読了所要時間: 10分55秒 | 公開日: 2025年10月16日
ネットワークスイッチ ネットワークスイッチとは
ネットワークスイッチとは、ネットワーク内の複数のデバイスを接続するネットワークハードウェアであり、効率的なデータ転送を保証し、ネットワークトラフィックを管理します。ネットワークスイッチは、パケットスイッチングを使用してネットワーク上の有線デバイスを接続し、受信したデータを宛先デバイスにインテリジェントに転送します。これは現代のネットワークインフラストラクチャの重要なコンポーネントです。ネットワークスイッチはネットワーク内のすべてのデバイスが接続できる中心ポイントとして機能します。スイッチは、着信データパケットを受信し、MACアドレスに基づいて適切な宛先を決定することで、ネットワーク全体のデータ フローを管理します。
スイッチの選択は、ネットワークのサイズ、必要な機能、予算、将来の成長に関する検討事項など、さまざまな要因によって異なります。こうした要素を理解することで、特定のニーズに適したスイッチを選択できるようになります。
ネットワークスイッチ (別名Ethernetスイッチ) は、他のネットワーキング機器やデバイスとの有線接続に用いられる重要なネットワーキングハードウェアであり、パケットスイッチングを使用して、受信したデータをインテリジェントに宛先デバイスに転送します。ネットワークスイッチは、物理ポートから光ファイバーまたはツイストペア銅線を通じて、アクセスポイント、IoTデバイス、コンピューターなどのネットワーク機器に接続します。
ネットワークスイッチを使用する理由
ネットワークスイッチは、デバイスやユーザーに有線ネットワーク接続を提供します。現在のネットワークには、オフィス空間やビルの全体、および複数の施設やキャンパスにまたがる接続を提供し、以下の機能をサポートするスイッチが必要です。
- 従来型の有線コネクティビティ: ハイパフォーマンスのエンジニアリングワークステーション、サーバー、有線プリンター、ネットワーク機器が対象。
- 無線アグリゲーション: ユーザーにとっての主要な接続方式が無線であるアクセスポイントが対象。
- 有線IoTコネクティビティ: PoE照明、サイネージ、HVAC制御、監視カメラ、産業用IoT機器などのスマートビルディングデバイスが対象。
ネットワークスイッチの仕組み
ネットワークスイッチによってデバイス間の通信が可能になるのは、接続されているすべてのシステム (スイッチ自体を含む) が標準化された一連の通信プロトコルに従っているからです。これらの規格は、IEEE (米国電気電子学会) やIETF (Internet Engineering Task Force) などの国際標準化団体によって定義および管理されています。
デバイスがネットワークに接続する主な方法は、無線 (Wi-Fiなど)、電気 (RJ-45イーサーネットなど)、光通信の3つです。各接続方法では、それぞれ異なる物理的なネットワーク相互接続の手段 (RFスペクトル、銅線ケーブル、光ファイバーケーブル) が使用され、ITデバイスは1と0のストリームを相互に送信して通信します。
ネットワークの規格を使用すると、これらの1と0のストリームをパケットに変換できます。パケットにはヘッダーとペイロードが含まれます。パケットヘッダーには、この通信に参加しているデバイスの送信元アドレスや宛先アドレスなどの情報が含まれています。ペイロードには、ネットワークデバイスが実際に交換しようとしているデータが含まれます。ネットワーク上の各デバイスには、パケットの宛先となるアドレスが1つまたは複数あります。
2つ以上のアドレス間で交換されるパケットのグループは、「データフロー」と呼ばれます。データフローは、ネットワークに接続されたデバイス同士の個別の会話のようなものです。スイッチはパケットヘッダーからアドレスを読み取り、パケットをその宛先に転送します。
スイッチは、ルックアップテーブル (LUT) と呼ばれるレコードを保持しています。LUTには、特定のスイッチポートを使用して到達できるアドレスのリストが含まれています。一部のスイッチ、およびすべてのルーターは、「ルート」を設定できます。ルートはLUTの一種であり、スイッチに対し、特定の宛先を持つすべてのパケットを中間スイッチまたはルーターに送信するように指示する情報が含まれています。ルートを使用することで、スイッチは、アドレスが不明なデバイスに対してもパケットを送信できるようになります。
