統合脅威管理 (UTM)
統合脅威管理 (UTM) とは

統合脅威管理 (UTM)は、複数のセキュリティ機能を統合して総所有コスト (TCO) を削減し、ウイルス、ワーム、マルウェア、スパイウェア、その他のネットワーク攻撃などのさまざまなセキュリティ脆弱性に対する防御を一元化するセキュリティソリューションです。

次世代ファイアウォール (NGFW) という名称でよく知られているこれらの機能は、ネットワーク上の単一のデバイスまたはサービスで複数のセキュリティ機能やサービスを提供し、シンプルな方法でセキュリティ脅威からユーザーを保護します。NGFWは、アンチウィルス、アンチスパム、コンテンツフィルタリング、Webフィルタリングなどの機能を備えています。

所要時間: 7分4秒 | 更新日: 2025年10月31日

目次
    UTMの図のコンポーネント。

    UTMの説明

    一般的な統合脅威管理 (UTM) 機能セットは、いずれもUTM内にある、ファイアウォール/侵入防止システム/仮想プライベートネットワーク、セキュアWebゲートウェイセキュリティ (URLフィルタリング、Webウイルス対策 (AV))、メッセージングセキュリティ (スパム対策、メールAV) の3つの主要なサブセットに分類されます。

    UTMを使用すると、セキュリティチームは地理的に分散した拠点全体のセキュリティリスクを効率的に監視して脅威に迅速に対応しつつ、さまざまな製品の所有とメンテナンスの総コストを削減できます。

    統合脅威管理 (UTM) の仕組みを表す図

    UTMの仕組み

    UTMには各種のコアセキュリティ機能が統合されており、さまざまなポイント製品を展開する必要がなくなります。UTMは、さまざまなセキュリティコンポーネントを活用してネットワークに出入りするトラフィックをスキャンすることにより、一元的なセキュリティの監視と管理を行います。ディープパケットインスペクション (DPI) を使用して、ネットワーク上を移動するすべてのデータをパケットレベルで可視化し、悪意のある (またはセキュリティが侵害された) 受信トラフィックと送信トラフィックをブロックします。

    ファイアウォール、ウイルス対策、IPS、DLPなどのセキュリティ機能を単一のUTMソリューションに統合することで、セキュリティチームがセキュリティポスチャ全体を包括的に把握できるようになり、管理が簡素化されます。

    UTMのメリット

    UTMによって多数のセキュリティポイント製品が統合されると、ITチームはネットワークセキュリティ全体を効率的に監視および管理し、運用コストを削減することができます。UTMを展開することにより、次のような大きなメリットが得られます。

    • 一元的なセキュリティ管理: ネットワークのさまざまなコンポーネントを標的とする多数の脅威ベクトルからネットワークを保護する必要があります。UTMがなければ、セキュリティチームではネットワークを保護するためのさまざまなポイント製品が必要となり、運用が複雑化します。UTMは、さまざまな製品から取得したインサイトを組み合わせて、全体的なセキュリティ健全性の統合ビューを提供し、セキュリティチームが地理的に分散した複数の拠点を管理して高度な脅威から保護できるようにします。
    • コスト削減: 複数の製品をUTMに置き換えることで、物理デバイスの数が減り、ハードウェアの調達、メンテナンス、トレーニング、専任スタッフのコストが削減されるなど、さまざまな面でコスト削減につながります。
    • 迅速な対応: UTMでは、単一のダッシュボードを使用した効率的な方法により、さまざまなUTMコンポーネントから取得したデータを処理し、有意義なインサイトを引き出して迅速に対応することができます。
    • コンプライアンスのサポート: 企業は、GDPR、HIPPA、PCI DSSなどのさまざまなコンプライアンス要件を満たすために、高いレベルのデータセキュリティとアクセス制御を維持する必要があります。UTMなどの統合型セキュリティソリューションでは、コンプライアンス要件を満たす強力なセキュリティ機能セットを単一のソリューションで効率的に導入できます。

