2020年6月19日

IoTとは? 30件のFAQへの回答

IoT とは何でしょうか? IIoTとは何でしょうか? このようなFAQやSAQへの回答を見ていきましょう。

40,500: インターネットで1か月に「Internet of Things」という言葉が検索される回数です。

20: 以下に説明する、IoT についての最もよく寄せられる質問 (FAQ) と尋ねるべき質問 (SAQ; Should-Ask Questions) の一部の回答数です。これらの回答を読めば、IoTについて調べる立場からIoTを理解している立場になれます。回答しているFAQは実際の質問から集められているので、あなたが質問した内容が含まれているかもしれません。

最初にSAQを確認しましょう。そうすれば、IoTの最新の全体像を把握できます。

IoTに精通したIT意思決定者になることは、新しい冒険に出かけるようなものです。IoTのプロジェクトに取り組むことで、刺激的でやりがいがあり、創造的で有益な経験を得られるでしょう。2つとして同じプロジェクトはありません。

それでは始めましょう。

 

IoTの基本: IoTのSAQへの回答

IoTに無駄な費用をかけないようにするには?

高い価値を生み出すビジネス成果を目標にして、持続可能なソリューションを見つけます。このソリューションは、長期にわたって確実に機能する必要があります。身に付けるべき考え方は、答えを必要としている問題を見つけ出すことであり、IoTのアイデアを活用できる問題を探し回ることではありません。

有益な情報とは? ビジネス成果とは? 有益な情報を行動に結びつけるには?

有益な情報を手にすれば、何かが起こっていることや、これから何かが起こることを把握できます。たとえば、機械が故障しかけていることに気付いたり、問題について役立つ情報を得たり、修理の予定を入れて問題を解決できることがわかったりします。有益な情報は、ビジネスの問題を解決するために役立つので、その内容をしっかりと把握すれば、行動計画を実施することができます。

人工知能はIoTにどのように役立ちますか?

機械学習はIoTで重要な役割を果たします。扱いが難しいデータから有益な情報を生み出すことができるからです。データ量が多いため、機械学習の計算はしばしばエッジで行われます。クラウドや会社のデータセンターでツールを使用した問題の解決方法をシステムが学習したら、その学習内容をエッジの推論エンジンに展開してリアルタイムで実行できます。

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データサイエンスはIoTにどのように役立ちますか?

データサイエンス、特にデータ分析は、データから有益な情報を体系的に抽出するために使用されます。たとえば、データストリーム内でランダムに見える稀なパターンが発生したら、それは故障の前兆です。そのようなパターンを検出する作業は、AIの活用につながるでしょう。

IoTで成功を収めるには基本的な数学の知識が必要ですか?

学位は必要ありませんが、既存のデータ (数値) とIoTの測定から得られた新しいデータを使って何ができるかを推測できる必要があります。たとえば、ある製造プロセスが故障した場合、測定ポイントをさらに増やせば、故障の発生箇所を特定できるようになるでしょう。追加された測定ポイントの情報を使ってプロセス全体のデータ比較を行うと、有益な情報が得られます。

IoTでエッジを活用するのは重要ですか?

データが生成される場所でデータ処理を行うことは重要です。現場で得られた有益な情報を活用すれば、すぐに行動に移すことができ、中央の拠点にデータを転送する必要もありません。たとえば、建物の監視レポートを現場からいつでもスケジュールできます (1分に1回など)。データをクラウドやデータセンターに継続的に送信する必要はありません。リソースを必要なタスクのみに割り当てることができるので、エッジのコンピューティングシステムでは、シンプルなアプリケーション作成する作業も簡単になります。また、未確定要素が少ないので、ソリューションを簡単に本番環境に対応させることができます。

セキュリティはIoTで大きな懸念事項になるのでは?

はい。IoTでは攻撃対象となる領域が大きいので、エッジでのネットワーキングで重要なことは、信頼性と使いやすさを両立させることです。デバイスに侵入してその計算能力を悪用しようとする攻撃者にとって、膨大な数のIoTデバイスは魅力的なターゲットです。たとえば、不正アクセスしたIoTデバイスを経由して大規模なサービス拒否攻撃を実行できるでしょう。まったく新しい展開であれば、多くの場合、HPE Pointnextサービスを利用して設計段階からセキュリティを組み込むことができます。また、キーボードがないIoTデバイスでは「ようこそ」ページからWi-Fiシステムにログインできないので、汎用のWi-Fiでは不十分です。IoTデバイスでネットワークへのアクセスが制限されている場合は、AIを利用して正常なデバイス動作のプロファイルを定義しておきます。たとえば、ビデオカメラが使用されている場合、カメラからビデオを送信する必要がありますが、カメラがWebサイトに直接アクセスしている場合は、正しく機能していないと判断し、そのデバイスを自動的に隔離するように設定できます。このような手法では、ユーザーとエンティティの振る舞いを分析する必要があり、Aruba IntroSpectなどの製品を利用できます。

IIoTとは?

