パブリッククラウド
パブリッククラウドとは

パブリッククラウドはクラウドコンピューティングの一種であり、サードパーティがユーザーに代わってサーバー、ストレージ、アプリケーションを所有、ホスト、運用、管理します。ユーザーは、こうしたリソースの使用量に応じた料金を支払うことで、インフラストラクチャへの初期投資を削減できます。スケーラブルで柔軟、かつコスト効率に優れたパブリッククラウドサービスを利用することで、企業は必要に応じて簡単にITリソースを拡張できます。パブリッククラウドユーザーは、メンテナンス、セキュリティ、更新作業をパブリッククラウドプロバイダーに一任できます。

大西洋を西北西に進む、渦巻くハリケーンフローレンス
  • パブリッククラウドサービスの将来予測
  • パブリッククラウドの仕組み
  • パブリッククラウドの主要機能
  • パブリッククラウドのメリット
  • パブリッククラウドサービスのモデル
  • パブリッククラウドの最新のアプリケーション
  • パブリッククラウドのセキュリティとコンプライアンス
  • HPEとパブリッククラウド
パブリッククラウドサービスの将来予測

パブリッククラウドサービスの将来予測

変化し続けるパブリッククラウドの状況を把握することは、あらゆる規模の企業にとって非常に重要です。大手調査コンサルティング会社であるGartner®社の主要な調査結果を簡単にご紹介します。

  • パブリッククラウドサービスへの世界全体の支出は、2024年に6,790億ドルに達し、2027年までに1兆ドルを超えると予測されています。
  • 2028年までに、50%を超える企業が業界別クラウドプラットフォームを使用してビジネスイニシアチブを加速すると予想されています。
  • 2028年のクラウドの役割は、テクノロジープラットフォームからビジネスに不可欠なものへと移行します。
  • 組織は、イノベーションを促進し、市場を大変革して、顧客維持を強化するためにクラウドテクノロジーに投資しています。

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パブリッククラウドの仕組み

パブリッククラウドの仕組み

パブリッククラウドは、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェアなどを消費者や企業に従量制課金で提供するコンピューティングモデルの一種です。

パブリッククラウドは、ユーザーが共有するため、多用途で拡張性、コスト効率に優れています。一方、プライベートクラウドはビジネスに特化しており、単一企業専用です。

パブリッククラウドの仕組みは次のとおりです。

  • Infrastructure as a service (IaaS): パブリッククラウドプロバイダーは、VM、ストレージ、ネットワークを提供します。これらのリソースは、APIまたはオンラインで提供および管理できます。企業はハードウェアを購入し保守することなく、迅速にその規模を拡大/縮小できます。
  • Platform as a service (PaaS): パブリッククラウドプラットフォームは、アプリケーションの開発、テスト、および展開のためのミドルウェア、開発ツール、およびランタイム環境を提供します。これらのサービスにより、デベロッパーはインフラストラクチャを保有することなくアプリケーションを構築および起動できるため、アプリケーション開発が加速され、市場投入までの時間が短縮されます。
  • Software as a service (SaaS): パブリッククラウドプロバイダーは、オンラインサブスクリプション用の複数のソフトウェアパッケージを提供します。これらのプログラムは、CRM、ERP、生産性、その他の生産性向上ツールをカバーしています。SaaSソフトウェアはオンラインでアクセスできるため、インストールやメンテナンスの手間がかかりません。
  • 弾力性と拡張性: パブリッククラウドインフラストラクチャはワークロードに合わせて調整されます。ユーザーリソースの割り当ては、トラフィックの急増、季節の変動などの要因に合わせて調整できます。この柔軟性により、アプリケーションは需要がピークになっても応答性を維持できます。
  • 従量制課金: 使用量ベースの課金は、パブリッククラウドコンピューティングでは一般的です。ユーザーは、使用するコンピューティング性能、ストレージ、帯域幅、および他のサービスに対してのみ料金を支払います。この従量制課金方式では、使用量とコストを調整することでIT支出を最適化します。
  • グローバルな可用性と冗長性: パブリッククラウド プロバイダーは世界中にデータセンターを持っているため、クライアントはターゲットオーディエンスの近くでアプリケーションをホストし、レイテンシを短縮してパフォーマンスを向上させることができます。これらの企業は、冗長なインフラストラクチャとデータレプリケーションを使用して、データの可用性と耐久性を提供します。
  • セキュリティとコンプライアンス: パブリッククラウドプロバイダーは顧客のデータとインフラストラクチャを保護します。これらには、セキュリティ監査、暗号化、IAM、コンプライアンス認証、ネットワークセキュリティが含まれます。ただし、ユーザー自身が推奨される方法を使用してアプリケーションとデータのセキュリティを確保する必要があります。

