Linux技術情報
Service Pack for ProLiant - Custom ISO作成方法
Service Pack for ProLiant - Custom ISO作成方法
本書について
本書では Service Pack for ProLiant(SPP)を ProLiantに適用するための前手段として、ISOのファイルサイズを縮小した Custom ISOをダウンロードサイト上で作成する方法について説明します。
Smart Update Manager(SUM)を利用して、Custom ISOを作成する方法については本書では対象としておりません。
iLO5の仮想メディアを利用し、SPPからシステムを起動する場合には、本書の作業は必須ではありません。
USB接続の Blu-rayドライブを利用し、SPPからシステムを起動する場合には、本書の作業は必須ではありません。
Custom ISOについて
SPP 2020.09.0の Full版 ISOのファイルサイズは 9.4GBになりました。この容量は DVD-RW等の Dual-Layer(2層)メディアにも入りきらないサイズとなります。
SPP 2020.09.0の Full版 ISOの 9.4GBからシステムを起動する方法は下記となります。
× - Full版 ISOを DVD-ROMから起動
⇒ 〇 - Full版 ISOの内容を削減した Custom ISOを DVD-ROMから起動(本書の目的)
〇 - Full版 ISOを Blu-rayから起動
〇 - iLO5 Virtual Mediaから起動
〇 - USB-keyツールを利用して Full版 ISOを書き込んだ USB-key(32GB迄)から起動
〇 - PXEの利用
なお、Full版 ISOから不要なコンポーネントを削減する事で、SPPのデプロイ時間の短縮が見込めます
SPPの入手
SPP専用ページ www.hpe.com/jp/spp にアクセスし、[ダウンロード] をクリックします。
SPPの Generationとバージョンを選択します。
- 本例では `Gen10プロダクション` 向けを選択します。
- 本例では最新バージョンである `2020.09.0` を選択します。
HPE Passportアカウントが必要です。必要に応じて次の画面で作成してください。
`Gen9/Gen10` 共用版を選択すると HPE Passportに保証/サポートの紐づけ作業が必要になります。
Full ISO版はページ右下に linkがあります。
Supplement版は更にその下に linkがあります。
Custom ISOへの linkはページ右下にあります。
以降の作業はこの linkから行います。
Custom ISOの作成
SPP Full版 ISOの容量を削減し、書き込み可能な DVDの 2層(dual-layer)以下の容量にします。
SPP Full版 ISOで一番容量を占めているのは Firmwareです。Firmwareは Linux向け、Windows向け、VMware向けに同じものが 3種類同梱されています。
本例では対象とする OSを Linuxに限定して作成します。Windowsもしくは VMwareを対象とする場合には、OSの選択を変更してください。
コンポーネントの確認を行います。内容は画面上の Contents list等で確認が可能です。
[+] をクリックします。
HotFixがリリースされている場合には、選択する事を強くお勧めします。
Supplementが必要となる OSのものであれば選択してください。本例では選択します。
Bundle Name, Version, Descriptionを記載してください。
`Bootable ISO(SUM included)`は必ず選択してください。
[Next: Select Filters] をクリックします。
対象環境を絞り込みます。本例では Criticality, Architecture, OSは下記を選択
- Criticality = 全て選択
- Architecture = x64のみ
- OS = RHEL7, 8, SLES12, 15のみ
Linux以外を OSとして選択する場合の注意点
OSの選択時に Linuxを 1ヶは必ず選択する必要があります。
OSの選択に Windowsだけ、もしくは VMwareだけしか選択しなかった場合、SPP ISOからシステムを起動しての Firmware Updateを行うと Inventory後に `No applicable component found` となります。追加には `RHEL8`をお勧めします。
SPP ISOからシステムを起動する際には、裏で Linuxが稼働しています。Linuxが稼働している状態で Firmwareをデプロイするのに利用する Firmwareコンポーネントの形式は RPMとなります。
本例では Component Categories = 全て選択(Application, Drivers, Firmware, Utility)します。
`include server components` のチェックで全選択となります。
本例では全て(Apollo, ProLiant BL/DL/ML/XL, Other)のサーバを選択します。
本例では、Infrastructure Componentsは、全て選択します。
`include infrastructure components` のチェックで全選択となります。
Preview Componentsがポップアップします。
[Submit Build]をクリックします。
ビルドが開始されます。本例では 10分前後掛かります。
[View Detail] をクリックします
[Download] をクリックします。
補足
SPP Full版 ISOには、SPPの ISOイメージを USBメモリ(USB-key)に書込むツール USB Key Utilityが同梱されています。
- Windows/64bit用ユーティリテイ - 32GB迄の USBメモリにのみ対応
- Intelligent Provisioning(IP)の ISOイメージの書込みにも対応(UEFIモードのみ対応)
- SPPもしくは IPの ISOイメージは Windows上でマウントし利用します
注) 書込み方法は `Create a bootable USB key from CD/DVD`(default)を選択してください。これは UEFI対応を行った SPP 2014.02.0以降、IP v1.60以降では `Add an additional CD/DVD to bootable USB key option` には対応していないためです。
DVDドライブは 2層メディアを読めるとは限りません。DVD系書き込み可能メディアの 2層(dual-layer)タイプは、全てのドライブで読める訳ではありません。例えば、DVD-R, DVD+Rは 2層メディアに対応していても、DVD-RWだけ 2層メディアに対応していないドライブがあります。
Blu-rayドライブは容量に余裕があります。Blu-rayメディアは一番容量の小さいものでも 25GB迄書き込む事が可能ですので、SPPの Full版 ISOの書き込みに最適です。