*BSD技術情報
OpenBSD R6.1インストール方法
OpenBSD R6.1インストール方法
本ページの内容は限られた評価環境における動作結果、動作させるための情報を報告しているだけであり *BSDの全ての動作を保証するものではありません。また、動作確認に関する情報等はあくまでも `動作確認`であり、動作の保証をするものではありません。特に記載の無い機能動作確認を行っていません。更に詳細な情報については、保証についてをお読みください。
想定システム
本インストール方法は下記のインストール条件を想定しています。システム構成、インストールオプションが異なる場合には、添付のドキュメント等を参照して、インストール中に適時必要な設定を行ってください。
ProLiant DL120 Gen9
BIOS P86 - v2.40(02/17/2017)
Intel E5-2650L v3 1.80GHz - 1P/12C/HT
Memory 16GB
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i - v1.61, 0x80000cd5, 1.1446.0
iLO4 v2.50
内蔵オプティカル - DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL160 Gen9
BIOS U20 - v2.40(02/17/2017)
Intel E5-2609 v3 1.90GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 32GB
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i - v1.61, 0x80000cd5, 1.1446.0
iLO4 v2.50
内蔵オプティカル DVDRAM GUB0N UK00
ProLiant DL360 Gen9
BIOS P89 - v2.40(02/17/2017)
Intel E5-2603 v3 1.60GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 64GB
SmartArray P440ar/2GB v5.04
331i - v17.4.41
iLO4 v2.50
内蔵オプティカル DVD RAM UJ8E2 SE03
動作確認は上記の構成で確認しています。異なる CPU (Xeon v4等)での動作確認は行っておりません。
本リリースが対象とする Bootモードと CPUアーキテクチャ
- ProLiantの動作モードは Legacy(BIOS)モードを利用しています。
- x86_64(amd64) kernelのみ確認しています。x86(i386) kernelで動作する可能性は高いと思われますが未確認です。
- 本書が利用するメディアは installNN.isoイメージです。
本 Releaseでの制限事項
- R5.6より X.org/twmが利用できなくなりました。
- SmartArray P440arで利用可能なのはデフォルトの RAIDモードのみで、HBAモードは OpenBSDでは利用できません。
- インストール時のパッケージ選択画面で `Directory does not contain SHA256.sig. Continue without verification?`が表示される場合があります。この場合には `y`を入力してください。詳細はOpenBSD FAQを参照してください。
ハードウェアのセットアップ
- ProLiantの本体とオプションデバイスのファーウェアは Service Pack for ProLiant(SPP) 2017.04.0の ISOイメージからシステムを起動し、一括してファームウェアの更新を自動で行う Automaticモードで更新しています。SPPの詳細については専用ページをご覧ください。
- 本機の電源制御は Custom/OS Controlで確認を行いました。それぞれの設定は RBSU(Power Management Options ⇒ Power Profile/Power Regulator)で行ってください。
- ProLiant Gen9の Dynamic SmartArray B140i用ドライバは OpenBSD向けに提供されていないため DL120 Gen9, DL160 Gen9のSATAコントローラは AHCIモードで利用する必要があります。設定は、RBSU(System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ System Options ⇒ SATA Controller Options ⇒ Embedded SATA Configuration)で行ってください。
- DVD-ROMメディアのイジェクトは内蔵 DVD、iLO4の仮想 DVD/ISOドライブの両方共に自動ではイジェクトされません。インストール終了後には手動でイジェクトしてください。
デバイスインストール方法
- インストーラの起動方法について
内蔵 DVDと iLO4の仮想 DVD/ISOドライブからインストール可能です。 - ディスクコントローラの設定
インストーラは SmartArray P440ar配下の論理ドライブ、AHCI配下のディスクを /dev/sdXとして認識します。 - Ethernetコントローラの設定
