エッジにおけるIIoTを推進するTexmark Chemicals社 が最先端の精製所を実現

米国テキサス州で受託製造を行うTexmark Chemicals社は、石油製品サプライチェーンで重要な役割を果たしています。規制された有害物質を扱うため、安全性を最優先課題とする同社は、HPEとArubaのソリューションを利用して、高度なIIoT機能を備えた最先端の精製所を構築しました。その結果、プロセス分析の強化、アップタイムの向上、無停止の生産性、顧客満足度の向上、従業員の安全性強化を実現しています。

化学製品の需要が急増

インクから船に至るまで、 あらゆる製品のポリマー前駆体であるジシクロペンタジエン (DCPD) の需要が世界中で高まっています。ただし、このDCPD の製造プロセスには、 厳しい安全対策が求められる可燃性物質が含まれます。また、需要の増大に伴って、DCPDを必要とするサプライチェーンも 複雑化しています。

プリンターのインク。ガラス繊維を用いた船体。浴槽。こうした製品の製造には、殺虫剤、塗料、ニス、香水、ゴム製品などと同様に、ポリマー前駆体のジシクロペンタジエン (DCPD) またはその派生物が必要となります。

製造業者がDCPDを使用することが多いのは、DCPDによって製品の強度が増し、耐熱性や耐食性が得られるためです。世界的にDCPDの需要が高まっていますが、その背景には、樹脂やプラスチックの製造業者、海運業界、建設業界のニーズの増大があります。米国と欧州では、景気の回復に伴って需要が増加しています。アジア太平洋地域では、成長しているプラスチック業界で需要が高まっています。中南米諸国やアフリカでも需要が伸びています。

化学業界のお客様が求める製品のタイプが、突然変更になる場合があります。また、製品はすべて、厳しい品質要件を満たす必要があります。このため、高度なセンサー機器と分散制御システムを使用してプラントを監視することは不可欠です。
David McNiel氏
Texmark Chemicals社、社長

ただ、DCPDや関連製品の製造と供給は簡単ではありません。その製造には、多くの熱と、極めて反応しやすい化学物質が含まれるため、安全性が最優先課題となっています。DCPDの需要が増大するにつれて、グローバルサプライチェーンがますます複雑化しており、これまで以上に厳格な制御、きめ細かい可視性、無停止の生産性、規制の監視が求められています。

4.9%

DCPD市場における化合物の世界的な年間成長率

8.38億ドル

2023年までのグローバル市場

石油化学業界における品質と安全性の基準

テキサス州のTexmark Chemicals社は、DCPDの主要製造業者であり、業界における品質と安全性の基準となっています。

 

テキサスで石油化学製品の処理および製造を行うTexmark Chemicals, Inc.は、世界各国の主要化学メーカーに特殊品や大量の化学物質の受託製造サービスを提供しています。同社は、インクから浴槽まで、あらゆるものの製造に使用されるポリマー前駆体であるDCPDの製造業者として、北米でNo.1のシェアを誇っています。

世界中のお客様の委託を受けて化学物質を製造する当社は、およそ50年にわたり、この業界の品質基準となってきました。Texmarkでは、安全性と人、つまり当社の従業員、お客様、近隣地域の方々を最優先に考えています。
David Smith氏
Texmark Chemicals社、創設者およびオーナー

ヒューストンシップチャネルに直接アクセス可能なTexmark社は、製品の出荷や入荷に、鉄道やトラックだけでなく、船や荷船も使用することができます。最先端の機器と厳格なプロセス制御を通じて、同社は50年以上にわたり、品質と安全性の面で業界をリードしてきました。

53人

従業員数

1962年

設立

No.1

北米でNo.1のシェアを誇る、世界トップクラスのDCPDメーカー

安全性を確保し、効率化を図りつつ、顧客ニーズに対応

厳しく規制された可燃性物質を扱う際には、安全性と運用効率が極めて重要となります。

 

Texmark社のビジネスで最優先されるのは、安全性です。同社が扱う物質の多くは、有害かつ/もしくは可燃性のものであり、厳格に規制されています。従業員には、プロセス安全管理 (PSM) を常に遵守させる必要があります。また工場は、従業員と地域社会の安全性を最優先に確保するよう管理されています。

