Linux技術情報
ProLiant RL300 Gen11
ProLiant RL300 Gen11
本ページに記載してある内容は限られた評価環境に於ける検証結果に基づいたものです。本ページの情報を利用する前に予め技術情報、ディストリビュータが提供する WEBサイト等をご覧ください。
購入前 - 動作確認済みディストリビューションと、制限について
対応しているディストリビューションについては OS対応表をご覧ください。HPEが直接サポートするのは OSを OEMしている、Red Hat Enterprise Linuxと SUSE Linux Enterprise Serverのみです。これら以外は HPEが直接 OSのサポートは行いません。但し、SUSEは本機では現時点でサポート対象ではありません。また、これら 2つのディストリビューション以外は HPEが直接動作確認をしていない場合もあります。
BTO/CTOモデル共に、当初動作確認を行っていない CPU, NIC, HBA等の構成が採用されており、別途追加の制限が課されている場合がありますのでご注意ください。
Rokcy Linux, AlmaLinux, Oracle Linuxの Enterprise kernelのマイナーバージョンは互換となる Red Hat Enterprise Linuxと同等のマイナーバージョン以上の利用をミニマム kernelとして推奨します。
購入前 - 本機のデバイス詳細情報
本製品のデバイス毎の詳細情報は下記になります。BTO/CTOモデル共に通常とは異なる CPU, NIC, HBA等の構成が採用されている場合があります。製品の OSに特化しない部分の詳細は≫ProLiant製品情報をご覧ください。
ProLiant RL300 Gen11 | |
プロセッサ | Ampere社 Altraもしくは Altara Max ARMv8.2+ベース |
光学ドライブ | 搭載不可 iLO6仮想メディア、もしくは USB経由 |
NIC | 標準搭載なし |
ビデオ | 1920x1200/32bit - Matrox G200eH3(オンボード)*1 |
HBA | 標準搭載なし |
SDカード | microSF(内部 x1) |
ストレージベイ | ホットプラグ対応(NVMe専用) M.2/NVMe Enablement搭載可 |
USB | EHCI, xHCI準拠 |
ファームウェア | UEFI Class3(UEFIモード専用) |
KBD/MOUSE | USB接続のみ |
COMポート | 別途増設キット必要 |
TPM | TPM 2.0標準搭載 |
BMC/iLO | Integrated Lights-Out 6(オンボード) Advanced License標準搭載 dedicated-portモード専用 |
*1 全てのビデオ解像度が利用できるとは限りません
購入前 - 本機特有の制限について
本機が搭載する CPUは Ampere社 Altra, Altra Maxであり、aarch64(ARM64)となります。他の ProLiantが搭載する Intel社の EM64T, AMD社の AMD64の x86_64とは異なります。主な制限は下記となります。
- Intelligent Provisioning(IP)
- Service Pack for ProLiant(SPP), Management Component Pack(MCP)
- OneView, Smart Update Manager(SUM), Smart Update Tool(SUT)
- Infosight for Servers, iLO Amplifier Pack
- PLDMファームウェアアップデート
- Dynamic Power Capping, Power Regulator
- Workload Profiles, Workload Advisor
詳細は ≫iLO6 User Guideの `Unsupported feature` を参照してください。
購入前 - 追加可能なオプションと制限について
本機がサポートするストレージは NVMe/SSDのみです。RAID HBA、Fibre Channel HBAはサポートしていません。
本機がサポートする NICは Ethernet専用であり Infiniband兼用ではありません。CNA NICはサポートしていません。
本機では GPUはサポートしていません。
本機がサポートするオプションの詳細は≫QuickSpecsに掲載されています。
購入前 - iLO6の制限について
本機に於ける iLO6の制限は下記となります。
- iLO6用 Advanced Licenseは標準搭載されています。
- iLO6のネットワーク接続は dedicated-portモード専用です。shared-portモードは利用できません。
- iLO6の上位セキュリティモード FIPS, CNSAはサポートされません。
- iLO6の Federation機能はサポートされません。
- IPMIの in-band I/Fである ipmi_ssif.koは現時点ではサポートされません。iLO6内蔵 NICをサポートします。なお、IPMIでの lanplus でのリモートアクセスはサポートします。
