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2020年9月25日

コンテナ戦略のラストワンマイル

エッジのユースケースが一般的になりつつある中、非常に極端なケースでコンテナを確実に展開するにはどうすればいいのでしょうか。

今日では、多くの企業が従来のデータセンターやクラウド以外でデータに関する高度なユースケースを取り入れています。こうした傾向は今後も続くと見られており、たとえばGartner社の予測によると、2025年までにすべての企業のデータの75%がネットワークのエッジで作成または処理されるようになります。

コンテナ戦略を策定する企業は、エッジコンピューティングが広く普及し、多くのユーザーがエッジまでのラストワンマイルを含むITインフラストラクチャ全体に対応するコンテナ戦略を必要としていることに留意すべきです。

コンテナをエッジにまで展開するというのは何を意味するのでしょうか。モノのインターネット、機械学習、5G接続ステーションなどのエッジテクノロジーは、画一的なコンテナ戦略でサポートできるユビキタスなリソースコンシューマーであると認識されていますが、それほど単純なものではありません。

エッジのユースケースはそれぞれに大きく異なり、あるケースの戦略が他のケースでは役に立たないこともあります。たとえば、製造業者では生産ライン上にエッジがある一方、病院では数百の病室がエッジになっている場合もあります。また、運送会社ではそれぞれが接続されていないトラックでデータが生成されていたり、銀行では数万台のATMでエッジが構成されていたりといったことも考えられます。

皆さんの組織ではどこがエッジになるのでしょうか。またエッジコンピューティングに固有の要件に対応するコンテナ戦略を策定するにはどうすればいいのでしょうか。現在使用しているテクノロジーとその用途にかかわらず、これからはネットワークのエッジで作業を行うのに必要な量のコンピュート、ネットワーク、およびストレージリソースを提供していかなければなりません。

 

エッジでの共通の課題

自動運転車、拡張現実、予測メンテナンス、ブロックチェーンなど、エッジのユースケースはそれぞれに異なりますが、どのユースケースでも最も重要なポイントは共通しており、大量のデータが消費されます。問題は、そうしたデータのすべてをどこでどのように処理するのかであり、一般的にエッジで処理できなければ、コアに送り返すことはできません。そのため、エッジで維持するデータと送り返すデータを決定する戦略を策定する必要があります。

また、データセンター、クラウド、あるいはその両方の組み合わせのどれを使用しているのかにかかわらず、エッジサイトからコアに至るまでの一貫性のあるデータファブリックを構築する必要もあります。エッジサイトからコアにデータを移動したり、複製したり、エッジサイトからデータにアクセスしたりするプロセスは一貫した、コンプライアンスの要件を満たすものでなければなりません。そして政府が定めるデータプライバシーの規則でデータを特定の場所に置いておくことが求められている場合は、データ戦略でその点を考慮する必要があります。

セキュリティも優先事項となりますが、既存のセキュリティモデルを崩壊させることなく、数十万のエッジサイトにわたるセキュリティ体制を維持するにはどうすればいいのでしょうか。過去のテクノロジーは、問題の規模が大きく対応の自動化が求められるため使用することはできず、より一層自動化された、自己修復型のソリューションが必要です。

最後に、コンテナベースのアプリケーションを他の部分に展開するにはどうすればいいのでしょうか。優れたコンテナ戦略には、場所やタイミングを問わず、一貫してアプリケーションを展開できる手段が含まれています。

  • セキュリティも優先事項となりますが、既存のセキュリティモデルを崩壊させることなく、数十万のエッジサイトにわたるセキュリティ体制を維持するにはどうすればいいのでしょうか。過去のテクノロジーは、問題の規模が大きく対応の自動化が求められるため使用することはできず、より一層自動化された、自己修復型のソリューションが必要です。

    エッジでの共通の課題

展開のベストプラクティス

多くの企業は、ハードウェアプラットフォームにかかわらず、アプリケーションポータビリティおよびPlatform as a Service機能の基盤を提供するコンテナオーケストレーションプラットフォームとして、Kubernetesを導入してきました。Kubernetesはワークフローを合理化し、ネットワーキング、ストレージ、ログ、アラートなどの従来のタスクを自動化しますが、Kubernetesプラットフォームを拡張してエッジ環境の数万台のノードを管理するのは容易ではありません。

