*BSD技術情報
FreeBSD R12.1インストール方法
FreeBSD R12.1インストール方法
本ページの内容は限られた評価環境における動作結果、動作させるための情報を報告しているだけであり *BSDの全ての動作を保証するものではありません。また、動作確認に関する情報等はあくまでも `動作確認`であり、動作の保証をするものではありません。特に記載の無い機能動作確認を行っていません。更に詳細な情報については、保証についてをお読みください。
想定システム
本インストール方法は下記のインストール条件を想定しています。システム構成、インストールオプションが異なる場合には、添付のドキュメント等を参照して、インストール中に適時必要な設定を行ってください。
ProLiant DL325 Gen10
EPYC 7551P 1.70GHz - 32/64(SMT)
もしくは
EPYC 7262 3.20GHz - 8/16(SMT)
Memory - 128GB
BIOS - A41 v2.36(03/09/2020)
SmartArray P408i-a SR Gen10/2GB - v2.65
331i - v20.14.62
iLO5 - v2.14
内蔵オプティカル - なし
ProLiant DL360 Gen9
Xeon E5-2603 v3 1.60GHz - 2P/6C/HT無し
Memory - 64GB
BIOS - P89 v2.76(10/21/2019)
SmartArray P440ar/2GB - v7.00
331i - v17.4.41
iLO4 - v2.73
内蔵オプティカル - DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL360 Gen10
Xeon Bronze 3104 1.70GHz - 2P/6C/HT無し
Memory - 32GB
BIOS - U32 v2.32(03/09/2020)
SmartArray P408i-a SR Gen10/2GB - v2.65
331i - v20.14.62
iLO5 - v2.14
内蔵オプティカル - hp DVD-ROM DUD0N UMD0
動作確認は上記の構成で確認しています。異なる CPU世代での動作確認は行っておりません。
本書が対応するハードウェア等の環境について
- ProLiantの動作モードは Legacy(BIOS)モードと UEFIモードで確認しています。
- x86_64(amd64) kernelでのみ確認しています。x86(i386) kernelで動作する可能性は高いと思われますが未確認です。
- 本書が利用するメディアは DVD用 ISOメディアです。
本 Releaseでの制限事項
- R12.1より ProLiantを Legacy(BIOS)ブートモードにした場合、ISOイメージから起動しなくなりました。R12.0をインストールしてから R12.1にアップグレードを行うか、Legacy(BIOS)モードではなく UEFIブートモードを利用するかの 2通りの方法で回避してください。
- SmartArray P440arの HBAモードは起動デバイスとしてサポートされませんので別途起動デバイスを用意する必要があります。本事象は HBAモードの仕様であり OSの種類を問いません。
- iLO4, iLO5の各種機能の制限については後述セクションをご覧ください。
ハードウェアのセットアップ
- ProLiantの本体とオプションデバイスのファーウェアは Service Pack for ProLiant(SPP) 2020.03.0の ISOイメージからシステムを起動し、一括してファームウェアの更新を自動で行う Automaticモード(iLO4/5ファームウェアの更新は Interactiveモードでの更新はサポートされません)で更新しています。SPPの詳細については専用ページをご覧ください。また、前述したファームウェアバージョンは iLO4/5の Firmwareページで確認したものです。
- 本機の電源制御は、ProLiant Gen9では Power Profileを Custom、Power Regulatorを OS Control Modeにしています。ProLiant Gen10/Plusの場合には Workload Profileを Custom、Power Reguratorを OS Control Modeにしています。これら以外の設定でも動作するとは思いますが未確認です。
- Intel機の場合、RBSUでの x2APIC設定はデフォルトである Enabledのままとしています。
- iLO4, iLO5の仮想メディアを利用して OSをインストールする場合、iLOのネットワークモードは dedicatedモードでの利用を推奨します。これは、Etherneドライバによるリセットが掛かった場合に iLO側のセッションが影響を受け仮想メディアも切断されたままとなる場合があるためです。仮想メディアが復旧するかは Ethernetドライバの種類や利用するネットワーク環境により異なります。
- Legacyモード時の FreeBSD R12.1で USBデバイスから起動した際の RSoD問題に対応した ProLiant DL360 Gen10向け System ROM v2.36 がリリースされました。Linux上から #rpm2cpio firmware...rpm | cpio -idで展開し、U32_2.36_07_16_2020.signed.flash を iLO5 WEB I/F 上からデプロイできます。
デバイスインストール方法
- インストーラの起動方法について
- ProLiant内蔵の DVDドライブ、iLO4, iLO5の仮想 DVD/ISOドライブのいずれからでも起動してのインストールが可能です。
- iLO4, iLO5の仮想コンソールを利用した場合マウスカーソルは動作しません。 - ディスクコントローラの設定
- インストーラは SmartArray P440ar, P408i-a SR配下の RAID/HBA論理ドライブを /dev/daXとして、AHCI配下のディスクを /dev/adaXとして認識します。 - Ethernetコントローラの設定
- インストーラは Broadcom系 NICを bge0~として、Intel系 NICを igb0~として認識します。 - マウスの設定
- インストール時もしくはインストール後の #bsdconfigでの mousedの設定は不要です。インストール中、インストール後共に CLI上でマウスカーソルの利用は可能です。但し、iLO4, iLO5の仮想コンソール上ではマウスカーソルは動作しません。
