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2021年3月26日

新たな分業体制

ニューノーマルの時代に適応するために働く人々が求められている変化を探ります。

加速するデジタル化への対応とポストパンデミックの安全な作業環境の構築という二重の課題を抱えるなかで、多くの企業がテクノロジーを活用することによる、従業員の支援、フレキシブルな自動化の導入、業務の再分配、運営リスクの低減などを目指しています。

パンデミックにより加速する職場のデジタル化により、事業の運営方法に大きな影響を及ぼすと思われる、新たな分業体制への移行が進んでいます。企業がこの新たな時代を生き抜き、さらなる成長を目指すには、さまざまなツールを積極的に活用してリモートワーク体制に移行し、それに応じて従業員を再分配することが欠かせません。

パンデミックの発生以前、ビジネスリーダーらは事業継続性問題をディザスタリカバリ計画の観点から捉えており、緊急事態が発生した場合でもITインフラストラクチャを稼働させ続けられるかが焦点となってきました。しかしながらニューノーマルの時代を迎えた今、今日の分散型ワークプレイスで従業員が業務を継続できるかどうかを考えることが求められています。これはエンプロイージャーニーにも大きく関わる問題です。従業員が業務を継続するためには、適切なデジタルインフラストラクチャに加えて、生産性向上ツールやコラボレーションツールの提供が欠かせません。さらにテクノロジーを使用して従業員の業務を再分配することで、企業は新たな時代を生き抜くことが可能になります。

多くの企業、とりわけ職場内の物理的交流に依存してきた企業にとって、昨今の状況下で安全性と生産性を維持しつつ事業活動をいかに継続するかは深刻な問題です。ソーシャルディスタンスが求められるなかで、オンサイト勤務が可能な従業員は限られており、このことが大きな課題となっています。デジタル化の加速、リモートワークの実現、およびフレキシブルな自動化は、もはや将来的な目標ではなく、今すぐ対応すべき現実です。パンデミックの発生は、デジタル化の進行により変化するニーズへの適応といった、企業がすでに抱えていた課題を浮き彫りにし、新たな分業体制を導入すべき根拠もより明白になっています。

バーチャルリアリティと拡張現実、フレキシブルな自動化

分業化がもたらす変化は、リモートのスペシャリストとオンサイトのゼネラリストといった物理的な分離にとどまりません。新たな作業環境では、スペシャリストであれゼネラリストであれ、従業員の支援にテクノロジーをいかに活用するかがカギとなります。不足しがちなスペシャリストを有効に活用するためには、スペシャリストがオフサイトからリモートで作業できるようにするとともに、場合によっては (現場のゼネラリストを支援するために) タイムシェアリングの導入を検討することも必要です。

バーチャルリアリティ、拡張現実、複合現実、リモートガイダンスといった没入型のリッチメディアを活用して、従業員のスキルセットの向上、業務の効率化、事業継続性の強化を図ることも大切です。具体的には、マシンビジョンにより従業員を補強する、拡張現実を使用して技術的な問題をリモートで解決する、あるいは現場のゼネラリストに解決方法を指示する、といった活用方法が考えられます。没入型のリッチメディアについて理解し、積極的に活用することは、変化する職場のニーズに対応するうえで大きな助けとなります。

パンデミックの発生は、自動化を活用することによる従業員の業務の再分配も加速させています。リッチメディア機能が物理的な交流の必要性を最小限に抑えつつ従業員を補強できるように、フレキシブルな自動化は、企業が完全な形で事業活動を維持できるかどうかを大きく左右する可能性があります。

自動車製造工場を思い浮かべてください。自動車の組み立て工程の大半は自動化されていますが、品質保証の段階は通常、人間の目視検査によって手動で行われています。この工程を自動化し、たとえば品質保証段階でビデオ解析を使用できれば、より予測可能で一貫性のある品質評価を実現できます。さらに自動化された品質保証データを開発フェーズにリンクさせて、同じミスの再発を未然に防止することで、製造工程全体の改善も可能になります。このようにフレキシブルな自動化システムを実装することで、従業員および生産工程そのものの一貫性、品質、および安全性が向上します。