データパケットはスマートフォンの無線ユニットから発信され、APによって受信されます。APはデータパケットを読み取り、そのパケットヘッダー内の宛先アドレスがどこにあるかわからない、と判断します。APに内蔵されたスイッチは、宛先アドレスが不明なすべてのパケットをインターネットルーターに送信するように設定されているため、そのデータパケットのコピーは、内蔵スイッチを介してルーターに送信されます。
ここから、データパケットはインターネットを横断する旅に出ます。ルーターからルーターへ、そしてその間にある無数のスイッチを経由して、データパケットは最終的にWebサーバーに到達します。Webサーバーも同じ方法で応答し、データパケットを元の送信元インターネットルーター、AP内蔵スイッチ、そして最終的にスマートフォンへと、インターネットの経路を逆にたどって送り返します。
このパケットの交換により、スマートフォンとWebサーバーの間でデータフローが生成されます。通信が可能なのは、送信元と宛先の間にある数十 (数百とはいかないまでも) の各種ハードウェアデバイスと関連ソフトウェアがそれぞれ、数十年にわたって定義、維持されてきた規格に準拠しているためです。
たとえば、スマートフォンが自宅のWi-Fiネットワークを使用してWebページにアクセスする仕組みについて考えてみましょう。スマートフォンはWi-Fi経由でAPに接続します。APにはRJ-45/イーサーネットスイッチが内蔵されており、このスイッチはインターネットルーターに接続されています。
ネットワークスイッチによって解決される問題
ネットワークスイッチは、ユーザー、アプリケーション、機器をネットワーク経由で接続し、相互に通信してリソースを共有できるようにします。最も簡単なネットワークスイッチは、単一のローカルエリアネットワーク (LAN) 上のデバイスにのみ、接続を提供します。より高度なスイッチは、複数のLAN上のデバイスを接続でき、基本的なデータセキュリティ機能を組み込める場合もあります。
より高度なスイッチには、単純なLAN相互接続以外に、ルーターやファイアウォールなどの他のネットワークデバイスの基本機能の一部が備わっていることが少なくありません。これらのスイッチは高度な機能を備えているにもかかわらず、ITネットワークの一部としてデバイスを相互接続することを主な目的としているため、引き続き「スイッチ」と呼ばれています。
高度なスイッチの重要な役割は、「仮想ネットワーク」を作成する機能です。仮想ネットワークは、ネットワーク管理者が提供する構成に基づいて、ネットワーク化されたシステムのグループを相互に分離します。この機能により、特定のシステムを他のシステムから安全に分離しながら、多数のシステムを単一の物理ネットワークに接続することができます。仮想ネットワークの種類には、仮想プライベートネットワーク (VPN)、仮想LAN (VLAN)、イーサーネットVPN -仮想エクステンシブルLAN (EVPN-VXLAN) などがあり、いずれも中規模および大規模ネットワークでよく使用されています。EVPN-VXLANは、今日のエンタープライズネットワークにおけるネットワークセグメンテーションの実装方法としてますます一般的になっています。
ネットワークスイッチには、さまざまな速度、機能、サイズのものがあり、3台から数千台までのデバイスをサポートできます。複数のネットワークスイッチを接続して、さらに多くのデバイスをサポートすることも可能です。これらのスイッチがどのように接続されているかの詳細を、「ネットワークトポロジ」と呼びます。
ポート密度が高い高速スイッチを使用した最新の「スパインリーフ」トポロジでは、数万台のデバイスを単一の物理ネットワークに簡単に接続できます。スパインリーフ型データセンターネットワークでは、リーフスイッチがサーバーからのトラフィックを集約し、スパインスイッチに直接接続します。スパインスイッチは、すべてのリーフスイッチをフルメッシュトポロジ状に相互接続します。これらの大規模ネットワークは通常、EVPN-VXLANを使用して多数の仮想ネットワークに分割され、リーフスイッチが別のネットワークセグメントへのアクセス (およびルーティング) を提供します。
このタイプのネットワークは、多くの顧客が共有するデータセンター (「マルチテナント」データセンターと呼ばれる) や、政府機関や大企業が使用するデータセンターでよく見られます。
ネットワークスイッチの種類
ネットワークスイッチの種類は次のとおりです。
- アクセススイッチ: アクセススイッチはネットワークのエッジに配置され、多くの場合、ほとんどのデータはここから発生します。アクセススイッチの役割は、ユーザー、有線クライアントデバイス、インフラストラクチャ機器をネットワークに接続することです。Wi-Fiアクセスポイント、セキュリティカメラ、VoIP電話システムなどの一部のインフラストラクチャ機器では、Power over Ethernet (PoE) がサポートされ、設置が容易になっています。