    UTMのコア機能

    UTMは、さまざまなセキュリティ機能を単一のソリューションに統合します。UTMの主な機能や特徴は次のカテゴリに分類できます。

    • ファイアウォール: ネットワークファイアウォールは、ネットワーク間のトラフィックフローを制限/許可するハードウェアまたはソフトウェアです。承認されていないトラフィックがセキュアなネットワークにアクセスするのを阻止するポリシーを適用することにより、サイバー攻撃を防止します。
    • ウイルス対策とマルウェア対策: ウイルス対策またはマルウェア対策ツールは、ネットワークデバイスを通過するトラフィックをスキャンして、ウイルス、ワーム、トロイの木馬などのあらゆる種類の悪意のあるベクトルを排除します。
    • 仮想プライベートネットワーク (VPN): VPNは、データを暗号化してインターネットなどの安全性の低いネットワークでの機密データの転送を可能にすることにより、企業ネットワークへのセキュアなリモートアクセスを実現します。
    • URLフィルタリングまたはWebフィルタリング: エンドデバイスから要求されたURLが、既知の悪意のあるサイトの継続的に更新されるデータベースと一致する場合、Webサイトへのアクセスをブロックします。
    • 侵入防止および検知 (IDS/IPS): 悪意のあるアクティビティを検出し、侵入が検知されるとアクションを実行します。シグネチャーベースとパターンベース両方の検査を利用し、既知の脅威のライブラリを活用してネットワークを通過するすべてのトラフィックを検査します。侵入がシグネチャーのパターンと一致したときは、システムがアクションを実行します。侵入検知は、コマンド&コントロール、ランサムウェア、フィッシング、マルウェア、スパイウェア、トロイの木馬、エクスプロイトキットなどの悪意のあるアクティビティに関する脅威インテリジェンスを提供します。
    • データ損失防止 (DLP): DLPは、潜在的なデータ侵害や未許可アクセスを監視、検出、ブロックすることにより、ネットワーク内の機密データの保護をサポートします。
    • トラフィックセグメンテーション: ネットワーク全体のトラフィックフローを規制し、リソースへのロールベースのアクセスを提供します。

    高度なセキュリティ脅威からネットワークを守るために、UTMとセキュリティサービスエッジ (SSE) を組み合わせてセキュリティ監視とセキュリティ対応を拡張できます。

    ユーザーとネットワークを保護する次世代ファイアウォール (NGFW) の仕組み

    ITチームは、進化を続ける巧妙な脅威を防いで企業の生産性とデジタル資産を守るという課題に絶えず取り組んでいます。これらの脅威には、スパム攻撃、フィッシング攻撃、ウイルス、トロイの木馬、スパイウェアに感染したファイル、未承認Webサイトアクセス、未承認コンテンツなどが含まれます。ITチームは、これらの課題に限られた予算とリソースで対処しなければなりません。スパムフィルタリング、Webコンテンツフィルタリング、アンチウィルス保護などの各機能向けに設計されたデバイスを複数用意するのは、効率的ではありません。それどころか、複数の機器とOSを管理しなければならないため、コストと複雑さが増します。

    NGFWは、これらのすべての課題をまとめて解決できる、単一のシステムです。

    • ディープパケットインスペクションを使用して受信データをスキャンすることで、ウィルス、マルウェア、悪意ある添付ファイルからネットワークを守ります。
    • パケットヘッダーを検出することで、悪意あるデータがネットワークに侵入するのを防ぎます。
    • 拡張Webフィルタリングをインストールし、Webサイトへの望ましくないアクセスを防ぎます。
    • 初期セットアップ以外の手動操作が少なくて済むよう、最新のセキュリティ更新、ウイルス対策定義、新機能による自動更新に対応しています。
    • 単一の管理コンソールで、管理者は多様なセキュリティ機能を管理できます。

    NGFWとUTMの違い

    UTMとNGFWはどちらも、ネットワークセキュリティ機能を単一のソリューションに統合します。これら2つのソリューションの定義は時間の経過とともに、また市場のニーズに応じて変化してきており、両者の間に明確な違いはありません。NGFWは、アプリケーションレベルでの保護を提供し、最新のテクノロジーを活用して環境全体にわたる強力なネットワークセキュリティを実現します。

    HPEと統合脅威管理 (UTM)

    HPEは、UTMのすべての重要な機能を統合するHPE Juniper Networking次世代ファイアウォールを通じてUTMを提供します。

    またHPE Networkingは、管理プラットフォームであるHPE Aruba Networking CentralでさまざまなUTM機能を統合します。

    HPE Juniper Networking SRXシリーズ次世代ファイアウォールとvSRX仮想ファイアウォールには、ネットワークレベルの攻撃、アプリケーションレベルの攻撃、コンテンツベースの攻撃を防ぐ、マルウェア、ウイルス、フィッシング攻撃、侵入の試み、スパムなどの脅威に対する統合脅威管理による優れたコンテンツセキュリティが含まれています。NGFWシステムには、次のようなコンポーネントがあります。