- IPMIの Serial Over LANコンソールはサポートされません。iLO6 Virtual Serial Port(VSP)をサポートします。
iLO6の制限の詳細は≫iLO6 User Guideを参照してください。
OS導入前 - ハードウェアセットアップについて(起動モード選択)
本機は UEFI Class3機です。Class2で提供されていた CSM(compatibility support module)による Legacy(BIOS)モードはサポートしていません。
OS導入時 - Linuxインストール方法
- Red Hat Enterprise Linux 8.6の場合
- System ROM v1.10で動作確認が行われました。Red Hat社による HCLは≫こちらから。
- インストール時には、起動パラメータの付与は必要ありません。インストールメディア ISOからシステムを起動し、インストールを行ってください。
- kernel 4.18.0-372.32.1未満には hpilo.koドライバが搭載されていません。hpilo.koがロードされていない場合、amsdの導入は行えません。また、ilorestでのローカルログインは行えません。当該 kernel以降にアップデートできない場合、RLCPで提供されている hpilo-1.5-el8u6.aarch64.rpm を適用してください。インストールメディアに RHEL8.7を利用した場合には、本作業は不要です。
- Ubuntu 22.04の場合
- System ROM v1.10で動作確認が行われました。Canonical社による HCLは≫Altra, ≫Altra Maxから。
- インストール時には、起動パラメータとして `initcall_blacklist=sysfb_init` を引き渡す必要があります。本パラメータを引き渡さない場合、この後の画面は真っ黒のままとなります。
- インストールの最終段階でインストーラは ISOメディアをイジェクトできない事があります。また手動でイジェクトした場合でもインストーラはイジェクトした事を認識しません。[Reboot Now] を選択した後、数分して NVMe/SSDへの書込みがない事を確認してから電源ボタンを長押しする等して強制再起動を行ってください。
- インストール後の初回起動時にも `initcall_blacklist=sysfb_init` を引き渡して起動します。
- システム起動後には /etc/default/grubにも `initcall_blacklist=sysfb_init` を記載し、#update-grub を実行し、本パラメータが永続させます。
- NICポートの全てをケーブル接続していない場合、インストール後のネットワークの起動に 3分程度余計に時間が掛かります。/etc/netplan/00-installer-config.yaml で利用していないポートを falseにし #netplan applyを行う事で時間が短縮できる場合があります。確実に起動時間を短くするには全てのポートを結線するか、loopbackコネクタを装着する事となります。
- MAAS経由でインストールを行う場合、電源制御は IPMIではなく Redfish経由で行う必要があります。詳細は≫a00128831をご覧ください。
- Ubuntu 20.04.5の場合
- System ROM v1.20(HPE社内ではv1.30)で動作確認が行われました。HCLの対象製品は Altra Maxのみです。Canonical社による HCLは≫こちらから。
- インストール時には、起動パラメータの付与は必要ありません。インストールメディア ISOからシステムを起動し、インストールを行ってください。
- インストールの最終段階でインストーラは ISOメディアをイジェクトできない事があります。また手動でイジェクトした場合でもインストーラはイジェクトした事を認識しません。[Reboot Now] を選択した後、数分して NVMe/SSDへの書込みがない事を確認してから電源ボタンを長押しする等して強制再起動を行ってください。
- NICポートの全てをケーブル接続していない場合、インストール後のネットワークの起動に 3分程度余計に時間が掛かります。/etc/netplan/00-installer-config.yaml で利用していないポートを falseにし #netplan applyを行う事で時間が短縮できる場合があります。確実に起動時間を短くするには全てのポートを結線するか、loopbackコネクタを装着する事となります。
- MAAS経由でインストールを行う場合、電源制御は IPMIではなく Redfish経由で行う必要があります。詳細は≫a00128831をご覧ください。
- Oracle Linux 8.7/UEK7の場合
- System ROM v1.30で動作確認が行われました。Oracle社による HCLは≫こちらから。
- インストール時には、起動パラメータの付与は必要ありません。インストールメディア ISOからシステムを起動し、インストールを行ってください。