- アグリゲーションスイッチ: アグリゲーションスイッチは、複数のアクセススイッチ同士を接続し、送信トラフィックを集約して、ネットワークエッジやネットワークコアにデータを分配します。これらのスイッチの多くは、トラフィックボリュームを効果的に管理するため、マルチギガビットポート、冗長性機能、より深いレベルのレイヤー3ルーティング機能を備えています。
- スタッカブルスイッチ: スタッカブルスイッチを使用すると、複数のスイッチを積み重ねて単一のユニットとして機能させることができます。これらのネットワークスイッチは、独立して機能するスタンドアロンデバイスとしても動作します。複数のスタッカブルスイッチを接続して「スタック」を構築することで、ポート容量を統合して信頼性を高めた (最小限の中断) 単一のスイッチとして機能させることができます。
- シャーシスイッチ: シャーシスイッチ (モジュラースイッチとも呼ばれる) はネットワークのニーズに応じて簡単にカスタマイズでき、柔軟性と拡張性が向上します。これらのスイッチはラインカード (またはモジュール) を追加または削除する機能を備えているため、ネットワーク管理者はポート、電源、その他の機能などの特定のコンポーネントに基づいてスイッチを構築できます。
- コアスイッチ: コアスイッチは、ネットワークの中心部に配置され、通常はルーターまたはゲートウェイに接続されます。アグリゲーションスイッチ、ワイドエリアネットワーク (WAN)、およびインターネットとの間のトラフィックを管理します。通常、継続的なネットワークアクセスを確保するために高可用性 (HA) 機能を提供します。
- データセンタースイッチ: データセンタースイッチは、ミッションクリティカルなアプリケーション向けにHAとフォールトトレランスが組み込まれた高性能スイッチです。East-WestとNorth-Southの両方向のトラフィックを処理し、トップオブラックとエンドオブローの機能と展開の柔軟性を備えています。
- ハーフ幅スイッチ: ハーフ幅スイッチは、従来のフル幅スイッチと比較して物理的なスペース (スペースの半分) を占有せずに、フル幅スイッチと同じ機能を提供するコンパクトなネットワークデバイスです。ハーフ幅オプションを選択すると、組織は追加のスペースを必要とせずにネットワーク容量を拡張できるため、ラックスペースが限られている環境や小規模オフィスに最適です。
ネットワークスイッチの接続対象
ネットワークスイッチは、ネットワークのエッジで、アクセスポイント、ワークステーション、IoTデバイスなどのさまざまなデバイスに対するコネクティビティを提供します。
ネットワークスイッチが使用される場所
HPE Aruba Networkingの包括的なCXスイッチングポートフォリオには、アクセス、アグリゲーション、コア、データセンターのすべての用途に最適なソリューションが含まれます。主な特長として、管理、ファブリック、電源、ファンの冗長性と、高密度な業界標準90Wクラス8ハイパワーポートおよびHPE Smart Rateマルチギガビットポートを備えた高可用性プラットフォームなどがあります。HPE Aruba Networking CX 10000は、水平方向のトラフィック、ゼロトラストセグメンテーション、および広範なテレメトリ向けの800Gの分散型ステートフルファイアウォールを提供する分散型サービススイッチです。
ハーフ幅スイッチが使用される場所
ハーフ幅スイッチは、パフォーマンスとスペース効率の両立が求められる、設置面積の小さい環境に最適です。こうしたコンパクトな高密度スイッチは、データセンター、サーバールームなどの限られたラックスペースにシームレスに収まるため、中小企業、政府機関、教育機関、小売業の環境に最適です。
2個のハーフ幅スイッチを並べて配置することで、1Uフットプリント内で冗長スイッチングを構成できます。これは、十分なネットワークポートを確保しながらラックスペースの使用率を最大化する必要がある、スペースが限られた環境に最適です。ハーフ幅スイッチは、ネットワーク環境を最適化してスペースを節約しながら、コンパクトなフォームファクターかつ手頃な価格帯で高性能を発揮し重要なネットワーク機能を提供するように設計された、効果的なネットワークソリューションです。
ネットワークスイッチベンダーの選択方法
ネットワークスイッチベンダーは次の基準を満たす必要があります。
- Gartner、Forrester、IDCなどの主要なアナリストによって業界のリーダーと認められていること。
