データインフラストラクチャ

データインフラストラクチャとは

データインフラストラクチャとは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング、サービス、ポリシーなど、データの消費、保存、共有を可能にするさまざまなコンポーネントを指します。データ主導のデジタルトランスフォーメーションに着手しようとしている組織では、適切なデータインフラストラクチャ戦略を策定することがきわめて重要です。

組織内でのデータインフラストラクチャの役割とは

データインフラストラクチャは、データを作成、管理、使用、保護するための基盤を組織に与えます。最重要な役割の1つは、データ主導の意思決定を効率よく行うために、正しいデータを正しいユーザーまたはシステムに正しいタイミングで確実に渡せるようにすることです。これを達成するには、データフローを維持し、データ品質を守り、冗長なデータを最小限に抑え、重要なデータがサイロに隔離されるのを防ぐための、強固なデータインフラストラクチャ戦略を策定する必要があります。

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データインフラストラクチャが複雑化している理由

最近のテクノロジーの進歩に伴ってデータインフラストラクチャは複雑化しました。企業はこれまで、オンプレミスのデータセンターインフラストラクチャに関心を持つだけで済んでいたかもしれませんが、モノのインターネット (IoT) の開発、エッジでの成長、そしてさまざまなクラウドコンピューティングプラットフォームの導入によってデータインフラストラクチャ環境は拡大し、そうしたインフラストラクチャがサポートしなければならないデータの量も増加しました。

データインフラストラクチャの管理にツールを活用するには

データインフラストラクチャをさまざまな側面から監視するツールやプラットフォームが市場に投入されていますが、領域が広がるにつれてその数を増しています。こうしたツールにはデータインフラストラクチャの特定の要素に特化したものもあり、そうなると複数のソリューションを監督、管理する必要が出てくるため、さらなる複雑さとITチームの負荷の増加に繋がりかねません。データインフラストラクチャのスタック全体にわたる統合と標準化で、企業にチームや部門を超えた拡張性のあるデータアクセスを提供できます。

データインフラストラクチャの要素

データインフラストラクチャには、データセンターファシリティの物理インフラストラクチャ、データを作成し支援するシステムや環境を含む情報インフラストラクチャ、高度なビジネス用システムのビジネスインフラストラクチャがあります。

データインフラストラクチャのどの要素を重視するかは、組織によって、ときには組織内の個人によって異なります。次のようなパターンが考えられます。

物理インフラストラクチャ

  • ストレージハードウェア
  • 処理ハードウェア
  • I/Oネットワーク
  • データセンターファシリティ (電源、ラックスペース、ネットワーク接続を含む)

 

情報インフラストラクチャ

  • ビジネスアプリケーション
  • データレポジトリ (データベース、データウェアハウス、データレイク、データマート、データレイクハウスを含む)
  • 仮想化システム
  • クラウドリソースおよびサービス (Software as a Service (SaaS) アプリケーション、仮想サービスなど)

 

ビジネスインフラストラクチャ

 

これら要素のすべてにわたり、データの作成、移動、保護、処理、安全確保、そして組織の中核やエッジからクラウドまでの全体へのデータ提供に、すべての従業員、サービス、ポリシー、プロセスが関与します。

データインフラストラクチャが重要である理由

組織はデータが重要な競争優位性となると認識し、データの価値を最大限に活用できる方法をますます求めるようになってきています。企業内のエッジからクラウドで使用できるデータ量が爆発的に増加するのに伴い、ビジネスのニーズを満たしながらコストを管理するには、よく考え抜かれたデータインフラストラクチャ戦略の策定が必須となっています。

