*BSD技術情報
FreeBSD R11.0インストール方法
FreeBSD R11.0インストール方法
本ページの内容は限られた評価環境における動作結果、動作させるための情報を報告しているだけであり *BSDの全ての動作を保証するものではありません。また、動作確認に関する情報等はあくまでも `動作確認`であり、動作の保証をするものではありません。特に記載の無い機能動作確認を行っていません。更に詳細な情報については、保証についてをお読みください。
想定システム
本インストール方法は下記のインストール条件を想定しています。システム構成、インストールオプションが異なる場合には、添付のドキュメント等を参照して、インストール中に適時必要な設定を行ってください。
ProLiant DL120 Gen9
Intel E5-2650L v3 1.80GHz - 1P/12C/HT
Memory 16GB
BIOS P86 - v2.20(05/05/2016)
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i - v1.1200.0
iLO4/5 v2.44
内蔵オプティカル - DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL360 Gen9
Intel E5-2603 v3 1.60GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 64GB
BIOS P89 - v2.20(07/18/2016)
SmartArray P440ar/2GB v4.02(B)
331i - v17.3.43
iLO4/5 v2.44
内蔵オプティカル DVD RAM UJ8E2 SE03
ProLiant DL160 Gen9
Intel E5-2609 v3 1.90GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 32GB
BIOS U20 - v2.20(05/05/2016)
Dynamic SmartArray B140i/ZMR
361i - v1.1200.0
iLO4/5 v2.44
内蔵オプティカル DVDRAM GUB0N UK00
ProLiant DL360 Gen10
Intel Bronze 3104 1.70GHz - 2P/6C/HT無し
Memory 32GB
BIOS U32 - v1.36(02/14/2018)
SmartArray P408i-a SR Gen10/2GB v1.34
331i - v20.8.41
iLO5 v1.20
内蔵オプティカル hp DVD-ROM DUD0N UMD0
動作確認は上記の構成で確認しています。異なる CPU (Xeon v4等)での動作確認は行っておりません。
本リリースが対象とする Bootモードと CPUアーキテクチャ
- ProLiantの動作モードは Legacy(BIOS)モードと UEFIモードで確認しています。それぞれのモードで利用するインストールメディアは R11.0より統一されています。
- x86_64(amd64) kernelでのみ確認しています。x86(i386) kernelで動作する可能性は高いと思われますが未確認です。
- 本書が利用するメディアは DVD用 ISOメディアです。
本 Releaseでの制限事項
- ProLiant DL360 Gen10は Legacy(BIOS)モードでの動作確認のみを行っています。UEFIモードでも動作する可能性は高いと思いますが未確認です。
- SmartArray P408i-a SR Gen10コントローラは FreeBSD R11.2からサポートされる予定です。本 RELEASEでは別途 Microsemi社 提供ドライバを利用する事が可能ですが、この構成は Microsemi社、HPEともに動作対応を想定していない組み合わせです。実運用ではなくテスト運用として利用する事を強く推奨します。
- Dynamic SmartArray B140i用ドライバは FreeBSD用に提供されていないため AHCIとして利用する必要があります。
- SmartArray P440arを HBAモードに変更した場合、配下の LUNからの安定起動は確保できません。データ領域として利用する必要がありますので別途起動デバイスを用意する必要があります。本事象は HBAモードの仕様であり OSを問いません。
- iLO4/5の各種機能の制限については後述セクションに記載しています。
- DL360 Gen10の UEFIモードは未テストですが、 X.orgは利用できないと思われます。
ハードウェアのセットアップ
- ProLiantの本体とオプションデバイスのファーウェアは Service Pack for ProLiant(SPP) 2016.04.0の ISOイメージからシステムを起動し、一括してファームウェアの更新を自動で行う Automaticモードで更新しています(SmartArray P440arのみ別途 v4.02(B)へ引上げ)。SPPの詳細については専用ページをご覧ください。
- 本機の電源制御は Custom/OS Controlで確認を行いました。それぞれの設定は RBSU(Power Management Options ⇒ Power Profile/Power Regulator)で行ってください。
- Dynamic SmartArray B140i用ドライバは FreeBSD向けに提供されていないため AHCIモードで利用する必要があります。設定は、RBSU(System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ System Options ⇒ SATA Controller Options ⇒ Embedded SATA Configuration)で行ってください。