受託製造業者であるTexmark社は、事前通知がほとんどないまま顧客の要件が変更された場合でも、柔軟に対応できる態勢を維持する必要があります。

石油化学業界のグローバルなビジネス環境は、競争が非常に激しくなっています。当社は常に、競争力を効率的に高める方法を模索していますが、取り入れるアプローチはすべて、倫理、安全性、地域社会に対する当社のコミットメントに沿ったものでなければなりません。
Doug Smith氏
Texmark Chemicals社、CEO

Texmark社では、プラントの効率と生産性を継続的に向上させる必要があります。従来は、プロセス機器の物理的検査のみにより、すべてのシステムが正常に動作していることを確認していました。ただ、こうしたプラント内の点検には時間がかかり、多くの人手が必要となる場合があります。同社のプラントには130台のポンプが設置されており、点検と振動解析に年間で1,000時間近くを費やしていました。

物理的検査のみに頼ることにはリスクも伴います。長年の経験に基づき、ノイズや振動のわずかな変化を認識して、ポンプが不具合を起こし始めているかどうかを判断できる従業員に頼ることになるためです。では、そのスキルを持つ従業員が病気で休んだり、定年退職したりすればどうなるでしょうか。Texmark社では、このようなインテリジェンスや有益な情報を制度化する必要がありました。

6

安全対策が必要となる製品ライン

50超

Texmark社の製品を必要とする主要化学メーカー

複数

インフラストラクチャ停止の原因となる落雷 (年間)

「適切な」IoTの選択が不可欠

IoTは、さまざまな方法でTexmark社の製造工程にメリットをもたらす可能性を秘めています。ただし、画一的なソリューションでは、専門的な製造業には対応できません。

同社が掲げる次世代の従業員の安全性、生産性、および資産管理のビジョンを実現できるかどうかは、高度な分析ソフトウェアと統合されたセンサー付きデバイスにより、有益な情報の創出、環境の自動化、人為的ミスによるリスクの削減を可能にする、新たな産業用モノのインターネット (IIoT) の将来性にかかっています。

IIoTでは、多様なIIoTデバイスからデータを収集できるよう設計された、堅牢な接続性が欠かせません。そうした接続ではコスト効率を高める必要がありますが、製造プラントでの配線には多額のコストがかかる場合があります。

ポンプは、当社のビジネスに必要不可欠です。重要なポンプが故障すれば、工程全体が停止する可能性もあります。
Doug Smith氏
Texmark Chemicals社、CEO

また、Texmark社のプラントに設置される機器はすべて、堅牢化され、かつ同社の安全運用基準に準拠したものでなければなりません。このため、同社のエッジで運用する機器は、発火源とならないように設計する必要があります。

Texmark社が解決しなければならないIIoTのもう1つの重要な課題が、データレイテンシです。データの伝送には時間がかかりますが、IIoTでは多くの場合、数秒が重要になります。同社が求めるIIoTアーキテクチャーは、デバイスデータをWAN経由で伝送する必要がなく、代わりにエッジでの分析をサポートすることで、機器およびプロセスのリアルタイムの可視化を実現するものです。

35,000

プラントの監視に費やされた人時 (年間)

100万ドル超

検査プログラムのコスト

HPEとの連携によりIIoTを実現

Texmark社は、3段階のIIoT実現プロセスに着手し、HPEおよびArubaのソリューションをHPE PointnextやHPEパートナーのサービスと組み合わせることで、業界をリードする最先端の精製所を構築しています。

 

Texmark社は、エンドツーエンドのIIoTソリューションを実装するための段階的なプロジェクトを立ち上げました。同社は、テクノロジー、専門知識、およびHPEの広範なパートナーエコシステムによってプロジェクトをサポートできるHPEとArubaをパートナーに選びました。

第1段階と第2段階では、エッジツーコアの接続を実現することで、デジタルの基盤を確立しました。Arubaは、セキュアなネットワークアクセス制御を実現するため、Class 1 Div 1のアクセスポイントとClearPassによる、セキュアなワイヤレスメッシュネットワークを展開しました。また、Arubaビーコンのロケーションベースサービスにより、 プラントの安全性とセキュリティを確保しています。ワイヤレスソリューションのコストは、配線によるネットワークを展開した場合と比べて、およそ半分まで抑えることができました。

