Linux技術情報
実験工房: 今、そこにある機器... USB-COM変換ケーブル BSUSRC0605BS
USB-COM変換ケーブル BSUSRC0605BS
サードパーティ製品の動作結果を公開します。この動作結果は、弊社製品のデバイス周り、ディストリビューションのモジュール・ドライバ等の動作検証時に用いた結果をもとにしています。但し、これらの製品が本ページに記載されている方法で動作することを HPEは一切保証いたしません。
これらの動作結果報告は、弊社製品のデバイス周り、ディストリビューションのモジュール・ドライバ等の動作検証時に用いた結果をもとにしています。
動作確認したシステム
- ProLiant DL360p Gen8 + CentOS 5.6(コンソール側)
- ProLiant DL360p Gen8 + Red Hat Enterprise Linux 6.4(出力側)
製品について
vendor: | Buffalo |
---|---|
product: | |
OS: | Windows系のみ |
bought: | JUN-2013 |
price: | 5,145円 |
etc.: | USB 1.1/2.0, D-SUB 9pin(オス) |
Linuxでの利用について
本製品は、Linuxへの対応を表明していないが、内蔵するコントローラは一般的な FTDI社製のもののため、特に問題なく /dev/ttyUSB0として自動認識される。
本製品自体の baudレートの設定等は特に不要であくまで変換器としての役割であるため各種設定は全て Linux側と、ハードウェア(ProLiantの RBSU/BIOS)側とで行う。
デバイスの認識状況について
kernel: usb 4-1: new full speed USB device using uhci_hcd and address 3
kernel: usb 4-1: configuration #1 chosen from 1 choice
kernel: usbcore: registered new driver usbserial
kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for generic
kernel: usbcore: registered new driver usbserial_generic
kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial Driver core
kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for FTDI USB Serial Device
kernel: ftdi_sio 4-1:1.0: FTDI USB Serial Device converter detected
kernel: drivers/usb/serial/ftdi_sio.c: Detected FT232BM
kernel: usb 4-1: FTDI USB Serial Device converter now attached to ttyUSB0
kernel: usbcore: registered new driver ftdi_sio
kernel: drivers/usb/serial/ftdi_sio.c: v1.4.3:USB FTDI Serial Converters Driver
出力側の設定について
出力側の ProLiantは通常の COM1として出力するため /dev/ttyS0用の一般的な設定となる(RHEL6での設定例)。
RBSUでのハードウェア設定
- Virtual Serial Port ---> COM2(IRQ3,2F8h-2FFh)
- BIOS Serial Console Port ---> Auto
- BIOS Serial Console Baud Rate ---> 115200
- BIOS Interface Mode ---> Auto
RBSUのテキストメニューは Autoのままでは切り替わらないので必要に応じて CLIモードに変更してください。
/boot/grub/grub.conf
- timeout=値が 0でない事を確認する
- splashimage=をコメントアウトする
- Grubメニューを表示させるために hiddenmenuの次に下記を追記する…
serial --unit=0 --speed=115200 --word=8 --parity=no --stop=1
terminal --timeout=5 serial console - kernel行から rhgbと quietを削除する
- kernel行の最期に下記を追記する…
console=tty0 console=ttyS0,115200n8r
/etc/init/serial.conf
- #stop on runlevel行のコメントを解除する
- #start on runlevel行のコメントを解除する
- #respawn行のコメントを解除する
- #exec agetty行のコメントを解除する
/etc/securetty
- rootでログインする場合には ttyS0を追記する
コンソール側の設定について
コンソール側の ProLiantは本機を装着した時点で /dev/ttyUSB0として認識されるため設定は不要。
Linux上でシリアルコンソールを使うために minicom(RHELの DVDメディアに同梱)を導入する。初回起動は #minicom -sでメニューを表示し、シリアルポートとして /dev/ttyUSB0、Baud Rateとして 115200を設定する。また、モデムの初期化コマンドとモデムのリセットコマンドの文字列を共に削除する。`dflに保存`を選択してから終了する。次回以降は #minicomで接続が可能。メニューは [Ctrl]+[A]+[O]でも表示する事が可能。minicom自体の終了は [Ctrl]+[A]+[Q]となる。
出力例
本製品の USB側からの出力について
ProLiant DL320e Gen8 v2には物理的な COMポートが存在しない。この場合には、前述の出力側とコンソール側を逆にして利用する方法も考えられる。この接続形態の場合には、RBSU/BIOSの支援がないので POST時の出力は無理である。下記の設定は serial consoleでログインさえ出来ればいいと云う目的のための設定となる。
#vi /etc/init/serial-usb.conf
start on stopped rc RUNLEVEL=[2345]
stop on starting runlevel [016]
respawn
exec /sbin/agetty /dev/ttyUSB0 115200 vt100
ちなみに、下記の手順で ftdi_sio.koと usbserial.koを initramfsから早めに強制ロード(本製品の接続如何に関わらず)させても、agettyが起動し loginプロンプトが表示される段階でしか minicomには表示が行われなかった。
#vi /etc/dracut.conf で #add_drivers+=のコメントを外し、ftdi_sio usbserialを記載
#dracut hoge.img で initramfsを作成
#lsinitrd hoge.img |grep -e ftdi_sio -e usbserial で組み込まれた事を確認
#vi /boog/grub/gurb.conf で hoge.imgを指定し、且つ rdloaddriver=ftdi_ski rdloaddriver=usbserialを指定
備考
昨今のノートPCにはシリアルコネクタが装備されていないため、ルータや サイト外リンクiPDUの初期設定時等に地味に重宝する製品である。
本製品は PCとモデムやルータ等の周辺機器との接続を念頭に置いているためストレート接続仕様である。このため PC同士を接続するためにはクロス接続へ変換が必要となる。また、本機は D-SUBコネクタがオスのためこの変換も必要となる。シリアルコンソール用途で両方の問題を同時に満たすには既存の RS-232Cのクロスケーブルを延長する形で利用するのが簡単である。
本製品の RS-232C側コネクタには赤色 LEDが内蔵されており、データ転送時に点滅するため接続確認を行う際に便利である。
本ドライバは RHEL5の #make menuconfigで確認したところ EXPERIMENTAL扱いだったが RHEL6では EXPERIMENTALの記載が外れている。
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2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。