- DVD-ROMメディアのイジェクトは内蔵 DVD、iLO4/5の仮想 DVD/ISOドライブ全てで自動ではイジェクトされません。インストール終了後には手動でイジェクトしてください。
Microsemi社提供ドライバ利用方法
- SmartArray P408i-a SRコントローラを利用する場合、Microsemi社から FreeBSD用 smartpqiドライバとして `smartpqi_freebsd_v1.0.1-239.tgz`がこちらで提供されています。
- USB-keyに msdosラベルを付与し、パーティションを作成し FATフォーマットを行い、入手した tgz内の FreeBSD R11用 `smartqpi.ko`を配置します。これらの作業を FreeBSDで行う方法は tgz内の Release Notesに記載されている。作業環境に FreeBSDマシンがない場合には Linuxでも下記の方法で行う事が可能です。UEFIモードの場合には GPTラベルで且つ freebsd-ufsフォーマットが必要となる旨が Release Notesに記載されていますが、実際には msdosラベルの FATフォーマットされた USB-keyからもロード可能です。
#parted /dev/sdX mklabel msdos
#parted /dev/sdX mkpart primary 1m 10m
#parted /dev/sdX p
Partition Table: msdos
1 1049kB 10.5MB 9437kB primary
#mkfs.vfat /dev/sdc1
#mount /dev/sdc1 /mnt
#tar xvfz smartpqi_freebsd_v1.0.1-239.tgz
#cp freebsd_11/smartpqi.ko /mnt
#umount /mnt
- bootstrap loaderが起動してからでは USB-keyの認識が行われないためこの USB-keyは起動しない設定である方が望ましい。
- USB-keyを POST時点で装着した場合に USB-keyからシステムが起動してしまう場合には POST時に [F11]で起動デバイスを内蔵 DVDに変更して FreeBSDのインストーラを起動する必要があります。
- 起動メニューが表示されたら [ESC]を押し `OK`プロンプトを出します。
- `lsdev` で、デバイス一覧がリストされます。ここでは USB-keyが `disk1s1`として認識されているとします。
- `load /boot/kernel/kernel` で、 kernelをロードします。
- `load disk1s1:smartpqi.ko` で、ドライバをロードします。
- `lsmod` で、 smartpqiがロードされている事を確認します。
- `boot` で、インストーラを起動しインストール作業を開始します。
- Partition設定時に SmartArray P408i-a SR配下の LUNは 「da0 279 GB Disk 」等として認識されます。
- インストールを続行します。
- インストールの最終段階ではそのまま rebootはしません。Manual Confgurationを行うかに [Yes]を選択しプロンプトを出します。
- `mount -t msdosfs /dev/da1s1 /media` で、USB-keyをマウントします。
- `cp /media/smartpqi.ko /boot/modules/` で、ドライバをコピーします。
- `echo 'smartpqi_load="YES"' >> /boot/loader.conf` で、ドライバの起動設定を行います。
- `reboot` で再起動します。
- 再起動が掛かり POSTが表示された段階で USB-keyを抜きます。
- 以下は必須作業ではありませんが、ドライバパッケージをパッケージとして追加する手順です。
#echo 'setenv HTTP_PROXY "www.proxy.com:8080"' >> /root/.cshrc ⇒⇒ proxy設定例
#source /root/.cshrc
#pkg
The package manangement tool is not yet installed on your system.
Do you want to fetch and install it now? [y/N]
#pkg add smartpqi11x-amd64.txz
#pkg info
pkg-1.10.5 Package manager
smartpqi-1.0.0-239 MICROSEMI SmartRAID SAS/SATA PQI Controller Driver
#uname -r
11.0-RELEASE-p1
- 以下は必須作業ではありませんが、RELEASEを 11.1を指定してアップデートする手順です。
#freebsd-update upgrade -r 11.1-RELEASE
To install the downloaded upgrades, run "/usr/sbin/freebsd-update install"
#freebsd-update -r 11.1-RELEASE install
Kernel updates have been installed. Please reboot and run
"/usr/sbin/freebsd-update install" again to finish installing updates.
#reboot
#freebsd-update install -r 11.1-RELEASE
Installing updates... done.
