性能のエッジコンピューティング、最適なコネクティビティ、ゼロトラストセキュリティによって実現される「インテリジェントエッジ」です。
エッジがインテリジェンスを備えることの重要性
エッジで生まれたデータを、エッジでリアルタイム処理できることに「インテリジェントエッジ」の最大のメリットがあります。これによりビジネスをエッジ主導型に再定義し、データから新しいビジネス価値を創造します。まず、「ローカル5G」「IoTコネクティビティ」という2つのコネクティビティについてご紹介しましょう。
ローカル5Gは、通信キャリアに依存せず、お客様の建物や敷地内で高速・広帯域のプライベート通信サービスを実現する手法として注目が高まっています。HPEでは、ローカル5G環境を手軽に実現できるパッケージソリューション「HPE 5G Core Stack」を提供しており、自動化テクノロジーにより5Gネットワークの導入・運用を容易にして、ローカル5Gのメリットを最大化します。
HPEでは、通信業界に特化した通信技術部門Communications Technology Group(CTG)と呼ばれる組織に5,000名規模のエキスパートチームを編成しており、ここで30年以上にわたって培ってきたテクノロジーと知識をHPE 5G Core Stackに凝縮しました。日本では関西電力グループのオプテージ様に採用され、2021年後半から実証実験が進められています。
IoTコネクティビティは、「HPE Aruba」のソリューションにご注目ください。HPE Arubaの無線LANアクセスポイントは、BLEやZigbeeをはじめ、お客様独自仕様のプロトコルでもIoTデバイスへの接続が可能です。Wi-Fi 6のアクセスポイントとIoTデバイスのゲートウェイを兼ねるため、現場の機器をシンプルに構成できるメリットもHPE Arubaならではです。
さらに、HPE Aruba ClearPassのポリシーベースのアクセス制御と、Nozomi Networksなどの産業制御システム(OT/IoT)向けセキュリティを連携させることで、不正な端末からの接続をエッジで遮断するIoT/OTセキュリティを実現することもできます。
進化するエッジコンピューティング
HPEは、優れた耐環境性能を備えた「HPE Edgeline Converged Edge Systems」を提供し、エンタープライズITと制御系OTを統合するエッジコンピューティング環境を具現化します。学習済みAIモデルを組み込んだエッジサーバー、クラウドネイティブ技術で開発されたコンテナアプリケーションの稼働環境など、HPE Edgelineならではの強力なコンピュートリソースを場所を選ばずご利用いただけます。
HPEは、自社の主力製品であるHPE ProLiantサーバーの製造ラインにおける品質検査にHPE Edgelineを適用し、AIによる画像解析・推論を3ミリ秒というスピードで可能にしています。さらに、究極のエッジ環境とも言える国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星向けにもHPE Edgelineベースのシステムを提供しています。
HPEの強みは、インテリジェントエッジを構成する主要なテクノロジーを自ら開発し、CTGに代表される通信業界に精通したエキスパートチームを擁しているだけではありません。高い志と技術力を備え、ユニークな視点とアイディアを持ったHPEの人材が、通信業界とエンタープライズの両方のお客様の課題やニーズを正確に捉えて、より良いソリューションやサービスを提案できることにこそお客様価値があります。私たちは、これからもお客様のDXと、より良い社会・世界・Smart World実現のために、5G/IoTとインテリジェントエッジをご提案していきたいと思っています。
HPEの5G/IoTソリューションが、ビジネスに次の飛躍をもたらします
HPEの5G/IoTソリューションは、モバイルデバイスやセンサーにより生み出されるデータを、よりインテリジェントでお客様にとって価値の高い資産へと変革します。最先端の5G通信、Wi-Fi 6、IoT向けの省電力通信を組み合わせ、エンドツーエンドデータパイプラインを支える最適なネットワークの構築を支援。セキュアなネットワークとエッジにおける高度なインテリジェンスを実現し、IoTやAIを活用したビジネスの可能性を大きく広げます。
ローカル5G
