低レイテンシ 低レイテンシーとは
低レイテンシとは、入力またはコマンドと対応する応答またはアクションの間の遅延またはラグが最小限であることを意味します。低レイテンシは、ユーザーのアクティビティと、そのアクティビティに対するシステムの応答までの時間間隔です。
目次
低レイテンシの効果
インプットとそのアウトプットまたはリアクションまでの時間遅延をレイテンシと呼びます。レイテンシは要求してから応答が返るまでの時間です。通常はミリ秒単位で測定します。レイテンシは、コンピューターと通信の重要な統計情報であり、ネットワークとアプリケーションのパフォーマンスに影響します。
低レイテンシの定義:
低レイテンシはこの遅延を最小限に抑え、高速のデータ転送とスピーディな応答を可能にします。リアルタイムまたはリアルタイムに近い処理とフィードバックが必要なアプリケーションでは、低レイテンシが求められます。
- オンラインゲームでは迅速なアンサーが求められます。
- 金融取引では数ミリ秒で結果が変わってしまう可能性があります。
- ビデオ会議の遅延はコミュニケーションを妨げるおそれがあります。
- 自律走行車は、安全を守るためクイックデータ処理を必要とします。
低レイテンシネットワークの定義:
低レイテンシネットワークはデータ転送の時間を短縮します。たとえば、次のような理由で遅延を回避することが必要です。
- データ移動の物理的距離を短縮しなければならない。
- トラフィックを上手に管理して、ネットワークのコングレッションを低減させる。
- 高パフォーマンスの機器とプロトコルを使用して、ハードウェアとソフトウェアを最適化する。
- プロセスを合理化してデータを手早く処理する。
低レイテンシネットワークは遅延に対処して遅延を低減させ、高速で信頼性の高い通信を提供します。インフラストラクチャの改善、高度なテクノロジー、効率的なネットワーク管理の実践を通じてこれを実現します。
低レイテンシが重要である理由
多くの分野やアプリケーションにおいて低レイテンシは重要です。
- リアルタイムのインタラクティビティ: 低レイテンシでは、アプリケーションとユーザーの対話が直ちに起こります。しかしながら、遅延がオンライン ゲーム、ビデオ会議、ライブストリーミングのユーザーエクスペリエンスと機能に悪影響を及ぼすことがありえます。
- ユーザーエクスペリエンス: 応答時間が短いほどユーザーエクスペリエンスは向上します。Eコマースではロード動作が遅いと買い手の購買意欲が削がれる恐れがあります。一方、情報デリバリが速ければソーシャルメディアへの参加が促されます。
- クリティカルアプリケーション: 金融やトレードでは、マイクロ秒単位で下される決定に基づいて案件をスピーディに、かつ正確に実行するために低レイテンシが要求されます。遅延は、商談の失敗や経済的損失を引き起こす可能性があります。
- IoTと工業用アプリケーション: IoTと工業用自動化アプリケーションのレイテンシが低減され、リアルタイムの監視、制御、意思決定が可能になります。
- 通信: 低レイテンシは、話者間の遅延が最小になるので、高品質な音声やビデオ会話が実現します。
- ヘルスケア: 遠隔医療や遠隔手術では、医師と患者、または外科医とロボット機器の間でリアルタイムの連携を実現するためにレイテンシを最小化する必要があります。
- 輸送と自律走行車: 低レイテンシによって、自律走行車は安全に走行し、道路状況の変化にリアルタイムで適応することができます。
レイテンシの短縮により、最新のネットワークやコンピュータ環境に置かれる多数のアプリケーションやセクターで効率と信頼性、ユーザー満足度が向上します。
レイテンシに影響する要因
いくつかの変数はネットワークとシステムの遅延を生じさせます。これらのファクターは次のように大別されます。
- シグナル伝播遅延: これは、シグナルがソースから宛先まで移動する際にかかる時間です。デバイス間の距離と、チャネル (光ファイバーケーブルまたは無線伝送) 全体における光または電磁シグナルの速度によって変動します。
- 伝送媒体: 光ファイバー、銅線、無線電波では、シグナルの伝送速度がそれぞれ異なります。光ファイバーは、従来の銅線や無線接続よりレイテンシが低くなります。