当社が構築しているのは、データをくまなく精査し、プラント全体がどのような相関関係にあるのかを明らかにする、最先端の精製所です。生きて呼吸する有機プラントのように、どのように運用すべきかを把握しており、どこかに不具合があれば、介入を求めてフラグを立てます。
Linda Salinas氏
Texmark Chemicals社、プラントマネージャー

エッジ分析に関して、Texmark社では、堅牢なコンピュート機能をサポートする産業用ソリューションのHPE Edgeline Converged IoTプラットフォームを選択しました。HPE Pointnextが、HPEマイクロデータセンターとしてシステムを実装したことにより、コンピュートおよびネットワークテクノロジーが単一キャビネット内に統合されています。またHPEは、Texmark社のプラント制御室をアップグレードすることで、エッジとコア間のシームレスな接続と、高速のデータキャプチャーおよび分析を実現するとともに、同社の安全性およびセキュリティ基準に適合できるようにしました。Edgelineシステムでは、同社の分散制御システムソフトウェアが実行されており、運用テクノロジーとITを1つのシステムに統合しています。

これらのテクノロジーソリューションによって確立された基盤の上に構築される第3段階では、予測分析、高度なビデオ分析、安全性とセキュリティ、接続された従業員、包括的なライフサイクル資産管理など、Texmark社のユースケースをサポートします。

最先端の精製所の実現

従業員の安全性確保の自動化、設備状態の監視、予測メンテナンスにより、革新的なイノベーション、効率化、保護機能が強化されます。

 

Texmark社に新たに導入されたIIoTソリューションが、従業員の安全性をよりいっそう強化します。液面を監視することで、例えば、漏出のリスクを軽減できます。システムが不具合を起こし始めると、Texmark社に即座にアラートが発信されるため、従業員や製品に危険が及ぶ前に対処できます。また、同社が施設内での従業員の所在や移動状況を正確に把握できるようにすることで、緊急時に従業員の安全を確保しやすくなります。

さらに、同社の収益向上に貢献するメリットもあります。IIoTセンサーから収集したデータを利用して、実地評価が必要なシステムを特定できるため、例えば、ターゲットを絞ったより効率的な方法で物理的検査を実施することが可能になります。

 

新しいIIoTソリューションにより、検査やメンテナンスの計画作成が容易になります。蒸留塔で作業する際は、システムをオフラインにし、コストの高い足場を組まなければならない場合が少なくありません。メンテナンスを計画しやすくなったことで、関連コストを50%以上削減できます。

当社は、私の父が創業した当時から、他社に先駆けてイノベーションを実現してきました。常に、時代の先を行くアイデアを取り入れてきたのです。今回、HPEが再びその機会を与えてくれました。この革新的なIIoTテクノロジーにより、当社の安全性と競争力はもとより、あらゆる能力を高めることが可能になっています。
Doug Smith氏
Texmark Chemicals社、CEO

Texmark社では、試験的調査を行った際に収集したIIoTデータも活用して、プロジェクトの実現可能性を迅速に判断できるため、ビジネス開発期間が短縮されています。

0

安全性に関わるインシデントと計画外のシステム停止

100%

顧客のSLA満足度

50%

計画されたメンテナンスコストの削減

堅牢なデバイス、リアルタイムのデータ

HPEのIIoTアーキテクチャーは、石油/ガス製造市場に固有のニーズに対応できるよう設計されており、エッジ分析をサポートして、製造およびプロセスに関する実用的かつ有益な情報をリアルタイムで取得できるようにします。また、HPE PointnextおよびHPEパートナーが提供するサービスと統合されているため、価値実現時間を短縮できます。

HPEソフトウェア

Aruba ClearPass Policy Management

Aruba AirWaveネットワーク管理

Aruba Meridianロケーションベースクラウドサービス 

 

トランスフォーメーションソリューション

インテリジェントスペース

モバイルファーストキャンパス

マイクロデータセンター

 

HPE Pointnext 

HPEマイクロデータセンター

HPEデータセンターコンサルティング

HPEハードウェア 

HPE Edgeline EL4000コンバージドエッジシステム

Arubaモバイルファーストネットワーク 

Aruba BLEビーコン

HPEパートナー

DXC Technology

National Instruments

OSlsoft

インテル