Linux技術情報

ドライバ、管理ツール、ファームウェア管理方法

本書について

 ProLiantに Linuxをインストールした後に必要となる作業にドライバ、管理ツール、ファームウェアの更新があります。本書では最も一般的且つシンプルな方法で Service Pack for ProLiant(SPP)内包のドライバ、管理ツール、ファームウェアの適用と更新を行う手順の解説を行います。

インストール前 - SPP ISOの入手と Custom ISO化

 SPPの ISOファイルは DVD-RW等の dual-layerの容量を超えている場合があります。その際には SPP ISOの容量を縮小する Custom ISO化が必要となります。この作業は Blu-rayメディアを利用する場合や、iLO5の仮想メディアを利用する場合、PXE起動する場合には不要となります。以降、本書ではこの SPPの ISOイメージを利用しての作業となります。

 SPPの Custom ISO化と SPPの入手についての詳細はこちらから。

インストール前 - ファームウェア更新について

 Linuxをインストールする前にファームウェアの更新を行う事を推奨します。インストール後でもファームウェアのアップデートは可能ですが、インストール前に行う事によりインストール時の安定性が向上する事があります。

 Linuxをインストールした後に SPP ISOをマウントし、ISO:/launch_sum.sh を実行する事で SUMインストーラが起動します。この状態での SPPの利用を `オンライン` モードと呼びます。本モードではファームウェア以外にドライバと管理ツールの適用が可能です。本モードは OSに依存したものとなりますので SPPのバージョンに対応した OSのバージョンを予め確認しておく必要があります。

 SUMが起動した後にはアップデートモードの選択を促すメインメニューが表示されます。ここでは `ローカルホストガイドアップデート` を選択し SPP ISOに同梱されたパッケージだけを利用する方法を選択します。適用可能なファームウェア、ドライバ、管理ツールの一覧が表示されますので必要なコンポーネントを選択して適用を行います。

 ファームウェアのアップデート方法は、SPP ISOからシステムを起動して Automaticモードでの更新をお勧めします。詳細はこちらから。

インストール時 - ドライバ適用について

 通常の利用では HPE提供のドライバを適用してインストールを行う必要は必ずしもありません。本書では扱いませんが、HPE提供のドライバを適用してインストールを行わなければならない例外として下記のケースがあります。

  • ハードウェアに対応していない古めのディストリビューションをインストールする場合

 本ケースは、特に最新のハードウェアがリリースされた直後の状態で発生します。ディストリビューション内蔵ドライバもしくは kernelがまだハードウェアに対応していないために必要となる作業です。HPEが提供する DUD形式ドライバをインストーラに読み込ませたり、SUSE社が提供する kISOと呼ばれる最新ドライバを内包したインストーラを利用する必要があります。

  • ネットワークブートもしくは SANブート等を行うのにディストリビューション内蔵(inbox)ドライバでは対応できない場合

 本ケースは inboxドライバにインストール時に必要となるパラメータ等が実装されていない等の場合に発生します。この場合、HPEが提供する DUD形式ドライバをインストーラに読み込ませる事で対応できる事があります。

 インストール時にドライバを導入する方法については、ディストリビューションのユーザガイドと HPE提供ドライバの Release Notesを参照してください。

インストール後 - ファームウェアの更新

 SPPの ISOファイルからシステムを起動します。SPPからシステムを起動する事を SPPの `オフライン` モードと呼びます。本モードではファームウェアの適用のみが可能です。本モードは OSに依存しませんので、古いディストリビューションや FreeBSD等の環境でも利用可能です。起動直後には、自動型(Automatic)と対話型(Interactive)の選択メニューが表示されます。

 自動型(Automatic)では SPPに内包された Smart Update Manager(SUM)がデバイスの自動認識、ファームウェアの自動適用を行いますのでユーザは何も作業指示をせずともファームウェアが最新の状態となります。選択メニューで何も選択しない場合には、自動型(Automatic)で起動が続行されます。

 対話型(Interactive)は SUM上でファームウェアの更新作業を都度確認しながら行う方法です。インストール後のログを参照する事が可能です。ファームウェアの適用やバージョン等を都度確認しながら行いたい場合、ファームウェアの適用が失敗した際等に有用なモードです。また、一部のデバイスのみファームウェアのアップデートを行いたくない場合やダウングレードを行いたい場合には対話型(Interactive)を利用する必要があります。

