ハイブリッドクラウドストレージ
ハイブリッドクラウドストレージとは

ハイブリッドクラウドストレージでは、オンプレミス (データセンターやコロケーション) リソースとパブリッククラウドストレージリソースが、データのポータビリティを実現するテクノロジーにより組織のデータ環境内で結合されます。ハイブリッドクラウド戦略により、組織はオンプレミスストレージとパブリッククラウドストレージを両者の間でデータをシームレスに移行させながら活用し、2つの環境にわたる前例のないアジリティ、柔軟性、リソース最適化を実現します。

所要時間: 6分40秒 | 公開日: 2026年1月15日

目次

    ハイブリッドクラウドアーキテクチャーとは

    ハイブリッドクラウドストレージは、オンプレミスリソースおよびパブリッククラウドストレージリソースを活用し、柔軟で拡張性のあるストレージソリューションを実現します。ハイブリッドクラウド戦略により、組織はオンプレミスストレージとパブリッククラウドストレージを両者の間でデータをシームレスに移行させながら活用し、2つの環境にわたる前例のないアジリティと柔軟性を実現します。

    ハイブリッドクラウドストレージは次の要素で構成されます。

    • オンプレミスストレージ: 最新のオンプレミスストレージオファーは、ワークロードのプロビジョニングと管理のしやすさの点で、クラウドエクスペリエンスを実現します。高パフォーマンス、低レイテンシ、規制コンプライアンスが必要な機密データや重要データにはオンプレミスストレージが使用されます。
    • パブリッククラウドストレージ: AWS、Azure、GCPなどのクラウドサービスプロバイダーは、パブリッククラウドストレージ用のストレージ機能を提供します。パブリッククラウドストレージソリューションはスケーラブルで、一般に従量制課金の料金設定により低コストで導入できます。これらのソリューションは、バックアップ、アーカイブ、テスト/開発、新規イニシアチブを対象として効果的に機能します。ハイブリッドクラウドは、オンプレミス インフラストラクチャとパブリッククラウドサービスを組み合わせたものです。組織はハイブリッドクラウドストレージを運用し、ITデマンドの変化に基づいて、データをオンプレミスリソースとパブリッククラウドリソース間でシンプルに移行することで、柔軟性、パフォーマンス、コストを改善します。
    柔軟性と拡張性に優れたソリューションを提供するオンプレミスおよびパブリッククラウドストレージの仕組みについて説明するハイブリッドクラウドストレージのインフォグラフィック。

    さまざまなタイプのハイブリッドクラウドストレージ

    広範なユースケースをサポートできるよう、ストレージリソースではハイブリッドクラウドにまたがって多様なストレージデータタイプが活用されます。

    • ブロックストレージ: データベースなど、高パフォーマンスと低レイテンシが必要なアプリケーションに理想的です。
    • ファイルストレージ: NFSおよびSMBでアクセス可能な共有ファイルシステムは、共有ファイルへのアクセスが必要な、コンテンツ管理対象システムやドキュメントコラボレーションなどのプログラムに適しています。
    • オブジェクトストレージ: 高度な拡張性と耐久性を備えたストレージソリューションであるオブジェクトストレージは、非構造化データ、バックアップ、アーカイブ向けに豊富なメタデータを含むオブジェクトとしてデータを保存します。

    ハイブリッドクラウドストレージでデータを効率的に管理する方法

    効率的なデータ管理は、パフォーマンス、高コスト効率、データアクセシビリティを高めるハイブリッドクラウドストレージ環境における重要な要素です。現在の主要なストレージベンダーからは、ハイブリッド環境全体を可視化してアクセスを制御できるサービスが提供されています。具体的には、データレプリケーションとバックアップ、アーカイブ、ディザスタリカバリのオプションがあります。