パブリッククラウドは、オンプレミス機器の管理を避けたい企業にとって柔軟かつ経済的です。信頼できるプロバイダーにITリソースをアウトソーシングすることで、企業はパブリッククラウドの拡張性、信頼性、セキュリティを活用しながら、イノベーションと成長に注力できるようになります。

パブリッククラウドの主要機能

パブリッククラウドの中核機能

パブリッククラウドサービスには、以下の重要な機能が含まれます。 

オンデマンドで拡張できるコンピューティングリソース:

パブリッククラウドは、ニーズに応じてコンピューターリソースをスケールアップ/ダウンできます。そのためユーザーは、ワークロードのニーズに合わせてインフラストラクチャの規模を簡単かつ迅速に変更することができます。

  • 共有インフラストラクチャとマルチテナンシー:

パブリッククラウドサービスで使用される共有インフラストラクチャでは、複数のユーザー (テナントとも呼ばれる) が同じ物理リソースを使用できます。こうしたマルチテナンシーアーキテクチャーでは、ユーザーがリソースを有効に活用しながらコストを分担できます。

  • ネットワークアクセスとコネクティビティ:

ユーザーは、信頼できる接続が確立されたあらゆる場所からクラウドリソースおよびサービスを利用できるため、ユーザーモビリティが向上します。こうしたネットワークアクセスによってリモートワーク、シームレスなコラボレーション、インターネットベースのサービスとの連携がサポートされます。このタイトルは、柔軟で接続されたユーザーエクスペリエンスを実現するにあたり、ネットワークアクセスとコネクティビティの両方が重要であることを示しています。

  • 従量制課金モデル:

パブリッククラウドプロバイダーが使用している標準価格戦略は、一般的に従量制課金と呼ばれています。ユーザーは実際に使用したリソースの料金だけを支払うため、コスト効率が向上します。請求額は、実際のリソース使用量に基づいています。この方式では多額の初期投資が不要になり、柔軟なコスト管理も可能になります。

  • セルフサービスのプロビジョニング: 

ユーザーは、サービスプロバイダーに連絡することなく、クラウドリソースを直接自社でプロビジョニングおよび構成できます。このセルフサービス機能は、ニーズに応じて自社主導で使用できるため、リソース管理におけるスケーラビリティと柔軟性が向上します。

  • セキュリティ: 

パブリッククラウド内では、共有責任の枠組みによってセキュリティが制御されており、ユーザーとサービスプロバイダーとのコラボレーションが必要となります。クラウドアーキテクチャーは、強力なセキュリティ機能、プロトコル、および認証を備えており、データとアプリケーションを徹底的に保護します。この共有責任という認識は、パブリッククラウド環境におけるセキュリティの重要性を示しています。

パブリッククラウドのメリット

パブリッククラウドのメリット

パブリッククラウドサービスのメリット: 

  • コスト効率とリソース最適化:

ユーザーは、パブリッククラウドで使用したリソースの料金だけを支払います。これによってハードウェアやインフラストラクチャへの多額の投資を回避できます。パブリッククラウドリソースを共有するという特性によってコスト効率も向上し、コンピューターリソースをより有効に活用できます。

  • 拡張性と柔軟性: 

パブリッククラウドサービスのユーザーは、ニーズの変化に合わせてリソースの容量を調整できます。ワークロードが変動する企業は拡張性を求めており、大規模なプランニングやハードウェアへの投資なしに処理能力を変更できます。

  • グローバルなアクセシビリティと冗長性:

パブリッククラウドでは、ユーザーがインターネットに接続されたすべての場所からデータとアプリケーションにアクセスできます。分散型チームや多国籍企業は、グローバルなアクセシビリティを活用できます。複数のパブリッククラウドプロバイダーが冗長性およびバックアップサービスを提供しており、データの可用性を確保してデータロスのリスクを軽減できます。

  • イノベーションおよび開発の加速:

パブリッククラウドサービスは、新しいアプリケーションやサービスの開発と展開に必要な時間を短縮することで、迅速なイノベーションをサポートします。長期間の調達サイクルやインフラストラクチャの取得が不要になるため、企業は市場ニーズの変化に迅速に対応できます。こうしたアジリティによって競争力が向上し、テクノロジーとイノベーションの状況が変化する中で競合他社の先を行くことができます。

