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2021年9月17日

データの意味を見いだす:  モダンデータプラットフォームの構築

真にモダンなデータプラットフォームによって、企業はタイムリーなデータアクセス、AIの導入、リアルタイムのデータ利用を実現できます。
現在の企業はデータに関する問題を抱えています。データを取得して保存するプロセスは非常にうまくいっていますが、課題となっているのはデータから意味を見いだすことです。このプロセスは特にAI/MLを活用した分析で重要です。実際に、企業はデータの取得と保存には多額の投資を行っており、そのデータ量はすでにペタバイト (100万ギガバイト) を超えていると見積もられていますが、収集したデータのほとんどは一度も使用されていません。

これは大げさに言っているわけではなく、Forrester Research社は、企業が収集した全データのうちほぼ75%が分析に使用されていないと見積もっています。また、別の調査によれば、企業は収集したデータの55%以上について、その利用方法がわかっていないか、そもそもどんなデータを収集したのかさえ把握していません。

組織の全データにより簡単かつ論理的にアクセスできるシステムがあれば、このような無駄になっているデータを掘り起こして役立てることができます。

モダンデータプラットフォームと明確なデータストラテジを組み合わせることで、企業は収集したデータから一貫した方法で価値を引き出すことができます。

不完全なシステム

企業が収集したデータを価値あるものに転換することに苦労しているのはなぜでしょうか?

主な理由は、データが集中管理されておらず、必要なときにすぐにアクセスするのが非常に難しいことにあります。現代の企業では、ほぼあらゆる場所にデータが存在しています。たとえば、社内のデータセンター、サードパーティ企業のデータセンター、クラウド上のリポジトリ、エッジなどの場所です。

企業は、新しいビジネスのユースケースごとに、その特定の課題に対処するテクノロジーを構築しようとします。毎回、新しいデータベース、ダッシュボード、データフィードシステムが作成され、各ユースケースで複製されたデータサイロが散在することになります。しかも、それぞれのデータサイロでは、独自のテクノロジースタックとデータの保存/管理方法が用いられています。

このような不完全なシステムは管理が難しく、保守の費用もかかります。企業は自社のデータにアクセスすることが難しくなるだけでなく、組織のエンドユーザー、つまり仕事をうまく進めるためにデータを必要とする従業員の期待に応えることもできません。

しかし、データを取り巻くこのような状況が一変したらどうなるでしょうか。つまり、集中管理されていないデータモデルに代わって、データ全体のエコシステムにストレージ、コンピュート、分析ツール、ビジュアル化、その他のミドルウェアアプリを組み込み、ユーザーがあらゆる場所のデータにアクセスできる統合システムを使用するのです。そのようなモデルは、モダンデータプラットフォームの背景にある考え方です。

モダンデータプラットフォームとはどのようなもので、実現するための最適な方法はどのようなものでしょうか?

将来を見据えた設計

モダンデータプラットフォームの概念は、1つの製品を対象とするものではなく、より広範に適用されます。Webサイトの背後にある単なるデータベースではありません。モダンデータプラットフォームは、セキュアかつ柔軟なエンドツーエンドの統合アーキテクチャーであり、企業が今日直面しているデータに関するあらゆる課題に応えるソリューションだと言えます。

企業は、将来を見据えたデータプラットフォームを2つの基本的な方法で設計できます。まず、ゼロから設計をやり直し、これまでに投資したデータシステムを完全に置き換えて、大規模な改革を一気に進める方法があります。この場合、モダンデータプラットフォームに必要なすべてのコンポーネントが最初から用意されます。

しかし、企業はもう1つの方法、つまり、このようなプロセスを段階的に進めることを選び、ユースケースごとにステップバイステップで取り組んでいく可能性が高いでしょう。以前に包括的な計画や構想なしに自社のデータシステムを開発したときとは違い、アーキテクチャーのブループリントに基づいて開発することで、新しいデータプラットフォームを後から拡張して、追加のデータタイプやAIのユースケースを組み込めるようになります。

たとえば、最初のユースケースでリレーショナルデータベースを必要としていた場合、新しいアーキテクチャーの計画では、同じプラットフォームで他の種類の非リレーショナルデータも保存できるようにします。