    ハイブリッドクラウドストレージでの効果的なデータ管理には、データ効率化、自動化、データプロビジョニングによるデータストレージの最適化が含まれます。

    ハイブリッドクラウドストレージのメリットとデメリット

    メリット

    • ビジネス成果のより迅速な達成: ハイブリッドクラウドストレージを使用することで、ユーザーはオンプレミス容量を追加する際に要求から調達まで待機する必要がなくなります。データがクラウドにレプリケーションされると、事業部門と開発グループは、数分以内にクエリの実行を開始できます。
    • 可視性の向上: 多くのプロバイダーからはデータの一元管理コンソールが提供されているため、ユーザーは使用量やコストを確認し、さらにキャパシティの傾向に対する詳細で有益な情報を得ることができます。
    • コスト節減: ハイブリッドクラウドストレージを使用すると、ユーザーはアプリケーションごとに最もコスト効率の高い方法でデータを保存し、オンプレミスストレージインフラストラクチャを追加購入してプロビジョニングできます。この機能により支払いは月ごとの従量制となり、財務上の透明性を確保できます。
    • オンデマンドのスケーリング: ハイブリッドクラウドストレージを使用することで、月単位ではなく分単位で追加の容量にアクセスできます。これにより、オーバープロビジョニングやアンダープロビジョニングのリスクを軽減できます。
    • ITリソースの解放: ハイブリッドクラウドストレージモデルでは、ルーチンタスクをサービスプロバイダーが管理できるため、ITチームは代わりに戦略的に重要なビジネスイニシアチブに注力できます。

    デメリット

    • 複雑化の増大: ストレージの設置場所が2か所以上あると、少なくとも2セットのITインフラストラクチャを複数の場所に対応するように設計されたソフトウェアで管理する必要があります。
    • レイテンシの増大: クラウドとの間でデータを移動する場合、1か所にあるインフラストラクチャコンポーネント間よりも通信速度が低下します。
    • 管理対象の増加: ハイブリッドクラウドストレージでは、複数のサプライヤー契約やシステム管理ツールを管理する必要があります。

    ハイブリッドクラウドストレージのユースケース

    ハイブリッドクラウドストレージでは、アジリティとスケーラビリティが得られるだけでなく、パフォーマンス、コストなどの要件に応じてアプリケーションとデータを配置できるようになり、リソース使用の最新化と最適化を実現できます。次のような一般的ユースケースがあります。

    • 事業継続性およびディザスタリカバリ: ハイブリッドクラウドストレージは、重要なデータをオンプレミスに維持しながら、システム障害中でも事業を継続できるようにする場合に使用できます。クラウドでデータをレプリケーションすることにより、企業は、本番環境システムの修復や復元中、基本的にはワークロードをクラウドに切り替えます。
    • リモートワークプレイス: 組織はハイブリッドクラウドストレージを展開し、ワークロードの生産性と効率を維持しながらデータにリモートアクセスできるようにしました。
    • Webサイトの効率: ハイブリッドクラウドセットアップのオブジェクトストアをプライマリデータに対して使用できます。このため、クラウドにあるデータにお客様向けWebサイトから直接アクセスできます。これによりストレージハードウェアを節減し、サイトのパフォーマンスを向上させることができます。
    • さらに高速なデータ取得: ユーザーは頻繁に使用するデータからアーカイブを分離し、使われていないデータをクラウドに配置することがよくあります。これにより、プライマリデータのアクセスに必要な取得時間が短縮されます。
    • セキュリティおよび規制コンプライアンス: 規制コンプライアンス問題に対応する組織は、機密データを格納するためにプライベートクラウドをよく使用する一方で、VMやアプリケーションの格納にはオンプレミスのハードウェアやパブリッククラウドを使用する場合がよくあります。

    ハイブリッドクラウドストレージのベストプラクティス

    • 戦略的プランニング: データの要件を包括的に評価し、ビジネス目標、SLA、コンプライアンスのニーズ、予算の制約に合わせて包括的なハイブリッドクラウドストレージ戦略を策定します。
    • セキュリティおよびコンプライアンス対策: 暗号化、アクセス制御、アイデンティティ管理などの堅牢なセキュリティプロトコルを実装して、転送中のデータと保存データの両方を保護します。適用される規制や業界標準へのコンプライアンスを維持します。
    • 効率的なデータ管理: 重要性とアクセス頻度に応じてデータを分類し、階層化ストレージアーキテクチャーを実装して最適なリソース使用を実現します。ツールとプラットフォームを活用して、オンプレミス環境とクラウド環境にわたってシームレスなデータ移行、統合、一元管理を実現します。
    • パフォーマンスの最適化: アクセスパターン、レイテンシの要件、コストを考慮して、最適なストレージ上に戦略的にデータを配置します。キャッシュ、データ圧縮、重複排除などの最適化手法を利用して、全体のシステムパフォーマンスを向上させます。