パブリッククラウドサービスは、ビジネスニーズの変化に対応するうえで必要なコスト効率、柔軟性、グローバルなアクセシビリティを提供します。

パブリッククラウドサービスのモデル

主要なパブリッククラウドサービスモデル

  • Infrastructure as a service (IaaS):

IaaSは、インターネットを通じて、ネットワーク、ストレージ、仮想マシンなどの仮想化コンピューティングリソースを提供します。ユーザーがこのインフラストラクチャのOS、アプリケーション、ソフトウェアを制御することで柔軟性が向上し、より多くのカスタマイズオプションを利用できます。

  • Platform as a service (PaaS):

PaaSは、開発ツールおよびサービスを含むプラットフォームパッケージです。ユーザーは、基盤となるインフラストラクチャについて考えることなく、アプリケーションを開発、展開、管理できます。それによって開発プロセスが簡素化されます。

  • Software as a service (SaaS):

SaaSは、ソフトウェアアプリケーションをオンラインで、サブスクリプションモデルを通じて提供します。ユーザーはWebブラウザーからソフトウェアにアクセスでき、ローカルでのインストールやメンテナンスが不要になります。CRMプログラム、オフィススイート、メールサービスなどに利用されています。

  • Function as a service (FaaS):

FaaS (サーバーレスコンピューティング) では、プログラマーが基盤となるインフラストラクチャを管理することなく、イベント発生時に特定の機能またはコードセグメントを実行できます。クラウドプロバイダーが自動的に機能の実行とスケーラビリティに対応します。FaaSは、マイクロサービスやイベント主導のアーキテクチャーに有益です。

ユーザーはニーズに合わせてサービスモデルを選択し、これらのモデルで提供されるさまざまなレベルの抽象化および管理機能から選択することができます。

パブリッククラウドの最新のアプリケーション

パブリッククラウドの最新のアプリケーション

パブリッククラウドプラットフォームでホストされる最新のアプリケーションにより、ソフトウェアの開発、展開、管理が変化します。これらのアプリケーションは、クラウドの拡張性、アジリティ、高コスト効率を活用して、世界中に斬新なソリューションを提供します。最新のパブリッククラウドアプリケーションの機能と利点については、以下で説明します。

  • マイクロサービスアーキテクチャー: 現代のプログラムは、複雑なシステムをより小さく自律的なサービスに分割するマイクロサービスアーキテクチャーを使用して構築されることがよくあります。各サービスはAPIを介してやり取りするもので、特定の機能や特徴に特化しています。この設計は柔軟性、拡張性、耐久性に優れているため、デベロッパーは迅速に反復処理を行い、変化するニーズに対応できます。
  • コンテナ化とオーケストレーション: Dockerコンテナは現代のアプリケーションに不可欠です。コンテナは、整合性を保つためにアプリケーション コード、依存関係、およびランタイム環境を分離します。Kubernetesなどのコンテナオーケストレーション テクノロジーは、コンテナ化されたアプリケーションの配備、スケーリング、管理を自動化することで、開発と運用を効率化します。
  • DevOpsのプラクティス: 最新のアプリケーション開発では、製品のデリバリを迅速化するためにDev-Opsチームワークが重視されます。継続的インテグレーション (CI) と継続的デリバリ (CD) は、ビルド、テスト、および展開処理を自動化し、高速で信頼性の高いリリースを実現します。チームは、パブリッククラウドプラットフォーム上の統合されたDevOpsツールとサービスを使用して、大規模な開発を行うことができます。
  • サーバーレスコンピューティング: Function as a service (FaaS) はインフラストラクチャを抽象化し、デベロッパーがステートレスな関数を記述できるようにします。ユーザーは、パブリッククラウド上でこれらの関数を実行、拡張、提供するために使用されるコンピューティングリソースに対してのみ料金を支払います。サーバーレス設計により、コストが最適化され、自動的に拡張され、アプリケーションの市場投入までの時間が短縮されます。
  • イベント駆動型アーキテクチャー: 最新のプログラムは、イベントを使用して非同期的にやり取りします。意味のあるシステムイベントにより、アクションとワークフローが生成されます。この分離された設計により、コンポーネントは独立して拡張でき、変動するワークロードに耐えることができるため、柔軟性、スケーラビリティ、耐障害性が向上します。
  • データ分析とAI/MLの統合: 最新のアプリケーションは、パブリッククラウドプラットフォームの強力なデータ分析とAI/ML機能を活用して、有益な情報を収集して、プロセスを自動化し、エクスペリエンスをカスタマイズできます。マネージドデータベース、データレイク、分析ツール、事前トレーニング済みのAIモデルにより、デベロッパーは膨大なデータ セットからイノベーションを生み出すことができます。
  • ハイブリッドおよびマルチクラウドの展開: 最新のアプリケーションは、クラウドプロバイダーとオンプレミス インフラストラクチャを活用します。ハイブリッドクラウドソリューションにより、企業はパブリッククラウドの規模と柔軟性を活用しながら、機密データを保護しコンプライアンスを遵守できます。冗長性、耐障害性の確保、ベンダーロックインの回避により、マルチクラウド展開で事業継続性とアジリティが実現します。

