大学教育DXの実践に向けた学内デジタルインフラの整備

学校法人 札幌学院大学 様

 

札幌学院大学が、大学教育のデジタル変革を目指し、ハイパーコンバージドインフラHPE SimpliVityを軸にハイブリッドクラウド環境を構築

 

2021年4月、札幌学院大学が江別と新札幌の2キャンパス体制に移行し、4学部7学科、3研究科からなる文系総合大学として新しい歩みをスタートさせた。同校では、新体制への移行に先立って、学内で利用される基幹系、事務系、学生支援系などの多様なシステムをハイパーコンバージドインフラHPE SimpliVityによる仮想化基盤に統合している。その狙いは、新しいチャレンジに応えるデジタルインフラの整備と、シンプルで運用負荷の低いハイブリッドクラウド環境の実現である。大学教育の現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを紹介する。

業種

教育

 

ビジョン

江別・新札幌2キャンパス体制への移行を機に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて新たなビジョン「One life, Many answers」を実践する

 

戦略

ハイパーコンバージドインフラ製品により学内仮想化基盤を統合し、新しいチャレンジに応えるデジタルインフラを整備するとともに、シンプルで運用負荷の低いハイブリッドクラウド環境を実現する

 

成果

・HPE SimpliVityを採用し20台のインフラ機器を5台に統合

・データ圧縮・重複排除により扱うデータ量を1/6に削減

・DX推進のための俊敏性・柔軟性に優れたプラットフォームを整備

新キャンパスの開設に向けたシステム環境の刷新

 

札幌学院大学は、1946年に設立された札幌文科専門学院に源流を持つ。札幌短期大学、札幌商科大学を経て、4学部7学科、3研究科からなる文系総合大学へと発展を遂げた現在も、建学の精神である「学の自由」「独創的研鑚」「個性の尊重」は脈々と受け継がれている。本部を置く江別キャンパスに続き、2021年4月には新札幌に2つめのキャンパスをオープンさせた。事務局 情報処理課の原田寛之氏は次のように話す。

「新キャンパスのコンセプトは『Diversity』と『Collaboration』です。多様なこと・ひと・ものが集い、オープンなコラボレーションが可能な新しい教育の場となることを目指します。行政や企業との連携を深め、公開講座や市民向け教育事業も拡充させる計画です」

新キャンパスの開設とともに制定されたビジョン『One life, Many answers』には、「人生は一度きりだが多くの可能性があり、答えはひとつではなく無数にあるから、挑戦を繰り返して答えを見つけよう」というメッセージが込められている。

「新設の経済経営学部をはじめ複数の学部と研究科がここを拠点とします。情報処理課では教職員と学生向けに様々な情報サービスを提供しており、江別キャンパスと同等のサービスを新札幌キャンパスで提供するためのプロジェクトに2019年から取り組んできました。その一環として、2020年6月に既存の学内システムを新しい仮想化基盤に統合しました」(原田氏)

札幌学院大学の学内で利用されるシステムは「教育研究系」と「事務・学生支援系」に大別される。これらは、3つの仮想化基盤と複数の物理サーバーで運用されてきたが、その大部分を新しい仮想化基盤に統合する一大プロジェクトである。

「私たちが選択したプラットフォームはHPE SimpliVityです。複数のITベンダーから提案を受け、複数のハイパーコンバージドインフラ製品を慎重に検討した結果、大塚商会のプランが私たちの描いた理想に最も近いと判断しました」(原田氏)

新しい統合仮想化基盤にHPE SimpliVityを採用

 

統合仮想化基盤の構築にあたり原田氏らが提示した基本要件は、「学内で稼働中のすべてのシステム(基幹系・情報教育系・事務系・学生支援系)を収容可能なこと」「ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)により統合仮想化基盤を構築すること」であった。原田氏は次のように説明する。

「HCI製品の採用を大前提とした狙いは大きく3つあります。ひとつは、シンプルな機器構成で信頼性の高いシステムを実現すること。もうひとつは、バックアップを含むシステム運用の負荷を下げること。さらに、俊敏性と柔軟性を備えたデジタルインフラを実現することです。HPE SimpliVityはこれらの目的に合致しているだけでなく、更なるメリットを享受できると考えました」

既存環境は20台近い物理サーバーとストレージで構成されていた。データの総容量は10TB近くに達しており、特に近年の増加傾向は著しかった。大塚商会の香川史明氏は、HPE SimpliVityを軸にした提案のポイントを次のように話す。

「HPE SimpliVityなら、複雑なIT環境をシンプルかつコンパクトに統合し、ノード障害はもちろんディスク障害からもデータを保護する信頼性の高いシステムを実現できます。お客様が使い慣れたVMware vCenterで運用でき、標準機能だけで煩わしいバックアップ運用を自動化できます。さらに、優れたデータ圧縮・重複排除機能により、増え続けるデータ量も抑制できると考えました」

運用負荷の軽減は、原田氏ら情報処理課にとっては極めて重要なテーマだった。

「新キャンパスのオープンに向けたプロジェクトに全力を注がなければなりませんでした。そのためには、統合仮想化基盤の運用を徹底的に効率化して、学内システム全体の運用負荷を下げ、私たちの時間とリソースを捻出しなければならなかったのです」(原田氏)

2020年4月にスタートしたHPE SimpliVityによる統合仮想化基盤の構築は、同年6月に計画通り完了した。HCI製品ならではのスピード構築だった。

約20台の機器を5台に、ラック9本を1本に集約

 