    コスト効率に優れた運用: ストレージの使用状況とコストを監視し、コスト配分、予算編成、定期テストなどの最適化戦略を実行します。コストを管理してROIを最大化するために、データイーグレス料金、ストレージ階層化、クラウドプロバイダーの価格設定モデルなどの要素について検討します。継続的な改善により、進化するハイブリッドクラウドストレージ環境でスケーラビリティ、信頼性、コスト効率を維持します。

    HPEはハイブリッドクラウドストレージのイノベーションをどのようにリードしているのか

    HPEは、ハイブリッドクラウドストレージのイノベーションで業界をリードしており、企業のニーズの変化に対応できるようカスタマイズされた、包括的な製品およびソリューションスイートを提供しています。パブリッククラウドのように動作するプライベートクラウドストレージが必要な場合でも、ハイブリッドデータモビリティが必要な場合でも、HPEがお客様をサポートします。さらに、ハイブリッドクラウド全体のエクスペリエンスを統合する高度なインテリジェンスおよび自動化機能による管理も提供します。HPEは、柔軟性、スケーラビリティ、効率に重点を置き、組織がオンプレミス環境とクラウドベースのストレージ環境両方のメリットをシームレスに活用できるようサポートします。

    HPE Alletra Storage MPは、クラウドで管理される単一の分散型アーキテクチャーでブロック、ファイル、オブジェクトワークロードを大規模に統合するマルチプロトコル エンタープライズストレージ プラットフォームです。これにより、ハイブリッドクラウド環境全体で単一のAI主導型クラウドエクスペリエンスが提供され、ストレージ管理が簡素化され、柔軟な展開オプションが可能になります。

    HPE Alletra Storage MP B10000はHPE Alletra Storage MPアーキテクチャーをベースとしており、HPE Alletra Storage MP B10000を使用すればエンタープライズブロックおよびファイルストレージを最新化できます。AI主導のクラウド管理、分散型スケーリング、100%のデータ可用性を特長としており、ミッションクリティカルなアプリケーションに最適なソリューションとなっています。

    HPE Alletra Storage MPアーキテクチャーをベースとするHPE Alletra Storage MP X10000は、データインテリジェンス、大規模なエンタープライズパフォーマンス、管理しやすいオブジェクトストレージで構造化されていないデータを最大限に活用し、イノベーションを推進して価値実現時間を短縮できるようにします。

    GreenLakeはHPE Alletra Storage MPのデリバリモデルです。すべてのITにクラウドエクスペリエンスをもたらすだけでなく、今ではそうしたエクスペリエンスを日々より一層スマートにするインテリジェンスが組み込まれています。HPE Alletra Storage MPをご利用のお客様は、共通のUIから共通のエクスペリエンスでハイブリッドクラウド環境全体のすべてのストレージとデータを管理できます。

    HPE Alletra Block Storage for AWSとHPE Alletra Block Storage for Azureは、GreenLakeを通じて管理されるソフトウェア定義ストレージ ソリューションであり、AWSとAzureのパブリッククラウドサービスにHPE Alletra Storage MP B10000の機能を提供します。このソリューションにより、オンプレミスとパブリッククラウドで同じエンタープライズクラスのストレージデータサービスを利用できるようになるだけでなく、ハイブリッドクラウド全体にわたる一元管理のメリットも得られます。

    HPE Private Cloud Business Edition: セルフサービスの自己管理型プライベートクラウドを必要な場所にオンデマンドで構築し、VMからインフラストラクチャまでの管理を簡素化できます。

    HPE StoreOnce Backupアプライアンス: 高性能な重複排除バックアップ/リカバリソリューションが、ストレージのコストを最小限に抑えつつデータを効率的に保護します。

    HPEは、ハイブリッドクラウドストレージソリューションの包括的なポートフォリオにより、組織がデータ資産を最大限活用できるようにサポートしながらデジタル時代のイノベーション推進とアジリティ向上に貢献することで、業界リーダーの座を維持しています。