    • スパム対策 - インバウンドとアウトバウンドのSMTPメールトラフィックをスキャンすることにより、望ましくないメールトラフィックをタグ付けするかブロックします。スパム対策フィルタリングにより、サードパーティのサーバーベースのスパムブロックリスト (SBL) を使用できるだけでなく、メールメッセージに対するフィルタリングのための独自のローカル許可リストとローカル拒否リストを任意で作成することが可能です。
    • ウイルス対策 - スキャンエンジンとウイルス署名データベースを使用し、POP3 HTTP、SMTP、IMAP、FTPプロトコルを介してウイルスに感染したファイル、ワーム、トロイの木馬、スパイウェアなどのマルウェアを防ぎます。Juniper Advanced Threat Prevention(ATP)を使用することで、従来のシグネチャベース検出を最新のアンチマルウェア技術と組み合わせて脅威を検知し、軽減します。
    • コンテンツフィルタリング - 基本的なデータ損失防止機能を提供します。コンテンツフィルタリングは、MIMEタイプ、ファイル拡張子、プロトコルコマンドに基づいてトラフィックにフィルターを適用します。また、コンテンツフィルターモジュールを使用して、ActiveX、Java Applets、その他のコンテンツタイプもブロックできます。コンテンツフィルタリングに別途ライセンスは必要ありません。
    • Webフィルタリング - ローカルのWebsenseサーバーかインターネットベースのSurfControlサーバーのいずれかを使用してURLフィルタリング機能を提供します。Webフィルタリングは、生産性および社内ユーザーの行動を追跡するのに不可欠なサービスです。

    HPE Aruba Networkingは、地理的に分散した複数の拠点で高度な脅威を防ぎ、追加のクラウドベースのセキュリティサービスとの統合によって階層型の保護を実現します。このプラットフォームは、次のUTM機能を統合します。

    高度な脅威防御: HPE Aruba Networking Centralは、HPE Aruba Networking SSE (セキュリティサービスエッジ) との統合を通じて、アプリケーション対応型ステートフルファイアウォール、ディープパケットインスペクション (DPI)、Webコンテンツフィルタリング、VPNオーバーレイ、IDS/IPS、ダイナミックセグメンテーション、セキュリティダッシュボード、IPレピュテーション、Unified SASEをサポートします。

    Policy Enforcement Firewall (PEF): PEFは、既存のHPE Aruba Networkingネットワークインフラストラクチャ上にソフトウェアソリューションとして実装され、HPE Aruba Networking Centralによって管理されます。HPE Aruba Networking PEFは、場所、接続方法、デバイスタイプを問わず、ユーザーまたはデバイスのアイデンティティとロールに基づいて、ネットワーク接続時にゼロトラストの境界を確立します。PEFは、きめ細かいアクセス権限を適用して精密に分離し、攻撃が検知されるとエンドポイントを自動的にブロックまたは隔離することで、侵害されたユーザーやデバイスが攻撃に参加できないようにします。

    ダイナミックセグメンテーション: ダイナミックセグメンテーションは、事前定義済みのアクセスパーミッションに基づいてソースと宛先間のセキュアな接続を提供することにより、ゼロトラストおよびSASEフレームワークの基盤として機能します。

    これらの高度な脅威防御コンポーネントに加えて、HPE Aruba Networkingでは、ZTNA、CASB、SWG、DEMなどの次世代セキュリティサービスを提供する堅牢なSSEプラットフォームも用意しています。

    FAQ

    統合脅威管理と従来のセキュリティソリューションの違いを教えてください。

    複数の専用デバイスを必要とし、運用のオーバーヘッドを増加させる従来のセキュリティセットアップとは異なり、UTMはネットワークセキュリティの総合的なビューと迅速な対応機能を提供してコンプライアンス管理を容易にします。最新のUTMソリューションは、ディープパケットインスペクションと一元管理ダッシュボードも活用してセキュリティ運用を合理化し、進化する脅威に対する堅牢な保護を実現するため、シンプルさ、スケーラビリティ、包括的なカバレッジを求める組織にとって非常に効果的です。

    ビジネスに適した統合脅威管理ソリューションを選択するにはどうすればよいですか。

    適切なUTMソリューションを選択するときは、スケーラビリティ、既存のインフラストラクチャとの統合のしやすさ、GDPRやPCI DSSなどのコンプライアンス標準のサポートを考慮します。迅速な脅威対応、信頼性、複数のセキュリティツールを1つのダッシュボードに統合して運用の複雑さとオーバーヘッドを削減する機能を備えたプラットフォームを探します。最後に、長期間にわたる保護を実現してビジネスに価値をもたらすために、ベンダーの評判、継続的なサポート、進化するセキュリティ脅威への適応能力を評価します。

    次世代ファイアウォールはUTMと同じですか。

    これら2つの定義は時間の経過とともに、また市場のニーズに応じて変化してきており、両者の間に広く定義されている違いはありません。NGFWは通常、アプリケーションレベルでの保護を提供し、最新のテクノロジーを活用して環境全体にわたる強力なネットワークセキュリティを実現します。一方、UTMソリューションは、広範なセキュリティ機能を統合して一元管理とシンプルな運用を実現することに重点を置いています。実際のところ、多くの最新のNGFWにはUTM機能が含まれており、ベンダーやコンテキストに応じてこれらの用語が同じ意味で使用されることが多くあります。

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