- 新しいテクノロジーや将来のビジネスニーズに対応できるネットワーク基盤の作成に役立つ、インテリジェントかつスケーラブルでハイパフォーマンスのスイッチングソリューションを提供していること。
- 自動化を利用してプログラム可能性を高め、手動作業を削減し、構成の誤りを排除することで、運用の簡素化を支援できること。
- リアルタイム分析と自動化を提供することで、トラブルシューティングの時間を短縮し、迅速な問題解決のための実用的な推奨事項を提供できること。
- 有線と無線のネットワーク全体での統一的なポリシー適用が可能な内蔵のセキュリティをサポートすること。
- オンプレミスでもクラウドでも管理できる柔軟性を備えていること。
- 必要なSLA、魅力的なファイナンシャルサービス、as a serviceオプションを備えたグローバルなサポートサービスを提供していること。
ネットワークスイッチはネットワーク要件への対応にどのように役立つか
ソリューションを評価する際には、まずネットワークの要件を理解するとともに、最適なネットワークスイッチがより広範囲のソリューションの一部である可能性を考慮する必要があります。たとえば、HPE Aruba Networking CXスイッチには、自動化、組み込み型分析機能、HA、セキュアなセグメンテーションが備わっており、HPE Aruba Networking Centralによってネットワークを統一的に把握できるので、エンタープライズネットワーク全体で運用効率を最大化できます。
ネットワーク要件 | ネットワークスイッチによる対応方法 |
|---|---|
| 設置: ネットワークスイッチの設置方法と設置場所を把握します。 | スイッチの機能は、データセンター、キャンパス、ブランチオフィス、ホームオフィスの各ネットワークに固有の要件に基づいています。また、機能は、アクセス、アグリゲーション、コア、スパイン/リーフスイッチの各要件にも基づいています。 |
| フォームファクター: ネットワークのサイズ、密度、スペースの制約を判定します。 | 固定スイッチは、1Uラック高でネットワークポートが内蔵されており、一般的に最大48のアクセスポートをサポートし、モジュラー電源とファンを備えている場合もあります。モジュラーシャーシは数百のポートをサポートし、ラインカードによるネットワークポートのカスタマイズが可能で、多くの場合、ファブリック、ファン、電源の冗長性をサポートします。 |
| パフォーマンス: 将来のネットワークの拡大を考慮しながら、ネットワークのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスの要件を判定します。 | スイッチポートの速度としては、1ギガビットEthernet (GbE)、マルチギガビットEthernet (2.5および5 GbE)、10 GbE、25 GbE、40 GbE、50 GbE、100 GbEコネクティビティが利用できます。ノンブロッキングアーキテクチャーは、スイッチのスループット最大化に役立ちます。 |
| 可用性: ネットワーク稼働時間の業務要件を判定します。 | 高可用性を達成する方法にはソフトウェアとハードウェアの両方があり、機能の例としては、ソフトウェアのアップデート中もアクセスが中断しないライブアップグレード、スイッチスタッキング、ホットスワップ対応の冗長電源、ファン、ラインカードなどがあります。 |
| Power over Ethernet (PoE): PoE電力を必要とするアクセスポイントなどのネットワークデバイスの数を計算します。 | PoEスイッチは、PoEテクノロジーを利用して、ツイストペアケーブルでデータと電力の両方を伝送します。PoEスイッチは、1ポートあたり最大15、30、60、あるいは90 Wをサポートし、合計PoEはスイッチのPoE電力バジェットによって制限されます。 |
| セグメンテーション: トラフィックをセキュアに分離するためのセグメンテーションストラテジを計画します。 | ダイナミックセグメンテーションをサポートするスイッチは、ユーザーおよびデバイスベースのポリシーの構成と適用を企業全体で自動化するために役立ちます。EVPN-VXLANがサポートされている場合、レイヤー2のコネクティビティをネットワークオーバーレイとして既存の物理ネットワークに拡張するネットワークファブリックを実現できるので、さらにシンプルかつセキュアな運用が可能になります。 |
