クラウドバックアップ
クラウドバックアップとは
クラウドバックアップは、重要な情報の喪失に対する保険のようなものであり、偶発的な削除、データの破損、マルウェア攻撃、その他の災害からビジネスを迅速に復旧できるようにします。クラウドバックアップソリューションは柔軟性に優れ、実装が容易であり、オンデマンドでスケーリングできるので、ボリュームにかかわらずビジネスデータを収容できます。
クラウドバックアップの仕組み
クラウドバックアップは、重要な情報の複数の冗長コピーをクラウドベースのサーバーに格納することで、ビジネスクリティカルなデータを保護します。ファイルはソースでコピーされ、パブリックネットワークまたはプライベートネットワーク経由でクラウドベースのストレージサーバーに転送され、そこで維持され、継続的かつ自動的に更新されます。
クラウドバックアップとクラウドストレージの違い
クラウドストレージは揮発性です。クラウドストレージは、重要なデータ、ファイル、他の情報を保持するための仮想領域であり、承認されているユーザーが実質的にいつでもどこからでもアクセス、更新、変更できます。クラウドストレージにあるデータは使用するためのものです。
それに対して、クラウドバックアップは定期的に更新されますが、日常的な使用は想定されていません。クラウドバックアップは、収集され、圧縮され、多くの場合暗号化されて、事業継続性およびディザスタリカバリのために安全に格納されています。
クラウドバックアップのメリット
重要なデータを保管用にバックアップすることは、コンピューティングよりもずっと以前から、推奨されるベストプラクティスです。文書記録を火災などの災害で喪失する危険にさらしたくない場合は、複製を別の場所に保持していました。同じ原理がデジタル時代にも当てはまります。
どのような媒体に保持されている情報でも、単純な人的エラーから事故や自然災害、そして意図的な破壊行為や妨害行為まで、さまざまな偶発事故によって損傷または破壊される可能性が常にあります。ビジネスクリティカルなファイルの冗長コピーを複数個持つことには常にコストがかかります。重要なデータの壊滅的喪失に対する安全策として堅牢なバックアップ計画が必要不可欠です。
クラウドバックアップは従来型のデータ保護と比べて大きなメリットをもたらします。
· 社内開発ソリューションよりもコスト効率に優れている
· 社外の複数の場所にあるクラウドベースのサービス上で保護されているので、災害に耐えられる
· スケーラブルであるため、データ量が増大してもバックアップを保持できる
· 統合されているため、大規模な組織で複数の場所に対して1つのバックアップソリューションで対処できる
· アクセス可能であるため、どの場所でもデータを復元できる
クラウドバックアップに関する課題
クラウドバックアップサービスの人気が高まっているため、潜在的なデメリットが見落とされやすくなっています。
データはパブリックネットワークまたはプライベートネットワーク経由でバックアップされるため、十分な帯域幅と接続が必要になります。データの量およびネットワーク自体の制限によっては、ネットワークのパフォーマンスやレイテンシの問題が発生することがあります。
クラウドバックアップは、ビジネスクリティカルなデータをサードパーティプロバイダーに預けることになるため、特にデータプライバシー規制に関するセキュリティ上の懸念を伴う可能性があります。プロバイダーと協力してすべてのポリシー要件が順守されるようにします。
すべてのクラウドバックアッププロバイダーが同じサービスレベルとコスト構造を提供している訳ではありません。プロバイダーを選ぶ前に、適合しないプラットフォーム、独自のソフトウェア、セキュリティ、暗号化規格、管理手数料についてソリューションを必ず評価します。
クラウドバックアップとクラウドデータ保護の関係
クラウドデータ保護は、一連の複雑な組み込みバックアップ/リカバリシステムとセキュリティプロトコルを通じて、クラウドに格納されている情報の完全性と信頼性を確保するのに役立ちます。クラウドにある情報は、クラウドストレージプロバイダーが維持している物理サーバー上に置かれているので、複数の場所で独自の冗長バックアップを保持するのに最適です。ある災害によって1か所のデータセンターが影響を受けたとしても、そこでホスティングされているクラウドベースのデータのコピーがすべて破壊されることはありません。
クラウドバックアップでは、クラウドベースのストレージシステムに本来備わっている保護によるメリットだけでなく、バックアップソフトウェアやサービスプロバイダーによって異なる独自の多層のセキュリティも提供されます。クラウドバックアップは自動的かつ継続的に更新され、暗号化され、偶発的なデータ喪失、改ざん、破損を避けるために複製されています。
HPEとクラウドバックアップ
情報は今日のあらゆるビジネスの原動力ですが、ビジネスクリティカルなデータを喪失するリスクは絶えず付きまとう脅威です。この極めて重要な資産を守るには、堅固なバックアップ計画が不可欠です。HPEはデータの喪失や破損の可能性を軽減することに役立つデータバックアップとデータセキュリティのソリューションを提供しています。
HPEバックアップ/リカバリサービスは、迅速なリカバリおよびコスト効率に優れたクラウドでの長期保持により、データ保護を簡素化します。効率的な組み込みデータ削減によってストレージのボリュームとコストが制御され、暗号化と自動化によってバックアップボリュームの安全性が保たれます。
HPE GreenLake for Storageは、クラウド用のアジリティと柔軟性を従量制のデータサービスと結び付けるシームレスなクラウドエクスペリエンスを実現します。そして、HPE GreenLake for Data Protectionは、データ喪失、ランサムウェア、他の潜在的脅威からビジネスを保護するのに役立ちます。