*BSD技術情報
OpenBSD R5.8インストール方法
OpenBSD R5.8インストール方法
本ページの内容は限られた評価環境における動作結果、動作させるための情報を報告しているだけであり *BSDの全ての動作を保証するものではありません。また、動作確認に関する情報等はあくまでも `動作確認`であり、動作の保証をするものではありません。特に記載の無い機能動作確認を行っていません。更に詳細な情報については、保証についてをお読みください。
想定システム
本インストール方法は下記のインストール条件を想定しています。システム構成、インストールオプションが異なる場合には、添付のドキュメント等を参照して、インストール中に適時必要な設定を行ってください。
ProLiant DL120 Gen9
BIOS v1.50(07/20/2015)
Intel E5-2650L v3 1.80GHz - 1P/12C/HT
Memory 16GB
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i v1.1099.0
iLO4 v2.30
内蔵オプティカル - DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL160 Gen9
BIOS v1.50(07/20/2015)
Intel E5-2609 v3 1.90GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 32GB
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i v1.1099.0
iLO4 v2.30
内蔵オプティカル DVDRAM GUB0N UK00
ProLiant DL360 Gen9
BIOS P89 11/10/2015
Intel E5-2603 v3 1.60GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 64GB
P440ar/2Gb v3.00
iLO4 v2.30
内蔵オプティカル DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL360p Gen8
BIOS P71(07/01/2015)
Inetl Xeon E5-2650 2.00GHz - 2P/8C/HT
Memory 32GB
SmartArray P420i/2GB v6.68
331FLR - 5719-v1.42 NCSI v1.3.12
iLO4 v2.30
内蔵オプティカル DVD A UJ8A2
動作確認は上記の構成で確認しています。異なる CPU世代での動作確認は行っておりません。
本リリースが対象とする Bootモードと CPUアーキテクチャ
- ProLiantの動作モードは Legacy(BIOS)モードを利用しています。
- x86_64(amd64) kernelでのみ確認しています。x86(i386) kernelで動作する可能性は高いと思われますが未確認です。
- 本書が利用するメディアは installNN.isoイメージです。
本 Releaseでの制限事項
- R5.6より X.org/twmが利用できなくなりました。
- SmartArray P440arで利用可能なのはデフォルトの RAIDモードのみで、HBAモードは OpenBSDでは利用できません。
- ProLiant Gen9は、iLO4の仮想 DVD/ISOドライブからシステムをインストールした場合、cd setsのパス選択画面で内蔵 DVDの cd0しか認識しない場合がありました。またインストール後にも /dev/cd1Xとしてリストされますが #mount_cd9660は実行できない場合もありました。この現象は ProLiant Gen8では見受けられませんでした。再現確率等の詳細については備考をご覧ください。
- インストール時のパッケージ選択画面で `Directory does not contain SHA256.sig. Continue without verification?`が表示される場合があります。この場合には `y`を入力してください。詳細はOpenBSD FAQを参照してください。
ハードウェアのセットアップ
- ProLiantの本体とオプションデバイスのファーウェアは Service Pack for ProLiant(SPP) 2015.10.0の ISOイメージからシステムを起動し、一括してファームウェアの更新を自動で行う Automaticモードで更新しています。SPPの詳細については専用ページをご覧ください。
- 本機の電源制御は Custom/OS Controlで確認を行いました。それぞれの設定は RBSU(Power Management Options ⇒ Power Profile/Power Regulator)で行ってください。
- ProLiant Gen9の Dynamic SmartArray B140i用ドライバは OpenBSD向けに提供されていないため AHCIモードで利用する必要があります。設定は、RBSU(System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ System Options ⇒ SATA Controller Options ⇒ Embedded SATA Configuration)で行ってください。
- DVD-ROMメディアのイジェクトは内蔵 DVD、iLO4の仮想 DVD/ISOドライブ全てで自動ではイジェクトされません。インストール終了後には手動でイジェクトしてください。
デバイスインストール方法
- インストーラの起動方法について
ProLiant Gen8 - 内蔵 DVD-ROMドライブ、もしくは iLO4の仮想 DVD/ISOドライブから起動してのインストールが可能です。内蔵 DVD-ROMドライブが存在し且つ iLO4の仮想 DVD/ISOドライブを利用する場合のデバイスファイル名は cd0ではなく cd1を指定します。