#uname -r
11.1-RELEASE-p10
デバイスインストール方法
- インストーラの起動方法について
- ProLiant Gen9の場合、そのままインストーラを起動します。ProLiant Gen10の場合、bootstrap loaderが起動する前に予めドライバを格納した USB-keyを装着しておいてください。
- ProLiant内蔵の DVDドライブ、iLO4/5の仮想 DVD/ISOドライブのいずれからでも起動してのインストールが可能です。
- インストール中に iLO4/5の仮想コンソールを利用した場合マウスカーソルは動作しません。 - ディスクコントローラの設定
- インストーラは SmartArray P440ar, P408i-a SR配下の RAID/HBA論理ドライブを /dev/daXとして、AHCI配下のディスクを /dev/adaXとして認識します。 - Ethernetコントローラの設定
- インストーラは Broadcom系 NICを bge0~として、Intel系 NICを igb0~として認識します。 - マウスの設定
- インストール時もしくはインストール後の #bsdconfigでの mousedの設定は不要です。インストール中、インストール後共に CLI上でマウスカーソルの利用は可能です。但し、iLO4/5の仮想コンソール上ではマウスカーソルは動作しません。
-X.org/twm利用時にはマウスの設定は不要です。利用するウィンドウマネージャによっては別途 dbus等の設定が必要となる場合があります。 - Videoコントローラの設定
- インストール後に設定を行います。 - インストールの最終段階での作業
- ProLiant Gen9の場合、インストーラの最終段階でそのまま [reboot]を選択してください。ProLiant Gen10の場合、インストーラの最終段階で [Modify]を選択し、前述の作業を行ってください。
インストール後の確認と設定
- UEFIモードでインストールした場合、ブートエントリは作成されません。インストール後の POST画面で [F9]を押し RBSUを起動し、System Configuration ⇒ BIOS/Platform Configuration(RBSU) ⇒ Boot Options ⇒ Advanced UEFI Boot Maintenance ⇒ Add Boot Option ⇒ インストールしたデバイスを選択 ⇒ <EFI> ⇒ <BOOT> ⇒ BOOTX64.EFI ⇒ 起動名を入力(例: FreeBSD R11.x UEFI) ⇒ Commit changes and exit[F10]で保存。Boot Optionsへ戻り ⇒ UEFI Boot Order ⇒ `FreeBSD R11.x UEFI`を選択し `+`キーで起動エントリの一番上へ移動 ⇒ [F10]で保存してください。
- X.orgの設定
- DVDメディアにはX.orgパッケージは同梱されていません。別途バイナリパッケージをダウンロードし導入する必要があります。
#echo 'setenv HTTP_PROXY "www.proxy.com:8080"' >> /root/.cshrc ⇒⇒ proxy設定例
#source /root/.cshrc
#pkg install xorg
- X.org/twm上でマウスを利用するには特段設定は不要です。
- 下記は Lumina Desktop Environmentを利用する場合に必要な作業です。
#pkg install lumina
#sysrc dbus_enable="YES"
#service dbus start
#cd /usr/local/etc/X11/xinit
#tail xinitrc
・・・
twm &
xclock -geometry 50x50-1+1 &
xterm -geometry 80x50+494+51 &
xterm -geometry 80x20+494-0 &
exec xterm -geometry 80x66+0+0 -name login
#wc xinitrc
56 98 780 xinitrc
#cp xinitrc xinitrc.ORG
#head -n 50 xinitrc.ORG > xinitrc
#echo "start-lumina-desktop" >> xinitrc
#startx
- ACPIについて
- 特に設定作業は必要ありません。#halt -p による電源断が可能です。 - メモリの設定
- x86_64版の場合、特に設定作業は必要ありません。メモリの認識状況の確認は #dmesg|grep memoryで行ってください。 - SMPの設定
- 特に設定作業は必要ありません。CPUの認識状況の確認は #dmesg|grep processorで行ってください。
Lights-Outの利用について
- iLO4/5の仮想コンソール機能を FreeBSDのテキストモードで利用した場合、キーボードリピートは問題なく動作しました。マウスボタンも問題なく動作しますが、マウスカーソルが動かないため実質利用できません。
- iLO4/5の仮想コンソール機能をグラフィカルモードで利用した場合、キーボードリピートは問題なく動作します。マウスボタンも問題なく動作しますが、マウスカーソルが動かないため実質利用できません。