エッジでKubernetesベースのディストリビューションを使用する計画を立てているのなら、次のような特長を持つコントロールプレーンが必要です。

  • 複数の地域やプラットフォームにわたる多くのクラスターを処理できる。
  • 同じ環境内の複数バージョンのKubernetesをサポートする。
  • 他のバージョンを管理しているかどうかにかかわらず、それらのクラスターを新しいバージョンのKubernetesに個別にアップグレードできる。
  • Kubernetesクラスターのバージョンや場所にかかわらず、すべての地域に一貫したデータファブリックを展開し、APIとプロトコルを一貫してサポートできる。
  • 各事業部門のマルチテナンシーのクラスターとバージョンを個別に管理する。

 

必要な変更

エッジの要件に対応するには、いくつかの面でコンテキストを変更する必要があり、たとえば、チケットの発行がかなり複雑になるといったことが考えられます。1,000台の仮想マシンから5,000台のコンテナノードへの移行は大きな一歩となりますが、このような移行に対応できるように自動化を進めていなければ、システムがそうした取り組みを失敗に終わらせる要因となります。

変更が必要なのは、データファブリックとデータ移行のコンテキストです。現在のところ、それぞれが個別にアプリケーションに接続する、つながりのないデータサービスを使用しているかと思いますが、1台のネットワーク接続ストレージデバイスとまったく新しい一連のアプリケーションとの間でデータを共有したいと考えているのであれば、レプリケーション戦略が複雑化の原因にならないようにする必要があります。そのため、MapRなどのグローバルな名前空間をサポートして一貫したデータアクセスを実現する、データファブリックソフトウェアプラットフォームについて調査します。

今日では、ほとんどのユースケースに機械学習機能向けのインテリジェンスが含まれており、データキュレーションと学習するシステムの開発に関する戦略には、現在一般的に展開されているものよりはるかに堅牢で柔軟なデータファブリックが必要です。

 

検討すべきポイント

ラストワンマイルを構成するにあたっては、次のような重要なポイントについて検討する必要があります。

  • エッジへのネットワーク接続はどのようになっているか。接続が非常に多く、常にエッジと通信しているのか、または1日~2日に1回しか接続しない自動運転車のように、それほど接続が多くないのか。
  • エッジユニットを自律的に動作させる必要があるのか。自己修復、セキュリティに関する問題の修正、およびデータ管理のためのインテリジェンスが必要か。また、広範なネットワークに接続した場合、迅速に最新情報を受け取ってタイムリーにデータをやり取りできるか。
  • エッジサイトのサービスモデルはどのようになっているか。人がきめ細かく管理する25のサイトがあるのか、または3人のチームが管理する2,500のサイトがあるのか。これは、求めているサービス品質を実現するためにエッジ環境で必要となる自動化のレベルを示します。
  • エッジの接続デバイスはどれだけ高性能か。IoTデバイスにインテリジェンスは組み込まれているか。組み込まれているのであれば、エッジ内でそのまま使用できる機能と要件に対応するためにコアに接続する必要がある機能はどれか。サービス品質の要件は、ラストワンマイルにどのようなインテリジェンスが必要であるのかと、フォンホームシステム用としてデバイスで何が必要であるのかを示します。

 

これらの要件はいずれもコンテナ戦略と関係があり、自動化、セキュリティ、そしてその支えとなるデータは、コンテナ戦略がベースとなります。

 

成功を実現するための計画

エッジはすでに活用されており、消えてなくなることはないため、コンテナ戦略を適応させる必要があります。上記のようなアクションを取ることにより、企業はどのようなアプリケーションを展開するのか、またそれらのアプリケーションをどこに展開することにしたのかにかかわらず、イノベーションと成功の実現に向けた体制を整えることができます。

 

コンテナとエッジ: 概要

  • コンテナ戦略では、増加しつつあるエッジのユースケースに固有の要件を考慮する必要があります。
  • 優れたコンテナ戦略の重要なコンポーネントとしては、エッジからコアに至るまでの一貫したデータファブリック、セキュリティ、自動化などが挙げられます。
  • ラストワンマイルを構成するにあたっては、エッジへのネットワーク接続について、自己修復のためのインテリジェンスが必要かどうかや、サービスモデルがどのようなものであるのかといったことを検討しなければなりません。

この記事/コンテンツは、記載されている個人の著者が執筆したものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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