新たに構築された統合仮想化基盤は、本番ノードHPE SimpliVity 380 Gen10(3台)、バックアップノードHPE SimpliVity 380 Gen10(1台)、vCenterサーバーで構成されている。120以上の仮想マシンが稼働する本番ノードは、オールフラッシュ構成で30TBのストレージ容量を確保した。

「20台近くあったハードウェアが5台に、9本あったサーバーラックが実質1本に集約されました。インフラ機器は劇的にシンプル化され、バックアップ運用も自動化されています。監視対象が大幅に減って心理的に楽になったことも、私たちにとっては非常に大きかったです」と原田氏は振り返る。

HPE SimpliVityでは、標準機能により「秒速・全自動」で仮想マシンのイメージバックアップを取得できる。メタデータを利用したユニークな重複排除テクノロジーが、バックアップの劇的な高速化を実現する。札幌学院大学では、本番ノードで取得した1次バックアップをバックアップノードで二重に保護する仕組みを整えた。

「バックアップは日次で夜間に取得され、計14日分のデータを世代管理できるようになりました。従来は、基幹系、情報教育系、事務系、学生支援系のシステム単位でバックアップを取得していたのですが、これが統合されたことで運用負荷は大幅に軽減されました。バックアップの所要時間も驚くほど短縮されています」(原田氏)

HPE SimpliVityは、データ圧縮・重複排除によるデータ量の抑制にも威力を発揮した。一般のHCI製品では、ストレージの物理容量に対し実効容量が1/3程度にとどまることも珍しくない。これに対して本システムでは、オールフラッシュによる物理容量30TBに対し実効容量が24TBにも達することがわかったのである。

「HPE SimpliVityで保持するデータ量が、元データの1/6程度まで削減されたことに驚きました。予想を超えた削減効果により、対象システムのすべてを余裕を持って統合でき、今後5年間の運用に大きな安心が加わりました」(原田氏)

変革へのチャレンジを支えるデジタルインフラ

 

原田氏が狙いの3つ目に挙げた「俊敏性と柔軟性を備えたデジタルインフラの実現」でも、HPE SimpliVityは期待通りの成果をもたらした。原田氏は次のように話す。

「真の狙いは、大学教育のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実践するためのあらゆるチャレンジに応えるデジタルインフラの整備です。新しい統合仮想化基盤では、わずか数分で仮想マシンを立ち上げてユーザー環境を用意することができ、新しいことを試すスピードが劇的に高まりました。実際に、事務部門では本システム上で新しいデータ分析アプリケーションの活用を開始するなど、想定していなかった業務要求に対しても迅速かつ柔軟に応えられるようになっています」

原田氏らが、統合仮想化基盤上でWindows ServerとRedHat Enterprise Linuxを無制限で利用できるライセンスを調達要件に加えていたのも、変化するシステム要求に応えることを見通してのものだ。

「2019年後半、遠隔授業を拡大するためにe-LearningシステムをAWSへ移行しました。HPE SimpliVityによる統合仮想化基盤が完成したことで、学外に出せないシステムをすべてこれに統合し、適材適所でクラウドとオンプレミスを使い分けるハイブリッド環境が整備されたわけです。私たちが考える理想の環境に大きく近づいたと言えるでしょう」(原田氏)

「HPE SimpliVity上で何らかの異常を検知すると、大塚商会の『たよれーるコンタクトセンター』に自動通報される仕組みも整えました。お客様に安心してご利用いただけるよう、自営保守チームが万全のサポートを提供してまいります」と同社の松谷聡氏も話す。

複雑なシステムの運用から解放された原田氏らは、新キャンパス開設プロジェクトに注力し、遠隔授業の推進に伴うe-Learningシステムのトレーニングにも多くの時間を割くことができたという。原田氏は次のように話して締めくくった。

「HPE SimpliVityは、情報処理課のメンバーの業務を変え、働き方を変え、意識や行動にも変化をもたらしました。情報サービスを通じて大学教育のデジタルトランスフォーメーションに貢献するチームへ、私たち自身が変わりつつあることを実感しています。プロジェクトでは、大塚商会には常に誠実に対応してもらえました。限られた時間の中で計画通りに統合仮想化基盤を構築できたことに感謝しています。これからも、HPE製品と最新のテクノロジーで私たちのチャレンジを支えてもらえることを期待します」

学校法人 札幌学院大学

事務局
情報処理課
原田 寛之 氏

株式会社大塚商会

札幌支店
技術グループ
テクニカルソリューション課
課長
香川 史明 氏

株式会社大塚商会

札幌LA販売課
係長
松谷 聡 氏


ご導入製品情報

HPE SimpliVity

世界最高レベルの効率と耐障害性を備えた、大企業から中小企業まで幅広い企業で利用されているエンタープライズグレードのハイパーコンバージド(HCI)製品であるHPE SimpliVityは、複雑なIT環境をシンプル&コンパクトに統合し、これまでにないシンプルで扱いやすい仮想化基盤を実現します。

HPE ProLiant DL360 Gen10

マルチワークロード環境に対応できるきわめて高い柔軟性と他にはない拡張性を備えた、2P/1Uの高密度コンピュートの標準です。


ご導入企業様

学校法人 札幌学院大学 様

 

江別キャンパス
所在地:北海道江別市文京台11番地 [本部]

新札幌キャンパス
所在地:北海道札幌市厚別区厚別中央1条5丁目1-1

URL:https://www.sgu.ac.jp/

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