現在のパブリッククラウド アプリケーションは、マイクロサービス、コンテナ化、DevOps、サーバーレス コンピューティング、イベント駆動型アーキテクチャー、データ分析、ハイブリッド/マルチクラウド展開を使用して、スケーラブルで堅牢かつ創造的なソリューションを提供します。パブリッククラウドは、今日の急速に変化する市場において、企業がデジタル変革を進め、ビジネスアジリティ、競争力を高めるのに役立ちます。

パブリッククラウドのセキュリティとコンプライアンス

パブリッククラウドサービスで必須のセキュリティとコンプライアンス対策

パブリッククラウドサービスには、さまざまなセキュリティとコンプライアンスの手順が必要となります。重要な要素は以下のとおりです。

  • プライバシーおよびデータ暗号化手法:

通常はパブリッククラウドプロバイダーが強力な暗号化手法を利用して転送中データと保存データを保護します。それにより、機密データが不正アクセスから保護されます。またユーザーは、法令上の必要性も考慮してデータ保存場所を選択するなどのプライバシー機能により、データストレージの場所を管理できます。また、データ保存場所の選択などのプライバシー管理により、利用者は法令を遵守しつつ、データ保存場所に対する権限を維持できます。

  • コンプライアンス規格および規制:

パブリッククラウドサービスは、さまざまなコンプライアンス指針および規則に従って地域と業界に固有の要件を満たしています。こうした規制には、HIPAA (Health Insurance Portability and Accountability Act)、GDPR (一般データ保護規則) などがあります。クラウド企業は、特定の規格に準拠している証明として、コンプライアンス証明書を提示できます。

  • セキュリティ管理とアイデンティティ管理:

パブリッククラウド向けのプラットフォームは、さまざまなアイデンティティ管理およびセキュリティ機能を備えています。これには、ファイアウォールの利用、アクセス制限、不正アクセス防止のためのネットワークセキュリティ対策などが含まれます。ユーザーによるリソースへのアクセスを企業が管理して制限できる、アイデンティティおよびアクセス管理 (IAM) ソリューションは、セキュリティの不備解消に役立ちます。

  • 監視とインシデント対応:

セキュリティの問題を特定して対処するには、クラウドシステムを継続的に監視する必要があります。多くのパブリッククラウドプロバイダーは、システムの挙動、ユーザーの行動、潜在的脅威を追跡するツールを備えています。セキュリティの問題が発生した際に従う手順はインシデント対応計画に記載されており、影響の緩和と再発防止に役立ちます。

パブリッククラウドプロバイダーがこうしたセキュリティとコンプライアンスの手順を導入する目的は、お客様がデータやアプリケーションを保存できる、信頼性の高い安全な環境を構築することにあります。またユーザーは、固有の要件やコンプライアンス規格に対応するために、こうしたセキュリティ要素の構成と管理について意見を述べることができます。

HPEとパブリッククラウド

最新のパブリッククラウドにHPEのソリューションを活用する方法

テクノロジーは急速に変化しているため、競争力を維持しようとする組織は先頭を走り続ける必要があります。HPE GreenLake、OpsRamp, a Hewlett Packard Enterprise company、および HPE Ezmeral Data Fabric Softwareは、企業が現代のITアーキテクチャーを俊敏かつ効率的に管理するために不可欠なツールとなっています。

