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2017年08月17日

ヒューレット パッカード エンタープライズ、
スーパーコンピュータを宇宙に送リ、火星探査を加速

HPE データセンターインフラストラクチャグループ
シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ
アラン・アンドレオリ(Alain Andreoli)

このお知らせは、ヒューレット パッカード エンタープライズ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下:HPE)が、2017年8月11日(現地時間)に公開した英文ブログに基づいて作成した日本語抄訳です。

 2017年8月14日、イーロン・マスク(Elon Musk)氏がCEOを勤めるSpaceX社により開発されたSpaceX CRS-12ロケットは、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、Dragon Spacecraftを国際宇宙ステーション(ISS)の米国立共同研究施設先導プログラム(National Lab)に送り込みます。このDragonにはHPEのスーパーコンピュータが搭載されます。

 このスーパーコンピュータは「Spaceborne Computer」と呼ばれ、これまで行われたことのないハイパフォーマンスの商用オフザシェルフ(COTS:民生用機器の利用)コンピュータシステムの宇宙での稼働を実現するため、HPEとNASAがこの1年間進めてきた実験の一環です。この実験の目的は、宇宙の厳しい環境の中で、火星への到達に必要な期間とほぼ同じ1年にわたりシステムを問題なく運用することです。

 

〈火星へのミッションを推進〉

 宇宙でのコンピューティング能力は限られているため、宇宙探査プロジェクトに必要な計算の多くは、今なお地球上で行われており、宇宙とのデータのやり取りに伴う問題が生じています。月面探索や、宇宙飛行士が地球とほぼリアルイムの通信を行える低軌道(LEO)などでは問題となりませんが、より遠くへ移動して火星に近づいた場合には通信の遅延が増大します。火星からの通信が地球に届くまで20分を要し、その返信が宇宙飛行士たちに届くまでにはさらに20分を要することもあります。通信のこのような大きな遅れは着陸後の探査を困難にし、また宇宙飛行士らが自分たちだけでは解決できない困難に遭遇した時には危険な状況も引き起こしかねません。

 火星へのミッションには、さらに長期にわたって運用が可能な、高度なコンピューティング能力を宇宙船上に搭載することが求められます。このような要求に応え、ミッションの成功をより確実なものとするためには、宇宙空間においてテクノロジーが存続できる可能性を高めなければなりません。スーパーコンピュータを宇宙に送ることによって、HPEはこの最初の一歩を踏み出します。「Spaceborne Computer」が宇宙でどのように動作するかがさらに明らかになった後、メモリ主導型コンピューティングをはじめとした、他の新しいテクノロジーや先進的なコンピューティングシステムなどを国際宇宙ステーションに届けることがこの実験の今後のフェーズとして組み入れられる予定です。

 

〈月へのミッションから学んだこと〉

 アメリカ合衆国が2人の宇宙飛行士を月面に立たせることに成功した時、これは世界的大ニュースとなり、マイクロチップからメモリフォームまでに至る技術の進歩を引き起こしました。火星へのミッションは、技術革新を次の未開拓領域へと進める機会です。「Spaceborne Computer」の実験は、宇宙でのコンピューティングを進歩させるために必要なものを明らかにするだけでなく、地球上でのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)を改善するための発見を促し、また他の分野での技術革新を引き起こすきっかけにもなります。

 

〈宇宙でのハイパフォーマンスコンピューティング〉

 「Spaceborne Computer」には、高速HPCインターコネクトを備え、オープンソースのLinuxオペレーティングシステムを実行する「HPE Apollo 40」クラスのシステムが含まれます。HPEはこれらのコンポーネントにハードウェア的な変更は加えていませんが、ハードウェアのための水冷ケースを作成するとともに、宇宙でのスーパーコンピューティングにおける環境的な制約や求められる信頼性に対応するための、専用のシステムソフトウェアを開発しました。一般にNASAが宇宙空間でのコンピュータを承認するにあたっては、その機器は「高耐久化」、すなわち宇宙での諸条件に耐えられるよう強化される必要があります。このような条件には放射線、太陽フレア、素粒子、微小隕石、不安定な電源、不安定な冷却などがあります。物理的な強化には時間と費用を要し、また重量増加も招くため、HPEはソフトウェアによるシステム強化を選択しました。HPEのシステムソフトウェアは、その時々の条件に基づきコンピュータシステムの速度をリアルタイムで管理し、環境に起因するエラーを軽減することができます。このシステムは従来の髙耐久化を行わずして、宇宙での使用に対するNASAの承認に必要な、少なくとも146の安全テストと認証に合格しています。

 

〈宇宙での30年間を振り返る〉

 SGI社の買収を通じて、HPEは30年にわたりNASAとの関係を築いてきました。この関係は1998年に、世界初のIRIXシングルシステムイメージを共同開発した時に始まりました。この期間に私たちは、Columbiaの共同開発を含む偉大なマイルストーンを達成してきました。Columbiaは、最大かつ最速のスーパーコンピュータのひとつであり、2004年度のTop500リストにおいて世界第2位の処理速度を持つとされた、10,240プロセッサによるスーパークラスタです。今日、「Spaceborne Computer」には、NASAの主要なスーパーコンピュータであり、現在世界第9位にランクされているPleiadesと同じクラスのコンピューティングノードを搭載しています。

 HPEは「Spaceborne Computer」による実験について、スーパーコンピューティングを目的として構築した、「HPE Apollo」ポートフォリオの延長としてふさわしいものであると考えています。NASAとの関係をさらに強化し、宇宙空間でのHPCのパイオニアとなり、また火星へのミッションに一歩近づけることに興奮しています。

 詳細についてはHPEのバイスプレジデント兼SGI担当CTOであり、このプロジェクトの主任研究員でもあるエン・リム・ゴー博士(Dr. Eng Lim Goh)のQ&Aをご覧ください(英文)。
https://news.hpe.com/one-small-step-toward-mars-one-giant-leap-for-supercomputing/