- iLO4/5に対し、ssh接続しての TEXTCONS(ハードウェアベース仮想テキストコンソール機能)は Legacy(BIOS)モード利用時には /boot/loader.confに `hw.vga.textmode=1`を引き渡す事で利用可能になります。UEFIモード利用時には EFI-based framebufferが利用される UEFIの仕様により利用できません。
- iLO4/5の仮想 DVD/ISOドライブ機能が利用可能です。デバイスは /dev/cdXとして認識されました。
備考
- 今リリースより、UEFI用インストールメディアと BIOS用インストールメディアが統一されている。
- BIOSモードでインストーラを起動すると R10.3までは 720x400だった解像度が R11.0では 640x480に変更されている。このため Welcome to FreeBSD!が表示される最初の画面の上部にある破線が点線になっていたり、フォントの差異等で見た目が従来の UEFI用インストーラっぽくなっている。また、縦の解像度があがったので各種設定の選択時にリストされる選択肢が多くなった。この変更はデフォルトのスクリーンが textモードから graphicalモードになっているため、従来のモードに変更しないと iLO4/5の TEXTCONS機能は利用できない。
- インストーラでの Distribution Selectで選択可能なものが、base-dbg, doc, kernel-dbg, lib32-dbg, lib32, ports, src, testsの 8ヶとなり、その内デフォルトで選択されているのは lib32, portのみである。
- インストーラで時刻と時間の設定、堅牢性(System Hardening)の設定が追加されている。但し Final Modification画面には堅牢性の設定のみがリストされる。
- インストール後のメディアイジェクトは R10.3同様に行われない。
- 現在のレポジトリには Luminaのディスプレイマネージャである Lumina-DEは提供されなくなっている。
- x2apicは R10.3と同様に onのままでも問題なくインストーラとその後の起動が可能である。
- 本書では ProLiantハードウェアに特化していない項目なのでキーボードの設定については触れていないが、日本語キーボードを利用している場合には従来の HAL向けの .fdiから xorg.confへのコンバートが必要となる筈。
- Luminaが dbusを必要とするのは初回起動時のみで、一度起動してしまえば #service dbus stopしても、/etc/rc.confから起動指定を外しても Luminaは起動する。
- X.orgでのマウス制御を devdではなく以前の haldにしたい場合にはレポジトリを変更する事で対応が可能と思われるが未テストである。詳細は R10.2用インストール方法の備考が参考となる。#pkg info xorg-server | grep -ie devd -ie halは R10.2後の xorg-server 1.17.4.1と同様に、on/offとなっている事を確認した。
- UEFIモード時には別途 xf86-video-mgaが必要だったが VESAドライバで動作可能となっている。ちなみに、今現在のレポジトリでは R10.3でも同様に不要となっている。
- FreeBSD R11用 smartpqiドライバは R11.0でも、elease Notes通りの方法で利用が可能。USB-keyの抜き差しのタイミングとしては bootstrap loaderがロードされる以前に USB-keyを装着しておきインストールが終了し再起動後に POST画面に遷移してから USB-keyを外す必要がある。R11.2がリリースされていない 6月 20日時点で #freebsd-update install -r 11.1-RELEASEの実行と再起動後の起動が可能な事も確認した。
- FreeBSD R11用 smartpqiドライバの作業時に USB-keyが FreeBSDのインストーラから `LINUX`として認識されるのは、GPTパーティションの GUIDを読み取っているからと思われる。古めの Linuxで作業を行うと `MICROSOFT`として認識されると思われる。
- FreeBSD R11用 smartpqiドライバの Release Notesに UEFI用には GPTラベルと UFSパーティションが必要との記載は、FreeBSDのインストーラの容量削減のためかと思ったが DOSラベルと FATのままで読める事から Legacy(BIOS)用と UEFI用で USB-keyを分ける必要はないと思われる。
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2015年11月1日付でHewlett-Packard CompanyをHewlett Packard Enterprise Company とHP Inc.に分社する以前に販売された製品については、現在のモデルと異なる、古い製品名およびモデル番号である場合があります。