*BSD技術情報
FreeBSD R13.1インストール方法
FreeBSD R13.1インストール方法
本ページの内容は限られた評価環境における動作結果、動作させるための情報を報告しているだけであり *BSDの全ての動作を保証するものではありません。また、動作確認に関する情報等はあくまでも `動作確認`であり、動作の保証をするものではありません。特に記載の無い機能動作確認を行っていません。更に詳細な情報については、保証についてをお読みください。
想定システム
本インストール方法は下記のインストール条件を想定しています。システム構成、インストールオプションが異なる場合には、添付のドキュメント等を参照して、インストール中に適時必要な設定を行ってください。
MicroServer Gen10 Plus
Xeon E-2224G 3.50GHz - 1P/4C/HT無し
Memory - 8GB
BIOS - U48 v2.60(07/14/2022)
SATA - AHCIモード
I350 - v1.2028.0
iLO5 - v2.72
MicroServer Gen10 Plus v2
Xeon E-2314 2.80GHz - 1P/4C/HT無し
Memory - 32GB
BIOS - U64 v1.60(06/30/2022)
SATA - AHCIモード
I350 - v1.3082.0
iLO5 - v2.72
動作確認は上記の構成で確認しています。異なる CPU世代での動作確認は行っておりません。
本書が対応するハードウェア等の環境について
- ProLiantの動作モードは Legacy(BIOS)モードと UEFIモードで確認しています。
- x86_64(amd64) kernelでのみ確認しています。x86(i386) kernelで動作する可能性は高いと思われますが未確認です。
- 本書が利用するメディアは DVD用 ISOメディアです。
- MicroServer Gen10 Plusの SATAは AHCIモードに変更する必要があります。電源起動後の POSTで [F9] ⇒⇒ システム構成/System Configuration ⇒⇒ BIOSプラットフォーム構成(RBSU)/BIOS Platform Configuration(RBSU) ⇒⇒ ストレージオプション/Storage Options ⇒⇒ SATAコントローラオプション/SATA Controller Options ⇒⇒ 内蔵 SATA構成/Embedded SATA Configuration ⇒⇒ [SATA AHCI構成]/[SATA AHCI Support] に変更してください。
- MicroServer Gen10 Plus v2の SATAが AHCIモードである事を確認して下さい。電源起動後の POSTで [F9] ⇒⇒ システム構成/System Configuration ⇒⇒ BIOSプラットフォーム構成(RBSU)/BIOS Platform Configuration(RBSU) ⇒⇒ ストレージオプション/Storage Options ⇒⇒ SATAコントローラオプション/SATA Controller Options ⇒⇒ 内蔵 SATA構成/Embedded SATA Configuration ⇒⇒ [SATA AHCI構成]/[SATA AHCI Support] に変更してください。
本 Releaseでの制限事項
- iLO5の各種機能の制限については後述セクションをご覧ください。
ハードウェアのセットアップ
- ProLiantの本体とオプションデバイスのファームウェアは Service Pack for ProLiant(SPP) 2022.09.01.00の ISOイメージからシステムを起動し、一括してファームウェアの更新を自動で行う Automaticモードで更新しています。SPPの詳細については専用ページをご覧ください。また、前述したファームウェアバージョンは iLO5 WEB I/Fの Firmwareページで確認したものです。
- ProLiant Gen10 Plusのワークロードプロファイルは、電源起動後の POSTで [F9] ⇒⇒ システム構成/System Configuration ⇒⇒ BIOSプラットフォーム構成(RBSU)/BIOS Platform Configuration(RBSU) ⇒⇒ ワークロードプロファイル/Workload Profile ⇒⇒ [カスタム/Custom]としています。本設定以外でも動作すると思われますが未確認です。
