ピッツバーグ スーパーコンピューティング センターは、HPC-as-a-Serviceの 利用範囲を大幅に拡大
ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) は、難 病の治療、環境保護、宇宙のさらなる解明などに必 要な、飛躍的進歩を後押しする強力なツールとなる 可能性を秘めています。しかし、そのメリットを最大限に引き出すには、多くの研究者や科学者がHPCを利用できる環境が必要になります。そこでピッツバーグ スーパーコンピューティング センターは、HPEのテクノロジーを活用し、ノートパソコンのように簡単に使用できるスーパーコンピューター、Bridgesを構築し ました。
AIへの高まる期待
これまでのAIには、膨大なデータと、アルゴリズムの実行に必要な コンピューターの性能による制約がありました。それがピッツバーグ スーパーコンピューティング センターが構築した画期的なスーパー コンピューター、Bridgesによって、研究者は実在する大きな問題に 取り組めるようになりました。
ピッツバーグのとあるカジノに顔を揃えたのは、世界のトップポーカープレイヤー、4人。対するのは、Libratusとい う名のAIプログラム。勝者は? Libratusの勝利です。
戦略を立てたのは、カーネギーメロン大学(CMU) の研究者が開発した人工知能 (AI) プログラムです。20日間の トーナメント中、Libratusは毎晩その日のゲーム内容を分析し、人間側の戦略改良と変更への対処策を準備しまし た。このAIは今や、人類で最も優秀なポーカープレイヤーを超えたのです。AIの持つ大きな可能性は、1960年代か ら注目されていましたが、新たなAIアルゴリズムの登場により、この数年間で著しい進歩を遂げました。
Libratusを支えたのは、新型スーパーコンピューター、Bridgesです。ナショナル サイエンス ファンデーション (NSF) の基金を受け、ピッツバーグ スーパーコンピューティング センター(PSC) が設計したBridgesにより、AIに ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) とビッグデータが統合され、しかも、全国の研究者がその性能を活 用できるようになりました。Bridgesは、その性能が極めて高いだけではなく、専門的なプログラミングスキルを必 要としないソフトウェアインターフェイス経由でアクセスできるように設計されています。PSCは、ゲノミクスから社 会科学、そして取り決めによっては産業に至るまで、広範囲にわたる分野でのオープンリサーチに対して、Bridges の無料利用を提供しています。
ここから見込める利益は計り知れません。不完全な情報を基に戦略的に推論するアルゴリズムの進歩の評価にお いて、ヘッズアップ ノーリミット テキサスホールデムがその証明となりましたが、その分析に使用されたアルゴリズ ムは、アプリケーションに依存せず、重要な戦略的推論の設定をホストに適用します。これによって真の利益を得る のは、人類と地球です。Bridgesは、ユーザーフレンドリなスーパーコンピューティングを様々な分野に提供します。 ただし、相互評価によって厳選された、インパクトの強い申請案件のみが対象になります。研究者はBridgesを活用 し、エネルギー供給網の効率化、環境変化に対する生物の反応、肺病の原因の他、かつてはあまりにも大規模すぎ て不可能だった、人類に多大な影響を及ぼす数々の問題の研究も進めています。
超難問を解決する スーパーコンピューティング
ピッツバーグ スーパーコンピューティング センターは、研究者が スーパーコンピューターを利用できるようにすることで、複雑な病 気の治療や環境保護など、科学とエンジニアリングにおける最も 困難な問題の解決へのサポートをしています。
ピッツバーグ スーパーコンピューティング センター(PSC) は、全国の大学、政府、産業界の研究者を対象に、 ハイパフォーマンスコンピューティング、データ分析/管理、コミュニケーションを提供する、本来極めて高価な 高性能システムへのアクセスを提供しています。
研究者による複雑な病気の治療や環境保護、そして人類が直面している重要な問題など、科学とエンジニア リングの分野において最も困難な課題の解決を、PSCが後押ししています。
同センターは、ナショナル サイエンス ファンデーションのサイバー インフラストラクチャ プログラムである Extreme Science and Engineering Discovery Environment (XSEDE) の主要なパートナーです。カーネギー メロン大学とピッツバーグ大学が、連邦政府の機関であるCommonwealth of Pennsylvaniaと、民間産業の 支援を得て、共同でPSCを運営しています。
HPC-as-a-Serviceの実現
Bridgesの構築において、PSCは、画期的なレベルのスーパーコン ピューティングのストレージ、メモリ、処理能力を統合し、さらに、 ほとんどの研究者が使い慣れたデスクトップ インターフェイス経 由で、そのすべての利用を可能にする必要がありました。
Bridgesという新しいスーパーコンピューターを計画したPSCは、2つの技術的な課題に直面することになります。
その1つは、極めてレベルの高いスーパーコンピューティングのストレージ、メモリ、処理能力を集約することで した。Bridgesには、たとえば、小さなDNA断片の大規模なゲノム配列の解析を数日から数時間に短縮できる ような、大容量のメモリが必要でした。また、数百の建物の電力消費データを複数の周期で処理するなど、小さ いコンポーネントにわたる高速処理を必要としていました。Libratusがポーカーをするのに使用したような性 能を備え、さらに生物学、化学、材質科学の問題に適用できるAI機能も求められました。
2つ目の課題は、こうした機能のすべてを、研究者になじみのあるアプリケーション、言語、研究パラダイムに よって利用できるようにすることでした。この中には、Python、R、MATLABに加え、数多くの研究者が利用して いる、ブラウザーベースの「ゲートウェイ」などのソフトウェアツールが含まれます。こうしたバリアフリーのア クセスによって、研究者はHCPの専門スキルがなくても、現行のプロジェクトを進めることができます。
デスクトップで簡単に利用できる比類ない性能を、PSCがHPC-as-a-Serviceとして実現しました。
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HPEは業界をリードするHPC技術を駆使し、スティーヴン・ホーキング博士のCOSMOSグループと共同で宇宙を地図化するプロジェクトに携わっています。
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