Linux技術情報
ProLiant MicroServer Gen10
ProLiant MicroServer Gen10
本ページに記載してある内容は限られた評価環境に於ける検証結果に基づいたものです。本ページの情報を利用する前に予め技術情報、ディストリビュータが提供する WEBサイト等をご覧ください。
購入前 - 本機のデバイス詳細情報
本製品のデバイス毎の詳細情報は下記になります。BTO/CTOモデル共に通常とは異なる CPU, NIC, HBA等の構成が採用されている場合があります。製品の OSに特化しない部分の詳細はProLiant製品情報をご覧ください。
ProLiant MicroServer Gen10 | |
チップセット | SoC(Opteron X3000シリーズに統合) |
NIC | 332i - 1Gb 2port(onboard BCM5720) |
ビデオ | SoC(Opteron X3000シリーズに統合) |
HBA | Marvell 88SE9230 6G SATA RAID(0,1,10) |
SDカード | なし |
ストレージベイ | ノンホットプラグ SATA |
USB | UHCI, EHCI, xHCI準拠 |
ファームウェア | UEFI, BIOS選択可能 |
KBD/MOUSE | USB接続のみ |
COMポート | なし |
BMC/iLO | なし |
UEFI, BIOSモードの選択について
本機の起動モードを UEFIもしくは BIOSに切り替える際には、POSTの [F2]で Aptio Setup Utilityを起動し Advanced ⇒ Boot Optionから変更を行います。この際 `UEFI with CSM module`が有効の場合には UEFIと BIOSの切り替えが行えなくなります。この部分は、他の ProLiant Gen10とは異なる設定方法となります。
iLO5/BMCについて
本機には iLO5, IPMI等の BMC(base management controller)は搭載していません。このためリモートからの管理は行えません。
デバイス毎の温度とボルテージは POST時に [F2]で起動する Aptio Setup Utility内の Advanced ⇒ Hardware Health Configuraitonから確認可能です。
SPP/MCPについて
本機に対して SPP(Service Pack for ProLiant)および MCP(Management Component Pack)は提供されていません。ダウンロードサイトから個別のコンポーネントを入手してください。
SmartArrayについて
SmartArrayのオプション搭載が可能です。但し、ストレージベイがノンホットプラグ仕様のため障害を起こした HDDの交換には再起動が必要となります。
Marvell 88SE9230について
本機はハードウェア RAIDである。必要となるドライバは一般の AHCIドライバを利用しその裏で RAIDとして稼働する。このため AHCIが利用できる OSであれば RAIDの利用も可能であるため、この点に関しては使い勝手が非常によいが、運用の面では SmartArrayとはかなり異なる部分が多いため注意が必要である。
OSをインストールする前に行う RAIDの構成は UEFIモードの場合には POSTで [F11]を押し、UEFI Shellを起動して `raid`を叩く事で `Marvell BIOS Setup`が起動する。Legacyモードの場合には POST時に [Ctrl]+[M]から Marvell BIOS Setupを起動する。
筐体前面の HDDランプは non-RAID時とRAID時では動作が異なる。non-RAID時には HDDアクセス時には点滅を行う一般的なものであるが、RAID時には通常アクセスに於いては点滅も点灯も行わずに、リビルド中に高速点滅、リビルドサスペンド時にゆっくり点滅するものである。これは Red Hat Enterprise Linux 7.6の場合であり、NetBSD R8.1の場合には RAID-1へのインストール時に高速点滅を行う。NetBSDと Linuxでの挙動の違いについては不明。NetBSDでは Linuxで云うところの ledmon/ledctlの様な特定のプロトコル操作をしている可能性があるとは思うが詳細は不明。
#smartctlでの S.M.A.R.T.情報取得は HPEが提供を行うファームウェアでは取得できない。#man smartctlでは Linux向けにのみ Marvell用のコマンドセットの記載があるが実際には動作しない(15年前に実装されたもので ATAPI時代のものだと思われる)。#smartctlのコマンドセットを satにし -T permissiveを付与すると HBAが S.M.A.R.T.を引き渡していない事が確認可能(#smartctl -d sat -a /dev/sda -T permissive -s on)。Windowsと Red Hat Enterprise Linux 7向けには MSU(Marvell Storage Utility)が提供されており本ツールを利用する事で S.M.A.R.T.の取得が可能となる。ちなみに MSUは GUIと CLIの両方でアクセスが可能である。
ちなみに、ダウンロードサイトでの MSUの対応 OSは ClearOSのみが記載されている。また、MarvellStorageUtilityユーザーガイドHPE MicroServer Gen10用(P00150-191発行:2017年9月版数:1)での MSU/GUI版へのアクセス方法の説明でも Gnome3の classic画面での説明であり、あきらかに Red Hat Enterprise Linux 7のものであると思われる。
一般的な ahci.koを利用しているので #dmesgにも HDDの障害情報は記録されない。HDD上の各種 LEDはストレージベイの奥側に配置されるため筐体前面から LEDを確認する事はできない。また、iLOも IPMIも積んでいない本機では BMC経由で RAIDのステータスを知る事ができない。これは *BSD系 OSは勿論、MSUが対応していない Debian/Ubuntuでも同様に RAIDのステータスを運用中に知る事ができない事を意味する。このため、MSUが利用できない OSでは定期的に POSTから Marvell BIOS Setupを起動して RAIDのステータスを確認する必要がある。
本機が SmartArrayと決定的に異なる点として、POSTから起動する Marvell BIOS Setupから抜けると RAIDのリビルドがサスペンドしてしまうと云う点がある。Marvell BIOS Setupで RAIDのリビルドを指示し、Marvell BIOS Setupを終了して OSを起動すると RAIDのリビルドは OS起動後にはサスペンドしている。これは MSUもしくは筐体前面の LEDで確認が可能である。
OS起動後に RAIDのリビルドを再開させるには、MSUから指示する必要がある。これは MSUが利用できない OSに於いては、RAIDのリビルドが終了する迄の間 Marvell BIOS Setupを抜けて OSの起動ができない事を意味する。
MSUの CLIツールから `event`を実行すると何故か 1度しか実行されないので、2回目の実行を行うには一旦 MSU/CLIを終了する必要がある。
SATAのコネクタ自体は GNDが先に入り、後から抜ける様になっているがストレージベイにホットプラグ用のバックプレーンコントローラが搭載されていないため HDDの hot-add/-removeはサポートされない。実際に行うと XFSがロックされた後に #umountされてしまい、#lsすら動作しなくなる。但し、Windowsはドライバが AHCIではないものを使うためなのか不明だが、技術的には hot-add/-removeができるらしいとの話もある(Windowsなので未確認)。
MSUが使えない OSの場合には、本機を使わずに SmartArrayをオプション搭載する方が運用面では遥かに楽であると云える。
Open Source & Linux
product
support
サイト情報
2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。