- ProLiant Gen10 Plusの電源制御は、電源起動後の POSTで [F9] ⇒⇒ システム構成/System Configuration ⇒⇒ BIOSプラットフォーム構成(RBSU)/BIOS Platform Configuration(RBSU) ⇒⇒ 電力及びパフォーマンスオプション/Power and Performance Options ⇒⇒ パワーレギュレータ/Power Regulator ⇒⇒ [OSコントロールモード/OS Control Mode]としています。なお、本設定は前述のワークロードプロファイルで [カスタム]を指定した場合にのみ利用可能です。これら以外の設定でも動作するとは思いますが未確認です。
- Intel機の場合、RBSUでの x2APIC設定はデフォルトである Enabledのままとしています。
- iLO5の仮想メディアを利用して OSをインストールする場合、iLOのネットワークモードは dedicatedモードでの利用を推奨します。これは、Etherneドライバによるリセットが掛かった場合に iLO側のセッションが影響を受け仮想メディアも切断されたままとなる場合があるためです。リセット後に仮想メディアがセッション中に復旧するかは Ethernetドライバの種類や利用するネットワーク環境により異なります。
デバイスインストール方法
- インストーラの起動方法について
- ProLiant内蔵の DVDドライブ、iLO5の仮想 DVD/ISOドライブのいずれからでも起動してのインストールが可能です。
- ディスクコントローラの設定
- インストーラは AHCI配下のディスクを /dev/adaXとして認識します。 - Ethernetコントローラの設定
- インストーラは Intel系 NICを igb0~として認識します。 - マウスの設定
- インストール時もしくはインストール後の #bsdconfigでの mousedの設定は不要です。インストール中、インストール後共に CLI上でマウスカーソルの利用は可能です。但し、iLO5の仮想コンソール上ではマウスカーソルは動作しません。但し、マウスのボタンは動作します。
- X.org/twm利用時にはマウスの設定は不要です。利用するウィンドウマネージャによっては別途 dbus等の設定(#sysrc dbus_enable="YES" ; service dbus start)が必要となる場合があります。 - Videoコントローラの設定
- インストール後に設定を行います。 - インストールの最終段階での作業
- 特に不要です。
インストール後の確認と設定
- UEFIモードでインストールした場合、ブートエントリを手動で作成するには、インストール後の POST画面で [F9]を押し RBSUを起動し、System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ Boot Options ⇒ Advanced UEFI Boot Maintenance ⇒ Add Boot Option ⇒ インストールしたデバイスを選択 ⇒ <EFI> ⇒ <BOOT> ⇒ BOOTX64.EFI ⇒ 起動名を入力(例: FreeBSD R13 UEFI) ⇒ Commit changes and exit[F10]で保存。Boot Optionsへ戻り ⇒ UEFI Boot Order ⇒ `FreeBSD R13.x UEFI`を選択し `+`キーで起動エントリの一番上へ移動 ⇒ [F10]で保存してください。
- X.orgの設定
- DVDメディアにはX.orgパッケージは同梱されていません。別途バイナリパッケージをダウンロードし導入する必要があります。
#echo 'setenv HTTP_PROXY "www.proxy.com:8080"' >> /root/.cshrc ⇒⇒ proxyが必要な場合の設定例
#source /root/.cshrc
#pkg install pkg xorg
#pkg install xf86-video-mga ⇒⇒ UEFI時のみ必要
- X.org/twm上でマウスを利用するには特段設定は不要です。
- 下記は Lumina Desktop Environmentを利用する場合の設定例です。
#pkg install lumina
#cd /usr/local/etc/X11/xinit
#tail xinitrc
・・・
twm &
xclock -geometry 50x50-1+1 &
xterm -geometry 80x50+494+51 &
xterm -geometry 80x20+494-0 &
exec xterm -geometry 80x66+0+0 -name login
#wc xinitrc
56 98 780 xinitrc
#cp xinitrc xinitrc.ORG
#head -n 50 xinitrc.ORG > xinitrc
#echo "exec start-lumina-desktop" >> xinitrc