インストーラは Broadcom系 NICを bge0~として、Intel系 NICを em0~として認識します。
インストール後の確認と設定
- ネットワークの動作確認
#ifconfigでインターフェースを確認し、#ping等での疎通を確認してください。 - Xの動作確認
R5.6より X.org/twmが利用できなくなりました。 - メモリの設定
メモリの設定は特に必要ありません。メモリの認識状況の確認は #dmesg|grep memで行ってください。 - SMPの設定
CPUの設定は特に必要ありません。CPU数の認識状況の確認は #dmesg|grep processorで行ってください。 - ACPIについて
設定作業は必要ありません。#halt -p による電源断が可能です。 - 起動直後に採取した #dmesgは下記となりました。
DL120 Gen9, DL160 Gen9, DL360 Gen9, - インストール後の初回起動時のみ vmm(4)ドライバ用 SeaBIOSイメージである vmm-firmwareのインストールを試みますが、外部ネットワークとの接続に proxyが必要な場合、初回起動時には未設定のため 5分強程度起動が停止します。起動後、必要に応じて proxyを設定し導入してください。
#export http_proxy=http://hoge.com:8080
#fw_update -n
Missing: vmm-firmware
#fw_update
vmm-firmware-1.10.2p2: ok
Lights-Outの利用について
- インストール時に iLO4の仮想 DVD/ISOドライブを利用した場合、パッケージ選択時にデバイスが認識しない潜在的問題があります。詳細は `備考`をご覧ください。
- インストール後に iLO4の仮想 DVD/ISOドライブを利用した場合、デバイスを認識してもエラーが発生して利用できない潜在的問題があります。詳細は `備考`をご覧ください。
- 仮想コンソールを利用してインストールする際に、ProLiant Gen9では `IPv4 route`の入力前にキーボードチャタリングが発生したかの様に [Enter]が何度も勝手に押されたかの様な挙動が発生する場合がありますが、インストール後には本挙動は見受けられません。
- iLO4の仮想コンソール機能をテキストモードで利用した場合、キーボードリピートも問題なく動作しました。
- iLO4に ssh接続しての TEXTCONSはキーボードリピートも問題なく動作しました。
- iLO4の仮想フォルダ機能は未確認です。
備考
- インストール直後の初回起動時のみ vmm-firmwareを導入する旨は R6.0のリリースノートにも記載があったが当時は自動導入は行われなかった。また今回利用した ProLiantのファームウェアを利用して R6.0をインストールしても自動実行は行われず、#fw_update -nで確認したところ何もリストされなかった。repository(http://firmware.openbsd.org/firmware/6.x/)を確認したところ R6.0には存在しなかった vmm-firmwareが R6.1に追加されているのを確認した。以上から、初回起動時に実際にレポジトリを確認しにいくのではなく、ローカルのリストのみで確認し該当するものがあれば更新しにいく形態だと思われる。
- 仮想コンソール利用時に `IPv4 route`入力の前にキーボードチャタリングが発生するのは、DL120 Gen9のみで、R5.9時に発生していた DL160 Gen9は R6.0同様に発生しなかった。
- インストール時の最初に表示される bootメニュー直後に `cannot open cd0a:/etc/random.seed: No such file or directory`が表示される。R6.0では仮想 ISOからのインストール時にのみ表示されていたが、今回はローカル DVDからシステムを起動しても表示されているのが見受けられた。このメッセージは R5.9から発生しているもので、もともと起動デバイスの違いが原因ではなく(見過ごしの可能性高し)、本来 mkboot内で /mnt/etc/random.seedを #touchで作成してから、#dd if=/dev/random of=/mnt/etc/random.seed bs=512 count=1するものが、#touchされていない事が原因ではないかと思われる。
- #dmesgでは各種デバイスが not configuredとしてリストされる、R6.0に比べて違いは見当たらなかった。
- iLO4の仮想メディアが認識できない問題が潜在的に存在するが、OpenBSDのリリースが進むたびに発生する可能性が低減しており、今回は発生しなかった。問題が発生した場合には、再起動で回避する必要がある。OpenBSD側の USBスタックの改良によるのものなのか、iLO4ファームウェア、ProLiantシステムファームウェアの改良によるものなのかは不明。ちなみに、この現象は Linuxや FreeBSDでは見受けられない現象である。
*BSD
product
support
did you know?
*BSD トップ
2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。