- X.org/twm利用時にはマウスの設定は不要です。利用するウィンドウマネージャによっては別途 dbus等の設定(#sysrc dbus_enable="YES" ; service dbus start)が必要となる場合があります。 - Videoコントローラの設定
- インストール後に設定を行います。 - インストールの最終段階での作業
- 特に不要です。
インストール後の確認と設定
- UEFIモードでインストールした場合、ブートエントリは作成されません。インストール後の POST画面で [F9]を押し RBSUを起動し、System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ Boot Options ⇒ Advanced UEFI Boot Maintenance ⇒ Add Boot Option ⇒ インストールしたデバイスを選択 ⇒ <EFI> ⇒ <BOOT> ⇒ BOOTX64.EFI ⇒ 起動名を入力(例: FreeBSD R11.x UEFI) ⇒ Commit changes and exit[F10]で保存。Boot Optionsへ戻り ⇒ UEFI Boot Order ⇒ `FreeBSD R12.x UEFI`を選択し `+`キーで起動エントリの一番上へ移動 ⇒ [F10]で保存してください。
- X.orgの設定
- DVDメディアにはX.orgパッケージは同梱されていません。別途バイナリパッケージをダウンロードし導入する必要があります。
#echo 'setenv HTTP_PROXY "www.proxy.com:8080"' >> /root/.cshrc ⇒⇒ proxy設定例
#source /root/.cshrc
#pkg install pkg xorg
#pkg install xf86-video-mga ⇒⇒ UEFI時のみ必要
- X.org/twm上でマウスを利用するには特段設定は不要です。
- 下記は Lumina Desktop Environmentを利用する場合に必要な作業です。
#pkg install lumina
#cd /usr/local/etc/X11/xinit
#tail xinitrc
・・・
twm &
xclock -geometry 50x50-1+1 &
xterm -geometry 80x50+494+51 &
xterm -geometry 80x20+494-0 &
exec xterm -geometry 80x66+0+0 -name login
#wc xinitrc
56 98 780 xinitrc
#cp xinitrc xinitrc.ORG
#head -n 50 xinitrc.ORG > xinitrc
#echo "exec start-lumina-desktop" >> xinitrc
#startx
- ACPIについて
- 特に設定作業は必要ありません。#halt -p による電源断が可能です。 - メモリの設定
- x86_64版の場合、特に設定作業は必要ありません。メモリの認識状況の確認は #dmesg|grep memoryで行ってください。 - SMPの設定
- 特に設定作業は必要ありません。CPUの認識状況の確認は #dmesg|grep processorで行ってください。 - #dmesgについて
- 起動直後に採取した #dmesgは下記となります。
- DL325 Gen10 7551P - Legacy(BIOS)
- DL325 Gen10 7262 - Legacy(BIOS)
- DL325 Gen10 7551P - UEFI
- DL325 Gen10 7262 - UEFI
- DL360 Gen9 - Legacy(BIOS)
- DL360 Gen9 - UEFI
- DL360 Gen10 - Legacy(BIOS)
- DL360 Gen10 - UEFI
Lights-Outの利用について
- iLO4, iLO5で試した仮想コンソールは html5版のみです。Java Applet版等も動作するとは思われますが確認していません。
- iLO4, iLO5の仮想コンソール機能を FreeBSDのテキストモードで利用した場合、キーボードリピートは問題なく動作しました。マウスのボタンは動作しますが、カーソルが動かないため実質マウスの利用は仮想コンソールでは利用できません。本事象は iLO2迄に実装されていたデュアルカーソルの同期機能を OFFにできないためのもので、FreeBSD向け X.orgが本モードに対応していないための制限となります。
- iLO4, iLO5に対し、ssh接続しての TEXTCONS(ハードウェアベース仮想テキストコンソール機能)は Legacy(BIOS)モード利用時には /boot/loader.confに `hw.vga.textmode=1`を引き渡す事で利用可能になります。UEFIモード利用時には EFI-based framebufferが利用される仕様により利用できません。
- iLO4, iLO5の仮想 DVD/ISOドライブ機能が利用可能です。デバイスは /dev/cdXとして認識されますので #mount_cd9660等で利用してください。
- iLO4, iLO5の仮想 USBドライブ機能の動作は未確認です。
備考
- 本書作成時点での repositoryアクセスは http://pkg.freebsd.org/FreeBSD:12:amd64/quarterly/Latest/pkg.txz に設定されていた。
- 2020年 5月 15日現在のレポジトリにおける X.orgサーバの状況は xorg-server-1.20.8.1,1.txz であった。
- Legacy(BIOS)モード時の ISOイメージから起動できない制限を回避するために、R11.2から R11.3へのアップデートを行う場合には下記で可能な事を確認した。
#echo 'setenv HTTP_PROXY "www.proxy.com:8080"' >> /root/.cshrc
#source /root/.cshrc
#freebsd-update upgrade -r 12.1
#freebsd-update install
#reboot
#freebsd-update install
#uname -r
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