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2021年12月17日

コンピュート管理がクラウドに移行している理由

今日のサーバーは至るところに存在し、データセンターだけでなくエッジにも展開されているため、現場での管理はもはや現実的ではありません。
Software-as a service (SaaS) は、全世界のほぼすべてのテクノロジースタックに浸透していますが、意外なことにエンタープライズサーバーの管理にはそれほど活用されてきませんでした。その状況がようやく変わりつつあります。

現時点でクラウドベースのコンピュート管理プラットフォームを利用しているIT組織は1%にも達しませんが、2025年には少なくとも半数の組織が利用するようになるとGartner社は予測しています。この急激な変化が予想される背景として、今日の組織では、とりわけポストコロナの世界に向けたデジタルインフラストラクチャの再構築が急がれる中で、時間や場所に制約されることなく任意のプラットフォーム上でデータやアプリケーションを利用する必要性が高まっていることが挙げられます。

「これまでは、エンタープライズ顧客の多くが、セキュリティ上の懸念から、コンピュートインフラストラクチャの管理にクラウドベースのツールを導入することに消極的でした」とHPEのシニアプロダクトマネージャーを務めるJohn Gilmoreは述べています。「しかしながら、そうした懸念は和らぎつつあり、クラウドセキュリティに対するITチームの信頼は高まっています。同時に、Management-as a serviceプラットフォームがもたらすメリットは明白で非常に魅力的であるため、今後は導入が急速に進むと予想されます」。

その理由の1つとして、今日の組織が直面しているさまざまな喫緊の課題の解決にSaaSが適していることが挙げられるとGilmoreは指摘します。一例として、ハイブリッドクラウドやプライベートクラウド環境が急速に拡大し、同時にエッジコンピューティングの利用が進む中、多くの企業にとって複雑化する分散型環境の把握と管理が深刻な課題となっています。サーバーやワークロードは増え続けており、さまざまな場所やデバイスからログオンするユーザーも増加する一方です。こうした環境全体の可視性を高め、コスト効率よく管理および保護することが、デジタルトランスフォーメーションを進める企業にとって急務となっています。 

「以前は大多数の企業が、プライマリとバックアップの2つのコアデータセンターを運用していました」とGilmoreは述べています。「数千台のサーバーを保有するような企業でも、この2つの場所にすべてのサーバーが集中配備されていました。しかしながらクラウドとエッジテクノロジーの急速な普及により、今日の企業では数千台ものサーバーやエンドポイントが1,200もの異なる場所で運用されているようなケースが増えており、そのすべてを効率よく管理するのは極めて困難です」。

こうした中でSaaSプラットフォームの価値が注目されています。一元的な管理コンソールが提供され、すべてがSaaSアプリケーションによって処理されるため、管理者はさまざまなツールを、最新状態に保つ手間をかけることなく必要に応じて利用できます。

コンピュート管理のサービス化

ITという観点からは、こうしたメリットには非常に大きな意味があるといえます。共通のクラウドプラットフォームをサービスとして従量制で利用することで、ITインフラストラクチャのプロビジョニングと管理が大幅に改善および簡素化されて、手動での作業が不要になるとともに、サーバープロビジョニングの一貫性が向上します。サーバーの検出、オンボーディング、オペレーティングシステムのロード、構成、更新などはすべて自動的に行われ、オペレーターによる作業は最小限で済みます。さらにIDC社が指摘するとおり、コントロールプレーンが複数のクラウドにわたって共通化されることにより、ワークロードを最適化して効率性を高め、ダウンタイムを減少できることは、とりわけ大規模な組織にとって大きなメリットとなります。また大多数のSaaS管理プラットフォームは、インフラストラクチャの監視および維持に加えて、デジタル資産や通信を保護するための機能も備えています。

さらに今後は統合された予測分析やAIなどの機能が追加されて、ITプロフェッショナルはよりインテリジェントに業務を遂行できるようになるとGilmoreは見ています。事実IDC社によると、現時点では大多数のクラウド管理ツールキットで構成とセルフサービスに重点が置かれていますが、より高度な自動化、分析、Day 2運用 (DC/OSによる説明では「アプリケーション、サービス、およびホストを稼働させ続けるための監視、メンテナンス、およびトラブルシューティング」) に対応するための進化が加速しています。

「サーバーの監視方法は、この20年間ほとんど変わっていません」とGilmoreは指摘します。「IT管理者は毎朝出社後に、まずは運用に重大な影響を及ぼす可能性がある問題が発生していないかどうかを点検します。こうした手法は完全にリアクティブです。これに対してSaaS管理プラットフォーム上では、インテリジェントな分析およびAIにより、すべてがよりプロアクティブなモデルにシフトします。この新たなシステムでは重大な問題が特定されるだけでなく、履歴データに基づき、問題の修正や再発防止のための実践的な推奨事項も提示されます」。

アナリストらが指摘するとおり、サーバー管理にクラウドサービスを利用することで、IT組織はビジネス価値の提供やカスタマーエクスペリエンスの向上など、より戦略的な取り組みに集中できるようになります。

「クラウドやエッジコンピューティングが拡大する中で、ビジネス上の優先事項をサポートするために、何らかの統合管理アプローチの必要性を感じている組織が少なくありません」とIDC社アナリストのStephen Elliott氏は指摘します。

「そうした組織は、デジタルサービスによる収益や顧客対応の向上を図るには、信頼性の向上が重要なことに気付いています。そこで注目されているのがInfrastructure-as a serviceオプションです」。

この点に関してGilmoreも同様に考えています。一例として、クラウドとエッジコンピューティングインフラストラクチャを結び付けることで、組織は分析機能やAIをより迅速に導入して、FAQや一般的な苦情、あるいは基本的なフォームや情報の照会といった、オンラインカスタマーサービスにおける反復的な処理を自動化できると同氏は指摘します。また5Gワイヤレス機能を導入することで、自動運転車、産業用ロボット、商業・軍事用ドローン、顔認識、熱画像、スマートカメラなど、さまざまな先進的テクノロジーにおける障壁となっているデジタルラグタイムの劇的な短縮も可能になります。

「コロナ禍を経て、大多数の組織がデジタルトランスフォーメーションの最後の1マイルを完遂すべき時が来たと確信しました。そして今では、その取り組みをポストコロナのビジネスシナリオにまで拡大しようとしています」とGilmoreは述べています。「サーバーを安全に管理するための中央プラットフォームによって得られる最大のメリットは、そのプラットフォームを基盤として、さまざまな新しいワークロードやアプリケーションの提供が可能になることです。こうした理由からクラウドベースのコンピュート管理プラットフォームが、多くのIT組織で活用され始めています」。

リーダーへのアドバイス

  • クラウド上での管理は、かつては敬遠されていましたが、今日ではセキュリティが大きく向上し、さまざまなメリットが得られるようになっています。
 
  • 組織が保有するコンピューティング資産は、組織の施設内、クラウド、あるいはエッジに存在しています。これらの管理プロセスを一元化するには、クラウドベースのas a service製品が欠かせません。
 
  • 共通のクラウドプラットフォームをサービスとして従量制で利用することで、ITインフラストラクチャの管理者は手動での作業を排除し、サーバープロビジョニングの一貫性を向上できます。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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