- インストーラの最終段階で #efibootmgrの設定に失敗し `ブートローダーのインストール中に以下のエラーが発生しました。システムを起動できません。これを省略してインストールを続行しますか?` に対して `Y` を選択し、インストール終了後の POSTで [F9] を押し、System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ Boot Options ⇒ UEFI Boot Settings ⇒ Add Boot Option で /bootを配置したデバイスを選択し、/EFI/redhat/shimaa64.efi を選択して Bootエントリを作成してください。作成した Bootエントリを Boot Option ⇒ UEFI Boot Settings ⇒ UEFI Boot Order で選択し [+] キーで先頭に移動させてください。
- ディストリビューション共通
- インストール時にローカルコンソールもしくは iLO6の html5仮想コンソール等以外にも、iLO6の VSP(virtual serial port)機能を利用してインストールを行う事も可能です。この方法は、物理的なシリアルポート経由での CLIインストールの通信部分を iLO6が仮想化して提供をします。sshターミナルから iLO6の IPアドレスに接続し、`vsp` と入力する事で sshを通したシリアル通信が行われます。
OS導入後 - SPP, MCPについて
本機に対しては Service Pack for ProLiant(SPP), Management Component Pack(MCP)は提供されていません。代わりに Software Delivery Repository(SDR)上で RL Component Pack(RLCP)を提供しています。
RLCPで提供しているファームウェアの内、NICと NVMe/SSDは Linux上からのオンラインインストールで行う形態で、提供形式は RPMと DEBです。
NICと NVMe/SSD以外の System ROM, iLO6, UBMファームウェアは FWPKG形式であり、iLO6 Web I/F上や ilorestから直接アップデートが可能です。
上記の例外として下記の事項が存在します。
- Red Hat Enterprise Linux 8.6の kernel 4.18.0-372.32.1未満向けに iLO6用ドライバ hpilo.ko(hpilo-1.5-el8u6.aarch64.rpm)を提供しています。
- 一部のファームウェアは RLCPではなく通常のダウンロードサイトから提供している場合があります。
RLCPへのアクセスは≫こちらから。
[2023-JUL-31] ilorestの最新版は RLCPではなくダウンロードサイトでのみ提供されています。
[2023-SEP-07] RLCPのファームウェアアクセス時に必要だった Access Tokenは現在不要となりました。
運用時 - ハードウェア障害監視用エージェント等について
RLCP上で amsdを提供しています。amsdを導入する事で下記の利用が可能となります。
- M.2/NVMeステータスの取得が可能(Bay/NVMeは amsd不要)
- NIC上での論理インターフェースステータスの取得が可能(物理インターフェースは amsd不要)
- OS上から採取可能なデータを iLO6に送り込み AHSログへの記録が可能
運用時 - System ROM v1.20とそれ以降のバージョンについて
System ROM v1.10, v1.12迄は POST時に [F9]で起動する System Utilityは CLIベースでした。System ROM v1.20からは GUIベースに変更されました。System ROM v1.20では下記の問題が修正されています。
- 起動時間の短縮
- POST後の [F9]での画面を GUI化しマウスの利用を可能に
- System Utilityの反応速度向上
- Embedded Applicationでの Firmware Update
- CLIで一部メニューが画面上で残ってしまう問題
ファームウェアのアップデートは先ず System ROMを v1.20にアップデートした後で、iLO6ファームウェアを v1.35にあげてください。逆順でアップデートを行うとシステムが起動しなくなります。詳細は≫a00131594をご覧ください。
System ROMのアップデート時には本機の電源を落とした状態で行ってください。これは iLO6 Web I/F上からの DirectFlash時と #ilorest経由で行う時の両方法で必要となります。
System ROM v1.20とそれ以降のバージョンの入手は前述の RLCPへアクセスしてください。
運用時 - iLO6ファームウェアについて
iLO6ファームウェア v1.05は RL300 Gen11専用の iLO6バイナリです。iLO6ファームウェア v1.35より、Intel, AMDプロセッサを搭載した ProLiantと共通バイナリとなりました。
