Linux技術情報
Service Pack for ProLiant(SPP) - 2012.06.0 対応環境とインストール方法について
Service Pack for ProLiant(SPP) - 2012.06.0 対応環境とインストール方法について
- SPP 2012.06.0 Production版 for G4, G5, G6, G7, Gen8(Intel)
- SPP 2012.06.0 Production版 for G1, G2(AMD)
本ページでは、管理ツールに関する技術情報について記述いたします。製品情報については、`SPP & SUM製品` ページをご覧ください。
本ソフトウェアとドキュメントの入手について
本ソフトウェア向けドキュメント(Release Notes, Contents, Server Support Guide, Component Release Notes)は、`SPP説明 & 入手` ページ先の [ドキュメント] タブから入手してください。
また、`HPESC Support Portal` からも入手可能です。具体的には、検索ボックスに 「SPP」、上部タブで「ドキュメント」、left-menuで 「リリースノート」、「日本語」と「英語」を選択して最新のものを入手してください。
本ページ内のこれより以降の情報はこれらのリンク先にある情報の内 Linuxに関連した情報を補足したものとなります。詳細は前述のサイトをご覧ください。
本ソフトウェアの対象機種と、対象ディストリビューションについて
本書は SUMインストーラを同梱している Red Hat用に向けたものです。これら以外のディストリビューション用 SPPの詳細についてはこちらをご覧ください。
本ソフトウェアは ProLiantファミリーに対応しています。但し、ProLiantファミリーの全機種でサポートしている訳ではありません。詳細な対応情報については、米国のサポートマトリックス[英語]ページで、対象機種を選択後に、`Drivers`セクションで利用されるディストリビューションを選択し、対象となるソフトウェアがサポートされているかを必ず確認してください。
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旧版となった SPP/サプリメンタルのディストリビューション対応状況、UpdateX/SPx対応状況の一覧については、旧版の技術文書ページの対応表をご覧ください。
本バージョンでの主な変更点について - SUM
- SUMが v5.2.0になりました。
本バージョンでの主な変更点について - RPMパッケージ部分(旧称 PSP相当部)
[2012.06.0差分] RHEL6用のサプリメンタルがリリースされました。RHEL6.3に対応しています。
[2012.06.0差分] 本サプリメントは、将来の SPPにて収録される予定のものです。
[2012.06.0差分] PSP v9.10からの変更として、fibreutils, hponcfg以外のパッケージのバージョンがあがっています。但し、hpsmhについては差分パッケージとして既にリリース済みのものです。
[2012.06.0差分] PSP v9.10からの変更として、mlnx-en(Mellanox)ドライバが SRC形態での提供から KMOD/overrideに変更されています。パッケージのファイル名(hp-mlnx-en ⇒ mellanox-mlnx-en)も変更されています。
[2012.06.0差分] PSP v9.10からの変更として、psp-9_10_rhel6_linux.txt相当のリリースノートの類は提供されていません。前述の SPP専用ページで提供される PDFドキュメントをご覧ください。
[2012.06.0差分] mpt2sasの U3用ドライバは提供されていません。
PSPから SPPへの変更について
SPPは従来の PSP(ProLiant Support Pack)の後継製品です。SPPと PSPの大きな違いは RPMパッケージの導入支援だけではなくファームウェアの導入支援も同時に行える様に統合的にパッケージ化されたものと云えます。導入支援を行うインストーラは PSPと同じ SUMインストーラです。従来の PSPは SUMインストーラと RPMパッケージを組み合わせたもので、ファームウェアも同時に導入する場合には、別途ファームウェアを入手して追加する必要がありましたが、SPPでは ISOイメージ形態と、SDRレポジトリ形態での一括提供を行います。
ISOイメージ形態の SPPの次のバージョンがリリースされる迄の間に、新しくリリースされるディストリビューションのマイナーアップデート(UpdateX/SPx)に対応させるために、新バージョンの RPMパッケージ(SUMインストーラ、ファームウェアを含む場合もあります)をまとめたものを都度リリースしていきます。この形態をサプリメントと呼びます。このサプリメント形態は PSPの tar.gz形態と全く同じに扱う事ができます。
本ソフトウェアの `2012.06.0`が示す様に、SPPの 2012.06.0バージョンに追加・アップデートして利用する事も可能です。
SUM起動前に必要なパッケージについて
RHEL6の場合