あらゆる業界が直面している課題

前述の例では製造業におけるフレキシブルな自動化の活用機会を取り上げましたが、現場の従業員への依存を減らし、従業員をテクノロジーで補強し、フレキシブルな自動化を活用する必要性は、あらゆる業界に共通しています。製造・生産現場だけでなく、今日ではあらゆる企業が新しい分業体制の構築を求められています。ナレッジワーカー (プログラマー、エンジニア、研究者、アーキテクト、科学者、金融アナリストなど) はそれぞれ固有の要件を有し、さまざまなテクノロジーを活用しています。彼らは巨大なCAD/CAMファイルなどの高負荷グラフィックスや大規模データセット、アルゴリズム処理に多くのネットワーク帯域幅を消費する分析ソフトウェア、あるいは機密性の高い知的財産やデータへのアクセスを必要とします。

こうしたナレッジワーカーが新たな分業体制から取り残されないようにするにはどうすればよいでしょうか。ここでも解決策となるのはテクノロジーです。たとえば仮想デスクトップを導入すれば、ナレッジワーカーがあらゆる場所のあらゆるデバイス上で自分のデスクトップを利用できるようになる一方で、データは企業のデータセンター内に保持したままにできます。仮想デスクトップは、高性能ニーズに適したコンピューティングパワーを提供するとともに、グラフィックを多用するリモートアクセス用の大規模アプリケーションを一元化することで、従業員のコラボレーションも向上させます。

こうした手法を採用すれば、コアIPをこれまでどおりセキュアな環境内に保持できるため、ナレッジワーカーと企業経営者の双方にメリットがあります。同様に、リモートクレーンオペレーター、研究員、MRIマシンを操作する臨床技術者など、エアギャップにより隔離された環境へのアクセスを必要とする人々のためのテクノロジーも存在します。複合現実テクノロジー技法および要塞ホストによるネットワークアクセスを使用すれば、こうしたナレッジワーカーが物理的な作業場所に関わりなく、目的のマシンにアクセスして操作することが可能になります。分業体制と変化する作業環境という文脈において、没入型のリッチメディアは、企業が新たな時代に適応し、さらなる成長を遂げるための重要な手段となります。

ニューノーマルがもたらすチャンスをつかむ

新たな分業体制、業務の再分配、およびフレキシブルな自動化は、いずれも変革を促す重要なコンセプトであり、ニューノーマルの時代のあらゆる事業運営を一変させる可能性があります。先行き不透明な状況下では、問題を完全に無視したり、一過性の事態と捉えて場当たり的に対処したりしがちです。しかしながら職場環境は大きく変化しており元に戻ることは考えられません。

企業が生き残るために、ビジネスリーダーは従業員のニーズを事業継続性の問題と捉えて対処しなければなりません。目指すべきハイブリッドワークプレイスについて熟考することが必要です。事業継続性を支えることができるインフラストラクチャを実装し、従業員のためのサービス、ツール、迅速性、強化、接続性、セキュリティなどについても考慮しなければなりません。テクノロジーはかつてない勢いで進化しており、パンデミックの発生はテクノロジーを活用することの重要性を私たちに再認識させるものとなりました。

新たな時代に企業が成長を続けるためには、人員の再分配とテクノロジーによる強化を計画の中心に据えることが欠かせません。現在の情勢はデジタルトランスフォーメーションを推進する好機です。入念な計画と断固とした行動が求められています。ニューノーマルの時代はすでに到来しており、この新たな時代に適応することは働く者すべての責務です。

ニューノーマルへの適応には、以下の要素が求められます。

  • 接続性。将来的な課題に備えるために、耐障害性に優れたデジタルインフラストラクチャが必要です。
  • セキュリティ。データ侵害からビジネスを守るために、ゼロトラストフレームワークおよびその他のベストプラクティスの実装が欠かせません。
  • ボーダーレス/ハイブリッドワークプレイス。今日では職場内の境界線が消えつつあります。ハイブリッド環境では、テクノロジーで強化された従業員が時間や場所に制約されることなく業務を遂行できなければなりません。
  • よりスマートな働き方。従業員の業務を再定義および再分配して、不測の事態が発生した場合にも、従業員が作業を継続できるようにする必要があります。
  • 変化への適応。イノベーションを推進し生産性を向上するために、企業は従業員が変化を積極的に受け入れるよう支援しなければなりません。適切な知識とスキルの習得を促すことが大切です。トランスフォーメーションプロセスを通じた信頼と協力体制の構築が求められます。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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