総合的な観点から見ると、モダンデータプラットフォームは、あらゆる種類や数のデータに対応するデータ主導型ユースケースのエンジンだと言えます。最も重要な点は、企業が自社のデータから一貫した方法で価値を引き出すことができ、データが必要になるたびに見つけ出す必要がなくなることです。

プラットフォームのアーキテクチャー

モダンデータプラットフォームのコンポーネントは、基本的に、データストレージとデータ処理 (コンピュート) という2つの主なセグメントに分けられます。

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データストレージの側では、コンポーネントやレイヤーとしてヒューレット・パッカード エンタープライズのEzmeralのようなある種のデータファブリックが組み込まれる場合があり、管理作業をシンプルにし、オンプレミス、クラウド、エッジのすべてのエンドポイントで一貫した操作を実現します。このソフトウェアによるデータ編成は、あらゆるものを統合するためにも役立ち、プラットフォームとその中のすべての要素をまとめて簡単にスケーリングできるようになります。

データストレージの側にあるもう1つの主なコンポーネントは、ストレージの仕組みそのものです。あらゆる種類のデータベースのデータを簡単にアクセスできるように1箇所にまとめることで、データに関するさまざまな難題に対処できます。企業は、データの検索、転送、結合、処理、スクラビングをすばやく効率的に行えるようになります。

ここまでは話の半分にすぎません。もう1つ、データ処理/コンピュートの側もあります。このレイヤーには、新しいアプリケーションやサービスの照合、アクセス、取得、分析、レポート、作成に必要なツールとテクノロジーがすべて組み込まれており、一般に、プラットフォームに保存されたデータと連係して動作します。

モダンデータプラットフォームのコンピュート側で鍵となるのは、Kubernetesなどの新しいコンテナベースのテクノロジーの統合です。このテクノロジーによって、企業は新しいアプリケーションの開発と展開を簡素化、加速、調整できるようになります。自己完結型のソフトウェアパッケージであるコンテナを利用すると、新しいネットワークアプリケーションやサービスを、他のアプリケーションと干渉することなく開発してテストし、投入できます。コンテナオーケストレーションのプラットフォームであるKubernetesは、ユーザーがさまざまなソースから得たデータを効率よく同時に扱うことができる点で、データ処理に大きな変革をもたらします。

あらゆる場所のデータにどこからでもアクセス

ユーザーにとって、コンテナプラットフォームはモダンデータプラットフォームのフロントエンドになります。1つのインターフェイスとダッシュボードのみを使用して、必要なデータをプルし、データ処理および分析アプリケーション、機械学習、データのビジュアル化、その他のミドルウェアアプリケーションを実行できます。

企業は、モダンデータプラットフォームを使用すると、集中管理されたデータへの直接アクセスをユーザーに提供することで多くのメリットを得られます。ユーザーは、別の国や大陸など、あらゆる場所のデータが利用可能になります。

企業は大量のデータを収集して保存し続けています。モダンデータプラットフォームの構築プロセスを加速することで、新しく保存されたデータからタイムリーに意味を見いだして、組織にとって重要な価値を生み出せるようになります。

エンタープライズデータのベストプラクティス

モダンデータプラットフォームの構築を検討している組織のベストプラクティスを以下に示します。

  • 提案型のアプローチから始めます。ビジネスの目標、ビジネスで直面している問題、それらの問題を解決するためのデータの利用方法について考えましょう。
  • 戦術的なアプローチをとります。最適なユースケースは何でしょうか? 最小限の投資で最大限の価値を得られる、達成しやすい目標を見つけ出し、その投資の意義を会社の出資者に示して、次のユースケースを構築して実施するために使います。
  • 将来に備えた設計にします。組織の現在と将来のビジネス目標に沿っており、さまざまな種類のデータに対応するデータプラットフォームを設計しましょう。
  • 基本的な要素の構築から始めます。そうすることで、最初のユースケースを満たして次のユースケースに備えることができます。
  • 永続可能な価値のサイクルを作ります。問題を解決してビジネスを改善することで価値を高め、次のユースケースに必要な投資を獲得し続けましょう。

この記事/コンテンツは、記載されている特定の著者によって書かれたものであり、必ずしもヒューレット・パッカード エンタープライズの見解を反映しているわけではありません。

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