  • HPE GreenLake: HPE GreenLakeは、柔軟な消費ベースのIT調達により、オンプレミス インフラストラクチャにクラウドコンピューティングを提供します。HPE GreenLakeを使用すると、企業はHPEのハードウェア、ソフトウェア、サービスに対して従量制課金で支払い、IT支出を使用量に合わせて調整できます。これにより、企業はオンプレミス インフラストラクチャのセキュリティと制御を維持しながら、リソースを拡大または縮小できます。
  • OpsRamp: ハイブリッドおよびマルチクラウド設定向けのOpsRampは、集中型の可視性、監視、自動化を提供する最先端のIT運用管理プラットフォームです。OpsRampは監視ツールと手順を統合し、オンプレミスのデータセンターからパブリッククラウドサービスまで、ITチームがインフラストラクチャスタック全体の問題を見つけて修正できるようにします。この統合戦略により、プロセスが合理化され、効率が向上し、ITサービスの信頼性が向上します。
  • HPE Ezmeral Data Fabric Software: この分散データファブリックは、企業がハイブリッドシステムとマルチクラウドシステム全体でデータを管理および分析するのに役立ちます。  HPE Ezmeral Data Fabric Softwareは、Apache HadoopとApache Sparkに基づくスケーラブルで堅牢なプラットフォーム上で膨大な量のデータを保存、処理、クエリします。データレプリケーション、階層型ストレージ、データライフサイクル管理により、企業はIT設定全体でデータの整合性と可用性を確保しながら、データから有益な情報を得ることができます。

パブリッククラウドとプライベートクラウドとハイブリッドクラウドの違い

機能

パブリッククラウド

プライベートクラウド

ハイブリッドクラウド

所有と管理

サードパーティのクラウドサービスプロバイダーが所有、運用する

単一の組織がオンプレミスで、またはサードパーティプロバイダーがその組織専用に所有、運用する

パブリッククラウドとプライベートクラウドの要素を兼ね備えており、両クラウド間でデータとアプリケーションを共有できる

アクセシビリティ

インターネットからアクセス可能で、グローバルな可視性と拡張性が得られる

プライベートネットワークからアクセス可能で、データのセキュリティと制御性が向上する

特定のニーズやワークロードの特性に応じて、パブリックとプライベート両方のリソースを柔軟に利用できる

コスト構造

通常は従量制課金またはサブスクリプションベースの課金モデルとなり、ハードウェアの初期コストを抑えられる

インフラストラクチャへの投資に伴って初期費用が高額になる一方で、長期的な運用コストは抑えられる

従量制課金と前払いを組み合わせることができ、コストと予算の柔軟性が向上する

拡張性

オンデマンドの拡張が可能で、ユーザーはニーズに応じてリソースを簡単にスケールアップ/ダウンできる

拡張は可能だが、新たなインフラストラクチャ投資が必要となる場合がある

さまざまなワークロードでパブリッククラウドリソースによる動的な拡張が可能となり、機密データはプライベートクラウドで保持できる

リソースの共有

複数のユーザーでリソースを共有できる (マルチテナンシーモデル) ため、コスト効率が向上する

リソースは単一組織専用となるため、制御性とカスタマイズ性が向上する

パブリッククラウドの効率とプライベートクラウドのカスタマイズ性というメリットを組み合わせることで、ニーズに合ったリソース割り当てが可能になる

セキュリティとコンプライアンス

セキュリティ対策はプロバイダーが実施し、コンプライアンスへの対応は認証取得によって行う場合が多い

セキュリティ対策に対する組織の権限が大きく、特定のコンプライアンス要件に応じたカスタマイズが可能

セキュリティ対策は選択した組み合わせによって変わり、組織は特定のコンプライアンス要件に対応できる

パブリッククラウドサービスとオンサイトITインフラストラクチャの違い

クラウドコンピューティングを検討する際には、パブリッククラウドサービスとオンサイトITインフラストラクチャの違いを理解することが重要です。

パブリッククラウド

典型的なオンサイトITインフラストラクチャ

リソースはサードパーティプロバイダーによってホストされ、管理されます。

リソースは組織の敷地内でホストされ、管理されます。

拡張性は動的であり、需要に応じてリソースを簡単にスケーリングできます。 

拡張性を実現するには、多くの場合、ハードウェアへの先行投資が必要であり、物理的な制約によって制限される可能性があります。

ユーザーが消費したリソースに対して支払う従量制課金の料金モデル。

ハードウェアの購入には資本支出が必要であり、メンテナンスとアップグレードには継続的な運用コストがかかります。

柔軟性とアクセシビリティが向上し、インターネット接続があればどこからでもリモートアクセスが可能になります。

アクセスはオンサイトまたはVPN経由に制限され、リモートでアクセスできないことがあります。

分散型データセンターを通じて冗長性と高可用性を提供します。

冗長性はローカルバックアップとフェイルオーバー システムに依存しますが、堅牢性が劣る可能性があります。

セキュリティ対策はクラウド プロバイダーによって管理され、多くの場合、高度なセキュリティ機能が備わっています。

セキュリティ対策は社内で管理されるため、専用のリソースと専門知識が必要です。

HPEハイブリッドクラウド

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