5G通信を企業がプライベートに利用できる「ローカル5G」は、様々なシーンでビジネスを変革する可能性が期待されています。HPEは、5Gコアを実現する全てのコンポーネントとサービスをパッケージ化し、AS-A-SERVICE(月額・従量課金)モデルで提供します。
ローカル5Gは、企業や自治体が自らの敷地内で高速な5Gネットワークを活用できるソリューションとして注目されています。HPEは、5Gネットワーク構築を迅速に構築するためのオープンなソフトウェアスタック「HPE 5G Core Stack」を提供。優れた耐久性を備えたエッジサーバー製品「HPE Edgelineシステム」と統合し、高速大容量、低遅延・高信頼、多数同時接続が可能なローカル5Gネットワークを実現します。
エッジコンピューティング
HPEは、エッジからクラウドまで、セキュアなエンドツーエンドデータパイプラインを支えるネットワークデザインに豊富な経験を持っています。「OTとITの融合」「Shift & Left」に向けて、お客様に最適なエッジコンピューティングの実現を支援します。
データ処理にAIを活用してDXを推進するために、データの発生源に近いエッジにおけるリアルタイム性の高い処理へのニーズが高まっています。HPEはエッジにおける優れたコンピューティングパワーとOT機器やクラウドサービスとの柔軟な接続を実現する「Edgeline Converged Edge Systems」を提供。さらに、エッジで生成したデータからビジネスの成果を継続的に生み出すためのデータパイプライン整備に豊富なノウハウをご提供します。
IoTコネクティビティ
IoTデバイスはその用途によってネットワーク要件が大きく異なります。HPEは、5G通信やWi-Fi6、IoT向け省電力通信を最適に組み合わせ、新しい時代に求められるヒト-モノ-アプリを繋ぐネットワーキングを提案します。
IoTで収集したデータを活用するための議論は活発に行われますが、IoTデバイスをどのようにネットワークに接続するか「IoTコネクティビティ」の観点は見落とされがちです。HPE Arubaの無線テクノロジーは、無線LANアクセスポイントがWi-Fiの提供とIoTデバイスのゲートウェイを兼ねることで、IoT関連設備の導入負担を軽減します。Arubaアクセスポイントは、BLEやZigbeeをはじめ様々なワイヤレス規格でのIoTデバイスへの接続も可能です。
IoT/OTセキュリティ
セキュリティは、IoTのビジネス活用において最も重要な課題のひとつです。HPEは、IT(情報技術)とOT(制御技術:Operational Technology)の融合領域における豊富な経験とノウハウを活かし、セキュアなIoT環境を実現します。
HPEは、IoT/OT環境全体の資産とリスクを可視化し、脅威と脆弱性に対する効果的な監視体制の構築を支援します。産業制御システム領域については、リスクベースのアプローチでOTネットワークデバイスの先にある生産・製造オペレーションを保護するセキュリティソリューションを提供。IoT/OTコミュニケーションにおけるデータプレーン-制御プレーン双方のセキュリティを確保することでSecure Edge to Cloud Platformの構築を推進します。
自治体DXの推進基盤となる、「ニューノーマルPC」を整備
上越市職員1,600名の業務のデジタル化と機動力の高い執務環境を実現するVDI環境を、HPE GreenLakeによるas a Serviceモデルで導入
課題
「上越市ICTによる情報化推進基本方針」に基づき、デジタル技術を活用したより良い市民サービス、効率的でスピード感のある業務の実現を目指す
解決方法
オンラインでの業務推進、タイムリーな情報共有と意思決定、場所を選ばない柔軟な働き方を支えるインフラとして仮想デスクトップ(VDI)環境を整備
結果
- HPE GreenLakeを採用し「自治体DXの推進基盤」としてのVDI環境を上越市の年度計画に合わせて整備
- HPE ProLiant DL385 Gen10 Plusサーバー/HPE NimbleストレージによりVDI基盤を構築し、「従量制課金」ならではのシンプルな費用処理と投資の最適化を実現
- 「as a Serviceモデル」によりハードウェア/ソフトウェアなどのライフサイクル管理から解放
- システムリソースの使用量を定期的に計測・評価し、リソース不足や過剰投資を回避