SUMを起動させるために必要な追加パッケージをインストール時に個別選択するのは、本ディストリビューションでは困難なため、本書ではパッケージ選択としてデフォルトのままの場合と、`デスクトップ`を選択した場合の 2通りの方法について説明致します。必要とする追加パッケージの詳細については、添付の readmeをご覧ください。`x86版`ならびに`x86_64版`の場合は下記を順に #yum installを行ってください。
[x86版の場合]
- lm_sensors
- gcc
- rpm-build
- redhat-rpm-config
- net-snmp *d
- kernel-headers
- kernel-devel
- expect *g
- libnl *f
[x86_64版の場合]
- lm_sensors
- gcc
- rpm-build
- redhat-rpm-config
- net-snmp *d
- libXrandr.i686
- libXcursor.i686
- libSM.i686
- fontconfig.i686
- libXi.i686
- libstdc++.i686
- zlib.i686
- kernel-headers
- kernel-devel
- expect *g
- libnl *f
*d: デフォルトのままの場合のみ追加が必要
*g: グラフィカルモード利用時で且つリモートデプロイを行う場合のみ追加が必要
*f: FC HBA装着環境のみ追加が必要
RHNに接続できずローカルの DVDドライブに対して yumの repositoryを設定する場合は下記を参考にしてください。
#vi /etc/yum.repos.d/hoge.repo
[hoge]
name=hoge
baseurl=file:///mnt/
gpgcheck=no
#mount /dev/dvd /mnt
tar.gz形式以外の SPPを利用する場合の注意
tar.gz形式以外の SPPは、複数のディストリビューション向けパッケージが同一ディレクトリに配置されています。
SUMはディストリビューション毎に適切なパッケージを自動選択する事が完全には行えません。このため手動でのパッケージの取捨選択が必要となります。ディストリビューション毎に対応しているパッケージを確認するには後述する `rpmパッケージ毎の同梱一覧`セクションを参照してください。例えば、Complete版 SPPを利用する場合、SLES11上で SUMを起動しているにも関わらず RHEL6向けパッケージの一部がリストに表示されてしまう等の現象が発生する場合があります。この制限は SUMのバンドルフィルターで範囲を限定しても回避できません。
tar.gz形式の SPPであっても、複数のディストリビューション向けのものを同一ディレクトリに展開した場合には、本事象に該当しますので注意が必要です。
SPPの入手形態による SUMの起動方法の違いについて
SUMを起動する方法は、SPPの入手方法により、下記の 3種類の方法があります。
- SPPを tar.gz形式で入手して利用する場合は、tar.gzを HDD上に展開し、中に格納されている `./hpsum`を実行する事で SUMが起動します。 tar.gzを展開する場合、予めディレクトリを掘ってそこに展開する事をお勧めします。
- SDRの `WEBブラウザからの利用方法`経由で SPPを入手した場合、既にファイルが展開されていますので、`./hpsum`を実行するだけで SUMが起動します。*
- SPP ISOメディアを利用する場合は、メディア内の /hp/swpackagesディレクトリで `./hpsum`を実行する事で SUMが起動します。SPP ISOメディアをそのまま利用する場合の技術制限については、Support Pack for ProLiantの技術情報をご覧ください。
GUIでのデプロイの方法について - ローカル・リモート
レポジトリ(RPMファイル群)の配置先を指定します。ローカル上から実行する場合には `デフォルト`のままで結構です。
イントラネット内に構築した独自レポジトリの追加を行うには [レポジトリの追加]ボタンで行う事が可能です。この機能によりインターネットに直接接続できない ProLiantが特定バージョンの SPPや、カスタマイズしたパッケージ構成の SPPを適用する事が簡単に行えます。
SPP内のパッケージによっては事前に設定を行う事が可能なもの(例:hp-snmp-agentsパッケージでの SNMP community name等)があります。必要に応じて `コンポーネントの構成`を開き [構成]ボタンを押して行ってください。
SPPを適用するターゲットサーバへの [認証情報の入力]を設定します。ローカルだけにデプロイする場合であっても必要です。
依存関係や必要なパッケージに問題がなければ [インストール]ボタンでデプロイが開始できます。
不要なパッケージを外し終えたら [インストール]ボタンを行います。
SUMの依存関係やライブラリ・ツールチェックは補助目的であり完璧ではありません。
また UpdateX/SPxの取捨選択を間違う場合があります。
このため、[インストール]ボタンが押せても、デプロイに失敗する場合があります。
CUIでのデプロイの方法について - ローカル・リモート
SUMは GUIではなくコマンドラインから利用する事も可能です。