| 自動化と分析: トラブルシューティング時間を短縮し、問題を解決するためのソリューションを評価します。 | 分析機能が組み込まれた統合型クラウド管理によってサポートされるネットワークスイッチを使用すれば、潜在的な問題についてオペレーターにただちに警告し、傾向を特定し、将来の問題を予測し、設計に関する意思決定をよりスマートに行うことが可能になり、コスト削減とユーザーエクスペリエンスの向上につながります。 |
| 管理: ネットワーク管理操作を判定します。 | スイッチの管理方法としては、CLI、Web GUI、オンプレミス、クラウドベースの管理があります。すべてのネットワークインフラストラクチャデバイスに対する一元的な管理を使用することで、IT運用を簡素化し、キャンパス、ブランチ、リモート、データセンターのすべてのネットワークに対して、AIによるインサイト、セキュリティ、統一されたインフラストラクチャ管理を実現できます。 |
ネットワークスイッチについてよくあるご質問
ネットワークスイッチは何に使用されますか。
ネットワークスイッチを使用すると、2台以上のITデバイスが相互に通信できるようになります。スイッチは、PCやプリンターなどのエンドデバイスに接続するだけでなく、他のスイッチ、ルーター、ファイアウォールに接続することもできます。これらはすべて、追加デバイスへの接続を提供できます。ネットワークスイッチは仮想ネットワークもサポートできるため、相互接続されたデバイスの大規模ネットワークで通信が可能になり、セキュリティ上の目的で特定のデバイスグループを他のデバイスグループからセグメント化できます。高額な物理ネットワークを別途用意する必要はありません。
スイッチとルーターの違いは何ですか。
スイッチとルーターの実用面での違いは、それぞれに何を接続するかという点です。スイッチは、サーバー、PC、プリンターなど、多数のデバイスを接続する目的で販売されています。一方ルーターは、小規模なホームネットワークから世界最大のデータセンターに至るまでのさまざまな規模で、物理的なサイト間やインターネットとの間のパケットのルーティングに特化しつつあります。
スイッチを購入する際には、通常、サポートされるポートの数、それらのポートの速度、スイッチが有効にする仮想ネットワークの種類を考慮します。多くのスイッチは基本的なルーティング機能も備えていますが、ルーターはスイッチよりもはるかに多くのパケットをルーティングでき、データセキュリティなどの追加機能もサポートするようになっています。
スイッチがレイヤー2 MACアドレスだけでパケットを転送できるのに対し、ルーターはIPなどのレイヤー3アドレスに基づいてパケットをルーティングできる、というのが従来のスイッチとルーターの違いでした。実際には、スイッチは単一のLANを接続し、ルーターは複数のLAN、複数の物理的な場所を接続したり、インターネットへの接続を提供したりするという意味でした。しかし、状況は変わりました。
最新のネットワークという観点では、スイッチとルーターの大きな違いは、デバイスの主な目的にあります。今日の高度なスイッチは仮想ネットワークをサポートし、異なる仮想LAN間や物理LAN間でパケットをルーティングできます。つまり、今日のスイッチは、ルーターと同様に、レイヤー2とレイヤー3の両方のアドレスに基づいてパケットをルーティングできるということです。
スイッチを導入した場合のメリットは何ですか。
スイッチを使用すると、ネットワークのサイズを安全に拡張できます。大型のスイッチは、最大100万個のMACアドレスを管理できるサイズ、セキュリティプログラミング、速度、ルーティングの仕様となっています。ネットワークファブリックに統合すると、キャンパス全体を1つのネットワークに接続できるようになります。コンピューティング能力を、収容するサーバーの数ではなく占有面積で測定する大規模データセンターでも同様に接続できます。
EVPN-VXLANなどの機能をサポートする今日の高度なスイッチを使用すると、大規模なキャンパスやデータセンターネットワークの機能が有効になります。高度なスイッチをルーターやファイアウォールと組み合わせると、クラウドベースの管理にAI、機械学習、自動化の機能を統合できるようになり、極めて大規模なネットワークの管理も容易になります。
ネットワークスイッチの主な機能は何ですか。
スイッチには主に3つのタスクがあります。MACアドレスを学習すること、データパケットを転送すること、そしてそれらのパケットを保護することです。スイッチは、MACアドレスを学習し、LUTの一種であるCAM (連想メモリ) テーブルに保存します。一部のスイッチは、IPアドレスパラメーターを使用して、レイヤー3ネットワークオーバーレイを介してデータを転送できます。最後に、VPN、ファイアウォール、プログラミングに組み込まれた高度な暗号化を統合して、データパケットのセキュリティを維持します。