    ハイブリッドクラウドストレージに関するよくあるご質問

    ハイブリッドクラウドストレージとマルチクラウドストレージの違いについて教えてください。

    ハイブリッドクラウドはオンプレミスのストレージと1つ以上のクラウドを組み合わせて使用しますが、マルチクラウドはオンプレミスのシステムを必ずしも統合することなく2つ以上のクラウドプロバイダーを使用します。ハイブリッドクラウドでは、ローカル階層とクラウド階層間でのデータのシームレスな移動が重視され、マルチクラウドではベンダーロックインの回避が重視されます。

    組織がハイブリッドクラウドストレージを導入する理由について教えてください。

    主な推進要因としては、バーストワークロードのスケーラビリティ、クラウドへのコールドデータの階層化によるコストの最適化、データ主権とコンプライアンスの要件などが挙げられます。クラウドベースのディザスタリカバリを実現するハイブリッドクラウドストレージでは、事業継続性が重要な要因となります。また、既存のインフラストラクチャを放棄することのないモダナイゼーションを可能にする柔軟性が提供されます。

    ハイブリッドクラウドストレージを保護するにはどうすれよいですか。

    セキュリティのベストプラクティスには、(転送中のデータと蓄積データの) エンドツーエンドの暗号化だけでなく、ロールベースのアクセス制御やアイデンティティフェデレーションも含まれます。イミュータブルバックアップまたはWORM (Write Once Read Many) ポリシーを導入し、オンプレミス階層とクラウド階層にわたる一元的な監視と異常検知を維持することが重要です。

    ハイブリッドモデルではオンプレミスとクラウド間でデータはどのように移動されますか。

    データモビリティは通常、ストレージゲートウェイとAPI、ポリシーベースの階層化とライフサイクル管理、DR用のスナップショットまたはレプリケーション、エンタープライズアレイに組み込まれたネイティブクラウドコネクターなど、いくつかの手段を通じて実現されます。

    ハイブリッドクラウドストレージではどのようなパフォーマンスに関する考慮事項が重要ですか。

    重要な要因としては、サイト間のレイテンシ、大規模データセットの移動のスループット、アクセス頻度の高いデータのローカルキャッシュ、データがクラウドに移動したときにワークロードの速度が低下しないようにするためのインテリジェントな階層化などがあります。

    ハイブリッドクラウドストレージはAIと分析をどのようにサポートしますか。

    ハイブリッドクラウドにより、組織はローカルの高性能ストレージでトレーニングを行い、追加のGPU/コンピュートリソースを得るためにクラウドにバーストできます。大量の履歴データセットをクラウドアーカイブにコスト効率の高い方法で保存できるようになるうえ、キュレーションされたデータセットを複数の地域でセキュアに共有することが可能です。

    適切なハイブリッドクラウドストレージ ソリューションを選択するにはどうすればよいですか。

    ハイブリッドクラウドストレージ ソリューションを選択するときは、クラウド統合オプション、統合管理機能、セキュリティ/コンプライアンス機能、コストの透明性、自動化、API、データサービス (レプリケーション、スナップショット、階層化) のサポートに基づいて評価します。

    ハイブリッドクラウドストレージはコスト管理にどのように役立ちますか。

    ハイブリッドクラウドストレージでは、コールドデータやアクセス頻度の低いデータを低コストのクラウド階層に移行し、ホットデータをローカルで維持してクラウドのイーグレス料金を最小限に抑えることでCapExを削減できます。自動化されたライフサイクルポリシーにより、データの配置が最適化され、クラウドのコストの急騰が防止されます。

    ハイブリッドクラウドストレージではベンダーロックインを回避できますか。

    はい。ハイブリッドストレージプラットフォームは、オープンプロトコル (NFS、SMB、S3) をサポートし、さまざまなクラウド間でのデータモビリティを提供することにより、企業が単一のプロバイダーに縛られることなく柔軟にデータを移動または複製できるようにします。

    ハイブリッドクラウドストレージはコンプライアンスが重視される業界に適していますか。

    はい。医療、金融、政府機関は、ハイブリッドモデルを使用して規制対象のデータをオンプレミスで維持しながら、拡張のためにクラウドを活用しています。適切なガバナンス、暗号化、監査制御が不可欠です。

    ハイブリッドクラウドストレージのコストモデルについて教えてください。

    モデルには、クラウド階層の従量制課金、サブスクリプション/従量制サービス (GreenLakeなど)、オンプレミスのCapExがクラウドの運用費用によって補完される混合TCOモデルが含まれます。

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