左記の実行例は、SUMを CUIサイレントモード(/s)指定、強制アップデート(/f)指定、ファームウェアのアップデートは行わない(/softwareonly)指定をした実行結果です。
詳細は ./hpsum /hでヘルプが表示されます。また、このヘルプの結果は CLIHelp.txtとして添付されており、tar.gzを展開したトップディレクトリにあります。また、コマンドオプションについての詳細については SUMの GUI画面上でのへルプも参照してください。
LDUでサポートされていた、CUIでの対話インストール機能は SUMにはありません。
各種ログについて
SUMは /var/hp/log配下に各種ログを作成します。リモートターゲットへのデプロイを行った場合も同様にこのディレクトリにサーバー毎のログが記録されます。
例: DL380G7+RHEL6.2/x86 - hpsum_log.txt hpsum_detail_log.txt
SUMインストーラの随所でレポートの作成を行う事が可能です。インストール中、もしくはインストール後に再度 SUMを起動して html, xml形式でのレポート入手も可能です。
RPMパッケージの導入結果は /var/log/messagesにも記録されます。但し、全てのパッケージが記録される訳ではありませんので実際のパッケージ状況については #rpm -qa --last等での確認を行ってください。
rpmパッケージ毎の同梱一覧
RHEL6 2011.06.0差分 | |
---|---|
○ | hpsmh |
○ | hp-health |
○ | hp-ams |
- | hp-ilo |
- | hp-OpenIPMI |
○ | hp-snmp-agents |
○ | hp-smh-templates |
○ | cpqacuxe |
○ | hpacucli |
○ | hpdiags |
○ | hpvca |
○ | hponcfg |
- | hpmouse |
○ | fibreutils |
○ | hp-fc-enablement |
○(u1/u2/u3) | hpsa |
○(u1/u2/u3) | cciss |
○(u1/u2/u3) | hpvsa |
○(u1/u2/u3) | hpahcisr |
○(u1/u2/u3*) | mpt2sas |
○ | qla4xxx |
○ | tg3 |
○ | netxtreme2 |
2.2.1l | - bnx2 |
1.72.55 | - bnx2x |
2.5.11b | - cnic |
○ | netxtreme2-iscsi |
2.7.0.4l | - bnx2i |
○ | e1000 |
○ | e1000e |
○ | igb |
○ | ixgbe |
○ | nx_nic |
○ | hp-qlcnic |
○(u0/u1/u2/u3) | hp-mlnx-en |
○ | hp-be2net |
○ | hp-be2iscsi |
KMOD/override対応ドライバについて
本ソフトウェアに同梱されている RHEL6向けのドライバの多くが KMOD対応となっています。但し全てのドライバが errata kernelに追従できる訳ではありません。ドライバパッケージが KMODに対応し且つディストリビューション標準搭載(inbox)のドライバを KMOD対応ドライバへの linkで置き換えるための override設定(DUP:driver update program機能)迄されていて KMOD対応ドライバが errata kernelに追従する事となります。override設定が為されている KMODドライバは下記となります。
- hpsa
- cciss
- hpvsa
- hpahcisr
- mpt2sas
- mellanox-mlnx-en
本ソフトウェアの NICドライバは KMOD対応していますが override設定がされませんので、ビルドしたドライバが /lib/modules配下の利用したい kernelの extraディレクトリに導入されなければなりません。
README, Release Notes, ドライバ向け .txtファイルについて
ディストリビューション毎のパッケージのリリースノートについては、前述の [本バージョンでの主な変更点について]のファイルをご覧ください。下記はダウンロードサイトで提供される [Release Notes]タブと [Install Instructions]タブの内容と、内包される .txtです。
LDU時代に提供されていた様な SPP全般の READMEは提供されていません。
差分ファイル
本バージョンの SPPよりも新しい差分ファイルの入手は、下記の個別ページから入手してください。
- 現在差分ファイルはリリースされていません。
もしくは、米国のサポートマトリックス[英語]ページで、対象機種を選択後に、`Drivers`セクションで利用されるディストリビューションを選択し、対象となるソフトウェアがサポートされているかを必ず確認してからファイルを入手してください。
履歴:以前の記述を取り消しまたは修正いたしました。
Open Source & Linux
2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。