 ファームウェアの適用方法は、SPP ISOからシステムを起動して Interactiveモードでの導入をお勧めします。詳細はこちらから。

インストール後 - ドライバ適用について

 通常の利用では HPE提供のドライバが必ずしも必要でない事は前述の通りです。但し、外部ストレージの接続要件に特定の HPE提供ドライや特定のファームウェアバージョンが指定されている場合には、HPE提供ドライバもしくはファームウェア、またはその両方の適用が必要となる場合があります。この場合には指定されたドライバとファームウェアをインストール後に適用します。

 ドライバはインストール時に適用する DUD形式とインストール後に適用する RPM形式の 2種類で提供されています。

  • DUD形式での提供はインストールが行えない特殊な状況のために提供されているため、殆どの場合には RPM形式を用いたインストール後の適用を行う事となります。DUDイメージを USB-key上に展開する方法、または iLOの仮想メディア(要: Advancedライセンス)から展開する方法等があります。
  • RPM形式ドライバの導入には通常の Linuxコマンドである #rpm等でインストールしても構いませんが、Linux上で SPP ISOをマウントして SUMを起動して行う方法が簡単です。

 ドライバの適用方法は、SPP ISOからシステムを起動して Interactiveモードでの導入をお勧めします。詳細はこちらから。

インストール後 - 管理ツールの適用について

 通常の利用では ProLiantに標準搭載されている iLO5がデバイスのヘルス状態を監視しています。管理ツールの導入は必須ではありませんが、障害対応する場合に OS上でのデータを iLO5に送信するための amsd(agentless management service)を導入する事をお勧めします。

 Linuxを稼働させたままの状態で RAID構成の変更を行う場合には管理ツールの導入が必要となります。SmartArray/SR系 RAIDコントローラの場合には Smart Storage Administrator(SSA: GUI版)、SSA-CLI(CLI版)が、MegaRAID/MR系 RAIDコントローラの場合には MRStorageAdministrator(GUI版), storcli(CLI版)が SPP ISOに同梱されています。これらの導入には後述する Linux上で SPP ISOをマウントして SUMを起動する事で行います。NS204系の場合にはインストール後に設定する必要はありませんので管理ツールの導入は不要です。
 
 管理ツールの適用方法は、SPP ISOからシステムを起動して Interactiveモードでの導入をお勧めします。詳細はこちらから。
 
 なお、iLO5をリモートから管理するツールとして hponcfgが SPP ISOには同梱されておりますが、本ソフトウェアの後継製品としてリモートから対話的な操作も可能で柔軟な利用もできる ilorestが別途 HPEダウンロードサイトより提供されております。詳細はこちらから。

インストール後 - SPP内包以外のドライバ、管理ツール、ファームウェアについて

 SPPの Full版と呼ばれる ISO形式でのリリースは通常、半年に一度リリースされます。2022年 3月にリリースされた SPPは 2022.03.00であり、その半年後には 2022.09.01.00がリリースされています。SPPがリリースされて次のバージョンが出る半年の間にも最新のドライバ、管理ツール、ファームウェアがリリースされる事があります。解決しない不具合がある場合、またシステムの安定稼働を行うためにも最新のドライバ、管理ツール、ファームウェアの適用を行う事を 推奨します。これら最新モジュールは、HPEサポートセンターから入手可能です。

 それぞれのコンポーネントは対象のデバイスとその提供するパッケージ形式により適用方法が異なります。詳細は添付の README等を参照してください。

インストール後 - 高度な管理方法 SDRの利用

 SPPの提供方法は ISO以外にもインターネット上に SDR(software deliery repository)レポジトリとしても提供しています。yumや zipperへ登録を行う事でこれらのコマンドから HPEが提供するドライバ、管理ツール、ファームウェアの導入が可能です。また、SDRレポジトリは rsyncを利用する事で自社内サーバにコンポーネントを蓄積させる事が可能です。これによりドライバ、管理ツール、ファームウェアの導入と更新を社内 http/httpsサーバへ接続するだけで行う事が可能になります。詳細はこちらから。

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