ProLiant Gen9 - ProLiant Gen8とは異なり iLO4の仮想 DVD/ISOドライブからインストーラを起動する事は可能ですが、インストール途中でのパス指定で cd1がリストされない場合がある等安定稼働しません。仮想 DVD/ISOを再度マウントし直し且つ ProLiantを再起動しやり直してください。もしくは内蔵 DVDドライブからのインストールを行ってください。 - ディスクコントローラの設定
インストーラは SmartArray P420i, P440ar配下の RAID/HBA論理ドライブ、AHCI配下のディスクを /dev/sdXとして認識します。 - Ethernetコントローラの設定
インストーラは Broadcom系 NICを bge0~として、Intel系 NICを em0~として認識します。
インストール後の確認と設定
- ネットワークの動作確認
#ifconfigでインターフェースを確認し、#ping等での疎通を確認してください。
- Xの動作確認
R5.6より X.org/twmが利用できなくなりました。
- メモリの設定
メモリの設定は特に必要ありません。メモリの認識状況の確認は #dmesg|grep memで行ってください。 - SMPの設定
CPUの設定は特に必要ありません。CPU数の認識状況の確認は #dmesg|grep processorで行ってください。 - ACPIについて
設定作業は必要ありません。#halt -p による電源断が可能です。
Lights-Outの利用について
- 仮想コンソールを利用してインストールする際に、ProLiant Gen9の内 DL120, DL160だけは `IPv4 route`の入力前にキーボードチャタリングが発生したかの様に [Enter]が何度も勝手に押されたかの様な挙動が発生しますが、インストール後には本挙動は見受けられません。
- iLO4の仮想コンソール機能をテキストモードで利用した場合、キーボードリピートも問題なく動作しました。
- iLO4に ssh接続しての TEXTCONSはキーボードリピートも問題なく動作しました。
- ProLiant Gen8では iLO4の仮想 DVD/ISOドライブ機能の動作を確認しました。デバイスは /dev/cd1aとしてアサインされ #mount_cd9660での利用が可能でした。 ProLiant Gen9では /dev/cd1としてはアサインされていても、#mount_cd9660が行えなかったりする等安定稼働しません。
- iLO4の仮想フォルダ機能は未確認です。
備考
- ProLiant Gen9でのみ発生していた iLO4の仮想 DVD/ISOドライブが不安定な問題は引き続き発生している。再現頻度としては、ProLiant DL120 Gen9, DL160 Gen9, DL360p Gen8, DL360 Gen9で各 10回、合計 30回のインストールを行い、インストール時に /dev/cd1が認識されなかった事が R5.8では発生しなかった。インストール後に /dev/cd1は認識されていても `uhub0: device problem, disabling port 1`が記録され #mount_cd9660が実行できなかったのが DL120 Gen9, DL360 Gen9, DL360 Gen9でそれぞれ 3回, 2回, 1回で、DL360 Gen9以外は 1回の再マウントでデバイスを #mount_cd9660で利用が可能となった。DL360 Gen9では 2回目の再マウントでデバイスの利用が可能となった。以上より、R5.8で仮想 ISOドライブを利用する場合に失敗する事はあっても回数的に 2割未満の頻度である事、また回避可能である事から実運用では許容可能であると思われる。
- X.org/twmはR5.6から 動作しなくなった。2015年 1月 25日時点での R5.9βでもダメだった。R5.5の xorg.confを利用してもダメだった。FreeBSD R10.xの UEFI環境の様に mgaドライバの追加が必要かと思ったが、レポジトリでは提供されていなかった。FreeBSD R10.xの UEFI環境の様に mgaドライバの追加が必要かと思ったが、レポジトリでは提供されていなかった。
- #dmesgに下記の 2行が記録されている。iLO3の記載があるが両機が搭載しているのは iLO4である。
"Hewlett-Packard iLO3 Slave" rev 0x05 at pci6 dev 0 function 0 not configured
"Hewlett-Packard iLO3 Management" rev 0x05 at pci6 dev 0 function 2 not configured
- #dmesgに下記の 2行が記録されている。前者のデバイスは AERの Global Error Collector関連なのでOpenBSDが対応していないと思われる。
Intel E5 Error Reporting" rev 0x07 at pci0 dev 5 function 2 not configured
Intel E5 Error Reporting" rev 0x07 at pci15 dev 5 function 2 not configured
- 結論を一言で云うと、R5.7と異なるところは見受けられなかった。テスト結果として、iLO4の仮想 DVD/ISOメディアの問題はインストール時には発生しなくなっており、インストール後の問題は R5.7より発生割合が若干増えている。インストール時の問題が解消された様に見えるがインストール後の問題が散見される以上はインストール時にも潜在的な問題があると考えて運用する事が無難と思われる。
*BSD
2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。