#startx
- ACPIについて
- 特に設定作業は必要ありません。#halt -p による電源断が可能です。 - メモリの設定
- x86_64版の場合、特に設定作業は必要ありません。メモリの認識状況の確認は #dmesg|grep memoryで行ってください。 - SMPの設定
- 特に設定作業は必要ありません。CPUの認識状況の確認は #dmesg|grep processorで行ってください。
Lights-Outの利用について
- iLO5で試した仮想コンソールは html5版のみです。Java Applet版等も動作するとは思われますが確認していません。
- iLO5の仮想コンソール機能を FreeBSDのテキストモードで利用した場合、キーボードリピートは問題なく動作しました。マウスのボタンは GUI, CLI共に動作しますが、カーソルが動かないため実質マウスの利用は仮想コンソールでは利用できません。本事象は iLO2迄に実装されていたデュアルカーソルの同期機能を OFFにできないためのもので、FreeBSD向け X.orgが本モードに対応していないための制限となります。
- iLO5に対し、ssh接続しての TEXTCONS(ハードウェアベース仮想テキストコンソール機能)は Legacy(BIOS)モード利用時には /boot/loader.confに `hw.vga.textmode=1`を引き渡す事で利用可能になります。UEFIモード利用時には EFI-based framebufferが利用される仕様により利用できません。
- iLO5の仮想 DVD/ISOドライブ機能が利用可能です。デバイスは /dev/cdXとして認識されますので #mount_cd9660等で利用してください。
- iLO5の仮想 USBドライブ機能、仮想フォルダーの動作は未確認です。
備考
- 2022年 12月 10日現在のレポジトリにおける X.orgサーバの状況は #pkg info xorg xorg-server にて 7.7_3と 21.1.4_1,1 であった。
- R11.3, R12.1に存在したProLiantを Legacy(BIOS)ブートモードにした場合、ISOイメージから起動しなかった問題は R11.4と同様に R13.0で修正されている事を確認した。
- iLO5の仮想コンソールを利用している場合でキーボードもしくはマウスカーソルの利用に問題がある場合には次の事項で回避できる事がある。但し、FreeBSDでは仮想コンソールでは、マウスのボタンは GUI, CLI共に動作しますが、カーソルが動かないため実質マウスの利用は仮想コンソールでは利用できません。[Ctrl]+[Alt]+[Fx]でのコンソール遷移や RBSU設定時に利用する場合限定となる。
1. iLO5のファームウェアを SPPに同梱されているものよりも最新のものにアップデートする
2. html5コンソール上部の keyboardプロファイルを一旦 US/JPN間で変更する
3. WWWブラウザをリロードする
4. html5コンソールを一旦閉じ、iLO5 WEB I/Fのレフトペイン最下部で `Wake-Up Monitor` を実行する
5. iLO5 WEB I/F上の Diagnosticsから iLO5のリセットを行う
- FreeBSD R13.1では OpenBSD R7.1での iLO5仮想コンソールの様な酷い状況は発生せず、マウスカーソルだけが動作しない想定通りの動きとなった。
- インストール時の `Would you like to use DHCP to configure this interface?` で Yesを選択した瞬間に iLO5の仮想コンソールでのマウスの反応が停止する事があった。キーボードの反応もこの時点で停止する事がある。ローカルコンソールでのキーボードとマウスは利用可能。なお、仮想メディアは事象が発生しても利用可能なままである。インストールを進めていくと仮想コンソールのキーボードが利用可能となる事がある。本事象は一見 iLO5のネットワーク接続が sharedモードで発生する NCSI(network control sideband I/F)としての仕様の様に思えるが、事象発生時の接続方式は didicatedモードであった。恐らく sharedモードでも発生すると思われる。
- 従来、#pkg info xorg-server | grep -ie devd -ie hal により DEVDの on/off状況と halの利用状況を確認していたが、今回これらの情報は採取できなかった。
- MicroServer Gen10 Plus(v1)と v2の違いは特に見受けられなかった。
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