ファームウェアのアップデートは先ず System ROMを v1.20にアップデートした後で、iLO6ファームウェアを v1.35にあげてください。逆順でアップデートを行うとシステムが起動しなくなります。詳細は≫a00131594をご覧ください。
iLO6ファームウェア v1.35とそれ以降のバージョンの入手は前述の RLCPへアクセスしてください。
運用時 - その他のファームウェアについて
NVMe/Bayファームウェア、NVMe/M.2ファームウェア、NIC用ファームウェアのアップデートは Linux上から RPM形式もしくは DEB形式パッケージのファームウェアをインストールし /usr/lib/aarch64-linux/gnu配下の hpsetup.shを起動して行います。
UBM4用ファームウェアのアップデートは ilorestから行います、その際に RL300の電源を落とした状態で行う必要があります。
運用時 - IPMI SSIFについて
本機は現時点で IPMIの in-band I/Fである ipmi_ssif.koを正式サポートしていません。SSIF経由でのアクセスを行うと本機、もしくは iLO6が停止する事があります。予め blacklist等でロードの抑制を行う事を推奨します。
現時点に於いては、iLO6の Virtual NICを利用してください。詳細は≫a00129148をご覧ください。なお、-I lanplus でのリモートアクセス時には本事象は発生しません。
運用時 - 障害時の診断ツールについて
本機には Insight Diagnosticsおよび Hardware Validation Tool(HVT)は搭載されていません。iLO6 Web I/Fもしくは System Utility配下の Embedded Applicationの System Healthでデバイスステータスを確認してください。
運用時 - HPE通報サービスについて
本機は Insight Remote Support(IRS)≫v7.12経由での通報サービスに対応しています。
将来的に InfoSight for Serversではなく、GreenLake for Compute Ops Management(COM)で対応する予定もあります。
運用時 - AHSについて
本機は Active Health System(AHS)ログ機能を搭載しています。障害対応時に詳細なテレメトリー情報が利用可能です。
運用時 - リモート管理用コントローラについて
ProLiant Gen11シリーズに搭載されている iLO6は、ヘッドレス運用、リモートコントロール運用を可能とするために、ネットワーク経由で、キーボード、マウス、ビデオ、DVDのハードウェアベースでのコントロール・エミューレーションが可能です。
iLO6経由でのコントロールは WWWブラウザ経由、SMASH CLP経由、IPMITOOL等の汎用ツールや、iPhone, Androidから行う事が可能です。
iLO6でのヘッドレス運用、リモートコントロール運用のための機能は OSに依存しません(但し、一部デバイスは USBデバイスとして OS側対応状況に依存します)ので FreeOSを利用する際にも利用可能です。
≫RLシリーズとは何なのか?
≫ARMを利用するメリットは?
≫RL300 Gen11の Ampere社 Altra/Maxとは?
≫起動モードは UEFIだけなのか?
≫RL300 Gen11でサポートされるオプションは?
≫RL300 Gen11の空冷ファンの仕様は?
≫RL300 Gen11で RAIDは組めないのか?
≫RL300 Gen11の iLO6の Advancedライセンスは通常のものと同じか?
≫iLO6のファームウェアは通常のものと同じか?
≫RL300 Gen11に SPPは提供されないのか?
≫ファームウェアの入手と適用方法は?
≫ファームウェアの FWPKGと BIN.SIGNEDの違いは?
≫RL300 Gen11での HPE管理ツールの制限は?
≫RL300 Gen11での iLO6の制限は何か?
≫RL300 Gen11で amsdはどういう機能を提供するのか?
≫RL300 Gen11での RBSUが遅いが?
≫RL300 Gen11に診断ツールはあるのか?
≫Bay/NVMeと M.2/NVMeのログ採取は可能か?
≫RL300 Gen11の NVMe/SSDの LEDは点滅しますか?
≫自動通報はできるのか?
≫KVMはサポートされるのか?
≫Ubuntuがインストールできないが?
≫RL300 Gen11での Ubuntuの起動が遅いが?
≫RL300 Gen11に hpilo.koが存在しないが?
≫RHEL for x86から for ARMに変更可能か?
≫RHEL for ARMで HA, EUS, ELSは使えるのか?
≫RL300 Gen11で Ubuntu Serverで GUIを使いたいが?
≫for x86と for ARMのパッケージの違いは何か?
Open Source & Linux
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サイト情報
2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。