産業用IoT (IIoT) は製造業で使用されます。製造業の課題にIoTで対応する取り組みを表します。

IoTとデジタル化は同じものですか?

IoTは厳密にはデジタル化 (データを使用してビジネスを推進すること) の一つの側面にすぎませんが、実際には、これらの用語はあまり区別されずに使用されています。

IoTとは何ですか? IoTでないのは何ですか?

あらゆるものが対象になります。現実の世界で実体があればIoTになり得ますが、IoTと見なされるには、IoTからデータを取得できる必要があります。最も極端なケースでは、アナログの目盛りの前にカメラを設置して撮影し、その動きを記録するようなことも考えられます。

これで、IoTについてのSAQにはすべて答えました。次はFAQに答えていきましょう。

 

IoTのFAQへの回答

IoTは簡単に言えばどんなものですか?

IoTは現実の世界での相互作用を測定するアーキテクチャーです。生成されるデータを利用してユーザーの個人生活やビジネスを向上させ、新しいビジネスチャンスを生み出します。IoTを活用すれば、現実の世界で直接観測できるものからデータを取得し、行動につながる有益な情報を得られます。

IoTにはどのような活用例がありますか?

たとえば、ビデオカメラで画像を収集して調査し、不具合を見つけ出すという事例があります。実際に、HPEではビデオを用いた事例があり、アセットの監視や生産性の測定などに使われています。具体的には、生産品の状態を自動判定し、生成された情報を組織全体 (品質管理部門、運用部門、財務部門、顧客サポート、エンジニアリング部門、データサイエンティストなど) で共有しています。

AlexaはIoTに含まれますか?

はい。AlexaはアプリケーションユーザーインターフェイスとしてIoTエコシステムの一部となっており、IoTアクションの報告や命令に使用できます。

スマートデバイスにはどんなものがありますか?

スマートフォンは、スマートデバイスの分かりやすい例です。そのユーザーインターフェイスとセンサーは、デバイスに読み込まれたアプリケーションで使用されるので、スマートフォンは、実世界のデータを測定し、生成された有益な情報を利用できるIoT端末だと言えます。その他のスマートデバイスの例には、自動運転車や、ランナーのデータを収集してフィードバックしてくれるスポーツ/ランニング用の時計などがあります。

なぜIoTについて学ぶ必要があるのですか?

IoTについて学ぶことで、IT意思決定者は、ビジネスや個人の成果を向上させるイノベーションを提案できるようになります。新しいソリューションを実装すると、コストや時間を節約できるだけでなく、安全性や効率を改善できます。これらはとても大きなメリットですが、個人やビジネスの成果を向上させる素晴らしい結果を得ようとする際には、一見良さそうに思えても実は役に立たないアイデアに惑わされないように注意してください。単に「気に入った」アイデアを選ぶという安易なやり方は避けましょう。これは、優れた意思決定を下し、投資回収率を高めるために重要な点です。

IoTでデータ量が増えることの重要性は?

データ量が増えれば、数多くの有益な情報が得られるので、ビジネスの成果が向上し、新たなビジネスチャンスが生まれます。たとえば、回転機械 (さまざまな種類のものがあります) では、ローカルセンサーで機械の音を監視すると、以下のことが可能になります。

1. 機械が故障する前に、早期段階の障害を検出します。
2. デバイスが問題なく動作していることを示します。
3. 次回の定期メンテナンスはキャンセルできると判断します。

回転機械でIoTを活用すると、膨大な使用事例が生まれるでしょう。回転機械には非常に多くの種類があり、世界中のあらゆる電動機も含まれるからです。

IoTにおける人工知能の役割は?

AIを使用して、現実の世界から得られたIoT情報のデータを解釈できます。さらに、データサイエンスとAIを組み合わせた分析も可能になります。

デバイスで使用されているIoTの例は?

たとえば、ロボットを用いた生産機械、物理環境センサー (温度、湿度、光などを計測します)、リモート制御の照明スイッチなどがあります。他にも、車の物理システム (エンジン、ブレーキ、トランスミッション、カーナビなど) の稼働状態の測定や、メンテナンスの延期 (コスト削減) または早期実施 (故障や障害を避ける) の判断を行うことができます。これによって、車を良い状態に保つことができるので、1台の車を長く所有する人を満足させることもできるでしょう。私たちが作り出すあらゆるものを最大限に活用することは、地球環境を守るために不可欠です。

どのようなデバイスがIoTの一部となりますか?

