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2018年11月9日

HPE、初の宇宙でのスーパーコンピューティングサービスを提供し、宇宙飛行士による探査を推進

「Spaceborne Computer」の最新の実験により、国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士に対してハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)機能を提供し、宇宙船内におけるデータ解析で研究を促進

本リリースは、ヒューレット パッカード エンタープライズ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下:HPE)が、2018年11月1日(現地時間)に発表した英文リリースに基づいて作成した日本語抄訳です。

HPEは本日、「Spaceborne Computer」プロジェクトの継続的な実験の一環として、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士に対してハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)機能を提供することを発表しました。

「Spaceborne Computer」は、HPEとNASAが宇宙に打ち上げた世界初の商用(COTS)スーパーコンピュータです。両社が1年かけて耐障害性と性能をテストし1テラフロップス(1秒間に1兆回の浮動小数点演算が可能な処理速度)を実現して国際宇宙ステーション(ISS)での運用に成功しました(*1)。 「Spaceborne Computer」は1年間のミッションを完了し、無重力や予定外の停電、予測不可能な放射線レベルといった宇宙の過酷な条件に耐えられることが証明されたため、ISSで使用できるスーパーコンピューティング機能を史上初めて提供できるようになりました。こうした宇宙でのサービスにより、宇宙飛行士と実験者は、データを地球に送信して解析結果を受信するのではなく、宇宙で直接解析を行えるようになります。

HPEのHPC&AI バイスプレジデント 兼 チーフテクノロジーオフィサーであるDr. エンリン・ゴー(Eng Lim Goh)は、次のように述べています。「当社の使命は、革新的技術の提供により、地球上か宇宙空間かを問わず、次のフロンティアの探求を促進し、これまで想像もしなかった画期的な発見を支援することです。当社が『Spaceborne Computer』による実験に初めて成功して重要な学びを得て以降、こうした宇宙でのHPC機能をISSの研究者に提供することでその可能性を継続的にテストし、宇宙探査を新たなレベルにまで押し上げています。」

宇宙でのコンピューティング機能が制限されているため、め、宇宙で開始される研究プロジェクトを完了するために必要な計算の多くは、依然として地球で行われています。このアプローチは、月面探索や、宇宙飛行士が地球とほぼリアルイムの通信を行える地上400~1,000マイルの低軌道(LEO)などでは問題となりませんが、さらに遠くまで移動して火星に近づくと、地球との通信における遅延が最長20分まで長くなる可能性があります。こうした事実により、宇宙飛行士が自分たちで解決できない極めて重要な状況に直面した場合、地球から指示を受ける形の宇宙探査は困難で危険を伴うものとなります。

HPEは、「Spaceborne Computer」によって宇宙飛行士にハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)機能を提供してこのような課題に対処し、以下のような方法で宇宙飛行士が自分たちで問題を解決できるよう支援します。

 

〈宇宙探査の解析結果を得るまでの時間短縮を加速〉

ISS内で高レベルのコンピューティングを行えるようにすることで、地球にある宇宙センターとのデータ通信の際に発生する遅延を低減しつつ、地球にある研究チームに依頼する代わりに宇宙船内で解析を行うためのコンピューティング機能も提供します。

ISSでの実験では、高解像度の画像や動画などを含む大量のデータが得られますが、ほとんどの場合、研究者が必要としているのはそのデータの特定部分だけです。宇宙船内でデータの解析および処理が可能になると、ISSは遅延を回避し、効率とスピードを大きく向上させることが可能になります。

 

〈宇宙の新たなフロンティアを実現〉

宇宙における現在のネットワーク回線容量は、大量のデータを地球との間で送受信するために消費されています。「Spaceborne Computer」が宇宙にハイパフォーマンスコンピューティング機能を提供するため、ISSの研究者は回線容量を緊急通信用に確保することができます。また、「Spaceborne Computer」は宇宙での通信の限界をテストし、火星やその先まで宇宙旅行の範囲が広がった際の通信遅延の誤差を低減します。こうした宇宙旅行の極めてミッションクリティカルな状況においては、信頼性の高い通信がさらに重要となります。

 

 

〈AIを通じた発見の向上〉

HPEとNASAは、この宇宙の新たなフロンティアへのコンピューティング機能提供によって、人工知能(AI)と機械学習を可能にする高度な解析を通じて、宇宙飛行士が独立性を高め、新たな謎を解き明かせるようになることを目指しています。解析精度とスピードを向上させることで、宇宙での新発見だけでなく、地球とそれを取り巻く環境を理解するために、科学的調査を推進することができます。

NASAのISS技術実証研究 ポートフォリオマネージャーであるDavid Hornyak氏は、次のように述べています。「『Spaceborne Computer』 は、イノベーションのために国際宇宙ステーション(ISS)を活用している優れた例のひとつです。HPEの『Spaceborne Computer』は、HPEが所有し、資金提供する商用システムです。NASAが宇宙探査のために必要とする性能と同等レベルの性能を実証しながら、宇宙で最先端のコンピューティングを推進し、宇宙船にスーパーコンピューティングの商用サービスを初めて提供するものです。」

「Spaceborne Computer」は、専用に作られたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)プラットフォームである「HPE Apollo 40」をベースとしています。このシステムは、ハードウェアを追加することなく、宇宙で損傷せずに動作を継続します。その代わり、HPCノードと統合したソフトウェアによるシステム強化のアプローチを採用しているため、同様で手頃なコンパクトシステムを将来的に宇宙に提供できることが証明されています。

2017年8月に「Spaceborne Computer」が初めて宇宙に打ち上げられて以降の重要な出来事については、以下、「Spaceborne Computer」の年表をご覧ください。

https://news.hpe.com/timeline/accelerating-space-exploration-with-the-spaceborne-computer/

 

*1  HPEは、NASAと協力して宇宙ステーションに商用(COTS)コンピュータシステムを提供する、最初のスーパーコンピュータベンダーです。出典:HPE's Spaceborne Computer Installed On ISS, Achieves 1 Teraflop Speed(インターナショナルビジネスタイムズ)