- ネットワークのコングレッション: ネットワークのコングレッションにより、データパケットが転送待ち行列に入るため速度が低下します。コングレッションは、ルーター、スイッチ、ISPネットワークなど、ネットワークのさまざまなポイントで発生する可能性があります。
- ルーティングと処理の遅延: データパケットを処理するそれぞれのネットワークデバイス (ルーター、スイッチ、ファイアウォール) も多少遅延の原因となります。こうした遅延は、パケット検査、経路指定テーブルの検索、デバイスのキューイングに起因する可能性があります。
- プロトコルのオーバーヘッド: ネットワークプロトコルは、データパケットの転送オーバーヘッドを増加させます。TCP (伝送制御プロトコル) はデータパケットの確認応答を必要とするため、デリバリや肯定応答を保証しないUDP(ユーザー データグラム プロトコル)とは違って遅延を増大させる可能性があります。
- ネットワークインターフェイスの遅延: NIC(ネットワーク インターフェイス)その他のハードウェアコンポーネントは、パケットの処理と転送の時間を必要とするため、高速ネットワークではレイテンシが長くなる可能性があります。
- エンドツーエンドのレイテンシ: 伝播遅延、さまざまなネットワークセグメントを介する伝送遅延、通信の両端での処理遅延など、ソースからターゲットまでのあらゆる遅延が含まれます。
- QoS設定: 一部のネットワークは、特定のトラフィックを他のトラフィックより優先します。優先度の高いトラフィックは、優先度の低いトラフィックよりもネットワークコングレッション中のレイテンシが小さくなる可能性があります。
- ジッター: ジッターは、時間の経過に伴うレイテンシの変動を意味します。ジッターによってパケット配信の遅延が発生し、音声会議やビデオ会議といったリアルタイムアプリケーションに悪影響が生じる可能性があります。
ネットワーク管理者やエンドユーザーは、これらの特性を理解することによって、パフォーマンスを最大化し、レイテンシを最小化し、重要なアプリケーションのレスポンシブネスとユーザーエクスペリエンスを高めることができます。
低レイテンシを実現するには
低レイテンシを実現するためには、ネットワークアーキテクチャー、ハードウェア、ソフトウェア、プロトコルの改良が必要です。低レイテンシを実現するため、次に挙げる戦略と手法を守ってください。
- 高速ネットワーク機器: 高性能のルーター、スイッチ、NIC、光ファイバーケーブルは、データパケットの処理と伝播の遅延を最小限に抑え、レイテンシを低減させます。
- 最適化されたルーティングとネットワーク設計: ダイレクトルート、効率的なルーティング方式、ホップ数の抑制は、データ転送を高速化し、レイテンシを低減させます。
- プロトコルの選択と最適化: 適切なプロトコル (時間重視の場合はUDP、リアルタイムメディアの場合は RTPなど) を使用し、パケットサイズとデータ圧縮を最適化すると伝送時間とレイテンシを最小限に抑えることができます。
- QoSの優先度判定: 時間的制約のあるトラフィック (音声データやビデオデータなど) を重要度の低いトラフィックより優先すると、ネットワークのコングレッションが生じた時に、レイテンシ重視のアプリケーションを優先的に処理することができます。
- エッジコンピューティングとコンテンツ配信ネットワーク (CDN): エッジコンピューティングとCDNを使用すると、エンドユーザーに近いサーバーからコンテンツを配信して物理的な距離を短縮することにより、レイテンシを最小化することができます。
- 処理遅延の最小化: レイテンシを低減させるため、ネットワークデバイスのソフトウェアとファームウェアを最適化し、処理の遅延 (パケットの検査と転送の選択にかかる時間など) を短縮します。
- 継続的な監視と最適化: 低レイテンシを維持し、発生する問題に対処するためにネットワークパフォーマンスの測定尺度を継続的に監視し、レイテンシのボトルネックを検出するとともに、リアルタイムデータを使用してネットワーク設定を最適化します。
これらのソリューションは、レイテンシを低減させ、リアルタイムアプリケーションを実現し、ユーザーエクスペリエンスとネットワークのパフォーマンスを向上させます。