あらゆるデジタルトランスフォーメーションプロジェクトに共通する重要な課題は、組織のデータインフラストラクチャを今後理想とする状態にしっかりと連携させられるかどうかです。ソリューションの案ごとに、ストレージおよび分析需要とコストとのバランスをとるには、熟考が必要です。インフラストラクチャ戦略で失敗すると、組織のビジネス・アジリティが損なわれたり、新たなビジネス機会を活かして新規顧客の需要を満たす妨げとなったりする危険性があります。データがサイロ化され、そのデータを必要とするユーザーやシステムが利用できない状態では、効果的な意思決定をする力が妨げられ、リスクとコストは増えます。そして、企業全体に一貫してセキュリティとガバナンスの制御がきいていなければ、規制措置を受け、企業の評判を落とす可能性も出てくるのです。

従来型のインフラストラクチャ

従来型のインフラストラクチャでは、ソリューションの各要素を個別に選定して購入する必要があります。選択の自由度は非常に高く、組織特有のニーズに合わせたカスタマイズも可能ですが、このタイプのインフラストラクチャの購入と管理はたいてい複雑です。

コンバージドインフラストラクチャ

コンバージドインフラストラクチャとは、連携して機能することが確認されたハードウェアとソフトウェアコンポーネントが揃った状態で、インフラストラクチャが完全なシステムとして単一のベンダーから購入されるモデルのことです。

ハイパーコンバージド インフラストラクチャ

ハイパーコンバージド インフラストラクチャ (HCI) は、インフラストラクチャの柔軟性と管理性を向上させることを目的とするソフトウェア定義のアプローチです。組織のストレージ、コンピュート、ネットワーキング、仮想化のすべてを組み合わせた、単一の統合ソリューションです。

クラウド

クラウドでは、さまざまな種類のデータインフラストラクチャをユーザーがインターネット経由で使用できます。クラウドを使用すると、物理インフラストラクチャ要素を直接維持する必要なしに、オンデマンドのシステムリソースを利用できます。

データインフラストラクチャに関するHPEのソリューション

エンタープライズストレージの世界で長年先導的な役割を果たしてきたHPEストレージは、データとインフラストラクチャの管理を再考し、Unified DataOpsと呼ばれる新たなデータエクスペリエンスを実現しました。

IT管理者からデータイノベーターまで、あらゆる人々に価値をもたらすアプローチです。IT管理者は、インフラストラクチャを調整、維持する代わりに、アプリケーションのプロビジョニングを即座に実施できるクラウドサービスを展開できます。デベロッパーやデータサイエンティストは、必要なデータにアクセスできるのを待つのではなく、オンデマンドで合理的にアクセスできるようになります。そしてデータ管理者は、エッジからクラウドまでのどこにデータがあっても、ワンクリックで保護ポリシーを設定できるのです。

Unified DataOpsアプローチはデータ、クラウド、AIを活用し、データ中心のポリシーと自動化、クラウドネイティブな制御と運用、AI主導のインサイトとインテリジェンスを介して、データエクスペリエンスを一新します。データ中心の包括的なポリシーと自動化は、サイロを解消し、データライフサイクルの全体にわたってワークフローを統合します。データとインフラストラクチャの制御を物理インフラストラクチャから抽象化することで、クラウド経由でのワークフロー管理と、データの場所に縛られないオーケストレーションが可能になります。さらに、クラウドサービスを介することで、機能へのアクセスが高速化されます。そして、データ運用にAIを徹底的に組み込むことで、障害を回避し、アプリケーション性能を改善できます。

インテリジェントデータプラットフォームによるUnified DataOpsは、データの保存場所を問わないシームレスで一元的なクラウドエクスペリエンスによって、アプリケーションとインフラストラクチャ、イノベーターとデータ、そして自動化とポリシーを連携させる単一のデータプラットフォームを提供します。

Data Services Cloud ConsoleHPE Alletra、およびHPE InfoSightをひとまとめにしてHPE GreenLake Edge-to-Cloudプラットフォームでサービスとして提供するインテリジェントデータプラットフォームは、人員、プロセス、テクノロジーのサイロを解消して組織のデータ、アジリティ、イノベーションを解き放つ、新たなデータエクスペリエンスを独自のアプローチで実現します。