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2019年4月16日

データセンターに関する注目トレンド

企業のデータセンターが、IT運用に欠かせない存在であることは今後も変わりませんが、その利用方法は変わりつつあります。

将来に目を向けると、データセンターそのものの概念や、データセンター内でタスクが達成される方法は、さらに進化を続けると予想されます。Google、Microsoft、Apple、Facebookなどの巨大企業が運用するメガデータセンターが注目を集めていますが、従来の企業データセンターも今なお健在です。こうした企業データセンターでは、当初に想定されていたタスクに加えて、新たな興味深い手法により今日のITワークロードもサポートされています。

通常企業内には、内部で運用する方が望ましいテクノロジーやビジネスプロセスが常に存在しており、この目的のためだけでも、企業ITにおけるデータセンターの重要性が揺らぐことはありません。ただしテクノロジーの進化につれて、データセンターの利用方法や実装方法は変化しています。2019年には、こうした傾向が継続されるとともに、未来のデータセンターの姿がより明瞭になってくると予想されます。

 

存在感を増すエッジ

データセンターは決して時代遅れの存在ではなく、ほとんどの場合、データセンター内で運用されているレガシータスクは依然として重要です。その一方で、大規模ファシリティへの集中化に関しては変化が生じています。今日では、ITワークロードを中央で一括処理する代わりに、小規模なデータセンターを各地に展開し、顧客により近い場所でサービスの提供やコンピューティングを行う企業が増えています。こうした再配置により、データを収集しているIoTデバイスのバックホールが短くなり、レイテンシが改善されます。またIoTが人々の暮らしに浸透し、大量のデータをエッジで収集するようになるのに伴い、これからのデータセンターはスケールアップ型ではなくスケールアウト型の拡張を求められるようになると予想されます。

 

コロケーションは今後も存続

今日の企業はニーズが高い場所の近くにリソースを配置することを求められていますが、分散型ファシリティを自前で構築する必要性は必ずしもありません。社外のファシリティでホスト可能なITワークロードについては、そうしたサービスを利用することで、IT部門はデータセンターの運用ではなく、ワークロードに注力できるようになり、事業に必要なサービスを提供するという本来の役割に立ち返ることができます。コロケーションファシリティに配備された数台のラックからスタンドアロン型のマイクロデータセンターやいわゆる「ボックス型データセンター (Datacenter-in-a-box)」のコンセプトに至るまで、データセンターITチームはビジネスサイドがデータセンターに何を求めているのかを再考する必要があります。2019年以降のデータセンターがどのような姿になるかは、基幹業務 (LOB) ITが鍵を握っています。

 

プライベートクラウドが企業のクラウドサービスの主流となる

多くの企業がクラウドへの移行を進めている一方で、制御権の放棄は望んでいません。そのため企業データセンターへのプライベートクラウドインフラストラクチャの導入が急速に進んでおり、IDC社の調査によると、クラウド支出の28%以上をプライベートクラウドが占めています。また企業の管理下にある環境からデータを持ち出すことなく、ビジネスユーザーにクラウドサービスを提供するために、Azure Stackのような製品の利用も拡大しています。パブリッククラウドインフラストラクチャも必要に応じて利用されますが、サービスの提供元がエンドユーザーに意識されることはなく、また意識されるべきでもありません。重要性が極めて高く、第三者の手に委ねることが好ましくないサービスは、今後もデータセンターでホストされると考えられます。

 

管理の重要性が増大

従来のデータセンター ネットワーク オペレーションセンターの重要性は今後も変わりませんが、全体的な管理体制を見直して、データセンターの運用に加えて、クラウドベースのサービス (パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方) も包括的に把握できるようにする必要があります。データセンターのオペレーターは、この包括的な管理体制のもと、LOBのIT担当者が、アプリケーションの運用場所がどこであるかにかかわらず稼働状況を把握したり、プロバイダーが誰であるかにかかわらずサービスデリバリ状況を確認したりできるようにすることを求められます。そのためには、データセンターインフラストラクチャの管理ツールを導入するだけでなく、ビジネスオペレーションの管理にも目を向ける必要があります。また今後は、レガシーな環境か先進的な環境かにかかわらず、ソフトウェア デファインド データセンター (SDDC) が標準的なデータセンター運用モデルになっていくと思われます。これはレガシーな環境であっても、サービスをオンデマンドで追加する機能の優先度が増すためです。SDDC内では、ハイパーコンバージェンス、コンポーザビリティ、ソフトウェア デファインド ネットワーク/ストレージなどのテクノロジーの利用が拡大すると予想されます。2019年におけるデータの活用と成長におけるキーワードは柔軟性です。

 

データセンター内でのHPCの運用

ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) をパブリッククラウドサービスの形で利用できるようになった一方で、AI/機械学習ベースのアプリケーションの増加は、先進的なテクノロジーを活用する企業にとって、HPCの可用性がより重要になっていることを意味します。プロトタイピングや試験運用にはパブリッククラウドインフラストラクチャを利用することも可能ですが、AI/機械学習ベースのアプリケーションがビジネス上の重要な差別化要因となるなか、大規模企業はエンドツーエンドの制御性を求めています。こうしたニーズを満たす最も簡単な方法は、企業データセンターの活用です。

 

ハイブリッドクラウド

未来のデータセンターを考えるうえで鍵となるのがハイブリッドクラウドです。未来のデータセンターがどのような姿になるにせよ、事業部門にクラウドサービスを提供するうえで、データセンターが重要な役割を担うことは間違いありません。



課題となるセキュリティ

セキュリティは何かにつけて厄介な問題です。IT環境全体、とりわけデータセンターにとって、セキュリティが今後も重大な課題であることは疑いありません。データセンターでは、物理的なセキュリティからITワークロードのセキュリティまで、さまざまな課題に対処する必要があります。2019年にはセキュリティ標準の厳格化が進み、あらゆるデータセンターにおいて、最先端のセキュリティ技法、ツール、およびソフトウェアの導入が加速すると予想されます。

この記事/コンテンツは、記載されている個人の著者が執筆したものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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