私たちが操作できるほぼすべてのものはIoTの一部になり得ますが、そのようなデバイスは、直接的 (センサーなど) または間接的 (ビデオカメラなど) に情報を提供できる必要があります。

IoTアプリケーションとは何ですか?

IoTアプリケーションは、データから有益な情報を得るために使用され、クラウドやデータセンター、エッジなど、あらゆる場所で実行できます。スマートフォンで実行することもできます。

どのようなIoTアプリケーションがありますか?

たとえば、以下のようなIoTアプリケーションがあります。

  • ホームセキュリティカメラで映像の変化を検出して記録し、スマートフォンにアラートを送信します。
  • エレベーター監視システムでエレベーターが正常に動作しているかどうかを監視し、故障が発生する前にエンジニアの都合の良いときに定期メンテナンスを行えるようにします。
  • スマートシティで、ドライバーを空きのある駐車場に案内します。
  • 病院で患者の状態を監視します。
  • 地震の発生を検知します。

 

IoTの将来はどのようになりますか?

IoTは、直接目にする機会が徐々に減っていき、消えていくように感じられるでしょう。日常生活のあらゆる場所に溶け込んでいくからです。すでにIoTアプリケーションは私たちの日々の生活の一部になっています。

IoTに取り組むのは簡単ですか?

よい質問ですね。IoTは、正しいアプローチを取れば簡単ですが、データを取得して使用し、価値あるビジネス成果を生み出す方法について誤解があると、難しいものになってしまいます。完璧でなくてもいいと意識すれば、IoTはより簡単になります。50%の利益なら低コストで簡単に得られるという場合は、それを手に入れましょう。

IoTは誇大宣伝されていませんか?

はい。大した価値もなく実用的でない事例で多くの時間を無駄にした意思決定者は、IoTの誇大宣伝に惑わされないようになっています。

IoTの仕組みは?

IoTの仕組みは、以下の4つのステップからなります。

1. 実世界からデータを収集します。
2. データを分析します (他のデータソースを追加することもあります)。
3. 有益な情報を生成します。
4. 有益な情報から、成果を生み出すための行動を決定します。

IoTプログラミングとは何ですか?

IoTプログラミングでは、成果を生み出すためにデータを処理します。プログラミング言語を使用するだけでなく、データサイエンスの分野でよく知られたデータ分析フレームワークが大きな役割を果たします。

IoTに最適は言語は?

必要な言語は使用事例によって変わります。多くの人が使い方を知っているので、Pythonは最初に学ぶのに最適です。

PythonはIoTに適していますか?

はい。Pythonは最初に学ぶのに最適な言語で、たとえば、Raspberry PiでIoTを試すときにも役立ちます。C/C++の使用方法を学ぶには、Arduinoが優れたプラットフォームです。

IoTにコーディングは必要ですか?

IoTで常にコーディングが必要なわけではありません。たとえば、Alexaで操作できる電話はアプリとしてダウンロードでき、設定も簡単です。私は自宅でKasaとAny.doというアプリを使っています。他にも、必要な答えを得るために構成可能なツールを組み合わせてアプリを構築するソリューションがあります。PTC ThingWorxはその一例です。

IoTを学ぶのに必要な時間はどれくらいですか?

より重要な問題は、IoTに関する思い込みを捨て去るまでどれくらいの時間がかかるか? というものでしょう。IoTには非常に多くの使用事例がありますが、このような状況は混乱を招く可能性があります。さまざまな業界やシステムで数え切れないほどの使用事例がありますが、実際は同じようなものが多いからです。そのため、次のように質問を変えましょう。IoTを活用して問題解決に役立つ成果を得られるようになるまで、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?

大切な点は、答えを必要としている問題を見つけ出すことであり、IoTのアイデアを活用できる問題を探し回ることではありません。このような間違った考えはよく見かけます。ホームオートメーションの場合、スマートフォンのアプリストアで入手できるコンポーネントを使用してアプリを構築すれば、一晩で使い始めることができます。Raspberry Piを使用できる場合、現実の世界での入出力を使用してRaspberry Piを実行できるようになるまで、約1日かかります。ビジネスアプリケーションを初めて作成する場合は、その複雑さに応じて、数日あるいは数週間が必要でしょう。最初の使用事例で経験を積めば、次の事例はさらに簡単になり、重要な成果につながる必須の使用事例でも、3~5週間集中して取り組めば理解できるようになります。

これで、最適な時期が来るまでIoTに取り組むのを待つ必要はなくなりました。どこから始めればよいか悩むこともないでしょう。

今年を、ROIを向上させるIoTプラットフォームを実装する年にしましょう。このプラットフォームはあなたのワークライフを効率的かつ効果的に改善してくれます。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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